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授業のヒント

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Academic year: 2017

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二酸化炭素削減に取り組む

石油会社

戸井和彦

対象学年         1 時間●小学 5・6 年 年度版2012

テキスト

003   石油

ごあいさつ

最新環境教育(二酸化炭素(CO2)等)授業用テキストシリーズは、2005 年に発刊されるやいなや全国 に広がりました。津々浦々の教室で、テキストに基づく授業がなされ、たくさんのドラマが生まれました。 子どもたちの感想は、「おどろき」に満ちたものでした。「日本の技術がこんなにすごかったことをはじ めて知った」「日本人であることを誇りに思った」「たくさんの技術者の努力がすごいと思った」…。

日本の子どもたちは、日本の技術者の二酸化炭素削減への努力を知ることにより、日本人であること を誇りに思ったのです。このような授業は、これまであまりありませんでした。

テキストシリーズを作って7年が経ちました。その間も、日本の技術は進歩しています。地球温暖化 対策など環境をめぐる国際情勢も大きく動いています。

日本企業は、すでに省エネルギー技術の開発で実績をあげ、世界で最高水準のエネルギー効率を達成 しており、我が国の二酸化炭素排出量はアメリカや中国に比べて相当に低いレベルにあります。

オリンピック競技に例えたら、日本は 100 mを 10 秒フラットで走っているのに、アメリカ、中国は、 100 mを 10 数秒で走っている、20 秒で走っている状態と言えます。

京都議定書は、こうした世界各国の違いを考慮に入れず、削減目標を設定しました。日本は、100 m 10 秒フラットをさらに縮めて9秒4にしなければならないというように、非常に厳しい条件となりまし た。

こうした厳しい条件の中で、日本企業は、さらに効率を改善して二酸化炭素の排出を抑制する努力を してきました。

環境問題という地球全体に関わるテーマについて、その途中過程を「授業化」し、多くの子どもたちに 正しく伝えるのは、教師の大切な役目だと思います。TOSS の各教科の専門家が全国から集まり、日本 を代表する多くの企業の専門家や研究者と連携をとりテキストを作成しました。

今回の改訂においても、多くの方の協力をいただきました。

今後も全国各地で授業がなされ、「日本の努力」「日本の前進」「これからの課題」について、子どもたち が理解してくれたらと思います。

最新環境教育研究会代表 TOSS 代表 向山洋一

最新環境教育(二酸化炭素(CO

2

)等)授業テキスト指導案

(2)

4.製油所で出る二酸化炭素を減らす

タンカーから降ろされた石油は製油所に運ばれ、加工され、 製品になります。

〈問題4〉

下の図は、製油所で石油製品や石油化学製品を作る流れをあ らわしています。図にある「コージェネレーション」によっ て何と何が取り出されますか。

5.製油所から出る二酸化炭素の量

〈問題5〉

製油所から出る二酸化炭素の量について、下のグラフを見て、 下の□にことばを入れましょう。

二酸化炭素排出原単位は減っているが、二酸化炭素排出量は 減っていない。

6.二酸化炭素を減らすのに役立つ石油製品

日本の製油所では、世界に先駆けて、サルファーフリーガソ リンやサルファーフリー軽油などを作っていることを話す。

〈問題6〉

サルファーフリー石油を作ると、大量の硫黄という物質が出 ます。これも大気を汚す原因になります。この硫黄はどうし ているでしょう。

7.国内輸送のときに出る二酸化炭素を減らす

〈問題7〉

下の図とグラフは、ガソリンなどの国内の配送の変化を示し ています。下の図とグラフを見ながら、下の文章の( )内 のことばから正しい方を○で囲みましょう。

8.石油をたいせつに使う

さらに、日本の石油会社では二酸化炭素を減らすために高い 技術を活用して、家庭用の高効率給湯器、燃料電池によるコー ジェネレーションなどをつくりました。これによって、二酸 化炭素を削減することができます。

9.バイオ燃料

バイオ燃料が注目されています。

〈問題8〉

バイオ燃料が注目されています。バイオ燃料とは、トウモロコ シやサトウキビなどの植物から作ったエタノール(エチルアル コール)を燃料にするものです。バイオ燃料のよいところとよ くないところを書いてみましょう。

2/ 授業テキスト指導案 授業テキスト指導案/3

主な発問・指示 テキストを出させて、名前を書かせる。 1.石油はたいせつなエネルギー資源

日本で使われている一次エネルギーの割合を表したグラフが あります。表題、出典、年度を言いなさい。

〈問題1〉

日本でいちばん多く使われている一次エネルギー ※ は何です か。下のグラフを見て答えましょう。

※一次エネルギーとは、石油、石炭、天然ガス、原子力、水力、 太陽熱など自然界にあるエネルギー源のことです。これに 対して電気やガソリン、都市ガスなど一次エネルギーを加 工して得られるエネルギーを二次エネルギーといいます。 石油はとても便利なエネルギーでいろいろなことに使われて います。でも、大きな問題があります。それは、使うときだ けでなく、地中から取り出すときから多くの二酸化炭素を出 すことです。

2.石油が運ばれる道すじ

石油は、次のような道すじで、私たちのところに届きます(ガ ソリンや灯油の場合)。

3.石油を掘り出すときに出る二酸化炭素を減らす

〈問題2〉

下の写真は、石油を掘り出している油田の写真です。 昔は(1)のような様子でしたが、2001 年以後は(2)のよ うになりました。どこが変わりましたか。

石油を掘り出すとき、いっしょに出てくる気体があります。 今まではこれを燃やしていました。2001 年からは圧力をか けて、地下の深いところの石油を掘り出したあとに注入して います。

〈問題3〉

また、石油といっしょに出てくるガスを埋めもどす方法ではな く、別の方法で利用している日本の石油会社もあります。どの ような方法でしょうか。下の解説を見て考えてみましょう。

指導上の留意点

・ グラフを読み取る上での基礎的なこ とを最初におさえておく。

・ 書いているところを指で押さえさて、 確認をする。

・ できていたら○を付けさせる。誰で もできる簡単な問題からスタートし ている。

・ 石油は透明なモノと思い込んでいる子 が多い。そこで、取り出したとき「原油」 は写真のように黒い色をしていること を話す。

[参考]

・ 石油随伴ガスにはサワーガスとスイート ガスの2種類があり、酸性ガスを多く含 むものをサワーガスという。コスモ石油 の子会社アブダビ石油はアラブ首長国連 邦で操業する3つの油田でゼロフレアプ ロジェクトを実施し、大気汚染防止と二 酸化炭素排出削減に貢献した。

・ 再圧入装置で1平方メートル当たり 420 キログラムの圧力を加えて地中に 押し込んでいる。圧力という言葉は小 学生にはわかりにくいので、触れる場 合は重さの単位で示す。

・ 下の図をもとに答えさせる。石油を掘 り出すときに出てくるガス(随伴ガス) を活用して、発電をしている例(ベト ナム)を話す。

・ コージェレーションは小学生にとっ て難しい用語である。テキストの文 章は図などで理解させるようにす る。

・ 二酸化炭素排出原単位とは、決まった 量の石油製品を作るときに出る二酸化 炭素の排出量であることをおさえる。

・ グラフをもとに、二酸化炭素排出原単 位と二酸化炭素の排出量の移り変わ りをおさえ、理由を解説する。

・ サルファーフリー石油について、テ キストをもとに説明をする。

「内航タンカー」「燃料油」の意味を話す。 2つのグラフの見方を確認したあと、

「問題7」をさせる。

・ わかったことをどんどん書かせてい く。

・ 詳しく調べたい子に参考になるサイ トのアドレスを教える。

・ 最後のページに感想を書かせる。 1.対象学年:小学校5・6年生(1時間)

2.ね ら い: 日本の石油会社は、優れた技術を活用して二酸化炭素削減に取り組んでいることに気づかせ、        地球温暖化問題についての関心を深めさせる。

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4/ 授業テキスト指導案 3.指導にあたって

石油は経済性、利便性、備蓄の容易性などの利点があり、いろいろなところで幅広く使われている資源で ある。

しかし、燃やしたときに大量の二酸化炭素を排出し、地球温暖化の大きな原因となっている。

石油は、エネルギーとして使用したときだけでなく、採掘するときから多くの二酸化炭素を排出している。 石油会社は、そういった二酸化炭素を削減するために、いろいろな段階で努力を重ねている。また、石油 会社は燃料電池など性能のよい機器を開発することによっても、二酸化炭素の削減に大きく寄与している。 これはあまり知られていないことである。

そこで、授業では石油が採掘されてから、手元に届くまでの各段階で石油会社がどういった努力をしてい るかを学ばせたい。

内容的に難しい面があり、答えがすぐにでないところは、選択肢で答えるようにしている。

クイズに答えるような感覚で学習させていくことによって、石油会社の二酸化炭素削減に向けた努力がわ かってくるだろう。

日本企業の地球環境対応技術は世界一と言われる。日本の企業が、地球温暖化問題に取り組んでいること を誇りに思わせるとともに、自分のできるところで二酸化炭素削減のために努力のできる子どもたちをこ の授業を通して育てていきたい。

4.授業後の子どもたちの感想

石油のことを勉強した。「日本で使われているエネルギーの割合」は「石油」が多かった。「石油」はいろん なことに使われていることがわかった。「石油の運ばれかた」もいろいろあった。昔は土から出る「原油」と

「ガス」があってガスは燃やしていた。でも今は「再圧入装置」にいってまた土にもどっていくのがわかった。 環境にいいと思った。コージェネレーションは環境にいいのがわかった。タンクローリー、タンカーなども 大きくなり二酸化炭素の量も少なくなるのがわかった。

今日は、二酸化炭素を減らす努力の勉強をした。昔と比べたら努力をして二酸化炭素は減ってきている。5ペー ジにあるように再圧入装置を使って昔より環境によくなった。二酸化炭素は減らすのがとても難しいとわかっ た。どの会社も二酸化炭素を減らすための努力を必死でやっているのだとわかった。今日は、二酸化炭素はちょっ と減らすだけでも努力がいるのだとわかった。

石油の勉強をした。昔は二酸化炭素を減らすことをしなくていっぱい出ていた。今は石油会社や石油を運ぶ ところも二酸化炭素を減らすための努力をしている。

でも努力しても減らすことは難しい。

二酸化炭素を減らすためには「再圧入装置」「コージェネレーション」を使っている。これからは世界も二 酸化炭素を減らす努力をしてほしい。地球の環境を守るためにこれから 10 年、100 年も努力してほしい。

参照

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