第50回青森県漁村青壮年女性団体活動
実績発表大会資料
平
成
21
年
1
月
目
次
1
次
第
… … …
1
2
開 催 要 領
… … …
2
3
発表課題
(1)漁業体験事業「漁船で行GO!」への取り組み
−ブルーツーリズムで浜の活性化を−
平内町漁業協同組合
平 内 町 漁 業 連 合 研 究 会
土 屋 支 部
山 崎
義 仁
… … … …
5
(2)ホッキガイ(ウバガイ)操業の協業化
− 漁 師 の 所 得 U P を 目 指 し て −
百石 町 漁 業 協 同 組 合
小 型 船 部 会
北 向
清 吉
… … …
1 2
(3)清流赤石川物語
−地域資源を活用した活動−
赤 石 水 産 漁 業 協 同 組 合
内 水 面 振 興 部 会
前 田
崇 文
… … …
1 7
( 4 ) 津 軽 海 峡 産 地 ま き ホ タ テ ガイ 、 3 0 年 目 の 新 た な 挑 戦
− 安定生産と評価向上に向けて−
野 牛 漁 業 協 同 組 合
野 牛 漁 業 研 究 会
二本
起規
… … …
2 3
(5)碧い海と地域のために
− 創立50年目を迎えて−
第50回青森県漁村青壮年女性団体活動実績発表大会
次
第
日 時:平成 21 年 1 月 14 日(水)13 時∼16 時 30 分
場 所:県民福祉プラザ
4階
県民ホール
1
開
会
13 時 00 分
2
知
事
挨
拶
3
来
賓
祝
辞
4
名誉漁業士贈呈式・漁業士認定式
13 時 15 分
5
青森県水産賞授与式
13 時 30 分
社団法人
青森県水産振興会
6
活動実績発表
13 時 45 分
7
審
査
15 時 00 分
8
講
評
16 時 00 分
9
表
彰
式
10
閉
会
16 時 30 分
第50回青森県漁村青壮年女性団体活動実績発表大会開催要領
(目
的)
第1
県内漁村青壮年女性団体の代表者が一堂に会し、活動実績の発表を通して知識の
交換と活動意欲の向上を図り、沿岸漁業の振興及び漁村生活改善等に寄与すること
を目的とする。
(主
催)
第2
大会の主催は青森県とする。
(参集範囲)
第3
参集範囲は県内の漁村青壮年女性団体員、漁業協同組合員、市町村水産担当者等
の水産関係者とする。
(会
場)
第4
活動実績発表大会は県民福祉プラザ( 青森市中央3丁目) とし、漁業技術検討会は
青森県庁西棟8階大会議室とする。
(開催時期)
第5
開催時期は平成21年1月14日( 水) ∼15日( 木) とする。
(行
事)
第6
行事及び時間等は次のとおりとする。
月
日
時
間
行
事
場
所
備
考
1月14日( 水)
13: 00
13: 15∼13: 30
13: 30∼13: 45
13: 45∼15: 00
15: 00∼16: 00
16: 00∼16: 30
16: 30
開
会
名誉漁業士贈呈式
漁業士認定式
水産賞授与式
(水産振興会)
活動実績発表
審査等
講評、表彰式
閉
会
県民福祉プラザ
(県民ホール)
発表時間
15 分/1 人
5 課題
1月15日( 木)
9: 30∼12: 00
漁業技術検討会
青森県庁西棟8階
大会議室
(審査及び表彰)
第7
審査及び表彰は次のとおりとする。
(1)活動実績発表については審査を行い、優秀者及び優良者を決定し表彰状を授与
する。
(2)審査の基準については別に定める。
(審査委員の構成)
第8
審査委員の構成は次のとおりとする。
審 査 委 員 長
青森県農林水産部水産局長
坪
田
哲
審査副委員長
青森県農林水産部次長
田
中
孝
明
審
査
委
員
青森県漁業協同組合連合会代表理事会長
植
村
正
治
青森県信用漁業協同組合連合会専務理事
長谷川
公
康
青森県水産業改良普及会長
澤
田
繁
悦
青森県漁業士会長
山
下
幸
彦
青森県漁協女性組織協議会長
熊
谷
ヒサ子
青森県農林水産部水産局水産振興課長
宝
多
森
夫
青森県漁港漁場整備課長
高
松
俊
明
青森県農林水産部総合販売戦略課長
平
舘
稔
彦
青森県水産総合研究センター所長
柞木田
善
治
青森県水産総合研究センター増養殖研究所長
平
野
忠
青森県水産総合研究センター内水面研究所長
須
川
人
志
青森県ふるさと食品研究センター所長
田
畑
金
廣
青森県ふるさと食品研究センター
下北ブランド研究開発センター所長
長
津
秀
二
(司会及び助言者)
第9
司会及び助言者は次のとおりとする。
活動実績発表大会司会
三八地域県民局地域農林水産部
八戸水産事務所普及課長
佐
藤
晋
一
漁業技術検討会司会
西北地域県民局地域農林水産部
鰺ヶ沢水産事務所普及課技師
今
村
豊
漁業技術検討会助言者
青森県農林水産部水産局長
坪
田
哲
青森県農林水産部水産局水産振興課長
宝
多
森
夫
青森県水産総合研究センター所長
柞木田
善
治
青森県水産総合研究センター増養殖研究所長
平
野
忠
青森県水産総合研究センター内水面研究所長
須
川
人
志
青森県ふるさと食品研究センター所長
田
畑
金
廣
青森県ふるさと食品研究センター
下北ブランド研究開発センター所長
長
津
秀
二
青森県水産業改良普及会長
澤
田
繁
悦
青森県漁業士会長
山
下
幸
彦
(発表課題、団体名及び発表者)
第 10
発表課題、団体名及び発表者は次のとおりとする。
課題名 発表者
1
漁業体験事業「漁船で行GO!」への取組み
−ブルーツーリズムで浜の活性化を−
平内町漁業協同組合
平内町漁業連合研究会土屋支部
山 崎 義 仁
2
ホッキガイ(ウバガイ)操業の協業化
−漁師の所得UPを目指して−
百石町漁業協同組合小型船部会
北 向 清 吉
3
清流赤石川物語
−地域資源を活用した活動−
赤石水産漁業協同組合
内水面振興部会
前 田 崇 文
4
津軽海峡産地まきホタテガイ、30年目の新たな挑戦
−安定生産と評価向上に向けて−
野牛漁業協同組合
野牛漁業研究会
二本 起 規
5
碧い海と地域のために
−創立50年を迎えて−
奥戸漁業協同組合女性部
野 崎 和 歌
漁 業 体 験 事 業 「 漁 船 で 行 G O ! 」 へ の 取 組 み
― ブ ル ー ツ ー リ ズ ム で 浜 の 活 性 化 を ―
平 内 町 漁 業 協 同 組 合 平 内 町 漁 業 連 合 研 究 会
土 屋 支 部 山 崎
や ま ざ き 義 よ し
仁 ひ と
1 . 地 域 の 概 況
私 た ち の 住 む 平 内 町 は 、 青 森 県 の ほ ぼ 中 央 に 位 置 し 西 は 県 都 青 森 市 に 、 東 は 下 北 半
島 へ の 交 通 の 要 で あ る 野 辺 地 町 に 隣 接 し て い る 。 ま た 、 町 の 北 方 は 陸 奥 湾 に 夏 泊 半 島
が 突 き 出 し て お り 美 し い 海 と 山 に 囲 ま れ て い る 。 当 町 は 浅 虫 夏 泊 県 立 自 然 公 園 や 夜 越
山 森 林 公 園 を 抱 え 、 県 内 有 数 の 観 光 地 で 四 季 を 通 じ て 観 光 客 が 多 い 。 特 に 夏 泊 半 島 に
は 特 別 天 然 記 念 物 「 小 湊 の ハ ク チ ョ ウ 及 び そ の 渡 来 地 」 で 知 ら れ る 浅 所 海 岸 や 、「 ツ バ
キ 自 生 北 限 地 帯 」 と し て 天 然 記 念 物 の 指 定 を 受 け た ヤ ブ ツ バ キ の 咲 く 椿 山 、 裾 野 に 広
が る 椿 山 海 岸 は 「 日 本 の 渚 ・ 百 選 」 に 選 ば れ る な ど 風 光 明 媚 な 町 で あ る 。 当 町 の 基 幹
産 業 は 、 水 稲 を 中 心 と し た 農 業 と ホ タ テ ガ イ 主 体 の 漁 業 で あ り 、 特 に 養 殖 ホ タ テ ガ イ
発 祥 の 地 と し て 、 総 延 長 48k m に 及 ぶ 海 岸 線 を 利 用 し た ホ タ テ ガ イ 養 殖 が 産 業 の 中 心
と な っ て 発 展 し た 。 近 年 で は 、 養 殖 ホ タ テ ガ イ の 生 産 量 は 日 本 一 を 誇 っ て お り 「 ホ タ
テ の 町 」 と し て 知 ら れ て い る 。 土 屋 地 区 は 平 内 町 の 一 番 西 側 に 位 置 し 、 青 森 市 に 隣 接
し て い る 。
55%
4%
41%
土屋 以外の 平内町 土屋
平内 以外の 青森県
青森県 100,987トン
図 - 1 平 内 町 漁 協 と 区 画 漁 業 権 図 - 2 ホ タ テ ガ イ 生 産 量 の 構 成 ( H 19)
2 . 漁 業 の 概 要
私 た ち の 所 属 す る 平 内 町 漁 業 協 同 組 合 は 、 昭 和 45 年 3 月 に 東 平 内 、 小 湊 、 東 田 沢 、
西 平 内 第 一 、 茂 浦 、 西 浜 の 6 漁 協 が 合 併 し て 発 足 し た 。 本 所 を 、 白 鳥 の 飛 来 す る 浅 所
海 岸 の す ぐ そ ば に 設 置 し 、 従 来 の 6 漁 協 は そ れ ぞ れ 清 水 川 、 小 湊 、 東 田 沢 、 浦 田 、 茂
浦 、土 屋 の 6 支 所 と し て 活 動 し て い る 。平 成 19 年 12 月 末 現 在 の 組 合 員 数 は 955 名( 正
組 合 員 797 名 ・ 准 組 合 員 158 名 ) で 、 そ の 多 く は ホ タ テ ガ イ 養 殖 業 を 営 ん で お り 、 近
年 で は 漁 獲 量 が 30, 000∼ 50, 000 ト ン 、 漁 獲 金 額 で は 43∼ 74 億 円 で 推 移 し て い る 。
平 内 町 漁 協 の 平 成 19 年 の 販 売 取 扱 高 は 数 量 が 45, 309 ト ン 、 金 額 が 4, 959 百 万 円 と
な っ て お り 、 こ の う ち ホ タ テ ガ イ が 数 量 で 99% 、 金 額 で 85% を 占 め 、 県 全 体 の ホ タ テ
ガ イ に 占 め る 割 合 は 数 量 が 45% 、 金 額 が 44% と ホ タ テ ガ イ の 主 産 地 と な っ て い る 。 そ
の ほ か 、 マ ナ マ コ 、 カ レ イ 類 等 の 鮮 魚 や 活 魚 が 水 揚 げ さ れ て い る 。
土 屋 支 所 は 組 合 員 数 78 名 ( 正 組 合 員 68名 ・ 准 組 合 員 10 名 ) で 、 平 成 19 年 の 販 売
取 扱 高 は 数 量 が 4, 141 ト ン 、 金 額 が 450 百 万 円 で あ り 、 こ の う ち ホ タ テ ガ イ が 数 量 で
99% 、 金 額 で 87% を 占 め て い る 。 平 内 町 漁 協 の ホ タ テ ガ イ 取 り 扱 い に 占 め る 割 合 は 数
量 で 9% 、 金 額 で 9% と な っ て い る 。( 青 森 県 農 林 水 産 部 調 べ )
3 . 研 究 グ ル ー プ の 組 織 と 運 営
平 内 町 漁 業 連 合 研 究 会 は 、 昭 和 44 年 7 月 に 平 内 町 に 14 あ っ た 研 究 グ ル ー プ を 合 併
し て 設 立 し た も の で あ る 。 当 研 究 会 の 事 務 局 は 平 内 町 漁 協 の 指 導 部 指 導 課 に 置 き 、 下
部 組 織 と し て 各 支 所 に 6 支 部 を 設 け 研 究 会 活 動 を 行 っ て い る 。
当 研 究 会 の 基 本 方 針 は 各 関 係 機 関 と の 連 絡 を 密 に と り 、 平 内 町 漁 協 の 主 産 品 で あ る
ホ タ テ ガ イ に 関 す る 調 査 ・ 研 究 や 組 合 員 の 養 殖 作 業 に 係 る 技 術 改 善 に 取 り 組 ん で い る 。
ま た 、 近 年 で は 、 ホ タ テ ガ イ 以 外 に 、 ミ ネ フ ジ ツ ボ の 養 殖 や マ ナ マ コ の 天 然 採 苗 、
地 引 網 体 験 事 業 に よ る 周 辺 魚 族 の 調 査 、 平 内 町 漁 協 が 主 催 す る 「 ほ た て の ふ る さ と 体
験 ツ ア ー 」 へ の 協 力 等 の ブ ル ー ツ ー リ ズ ム 事 業 、 同 じ く 漁 協 主 催 の 「 ほ た て の 祭 典 」
等 の ホ タ テ ガ イ 消 費 宣 伝 イ ベ ン ト の 支 援 活 動 、 海 浜 清 掃 や E M 菌 散 布 な ど 浜 の 環 境 保
護 に も 取 り 組 ん で い る 。 こ れ ら の 活 動 は 各 支 部 か ら の 会 費 、 漁 協 か ら の 助 成 金 、 平 内
町 か ら の 補 助 金 、 一 部 事 業 は 青 森 県 水 産 業 改 良 普 及 会 よ り 助 成 を 受 け て 行 っ て い る 。
土 屋 支 部 は 会 員 数 13 名 で 、ミ ネ フ ジ ツ ボ 養 殖 試 験 や ホ タ テ ガ イ 天 然 採 苗 調 査 な ど に
取 り 組 ん で い る ほ か 、「 ほ た て の ふ る さ と 体 験 ツ ア ー 」 に お い て 、 平 成 11 年 か ら 参 加
者 の ホ タ テ 漁 業 体 験 を 毎 年 担 当 し て い る 。
4 . 研 究 ・ 実 践 活 動 課 題 選 定 の 動 機
土 屋 地 区 は 、 本 県 有 数 の 温 泉 旅 館 街 で あ る 浅 虫 温 泉 や 浅 虫 水 族 館 の あ る 青 森 市 浅 虫
地 区 に 隣 接 し 、 平 成 17 年 度 に は ホ タ テ ガ イ の 産 直 販 売 ・ 宣 伝 の 拠 点 と し て 「 ほ た て 広
場 」 が 設 置 さ れ 平 内 町 漁 協 が 運 営 し て い る 。
ま た 、平 成 22 年 12 月 の 東 北 新 幹 線 新 青 森 駅 開 業 に 向 け た 観 光 振 興 の 機 運 も 高 ま り 、
県 内 外 の 行 楽 客 を 対 象 に し た 水 産 物 消 費 宣 伝 活 動 も 含 め た ブ ル ー ツ ー リ ズ ム 活 動 の 環
境 が 整 っ て い る 。
そ こ で 、 土 屋 支 部 で は 、 平 成 19 年 度 か ら 、 平 内 町 、 浅 虫 温 泉 旅 館 組 合 、 県 の 協 力 を
得 て 、 地 産 地 消 と 浜 の 活 性 化 、 及 び 地 元 の 観 光 客 誘 致 を 図 る た め 「 漁 船 で 行 G O ! 」
を 実 施 し て い る 。
5 . 研 究 ・ 実 践 活 動 状 況 及 び 効 果
( 1 ) 先 進 地 研 修
ま ず 、 ブ ル ー ツ ー リ ズ ム の 先 進 地 で 勉 強 し よ う と 、 平 成 19 年 5 月 に 、 会 員 9 名 が
県 の 普 及 指 導 員 、 平 内 町 の 担 当 者 と 共 に 、 農 業 ・ 漁 業 の 体 験 事 業 で 実 績 を 上 げ て い
る 宮 城 県 南 三 陸 町 で 研 修 を 行 っ た 。
そ こ で は 、農 業 ・ 漁 業 体 験 事 業 を 運 営 し て い る 団 体 で あ る「 さ ん さ ん 館 」を 訪 ね 、
志 津 川 湾 で 、 実 際 に カ キ ・ ホ タ テ 養 殖 、 刺 し 網 の 体 験 を し 、 運 営 者 や 漁 業 体 験 を 担
当 し て い る 漁 業 者 ら と 様 々 な 意 見 交 換 を し 、 以 下 の よ う な 意 見 を 頂 い た 。
① 乗 船 客 自 ら に 漁 労 作 業 を さ せ 、 水 揚 げ さ れ る 水 産 物 を 理 解 し て も ら う 。
② 周 辺 の 民 宿 を 営 む 漁 業 者 と と も に 、 修 学 旅 行 客 を 積 極 的 に 受 け 入 れ て い る
( 廃 校 に な っ た 小 学 校 を 活 用 し た 宿 泊 施 設 「 さ ん さ ん 館 」 が あ る た め )。
③ あ く ま で も 本 業 の 漁 業 が メ イ ン で 、 漁 業 体 験 は 都 会 か ら 来 る 客 に 漁 業 と 自 然 を 楽
し ん で も ら い 、 漁 業 者 側 は 交 流 を 通 じ て 楽 し さ と 知 見 を 広 げ る 。
④ 収 入 的 に は 、 小 遣 い 程 度 に な れ ば よ い 。
と い う 考 え 方 で や っ て い る こ と を 伺 っ た 。
視 察 研 修 の 中 で 、 漁 業 体 験 の キ ー ポ イ ン ト は 、 漁 業 者 も 楽 し み な が ら 、 都 市 住 民
と の 交 流 を 通 じ て 自 分 た ち の 知 識 を 広 め て い く 、 と い う こ と を 学 ん だ 。
写 真 - 1 宮 城 県 南 三 陸 町 で の 先 進 地 研 修
( 2 )「 漁 船 で 行 G O ! 」 へ の 取 組 み 。
先 進 地 研 修 と 平 行 し て 、 平 成 19 年 5 月 か ら 「 漁 船 で 行 G O ! 」 を 開 始 し た 。
(19年 度 の 実 績 )
原 則 と し て 土 曜 日 、 月 1 ∼ 3 回 程 度 開 催 す る こ と と し 、 リ ハ ー サ ル や 漁 協 事 業
分 も 含 め 5 月 ∼10 月 の 間 に 1 0 回 開 催 し 、 利 用 者 は 合 計 95 名 で 約 半 数 が 県 外 客
で あ っ た 。
参 加 料 金 は 大 人 3,000 円 、 小 人 1,000 円 と し 、 実 施 担 当 ( 交 代 制 ) の 研 究 会 員 に
は 研 究 会 か ら 漁 船 1 隻 に 10,000 円 を 、 同 乗 す る 補 助 員 1 名 に 5,000円 を 支 出 し た 。
そ の 他 、 貝 焼 き 体 験 用 ホ タ テ ガ イ 仕 入 費 、 資 材 費 、 事 務 費 等 に 支 出 し て い る 。
( 実 施 メ ニ ュ ー ) ※ 利 用 者 は 3 日 前 ま で に 予 約 が 必 要
13:00: 平 内 町 土 屋 の ほ た て 広 場 に 集 合 、 広 場 2 階 で ホ タ テ 養 殖 に つ い て 説 明
13:20: 隣 接 の 土 屋 漁 港 か ら 漁 船 に 乗 船 平 内 町 土 屋 漁 港 を 出 港 し 漁 業 体 験
( ホ タ テ ガ イ 養 殖 と 刺 し 網 ま た は カ ゴ 漁 業 を 体 験 )
漁 船 1 隻 に 5 ∼ 1 0 名 乗 船 ( 最 大 5 隻 使 用 可 能 )
荒 天 時 は ほ た て 広 場 で ミ ニ チ ュ ア パ ー ル ネ ッ ト 作 成 体 験 、 ホ タ テ 貝 焼 き 体 験 等
15:00 漁 業 体 験 終 了
(20年 度 の 実 績 )
漁 協 事 業 分 も 含 め 6 月 ∼11 月 の 間 に 6 回 の 開 催 で あ っ た が 、 団 体 利 用 者 が 多 く 19年 度 の 1 . 3 倍 の 合 計 127 名 で 約 2/3 が 県 外 客 で あ っ た 。
参 加 料 金 は 、旅 行 社 等 の 斡 旋 経 費 等 が 加 わ っ た た め 、 大 人 3,500 円 、小 人 1,200 円 と し た 。
20 年 度 は 燃 料 費 高 騰 の た め 、 実 施 担 当 の 研 究 会 員 に は 研 究 会 か ら の 漁 船 1 隻 分
を 12,000 円 に 、 補 助 員 1 名 分 は 4,000 円 を 支 出 し た 。
2 年 間 の 利 用 者 222 名 の う ち 家 族 連 れ が 30 名 、団 体 を 含 め る と 小 学 生 が 33 名 で
あ っ た 。
収 支 的 に は ほ ぼ 均 衡 し て お り 、「 損 が 無 く 小 遣 い 稼 ぎ 程 度 」 で あ る が 、「 利 用 客
の 喜 ぶ 顔 が 利 益 分 」 と 言 え る 。
写 真 - 2 「 漁 船 で 行 G O ! 」 の 実 施 状 況
漁 船 で 行 G O ! の 始 ま り ホ タ テ ガ イ の 産 直 販 売 ・ 宣 伝 の 拠 点 ほ た て
広 場 か ら ス タ ー ト
広 場 前 に 集 合 、 受 付 2 階 で ホ タ テ ガ イ 養 殖 の 予 備 知 識 を 学 習
土 屋 漁 港 か ら 漁 船 に 乗 船 初 め て の 漁 船 に 楽 し そ う
い ざ 出 港 漁 場 を 目 指 す
ホ タ テ ガ イ 養 殖 漁 場 パ ー ル ネ ッ ト 中 の ホ タ テ ガ イ
貝 む き 体 験 と 試 食 カ ゴ 漁 業 の 水 揚 げ
刺 網 で 捕 れ た カ レ イ 、 カ ニ に 大 喜 び 鴎 島 で カ モ メ と し ば し 遊 ぶ
土 屋 漁 港 に 帰 港 ア メ リ カ 大 使 館 の 人 々 も 貝 む き 体 験
荒 天 で 漁 船 に 乗 れ な い と き に は ミ ニ チ ュ ア パ ー ル ネ ッ ト 作 り を 体 験
そ し て 、 ホ タ テ ガ イ 貝 焼 き 体 験 も あ り マ レ ー シ ア の 高 校 生 は 食 欲 旺 盛
( 3 ) 利 用 者 か ら の ア ン ケ ー ト 結 果 ( 主 な 項 目 )
・ 平 内 が ホ タ テ の 産 地 で あ る こ と を 知 っ て い た ・ ・ ・ 2 1 %
・ 楽 し か っ た ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 3 %
・ 料 金 は 高 く な い ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 8 %
・ ま た 来 た い ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 6 % な ど で あ っ た 。
6 . 波 及 効 果
1 年 目 は 平 内 町 や 浅 虫 温 泉 旅 館 組 合 の 支 援 に よ る 広 報 宣 伝 と 同 時 並 行 し て ス タ ー ト
し た た め 、 最 初 の 1、 2 回 は リ ハ ー サ ル や マ ス コ ミ 取 材 を か ね る 形 で 関 係 機 関 の 協 力 を
得 て 実 施 し 、そ の 後 、マ ス コ ミ の 報 道 や 広 報・口 コ ミ 効 果 で 利 用 申 し 込 み が 出 て き た 。
2 年 目 に な っ て シ ー ズ ン 前 か ら 他 県 を 含 む 道 の 駅 等 へ の ポ ス タ ー・チ ラ シ 配 布 等 の 広
範 囲 な 広 報 宣 伝 が 功 を 奏 し 、 利 用 者 、 特 に 団 体 の 増 加 が 見 ら れ た 。
し か し 、 一 般 の 人 々 の 漁 業 へ の 理 解 度 が ま だ ま だ 低 い こ と も 分 か っ た 。
前 述 の よ う に 2 年 間 の 利 用 者 222 名 の 中 で 家 族 連 れ が 30 名 、団 体 を 含 め る と 小 学 生
が 33 名 あ り 、 彼 ら に 楽 し く 漁 業 を 体 験 し て も ら い 、 美 味 し い ホ タ テ ガ イ を 味 わ っ て も
ら う こ と で 、 水 産 物 の 消 費 拡 大 は も と よ り 、 将 来 の 漁 業 へ の 良 き 理 解 者 の 育 成 と 水 産
物 の 食 育 活 動 の 一 翼 を 担 っ て い け る も の と 思 わ れ た 。
7 . 今 後 の 課 題
平 成 20 年 度 は 県 東 青 地 域 県 民 局 事 業 の「 東 津 軽 型 農 林 漁 業 体 験 モ デ ル 等 検 討 調 査 事
業 」 に よ り ア ド バ イ ザ ー の 指 導 ・ 助 言 を 受 け 、 問 題 点 や 課 題 等 の 把 握 を 行 っ て い る 。
そ し て 、 2 年 間 の 経 験 を 踏 ま え て 、 今 後 、 利 用 者 、 研 究 会 員 と も に 楽 し め 、 か つ 、 ホ
タ テ ガ イ 等 の 水 産 物 消 費 拡 大 に 貢 献 で き る よ り 良 い 運 営 シ ス テ ム の 確 立 を 目 指 し た い 。
ま た 、 各 研 究 会 員 が 利 用 客 に 対 し て わ か り や す く 解 説 す る 能 力 の レ ベ ル を 上 げ て 行
き た い 。
最 後 に 御 協 力 ・ 御 支 援 頂 い た 平 内 町 、 浅 虫 温 泉 旅 館 組 合 、 平 内 町 漁 業 協 同 組 合 、 県
関 係 機 関 の 皆 様 に 御 礼 申 し 上 げ る 。
写 真 - 3 チ ラ シ と 紹 介 記 事
ホ ッ キ ガ イ ( ウ バ ガ イ ) 操 業 の 協 業 化
− 漁 師 の 所 得 U P を 目 指 し て −
百 石 町 漁 業 協 同 組 合 小 型 船 部 会
北 向 き た む き
清 吉 せ い き ち
1 . 地 域 の 概 況
私 達 の 住 む お い ら せ 町 は 青 森 県 の 東 南 部 に 位 置 し 、
三 沢 市 、 六 戸 町 、 八 戸 市 に 隣 接 し て お り 、 東 に は 太 平
洋 を 望 み 、約 7k mの 海 岸 線 に は 砂 浜 が 広 が り 、台 地 に は
十 和 田 湖 を 源 流 と す る 奥 入 瀬 川 が 流 れ 、 県 内 有 数 の 白
鳥 飛 来 地 で あ る 間 木 堤 を 有 し て い ま す 。
ア メ リ カ の ニ ュ ー ヨ ー ク 市 と 同 じ 北 緯 40度 40分 に ち
な み 、 町 の シ ン ボ ル は 日 本 一 の 自 由 の 女 神 像 と な っ て
い る ほ か 、 長 寿 日 本 一 の 大 い ち ょ う や 遺 跡 な ど 、 歴 史
的 ・ 文 化 的 遺 産 も 多 く 見 ら れ 、 自 然 環 境 に 恵 ま れ た 地
域 と な っ て い ま す ( 図 1)。
図 1 お い ら せ 町 の 位 置
2 . 漁 業 の 概 要
百 石 町 漁 業 協 同 組 合 は 正 組 合 員 194名 、 准 組 合 員 3名 で す 。 主 な 漁 業 と し て は 小 型 定 置 網
漁 業 、 ホ ッ キ ガ イ 桁 網 漁 業 、 刺 網 漁 業 な ど が 行 わ れ て い ま す 。
図 2 に 百 石 町 漁 協 の 総 漁 獲 量 及 び
漁 獲 金 額 の 推 移 と ホ ッ キ ガ イ の 推 移
を 示 し ま し た 。 平 成 19年 の 漁 協 の 水
揚 実 績 は 、 数 量 で 845ト ン 、 金 額 で 2
億 5千 万 円 と な っ て い ま す 。
0 2 0 0 4 0 0 6 0 0 8 0 0 1 ,0 0 0
H1 0 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 1 9 (年) (トン)
0 1 2 3 4 5 (億 円 ) 総 漁 獲 量 ホッキガイ
総 水 揚 金 額 漁 獲 金 額
図 2 百 石 町 漁 協 の 漁 獲 量 の 推 移 こ の う ち ホ ッ キ ガ イ に つ い て は
303ト ン 、 7千 万 円 で あ り 、 数 量 で 全
体 の 36% 、 金 額 で 全 体 の 30% を 占 め
て い ま す 。
3 . 研 究 グ ル ー プ 組 織 と 運 営
私 た ち 小 型 船 部 会 ( 部 会 長 工 藤 徳 康 ) は 、 調 査 や 視 察 研 修 等 を 通 じ て 漁 業 に 関 す る 知
識 や 技 能 を 向 上 さ せ る と と も に 、 会 員 相 互 の 親 睦 及 び 操 業 の 秩 序 を 守 り 、 漁 船 漁 業 の 発 展
に 寄 与 す る こ と を 目 的 に 昭 和 51年 に 結 成 さ れ ま し た 。 現 在 31名 で 組 織 さ れ 、 会 の 運 営 は 会
費 の 他 、 漁 協 か ら の 助 成 金 な ど に よ り 賄 わ れ て い ま す 。
4 . 研 究 ・ 実 践 活 動 課 題 選 定 の 動 機
私 た ち の 地 域 で は 戦 前 か ら ホ ッ キ ガ イ 漁 業
が 行 わ れ て お り 、 百 石 町 漁 協 を 含 む 三 沢 市 か
ら 八 戸 市 ま で の 4漁 協 で 、ホ ッ キ ガ イ 資 源 の 適
正 な 管 理 と 価 格 維 持 を 目 的 と し て 「 北 浜 海 域
ほ っ き 貝 資 源 対 策 協 議 会 」を 結 成 し て い ま す 。
協 議 会 で は 毎 年 資 源 量 を 調 査 ( 図 3) し て 、
1日 の 漁 獲 数 量 を 制 限 す る な ど の 資 源 管 理 に
努 め た 結 果 、 現 在 は 良 好 な 資 源 状 態 を 維 持 し
て い ま す 。
図 3 資 源 量 調 査
し か し そ の 一 方 で 、 バ ブ ル 崩 壊 後 の 景 気 低 迷 な ど に よ る 長 期 的 な 魚 価 の 低 迷 に 加 え 、 近
年 の 燃 油 及 び 資 材 の 高 騰 に よ り 漁 業 者 の 所 得 は 減 少 傾 向 に あ り ま す 。
こ の こ と か ら 、 販 売 促 進 活 動 や 魚 食 普 及 、 地 産 地 消 を 行 う こ と に よ る 価 格 向 上 に つ い て
の 取 組 と 、 限 ら れ た 収 入 の 中 で い か に コ ス ト を 削 減 し て 所 得 UPに 繋 げ る か に つ い て 、 協 業
化 す る こ と に よ る 操 業 の 省 力 化 及 び 漁 業 経 営 の 合 理 化 に つ い て 取 組 ん だ 結 果 を 報 告 し ま す 。
5 . 研 究 ・ 実 践 活 動 状 況 及 び 成 果
( 1) 価 格 向 上 へ の 取 組
1) 販 売 促 進 イ ベ ン ト
私 達 は 、 こ れ ま で も ホ ッ キ ガ イ を 冬 場 の 特 産
品 と し て 県 内 外 に PRし 、 販 売 促 進 を 図 る た め
様 々 な 取 組 を し て き ま し た 。 以 前 は 他 地 域 へ の
キ ャ ン ペ ー ン が 主 体 で し た が 、 近 年 で は 地 産 地
消 の 動 き も あ り 、 町 役 場 と 協 力 し て 地 元 を 中 心
と し た 即 売 キ ャ ン ペ ー ン を 開 催 し 、 地 元 の 消 費
掘 起 し に も 力 を 入 れ て い ま す ( 図 4)。
図 4 販 売 促 進 イ ベ ン ト
2) 宅 配 便 に よ る ホ ッ キ ガ イ 直 売
漁 協 で は 既 存 の 販 売 ル ー ト の 他 に 、 県 内 外 に
PRす る た め 宅 配 便 に よ る 直 売 を 実 施 し て お り 、
宅 配 は 漁 期 間 中 で あ る 12月 か ら 3月 を 通 じ て 行
わ れ 、 電 話 及 び F AXに よ り 注 文 を 受 け て い ま す 。
地 元 消 費 を 拡 大 し な が ら 他 地 域 へ の キ ャ ン ペ
ー ン を 図 る 事 を 狙 い に 始 め た 活 動 で す が 、 午 前
中 に 水 揚 げ さ れ た も の を そ の 日 の 午 後 に 発 送 で
き る と い う 鮮 度 の 良 さ と 、 直 売 な ら で は の 値 段
で 好 評 を 得 て い ま す 。 図 5 水 産 教 室
こ の 他 、地 元 小 学 生 を 対 象 と し た ホ ッ キ ガ イ の 水 産 教 室( 図 5)を 開 く な ど 地 道 で は あ
り ま す が 、 こ う し た 活 動 が 今 後 の 価 格 向 上 や 北 浜 海 域 の ホ ッ キ ガ イ 知 名 度 の 向 上 に 繋 が
る と 考 え て い ま す 。
( 2) コ ス ト 削 減 へ の 取 組
1) 「 5艘 1艘 」 の 操 業 体 制 へ の 移 行
北 浜 海 域 で は 、 ホ ッ キ ガ イ の 採 捕 に は
「 噴 流 式 マ ン ガ ン 」( 図 6) と い う 桁 網 が 使
用 さ れ 、 現 在 の 操 業 体 制 は 主 に 3人 1組 で 行
う の が 基 本 と な っ て い ま す 。
平 成 10年 以 前 は 個 人 毎 に 営 ま れ 、 各 漁 業
者 が 作 業 員 を 雇 っ て 操 業 す る 形 態 が 続 い て
い ま し た が 、 ホ ッ キ ガ イ 単 価 の 低 迷 ( 図 7)
や 資 源 管 理 の 観 点 か ら 漁 獲 量 を 増 や す こ と
に よ る 収 入 UPを 図 る こ と が 出 来 な い た め 、
平 成 11年 以 降 、 地 元 の 呼 称 で 「 2艘 1艘 」 と
い う 1隻 に 漁 業 者 が 2人 乗 組 ん で 行 う 共 同 操
業 の 体 制 に よ り 、 省 力 化 及 び 経 営 の 合 理 化
を 図 っ て き ま し た 。
0 2 0 0 4 0 0 6 0 0 8 0 0 1 ,0 0 0
3 5 7 9 1 1 1 3 1 5 1 7 1 9
H
平
均
単
価
(
円
/
k
g
)
図 6 噴 流 式 マ ン ガ ン
図 7 ホ ッ キ ガ イ 平 均 単 価 の 推 移 し か し 、 そ の 後 も 単 価 は 一 向 に 上 昇 す る
気 配 が な く じ わ じ わ と 減 少 し 続 け て い る こ
と 、 更 に は 燃 油 高 騰 も 重 な っ た こ と か ら 更
な る 省 力 化 と 合 理 化 が 必 要 と な り ま し た 。
省 エ ネ ル ギ ー 化 の 推 進 は 、 漁 船 の 省 エ
ネ ・ 省 人 ・ 省 力 化 及 び 新 た な 操 業 形 態 で 行
う こ と に よ り 可 能 と な る こ と か ら 、 ど の よ
う な 取 組 が 出 来 る の か を 検 討 し た 結 果 、 以
下 の こ と が 考 え ら れ ま し た 。
① 漁 船 の 省 エ ネ に つ い て は 、 新 た な 技 術 を 取 入 れ た 船 や 設 備 の 導 入 と な り 、 設 備 投 資
な ど が 必 要 と な る た め 、 推 進 抵 抗 の 軽 減 ( 船 体 や プ ロ ペ ラ の 清 掃 ) や 航 行 時 の エ ン
ジ ン 回 転 数 抑 制 を 行 う こ と 。
② 「 2艘 1艘 」 の 共 同 体 制 か ら 「 5艘 1艘 」 に し 、 新 た な 操 業 形 態 に す る こ と で 省 人 ・ 省
力 化 が 図 ら れ 、 経 営 の 合 理 化 が 出 来 る こ と 。
次 に 、 協 業 化 す る に あ た り 以 下 の こ と が 課 題 と し て 考 え ら れ ま し た 。
① あ る 程 度 資 源 が 豊 富 に あ る こ と
② 1日 の 漁 獲 規 制 を 設 け る こ と
③ 船 頭 意 識 の 強 い 漁 業 者 同 士 の グ ル ー プ づ く り
① に つ い て は 資 源 調 査 を 行 う こ と で 資 源 量 の 把 握 に 努 め て い た こ と 、 ② は 協 議 会 に よ
り 漁 獲 規 制 を 行 っ て い る こ と で 資 源 も 十 分 に あ る こ と か ら 、 い わ ゆ る 「 漁 師 の 腕 」 に 左
右 さ れ る こ と は ほ と ん ど あ り ま せ ん で し た 。 1番 問 題 と な っ た の が ③ で す 。
沿 岸 漁 業 で は 個 人 操 業 を す る 場 合 が 多 い た め 、 個 々 の 漁 業 者 は 「 自 分 が 社 長 」 や 「 自
分 の 船 と 腕 で 勝 負 す る 」 と い っ た 意 識 が 非 常 に 強 く 、「 同 じ 船 に 船 頭 が 2人 い て は な ら な
い 」 と 言 わ れ る よ う に 、 他 の 漁 業 者 と 共 同 で 操 業 す る こ と に 非 常 に 抵 抗 を 感 じ る こ と が
多 く 、 実 際 に 「 2艘 1艘 」 で 2人 1組 に す る だ け で も 大 変 苦 労 し ま し た 。
こ の た め 、 部 会 で の 会 議 で も 「 誰 と 誰 が グ ル ー プ を 組 め ば よ い の か 」 や 「 操 業 す る 際
に 誰 の 船 で 操 業 す る の か 」 と い っ た 声 が 上 が り 、 数 回 の 会 議 で は と て も ま と め る こ と は
出 来 ま せ ん で し た 。 し か し 、 こ れ ま で の 「 2艘 1艘 」 の 経 験 や コ ス ト 削 減 に 対 す る 漁 業 者
の 意 識 が 高 ま っ て い た こ と も 手 伝 っ て 、 何 と か 「 5艘 1艘 」 の 体 制 を 平 成 19年 漁 期 か ら ス
タ ー ト す る こ と が 出 来 ま し た 。
2) 協 業 化 に よ る 操 業 の 省 力 化
共 同 操 業 に よ り 、1隻 の 船 に 3人 の 漁 業 者 が 乗 組 み 、残 り 2名 の 漁 業 者 が 陸 上 で 選 別 作 業
な ど を 行 う こ と で 、 よ り 品 質 の 良 い ホ ッ キ ガ イ を 市 場 に 提 供 で き る 体 制 が 可 能 と な り ま
し た 。 こ れ に よ り 、 病 気 や 怪 我 な ど の 場 合 で も 輪 番 制 を 導 入 す る こ と に よ り 安 定 し た 収
入 が 得 ら れ る よ う に な っ た こ と か ら 、 省 人 ・ 省 力 化 が 図 ら れ 、 省 エ ネ ル ギ ー 化 の 新 た な
操 業 体 制 で 行 う こ と が 出 来 ま し た 。
3) 協 業 化 に よ る 漁 業 経 営 の 合 理 化
共 同 操 業 に よ り 1隻 の 船 で 5隻 分 の 漁 獲 を 行 う こ と で 、個 人 操 業 と 比 較 し 約 7割 の 燃 油 使
用 量 を 削 減 ( 図 8) 出 来 ま し た 。
ま た 、収 入 の 約 5割 を 占 め て い た
経 費 の う ち 、 燃 油 代 や 整 備 費 用 、
人 件 費 な ど 、 経 営 体 を ま と め る こ
と で 約 7割 が 所 得( 図 9)と な り 、1
経 営 体 あ た り 約 35万 円 の 所 得 向 上
に 繋 が り ま し た 。
0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0
H8 H1 8 H1 9 (年 ) (KL)
0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 (円 ) 燃 油 使 用 量
燃 料 単 価 の 推 移
協 業 化 を 行 っ た こ と に よ り 国 の
補 助 を 受 け 、 1式 約 231万 円 の 「 噴
流 式 マ ン ガ ン 」 を 導 入 す る こ と が
出 来 た こ と な ど 、 個 人 毎 で は か な
り の 負 担 を 強 い ら れ る 設 備 投 資 が
図 8 漁 協 に お け る 漁 期 間 中 の 燃 油 使 用 量
及 び 免 税 軽 油 の 単 価 の 推 移 可 能 に な る と と も に 、 維 持 管 理 費
用 な ど が 、 経 営 体 を ま と め る こ と
15 0%
20% 40% 60% 80% 100%
H8 H18 H19 (年)
販売手数料
整備費用
資材代
燃油代
人件費
所得
に よ り 大 幅 に 軽 減 さ れ ま し た 。
16 6 . 波 及 効 果
( 1) 海 難 事 故 防 止
ベ テ ラ ン の 漁 業 者 と 若 手 の 後 継 者 で グ ル ー プ を 組 ん で 乗 組 み 、 お 互 い に 声 を 掛 合 う こ
と で 漁 船 の 海 難 事 故 防 止 に 繋 が っ て い ま す 。
( 2) 衝 突 事 故 防 止
漁 船 の 出 漁 隻 数 の 減 少 に 伴 い 、 狭 い 漁 場 を 奪 い 合 う こ と も な い た め 衝 突 事 故 防 止 に も
繋 が っ て い ま す 。
( 3) 経 営 意 識 の 浸 透
ど れ だ け 魚 を 獲 っ た の か と い う こ と で は な く 、 ど れ だ け 手 元 に お 金 を 残 せ る か が 大 切
と い う 経 営 意 識 が 漁 業 者 に 浸 透 し ま し た 。
7 . 今 後 の 課 題
こ れ ま で 長 年 に わ た り 販 売 促 進 活 動 な ど 様 々 な 取 組 を 行 っ て き ま し た が 、 価 格 向 上 に 結
び つ い て い る と は 言 え ま せ ん 。 し か し 、 こ れ で 諦 め る こ と な く PR活 動 を 続 け 、 消 費 者 に 対
し 定 着 さ せ て い く こ と に よ り 、 販 路 拡 大 に 繋 が る と 考 え て い ま す 。
当 漁 協 で は ホ ッ キ ガ イ 操 業 で の み 協 業 化 を 行 っ て い ま す が 、 こ れ ま で の 取 組 結 果 か ら 他
の 漁 業 種 類 で の 取 組 に つ い て 今 後 検 討 し て い く 必 要 が あ る と 考 え て い ま す 。
こ れ ま で の 活 動 に 対 し 多 大 な ご 指 導 、 ご 支 援 を 頂 い た 関 係 者 の 方 々 に 御 礼 を 申 し 上 げ る
清
流
赤
石
川
物
語
―地域資源を活用した活動―
赤石水産漁業協同組合内水面振興部会
前田 まえだ
崇 たか
文 ふみ
1.地域の概況
私達の住む鰺ヶ沢町は青森県の西部に位置し東西22
km、南北40kmで山・川・海の三拍子揃った自然に
恵まれた人口12,000人余りの町です。
山では、世界自然遺産に指定されたブナの原生林であ
る白神山地、川ではアユとサケが遡上する河川として赤
石川など、海は町の重要な産業である漁業資源を生み出
す日本海を抱えています。 ( 資料:鰺ヶ沢HPより)
一方、赤石地区には津軽藩発祥の地としての「種里城址」、日本の滝百選にも選ばれた「くろ
くまの滝」等があり、観光客を誘引する環境が整っています。
17 2.漁業の概要
私達の所属する赤石水産漁業協同組合は、正組合員4
0名、准組合員374名で構成され、海面と内水面の漁
業権を有している。
海面漁業の主な漁業は底建網漁業で、ヤリイカやヒラ
メ、カレイ等を漁獲している。その他には小規模ながら採介藻漁業や刺網漁業が行なわれている。
図 - 1 赤 石 水 産 漁 協 の 漁 獲 状 況
0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0
5年
10 年
15 年
19 年
漁 獲 量 ト ン
0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 1 2 0 1 4 0 1 6 0 1 8 0
金 額 百 万 円
漁 獲 量 トン 金 額 百 万 円
平成19年の漁獲量は63トン、金額では45百万円で、ヤリイカ・ヒラメが占める割合は数
量で42%、金額で61%と高くなっている。
3.研究グループ組織と運営
私達の内水面振興部会は、昭和59年に会員25名で結成した。
事業は、漁協から委託を受けたイトウ養殖、アユ、サケの種苗生産と放流及びヤマメの放流な
どへの協力、また、赤石川流域活性化のために他の組織と連携して活動を行なっている。
4.研究・実践活動課題の選定と動機
私達が活動の場としている赤石川は、イトウの養殖場やアユやサケが遡上する河川として、ま
た、ヤマメ・イワナ・カジカなどが棲む渓流魚の宝庫でもあり、特にアユは「金アユ」として珍
重され、多数の遊漁者が釣りを楽しむ河川となっている。
を受け、また、サケの種苗生産も含めて当内水面振興部会で活動をすることになった。また、ヤ
マメの放流事業に協力するとともに、地域資源を活用したアユ釣大会・渓流祭りなどのイベン
トに他組織と連携して、赤石川活性化のための活動を行っている。
私達の活動は、平成4年1月に「イトウの養殖」、平成16年 1 月に「種苗生産の取組み」を
本大会で報告したが、その後の活動について改めて報告する。
5.研究・実践活動状況及び効果
(1)イトウ養殖活動について
イ ト ウ 養 殖 は 昭 和 6 0 年 か ら 始 ま
っ て 以 来 2 3 年 間 に 亘 り 活 動 し て い
るが、最近の採卵並びに1歳魚の飼育
尾数を図2に示した。
採卵数は2万粒から4万粒、稚魚は
1千尾から8千尾を生産出来るようになった。
販売サイズは、養殖開始当初2kgサイズであったが、最近は1.5kgサイズが売れ筋と
なり、販売サイズの小型化で、飼育期間が短縮したので効率的な経営が出来る事になった。
販売価格は、当初6,000円/ kgであったが、現在は2,000円/ kg安い4,000
円/ kgで販売している。
養殖開始時と最近の販売尾数と販売額の状況を図3に示した。
養殖開始時と比べ販売尾数や販売額は伸びており、20年度の販売額は10月末現在で80
0万円程で過去最高の水準となっている。
販売先は町の特産品として県内外に、しかし、ここ1∼2年は地元での需要も高まっている。
18 (2)アユの種苗生産と放流
赤石川のアユは「金アユ」として珍重され、県内外でその評価は高いものとなっている。こ
のため、鰺ヶ沢町では「金アユ」の資源増大
を図るため、平成8年度から11年度にアユ
の飼育関連施設を整備した。私達は町からの
委託を受けて飼育管理の活動を行なった。
1)アユの採卵数と配付(生産)状況
アユは秋に採卵し翌年の初夏に関係河
川に配付しているが、採卵数と配付状況を
0 5 1 0 1 5 2 0 2 5 3 0 3 5 4 0 4 5
元 年2年 3年 16年 17年 18年 19年 20年 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0
採卵数 千粒 稚魚生産尾数 千尾
図 - 2 イ ト ウ の 採 卵 数 と 稚 魚 生 産 状 況
採
千 粒
稚 魚 生 産 尾 数 千 尾
0 5 0 0 1 , 0 0 0 1 , 5 0 0 2 , 0 0 0 2 , 5 0 0 3 , 0 0 0 3 , 5 0 0
元 年2 年 3 年 1 6 年 1 7 年 1 8 年 1 9 年 2 0 年 0 1 , 0 0 0 2 , 0 0 0 3 , 0 0 0 4 , 0 0 0 5 , 0 0 0 6 , 0 0 0 7 , 0 0 0 8 , 0 0 0 9 , 0 0 0
販売尾数 販売額千円
図 - 3 イ ト ウ の 販 売 尾 数 と 販 売 額( 2 0 年 は 1 0 月 末 現 在 ) 販
売 尾 数 尾
販 売 額 千 円
卵 数
0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0 5 0 0 6 0 0 7 0 0
9 年
10 年
11 年
12 年
13 年
14 年
15 年
16 年
17 年
18 年
19 年
20 年
0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0 5 0 0 6 0 0
採卵数(万粒)
配付(生産)尾数 千尾 千 尾 万
粒
図4に示した。ここ 3 年程前からは県内からの要望もあり、
生産目標を卵で600万粒、6gサイズの放流用稚魚を5
0万尾、釣用のオトリアユや食用販売、親魚用として18
cmサイズを5万尾を目途とした。これに対する生産は、
平成9年は卵で150万粒採卵、4.8万尾の稚魚を生産
した。最近は卵で600万粒、稚魚で50万尾を生産し目
標を達成している。
2)放流用稚魚の配付状況
放流用稚魚の配付状況を図5に示した。地元赤石川への配付は平成9年から13年まで1
0万尾以下であったが、15年以降は13万尾程度に増えている。
一方、15年以降県内関係河川の漁協からの要望もあり町外にも配付し、当初は12万尾
前後の配付であったが、18年以降は30万尾台と大幅に増えた。
以上、赤石川では人為的な増殖で資源造成をしている一方、漁協では天然資源の増大を図
るため、図6のとおり産卵期の9月1日から9月30日までの期間禁漁区を設定している。
「金アユの里」として赤石川に遊漁者を呼び込んでいるが、図7に遊漁券の販売状況を示
した。販売遊漁券は年券と日券の2種類で、その販売枚数は増加傾向にある。
図 - 5 ア ユ 放 流 用 稚 魚 の 配 付 状 況 0
100 200 300 400
9年 10
年 11
年 12
年 13
年 14
年 15
年 16
年 17
年 18
年 19
年 20
年
町 内 放 流 尾 数 千 尾 内 赤 石 川 放 流 分 千 尾 町 外 配 付 尾 数 千 尾
千 尾
19
図 - 8 赤 石 川 サ ケ 遡 上 尾 数 と 放 流 稚 魚 数
0 5 0 0 1 , 0 0 0 1 , 5 0 0 2 , 0 0 0 2 , 5 0 0 3 , 0 0 0 3 , 5 0 0 4 , 0 0 0 4 , 5 0 0 5 , 0 0 0
1 0 年1 1 年1 2 年1 3 年1 4 年1 5 年1 6 年1 7 年1 8 年1 9 年 0 1 , 0 0 0 2 , 0 0 0 3 , 0 0 0 4 , 0 0 0 5 , 0 0 0 6 , 0 0 0 7 , 0 0 0 8 , 0 0 0 9 , 0 0 0
遡上尾数 尾 放流尾数 千尾
遡 上 尾 数 尾
放 流 尾 数 千 尾
図 - 7 赤 石 川 に お け る 遊 漁 券 販 売 状 況
0 5 0 0 1 , 0 0 0 1 , 5 0 0 2 , 0 0 0 2 , 5 0 0 3 , 0 0 0
1 3 年 1 4 年 1 5 年 1 6 年 1 7 年 1 8 年 1 9 年 0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0
日券 年券
日 券 枚
年 券 枚
(3)サケの種苗生産とヤマメの放流
漁協では、サケのふ化放流も行ないその活
動は、サケが遡上する10月から稚魚を放流
する3月までである。
赤石川に遡上した親の尾数と放流稚魚の
状況を図8に示した。昨年の遡上尾数は平成
放流は体重0.6gから1gサイズを目安に順次放流しているが、赤石川以外には町内にあ
る河川と試験事業である海中飼育用に供出している。毎年の放流尾数は1,100万尾である
が、昨年赤石川には800万尾放流した。
また、地元小学校の2校の児童にはサケの採卵・体験放流やサケの生態・生活史などの勉強
会も行なっている。
ヤマメの放流は、毎年6月上旬に6gの稚魚を購入、放流して資源造成を図っている。
(4)他の組織との連携活動について
1)赤石地区漁業協同組合との連携
赤石川は当漁協と赤石地区漁業協
同組合の 2 漁協が内水面の漁業権を
有し、漁業権魚種であるアユ・ヤマメ
など連携して放流し、資源造成を
図っている。
また、アユの解禁前には遊漁者が
安心して楽しめるための河川清掃や
魚が棲める環境作りのため魚道清掃
を行い、赤石川の環境維持のための
活動を連携して行なっている。
2)赤石清流会の活動
赤石川の「金アユ」をこよなく愛す
るメンバーが、平成7年町内外の有志
42名で「赤石清流会」を結成した。
この組織の主な活動は、観光資源の顔
としての「金アユ」をPRしながら全
国アユ釣大会の東北地区予選会を毎年7月「赤石川金鮎友釣大会」として実施しており、赤
石川を舞台に山形県や岩手県など県外者の参加も含め約90名の釣り人で賑わっている。
3)赤石まちづくり委員会との連携
赤石まちづくり委員会は平成12年赤石
地区の17の町内会で、アユ、カジカ、ブナ
の実など地域にある資源を活用しながら、地
域活性化を図る目的で結成した。
この委員会と川の関わりは、例年10月の
紅葉時に赤石川の白神・大然河川公園で開催
する「赤石渓流祭り」で、当部会も委員会と連携しイベントを盛り上げている。
今年度は、天候も良く町内外から600人ほどが訪れ、アユの塩焼・天ぷら・カジカの唐
揚げなどを食し堪能していた。
21 4)鰺ヶ沢マリナーズとの連携
鰺ヶ沢町では、小学校4年生から6
年生の児童を対象に町の重要な産業
である漁業を知ってもらうため、漁業
体験グループ「マリナーズ」を結成し
ている。
この活動の一つとして、「金アユの里」である赤石川でアユ釣体験を行なっているが、こ
の活動も鰺ヶ沢町と連携して行なっている。海釣は町内の海岸などに行くと竿を下げる姿も
見えるが、川ではその姿も少なく「金アユの里」での釣体験は貴重な思い出となっている。
6.波及効果
町からの飼育委託を受けて生産活動しているイトウの販売は、当初と比べ伸びており、町の特
産品として県内外に出荷し、成果は上がっているところである。
アユの放流事業は内水面の振興はもとより、増加傾向にある遊漁者などを対象とした「金アユ
の里」を目指す赤石川を舞台にした一大イベントなどにアユ資源の活用を図ることで、地元観光
の活性化に繋っており、効果は大きなものとなっている。また、町外の河川にも放流用の稚魚を
安定して供給を行なっている。
一方、サケ増殖事業は赤石川での遡上親魚数や放流尾数が増え、遡上尾数の増加は、当漁協婦
人部が行なっているサケの加工原料として安定供給が出来るようになった他、地元小学校の児童
によるサケの採卵や放流の体験、そして勉強会を行なうことで教育的効果も大となっている。
当河川の漁業権を有している2漁協では、遊漁者や魚の棲める河川環境づくりのための連携強
化が図られている。
7.今後の課題
赤石川流域には「幻の魚イトウ養殖と販売」、「金アユの里」としアユ資源の造成、「サケ資源
の増殖事業」、イワナ、ヤマメ、カジカなどの生物資源、自然との触れあいが出来る山・川があ
遺産などの観光資源に恵まれている。
この恵まれた環境を維持するには、「清流赤石川物語」の原点である赤石川流域の資源活用を
「地道にそして今以上に」をモットーに、漁協は下より地区住民が一体となって赤石川の河川環
境を守りつつ、地域活性化の起爆剤となるために他組織との連携を強めながら活動を行なう必要
がある。
津 軽 海 峡 産 地 ま き ホ タ テ ガ イ 、 30 年 目 の 新 た な 挑 戦
― 安 定 生 産 と 評 価 向 上 に 向 け て ―
野 牛 漁 業 協 同 組 合 野 牛 漁 業 研 究 会
二 本 に ほ ん や な ぎ
起 規 た つ の り
1 . 地 域 の 概 要
東 通 村 野 牛 東 通 村 は 、 下 北 半 島 の 北 東 部 に 位 置 し 、 本 州 北
東 端 の 尻 屋 崎 を 境 に し て 東 は 太 平 洋 、 北 は 津 軽 海
峡 に 面 し た 約 65kmの 海 岸 線 が 広 が っ て い る 。 野 牛 の 地 名 は ア イ ヌ 語 の「 豊 漁 」を 意 味 す る「 ヌ
ウ シ 」 が 転 じ た も の と さ れ 、 遠 浅 の 海 岸 を 持 つ 野
牛 地 先 は 古 く か ら 好 漁 場 と な っ て い る 。
2 . 漁 業 の 概 要
図 − 1 東 通 村 の 位 置 図
私 た ち が 所 属 す る 野 牛 漁 業 協 同 組 合 は 昭 和 24 年 に 設 立 さ れ 、 入 口 、 野 牛 、 古 野 牛 川 、 稲 崎 の 4
地 区 の 漁 業 者 で 構 成 さ れ て い る 。 正 組 合 員 数 は
101 名 、 準 組 合 員 数 は 81 名 で あ り 、 主 な 漁 業 種
類 は 、 い か 釣 り 漁 業 、 定 置 網 漁 業 、 篭 漁 業 、 一 本
釣 り 漁 業 と な っ て い る 。 こ の 他 に 漁 協 自 営 事 業 と
し て 地 ま き ホ タ テ ガ イ の 増 殖 事 業 を 行 っ て い る 。
平 成 19 年 に お け る 漁 獲 量 は 3,133 ト ン 、 漁 獲 金
額 は 9億 8,644万 円 と な っ て い る 。
サケ 4% タコ類
8%
ホタテガイ 10%
スルメイカ 67% ヤリイカ
3%
その他 8%
漁獲金額 986百万円
魚 種 別 に み る と 、 漁 獲 量 で は ス ル メ イ カ が
2,412 ト ン と 最 も 多 く 、 次 い で ホ タ テ ガ イ 362 ト
ン 、 タ コ 類 145ト ン な ど と な っ て い る 。 ま た 、 漁 獲 金 額 で は 、 ス ル メ イ カ 6億 5,565 万 円 、 ホ タ テ ガ イ 1億 207万 円 、タ コ 類 8,122万 円 な ど と な っ て い る ( 図 −2)。
図 − 2 平 成 19 年 度 に お け る
魚 種 別 漁 獲 金 額 の 割 合
3 . 研 究 グ ル ー プ の 組 織 と 運 営
野 牛 漁 業 研 究 会 は 昭 和 38 年 に 設 立 さ れ 、現 在 の 会 員 数 は60 名 と な っ て い る 。こ れ ま で に 、 地 ま き ホ タ テ ガ イ の 増 殖 試 験 の ほ か 、 ア ワ ビ 中 間 育 成 試 験 、 コ ン ブ 増 殖 と ウ ニ の 身 入
り 向 上 試 験 等 の 活 動 を 行 っ て き た 。 こ の 他 、 漁 業 研 修 会 の 開 催 や 海 浜 清 掃 な ど の 漁 場 保 全
活 動 に も 取 り 組 ん で い る 。
4 . 研 究 実 践 活 動 課 題 選 定 の 動 機
図 − 3 放 流 用 稚 貝 の 積 込 み 野 牛 漁 協 の 地 ま き ホ タ テ ガ イ 増 殖 事 業 は 今 を 遡
る こ と 30年 前 、昭 和 53 年 に 当 研 究 会 が 実 施 し た 放 流 試 験 を き っ か け と し て い る 。 当 時 の 会 員 た ち
は 潮 流 の 速 い 津 軽 海 峡 に ホ タ テ ガ イ を 放 流 し て 本
当 に 回 収 で き る の か 、 不 安 に 感 じ な が ら も 稚 貝 を
放 流 し た 。2 年 後 の 昭 和55 年 漁 獲 さ れ た ホ タ テ ガ イ は 全 重 量 250g 以 上 に 成 長 し て お り 、 そ の 年 は 放 流 し た 貝 の 6割 近 く に 当 る ホ タ テ ガ イ が 漁 獲 さ れ た 。
当 時 の 研 究 会 員 た ち が 感 動 し た の は 、 そ の 大 き
さ と と も に 、 付 着 物 の 少 な い 美 し い 貝 、 津 軽 海 峡
の 速 い 潮 流 の 中 で 育 っ た 歯 ご た え の あ る 貝 柱 で あ
っ た 。 野 牛 地 先 は 遠 浅 の 砂 場 と な っ て お り 、 地 ま
き 貝 増 殖 に 適 し た 環 境 で あ る こ と が 明 ら か に な っ
た の で あ る 。
そ の 後 、 漁 獲 量 は う な ぎ 上 り に 増 加 す る 。 昭 和
62年 に は1,920ト ン 、4億4,000万 円 余 り に 達 し 、
漁 協 の 漁 獲 金 額 全 体 の 半 分 近 く を 占 め る よ う に な
っ た 。 し か し 、 規 模 拡 大 に 向 け て 放 流 数 を 増 加 さ
せ た こ と に 伴 い 、 貝 が 小 型 化 す る と い う 問 題 に 直
面 し た 。 棲 息 密 度 の 増 加 に よ り 、 相 対 的 な 餌 量 が
不 足 し た た め と 考 え ら れ た 。 そ し て 平 成 元 年 、 こ
れ ま で の 増 殖 事 業 を 根 底 か ら 揺 る が す よ う な 事 態
が 発 生 す る 。 野 牛 川 か ら 流 入 し た 大 量 の 土 砂 に よ
り 、 地 ま き ホ タ テ ガ イ が 壊 滅 的 な 被 害 を 受 け た の
で あ る 。 こ の 年 の 再 捕 率 は 4.5% 、 そ し て こ の 年 放 流 し た 貝 の 漁 獲 年 で あ る 平 成 3年 の 再 捕 率 は わ ず か 0.4% で あ っ た 。 そ の 後 も 漁 獲 は 低 迷 し 、 平 成 17年 に は 僅 か 16ト ン 、680万 円 余 り ま で 落 ち 込 ん だ 。 し か し 、 そ の 後 の 漁 獲 量 回 復 の た め の 取
り 組 み が 功 を 奏 し 、 平 成 19 年 の 漁 獲 量 は 360 ト ン に ま で 回 復 し た ( 図 −5)。
図 − 4 水 揚 げ さ れ た ホ タ テ ガ イ
0 50 100 150 200 250 300 350
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 年 400
450 500 漁獲量(トン)
0 20 40 60 80 100 120 漁獲金額(百万円)
漁獲量(トン) 漁獲金額(千円)
図 − 5 地 ま き ホ タ テ ガ イ の 漁 獲
量 と 漁 獲 金 額 の 推 移
し か し 、 近 年 は 漁 協 水 揚 げ の 多 く を 占 め て い る ス ル メ イ カ 、 サ ケ な ど 海 況 の 不 安 定 化 や
大 型 ク ラ ゲ の 来 遊 な ど に よ り 安 定 し た 水 揚 げ が 期 待 で き ず 、 ま た 、 燃 油 高 騰 な ど 将 来 の 漁
業 経 営 に 不 安 を 抱 え る 中 、 手 を か け れ ば 確 実 に 成 果 が 期 待 で き る 地 ま き ホ タ テ ガ イ へ の 期
待 が 高 ま っ て い る と こ ろ で あ る 。
そ こ で 、 今 回 は 津 軽 海 峡 産 地 ま き ホ タ テ ガ イ の 安 定 生 産 と 評 価 向 上 の た め に 行 っ て い る
取 り 組 み に つ い て 報 告 さ せ て 頂 き た い 。
5 . 研 究 実 践 活 動 状 況 及 び 効 果
( 1 ) 安 定 生 産 の た め の 取 り 組 み
25 1 ) 漁 場 の 設 定 と 漁 獲 方 法 の 検 討
野 牛 漁 協 で は 地 ま き ホ タ テ ガ イ 漁 場 を 3 分 割 し 、1 年 毎 の 輪 採 方 式 に よ り 漁 獲 し て い る 。 こ れ に よ り 適 正 な 漁 場 管 理 と 計 画 的
な 漁 獲 が で き る よ う に な っ た 。
放 流 用 の 種 苗 は む つ 湾 内 の 漁 協 か ら 購 入
し て い る 。 購 入 先 の 漁 協 に 出 向 き 、 稚 貝 の
状 態 等 の 話 を 聞 き な が ら そ の 年 の 種 苗 購 入
量 を 決 定 し 、放 流 計 画 を 立 て て い る 。ま た 、
放 流 前 に 種 苗 の 測 定 を 行 い 、 過 密 移 植 に な
ら な い よ う 単 位 面 積 当 た り の 放 流 枚 数 を 計 算
し 、6 枚 / ㎡ を 基 準 に 放 流 し て い る 。
図 − 6 水 中 カ メ ラ に よ る 資 源 量 調 査
漁 獲 は 放 流 2年 後 の6 月 上 旬 か ら8月 中 旬 ま で 桁 網 に よ り 行 っ て い る 。 漁 船 16 隻 が 8 隻 ず つ 1日 置 き に 操 業 を 行 い 、 1 隻 当 た り 約
500kg を 約 3時 間 で 漁 獲 し て い る 。 漁 獲 時 期
を 夏 季 に 限 定 し て い る こ と に つ い て 、 以 前 通
年 の 漁 獲 も 検 討 し た こ と が あ っ た が 、 成 熟 ・
産 卵 に 伴 い 貝 柱 の 歩 留 り が 低 下 し て し ま う こ
と が わ か り 、 野 牛 産 ホ タ テ ガ イ の 売 り で
あ る 大 き な 貝 柱 が 維 持 で き な く な っ て し ま う
と 考 え 、 夏 場 限 定 と す る 現 在 の 時 期 に 設 定 し た 。
図 − 7 桁 網 に よ る 資 源 量 調 査
2 ) 放 流 後 の 資 源 管 理
地 ま き 貝 増 殖 で は 、 放 流 さ れ た 貝 の 海 底 で の 状 態 が わ か り に く く 、 人 為 的 な 管 理 が 難
し い と い う 問 題 が あ る 。 そ こ で 、 放 流 後 の 資 源 状 態 を 把 握 す る た め 、 様 々 な 調 査 を 行 っ
て い る 。毎 年 10月 に は 水 中 カ メ ラ を 投 入 し 、生 残 状 況 や 海 底 の 状 況 を 調 査 し て い る( 図 −6)。 ま た 、 県 増 養 殖 研 究 所 の 協 力 に よ り 各 放 流 区 に お い て 桁 網 に よ る 資 源 調 査 を 実 施 し 、 翌 年 の 漁 獲 量 の 見 通 し も 立 て ら れ る よ う に な っ た ( 図 −7)。
さ ら に 、放 流 後 の 生 残 に 影 響 を 与 え る と 考 え ら れ る 水 温 変 化 を 把 握 す る た め 、( 独 )海
洋 研 究 開 発 機 構 の 協 力 で ホ タ テ 漁 場 に 自 記 式 水 温 計 を 設 置 し 、 水 深 別 の 詳 細 な 水 温 変 化
を 観 測 し た 。 そ の 結 果 、 ホ タ テ ガ イ 漁 場 で は 夏 場 に 水 温 の 低 下 す る 時 期 が あ り 、 し ば し
ば 海 底 側 に 低 温 の 海 水 が 貫 入 す る 場 合 が あ る こ と が わ か っ た 。 こ の 水 温 計 は 引 き 続 き 設
置 し て お り 、 今 後 も 観 測 を 続 け て 年 度 別 の 水 温 変 化 と 漁 獲 量 の 関 係 を 検 討 し て い き た い
と 考 え て い る 。
3 ) ま と め
こ れ ら の 取 り 組 み を 通 じ て 、 野 牛 産 地 ま き ホ タ テ ガ イ の 安 定 生 産 を 図 り 、 毎 年 確 実 に
努 力 し て い き た い 。
( 2 ) 価 格 向 上 の た め の 取 り 組 み
1 ) 直 売 事 業 … ま ず 地 元 か ら 消 費 拡 大 !
野 牛 漁 協 で は 、 ホ タ テ ガ イ の 漁 獲 時 期 に 荷 捌 所 内 に 直 売 所 を 設 置 し 、 女 性 部 が 中 心 と
な っ て 販 売 活 動 を 行 っ て い る 。 東 通 村 内 の 他 、 海 峡 産 地 ま き ホ タ テ ガ イ の 噂 を 聞 き つ け
て 村 外 か ら 購 入 に 訪 れ る 人 も 多 い 。 近 年 の 食 の 安 全 に 関 す る 意 識 の 高 ま り か ら 、 生 産 地
で 現 物 を 見 な が ら 購 入 で き る 直 売 シ ス テ ム は 大 き な メ リ ッ ト と な っ て い る 。 ま た 、 消 費
者 と の 情 報 交 換 が 活 発 に な り 、 ど の よ う な 商 品 の 需 要 が 大 き い か 知 る こ と が で き る よ う
に な っ た 。 さ ら に 婦 人 部 か ら ホ タ テ ガ イ の 料 理 法 な ど を 紹 介 す る こ と で 、 野 牛 産 ホ タ テ
ガ イ の 消 費 拡 大 に も つ な が っ て い る 。 こ の 直 売 所 は 県 の ふ る さ と 産 品 消 費 県 民 運 動 協 力
店 に も 登 録 し て お り 、 今 年 度 青 森 産 品 情 報 サ イ ト 「 青 森 の う ま い も の た ち 」 で も 特 集 で
紹 介 さ れ た 。
26 市 」 や 村 内 、 県 内 で 開 催 さ れ る 各 種 イ ベ ン ト で も
直 売
イ の 価 格 の が 、 宅 配 に よ る 販
売
、 ホ タ テ ガ イ
を
販路 売上構成率 販売価格
(%) (円/ kg)
直売所 20 400∼500
宅配 20 500∼550
業者 60 200∼250
※ 「ひがしどおり海山喰さまい」創出プロジェクト実施報告書より一部改変
こ の 他 、 毎 月 9 の 付 く 日 に 野 牛 川 レ ス ト ハ ウ ス で 開 催 さ れ て い る 産 直 イ ベ ン ト 「 9 の
2 ) 宅 配 事 業 と 鮮 度 維 持 の た め の 取 り 組 み
… 新 鮮 で 安 心 ・ 安 全 な 野 牛 産 水 産 物
精 力 的 な 販 売 活 動 を 行 っ て い る 。
表 − 1 野 牛 産 地 ま き ホ タ テ ガ イ の 主 な 販 路
販売高 商圏
(t)
45∼50 県内・村内
40∼50 県内、首都圏∼九州
250∼300 県内、下北管内
を 全 国 に !
事 業 と と も に 野 牛 産 地 ま き ホ タ テ ガ
を 支 え て い る
で あ る 。FAXや 電 話 で 注 文 を 受 付 け 、週 2 回 の 発 送 を 行 っ て い る 。 発 送 先 は 東 北 と
関 東 甲 信 越 地 方 が 約 6 割 を 占 め る が 、北 陸 、
中 部 、関 西 圏 が 14% 、中 国 、四 国 、九 州 地
方 も 8% と な っ て お り 、 遠 く は 鹿 児 島 県 に ま で 及 ん で い る ( 図 −8、9)。
発 送 先 が 遠 方 化 す る に つ れ
図 − 8 地 ま き ホ タ テ ガ イ の 宅 配
出 荷 個 数 の 推 移
0 1000 2000 3000 4000 5000
H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 年度
発送個数(個)
4kg詰 7kg詰 5kg詰 3kg詰
休止
図 − 9 地 域 別 の 宅 配 出 荷 個 数 の 割 合
東北、関東・甲信越 65%
13% 北陸、中部、関西
14%
県内 中国、四国、九州
8%
い か に 新 鮮 な 状 態 で 届 け ら れ る か が 課 題
と な っ て い る 。 こ の た め 、 増 養 殖 研 究 所 で
開 発 し た 酸 素 封 入 に よ る 発 送 「OXY 元