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5-9 若手研究者交流支援事業〜東アジア首脳会議参加国からの招へい〜
(日本学術振興会)
5-9-1 全体趣旨
本事業は,安倍晋三内閣が第2回東アジア首脳会議(E A S 2007)の時に提唱した,E A S 参加国から今後5年間, 毎年 6,000 人程度の青少年を日本に招へいする交流計画(J E N E S Y S プログラム)に基づいた J S P S の事業である。次 世代を担う若手研究者の計画的な交流により,アジアを中心とした国々との研究者間のネットワークの形成・強化, 当該地域における高度人材育成及び科学技術コミュニティの形成等が期待される。対象国は A S E A N 加盟国(インド ネシア,カンボジア,シンガポール,タイ,フィリピン,ブルネイ,ベトナム,マレーシア,ミャンマー,ラオス) で あ る が, 全 体 の 30% 以 内 で あ れ ば, オ ー ス ト ラ リ ア, ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド, イ ン ド を 含 め る こ と が 可 能 で あ る。 2010年10月から2011年9月までのプログラムで第3期となり,分子研は第1期より3期連続で採択されている。 また,関連プロジェクトとして,J A S S O の事業としての J E NE S Y S プログラムにも2011年度において採択され,10 月より半年間の予定で,総研大事業として大学院生に限定した形で招へいを行った。
5-9-2 分子研主催プロジェクト課題について
プロジェクト課題名は,「『環境・エネルギー』基礎研究基盤の確立」である。
現代自然科学が解決すべき問題のひとつである環境・エネルギー問題において,東アジア諸国における自国での研 究開発を可能にするための基礎研究基盤の確立は極めて重要である。本交流事業においては,環境・エネルギー問題 に関わる基礎科学に関して,主として学位取得前後の若手研究者を広く招へいし,また本交流事業後のフォローアッ プとしての共同研究体制を確立し,自国における基礎研究の継続を力強くサポートすることで,基礎科学の定着を推 進することを目的にする。
分子科学研究所は,国際交流の重要性に鑑み,かねてより様々なチャネルを通じて国際共同研究,研究支援,教育 事業を推進してきた。本交流事業は,教育事業に特化した「アジア冬の学校」を研究者養成事業へと発展し,最終的 には,既に基盤研究機関が充実している極東アジア諸国間で形成している研究教育拠点ネットワークを東アジア諸国 へ伸展させる,橋渡し的事業となることが期待される。
5-9-3 実施状況
第2期では,23研究室(うち分子研20,所外3)を受入研究室として指定し,公募を原則とした募集を行った。 各候補者に対し,research. proposal および帰国後の future. plan の提出を求め,その妥当性や将来性等に関して審査する ことにより決定した。
実際の募集は,
(1) 指定交流相手機関からの推薦(学内公募を原則) (2) ホームページを利用した公募
の順で行った。指定交流相手機関は以下の通りである. :チュラロンコーン大学(タイ),マラヤ大学(マレーシア) 南洋工科大学,シンガポール国立大学(シンガポール)ベトナム科学技術アカデミー(ベトナム)。また前回に引き 続き,継続的な基礎研究,共同研究を奨励する目的で,過去の参加者の中から希望者に対し,再度 researc h. proposal および帰国後の f uture. pl an の提出を求めて審査を行い,招へい費用の一部を援助し,再来訪による共同研究の継続を 支援する「revisit.program」も同時に募集した。
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その結果,指定交流機関からの推薦6名,公募5名,リビジットプログラム2名,計13名の招へいを実施した。 国別では,マレーシア1名,シンガポール2名,タイ5名,ベトナム2名,インド1名と,これまでと同様タイから の採択が最も多くなった。このことは,タイ国内において既に本事業が高い評価を受けていることを意味しており, 実際非常に多くの応募がタイから寄せられている。またキャリアの内訳は,博士研究員7名,博士課程学生6名となっ た。
招へいは,2010年4〜8月にかけて実施され,各研究者に応じて,32〜90日の期間での研究プログラムが組ま れた。今期からは最大滞在期間を90日に延長することが可能となったため,60日を限度としていた前回までと比べ, より充実したプログラムとなった。また5月28日に,全員の招へい者を一同に会し,全体会議とミニシンポジウム を開催した。本プログラムの大きな目的のひとつとして,将来にわたるアジア分子科学ネットワークの形成があり, 各国の同世代の若手研究者の横のつながりを形成する上でこの全体会議の役割は非常に大きく,実際参加者からは複 数回の実施を希望する意見もあったほどである。
一方,J A S S O-J E NE S Y S プログラムに関しては,上記5カ国にフィリピンを加えた計6カ国より7名の大学院生(う ち1名は学術交流協定先のタイ,チュラロンコーン大学)を特別聴講学生として招へいし,2010年10月より半年 間のプログラムを行い,2011年2月20日には,アジア冬の学校のプログラムの一部として全体会議とミニシンポ ジウムを開催した。
一昨年より計4期にわたる本 J E NE S Y S プログラムで招へいしたアジアの若手研究者は,延べ44名となり,分子科 学研究所の知名度向上のみならず,アジア分子科学ネットワーク形成に大きな影響力を与えつつある。