三火会(神奈川銀杏会)11月例会の報告 開催日:11月16日(火)
課題名: NPOによる老人ホームの評価 話題提供者: 長岡芳雄氏(30育)
神奈川銀杏会会員の宇田川氏を中心として発足し、2008年にNPO法人に認証(神奈川県)された
「老人ホーム評価センター」の発足時から参加し、活動してこられた長岡芳雄氏が、今までの体験 と、それを取り巻く諸問題について簡潔に紹介された。日本の高齢者(65歳以上と定義)人口は、 1970年時点で人口比7%であったものが、2009年には23.1%(約2800万人)となり、人口比の伸び は他の国に比しても急速であること。この中で2000年に画期的な介護保険制度が導入され民間企業の 参入が始まった。年金等を含む日本の社会保障費の総額は88兆円/年となり、今後も増大していくこと から、国の経済の面からも極めて重大な課題といえる。一方、老人ホームを含む関連施設に関する情 報は、インターネットや、施設自体のホームページ、新聞、テレビ、週刊誌・月刊誌等に氾濫している ために、一般的な情報は比較的簡単に入手できるようにはなっているが、実際に必要で利用者にとっ て重要な情報が必ずしも容易に得られる状況にはなっていない。行政(政令指定都市の場合は区や町 になる)の高齢者福祉課の窓口には実は極めて明確な資料が整っているので、知りたい場合は、行政 の縦割りによる制限はあるが、まず初めに行政の窓口に行くべきであろう。老人ホームは、施設自体に いろいろな特色があり、また入居者も多様である。立地条件、入居時の条件として生活自立している か要介護認定が必要か、建物・施設のハード・ソフト面の内容、入居一時金・月額経費、雰囲気な ど、極めて多様である。また、老人ホームを選択する人は誰かという問題もある。どのような視点で 選ぶのがよいかということであるが、入居が差し迫った状況で決めなくてはならないケースが多く、 十分な事前調査を行う余裕がないのが実態であろう。
「老人ホーム評価センター」が重視しているのは、終の棲家としての経営の長期的安定性であるの で、財務内容等の調査を行っているが、上場会社の場合は財務内容が公開されるが非上場の場合は財 務内容の把握が十分できないことが多い。また、経営の主体が私企業である以上、10-20年後の経営 自体の評価は自ずから制限がある。老人ホームへの入居を考える場合には「重要事項説明書」を事前 に調べるのが大切である。これは法的に全ての施設が作成することになっている。要望があれば検討 のために事前に見ることができるはずであるが、請求してもくれない場合もある。重要事項説明書の 内容は毎年変わる。また、入居者の不利益条項についても見ておく必要がある。老後の真の幸せとは 何であるかが課題となるが。いくつかの書籍も出版されているので考える参考になろう。
参加者から次のような質問と論議があった。①老人ホームの環境がここ数年で良くなってきたよう に感じるが確かであろうか、②老人ホーム自体で採算が合っているのか、③老人ホームの経営は、他の 企業活動と異なり、一旦開始したら止められない(止めてはいけない)経営であるが、その中で長期 にわたる財務内容の推定は困難である、④福祉事業であるとはいっても、企業である以上高邁な精神 のみで経営しているわけではない、⑤かつて老人ホームの経営の是非を評価した際に、多項目の要因 を入れて計算し、10-15年にわたって存続的な経営は可能という答を出したことがあるが、実態として は長期にわたる評価は難しい。これに対して、①老人ホームはいわゆる3K職場であり、若い人の定着 が難しい、②小泉政権時には負担の伸びを年間2000円以内に抑えるという施策が行われたが、政権が 代わったこともあり、現在は施策が混乱している、③北欧では少子化対策を10-20年かけて実施され てきている。政権交代があっても方針そのものは一貫しているが、日本ではそうではない。北欧では 福祉のために「国が貯金をしている」として税の高負担を容認してきているが、日本では老後のために は個人が貯金をしなければならない。④大きな親会社があるからといって、必ずしも経営が安定する とはいえない。親会社も「本業回帰」と云って、不採算事業の切り離しを行う場合がある。現実に経 営破綻した事例もある。⑤市街化調整区域内に建設可能など、老人ホームへの優遇措置はある。など の議論がされた。
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NPO法人「老人ホーム評価センター」の内容はホームページ(http://rhhc.sakura.ne.jp/)を参照 して頂きたい。
(文責:林しん治)
===== 三火会(朝食会)
神奈川銀杏会会員を中心に、朝食をとりながら仕事、体験、研究、趣味等から得た成果などを話 し、かつ、聞いていただき、その後意見交換を進め、相互啓発をはかっています。
期日時刻:毎月第3火曜日、午前7:00∼8:30頃まで 会場:横浜プラザホテル14階レストラン、ル・ファール (横浜駅東口3分。電話:045-441-2830) 会費:朝食代、1200円程度(スピーカーは無料)
参加希望者は直接会場にお越し下さい。
神奈川銀杏会会員でない方でも、参加を歓迎します。
初めての方は、事前に連絡担当([email protected])にご連絡下さい。 三火会の情報を欲しい方は、グループメールに登録して下さい。
登録の方法は上記連絡担当に問い合わせて下さい。
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