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Academic year: 2017

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IS-LM モデル:数式を利用した基礎解説

6.1 IS-LM モデルのイメージ

IS-LMモデル: 別々に考えてきた財市場(消費、投資など)と貨幣市場を統合し、GDPと利子率を考察 均衡GDP (均衡国民所得): 実際に実現するGDP (普通にGDPと呼ばれるものに対応)

均衡GDPと均衡利子率の決定: 財市場と貨幣市場の均衡が満たされる点で決定

•財市場の均衡が満たされる点:IS曲線上(投資Iと貯蓄Sが等しくなるイメージ)

•貨幣市場の均衡が満たされる点:LM曲線上(貨幣需要/流動性選好Lと貨幣供給M が等しくなるイメージ) –貨幣 → 最も流動的な資産 → 貨幣需要のことを流動性Liquidity選好と呼ぶ

IS

R LM

Y Y1

R1

45度線モデルとの違い:IS-LMモデルでは利子率を導入

•投資や輸出の利子率依存性を導入

•貨幣市場とその裏にある債券市場を導入

6.2 財市場の均衡の意味

財市場とは?: 財(+ サービス)を取引する市場

•企業が財を生産し、家計が所得を得て、家計・企業・政府・海外が購入する 家計

企業 所得 Y

財の購入 ( 財の生産 )

消費 C

貯蓄 S 税金 T 輸出 EX

投資 I 政府支出 G

輸入 IM 金融機関

政府

( 所得配分 )

海外

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明海大学マクロ経済学:影山純二(学生用)

財市場の均衡: 生産と購入のバランスがとれている状態 財市場の均衡

I+ G + EX = S+ T + IM 注入(injection) 漏出(leakage)

•注入(injection):家計以外(企業・政府・海外)による(自国)財購入

•漏出(leakage):家計が(自国)財購入に充てなかった残りの部分

•生産によって得た収入は、全て付加価値の源である家計に配分される。家計は、その所得の多くを自国製品の消費に充て、 残りを貯蓄・税金・海外製品の購入に充てる。このことは、貯蓄・税金・海外製品の購入に充てられた所得が自国製品の購 入に回らなかったことを意味するので、自国製品が余ることになる。言い換えると、所得のうち一部が自国製品の購入から 漏出していると言える。その分、企業・政府・海外が自国製品購入に支出を注入しているため、財市場は均衡している。

6.3 貨幣市場の均衡の意味

貨幣需要: 取引需要と資産需要の合計:L1+ L2

実質マネーサプライ: MPs (名目マネーサプライを物価水準で割ったもの) 貨幣市場の均衡: 貨幣市場において需要と供給のバランスがとれている状態

貨幣市場の均衡 L1+ L2 = MPs

貨幣需要 実質マネーサプライ

6.4 定式化準備:変数一覧

内生変数(モデル内で決まる変数)Y: GDP、R: 利子率。小文字の変数は外生変数(モデル外で数値が与えられる変数) IS:C: 消費、I: 投資、G: 政府支出、T: 税金、N X: 純輸出、EX: 輸出、IM:輸入、

a: 基礎消費、b: 限界消費性向、m: 限界輸入性向、i: 基礎投資、d: 正の定数、g: 基礎輸出、n: 正の定数 LM:Ms: 名目マネーサプライ、P: 物価水準、L: 貨幣需要/流動性選好、k: 正の定数、h: 正の定数

6.5 財市場の均衡式: IS 曲線の定式化

財市場の均衡条件(漏出=注入):S+ T + IM = I + G + EX 漏出:S+ T + IM (貯蓄+税金+輸入)

• S:貯蓄は所得(GDP)とともに増加(ケインズ型消費関数):Y ↑→S

• T :税金は政府がT¯と決定(より現実的にY ↑→T↑ と考えても成立) T = ¯T

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(3)

明海大学マクロ経済学:影山純二(学生用)

• IM :輸入は所得(GDP)とともに増加:Y ↑→IM↑ IM= mY

• S + T + IMを足し合わせると、

注入:I+ G + EX (投資+政府支出+輸出)

• I :投資は利子率とともに減少:R↑→I↓ I= i − dR

• G: 政府支出は政府がG¯と決定 G= ¯G

• EX:輸出は利子率とともに減少:R↑→EX↓ EX= g − nR

• I + G + EXを足し合わせると、

IS曲線の導出: 得られた3つの条件を統合すると、IS曲線と呼ばれる式が求められる

• 3つの条件:均衡、漏出、注入

•統合(連立)させてRについて解く

6.6 貨幣市場の均衡式: LM 曲線の定式化

貨幣市場の均衡条件(貨幣需要=実質マネーサプライ):L1+ L2=MPs

•中央銀行が名目マネーサプライMsM¯ と決定

貨幣の取引需要L1: 貨幣の取引需要は所得(GDP)とともに増加:Y ↑→L1↑ L1= kY

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明海大学マクロ経済学:影山純二(学生用)

貨幣の資産需要L2: 貨幣の資産需要は利子率とともに減少:R↑→L2↓ L2= −hY

LM曲線の導出: 得られた3つの条件を統合すると、LM曲線と呼ばれる式が求められる

• 3つの条件:均衡、貨幣の取引需要、貨幣の資産需要

•統合(連立)させてRについて解く

6.7 財市場と貨幣市場が同時に均衡する点: ISLM の連立

財市場と貨幣市場の均衡式が同時に満たされる点:IS-LMの交点

• IS曲線の式とLM曲線の式を連立させ、内生変数であるYRについて解く

! R=d+n1 "a + i + g + ¯G − b ¯T − (1 − b + m)Y# R=khY −1hM¯Ps

均衡GDP:Y について解く

均衡利子率:Rについて解く

6.8 課題

(A4、上部に課題番号、学籍番号と氏名、計算過程も記入、読みにくい場合は減点)

1.財市場の均衡条件(S + T + IM = I + G + EX)よりIS曲線の式を導出せよ。 2.貨幣市場の均衡条件(L1+ L2=MPs)よりLM曲線の式を導出せよ。

3.導出したIS曲線の式とLM曲線の式を使って、均衡GDPと均衡利子率を求める式を導出せよ。

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参照

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