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所得に対する税pptx 最近の更新履歴 Public Finance at UTokyo

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(1)

所得に対する税

1

(2)

労働所得税

課税と経済主体の反応

2

(3)

消費と余暇(労働)の選択

• 労働を通じて所得水準を個人が選択できると仮定する.

個人の選択は消費 c と余暇時間 l.

u = U(c, l)

予算制約

所得 : M = Wh + N

– h: 労働時間  h = H  l  ← H: 時間賦存量

– W: 賃金率

– N: 非労働所得

c = M = Wh + N = W(H  l) + N

c = WH  Wl + N

c + Wl = WH + N

3

(4)

比例税(労働所得部分のみ課税)

• c = (1  m)Wh + N

c + (1  m)Wl = (1  m)WH + N

c = [(1  m)WH]  (1  m)Wl

• 同額の定額税を課したらどうなるか?

代替効果と所得効果

• 労働供給の後方屈折と課税の効果

4

(5)

5

(6)

6

(7)

累進所得税

• 超過累進→所得の幅ごとに限界税率が上

昇する.

• 単純累進→年度の所得水準に応じて比例

税率の税率が異なる(高い所得層ほど比

例税率が大きくなる)

7

(8)

日本の個人所得税

• 所得税(国税)と個人住民税(地方税)

からなる.

給与所得者の場合

収入(=給与所得)

給与所得控除←給与所得の水準に依存

基礎控除←一律

各種所得控除←世帯特性に依存

• 課税所得(税率表の対象となる所得)

8

(9)

給与所得控除

9

(10)

給与所得控除の上限引き下げ

10

1,200

230万円 2016年分 245万円 2015年分

2014年まで

220万円 2016年分

(11)

所得控除 I

11

(12)

所得控除 II

12

(13)

個人所得税の税率の推移

13

(14)

個人所得税の税率(対課税所得)

課税所得(控除後) 所得税 個人住民税

195 万円以下 5

10% 195 万円を超え  330 万円以下 10 %

330 万円を超え  695 万円以下 20 % 695 万円を超え  900 万円以下 23 % 900 万円を超え  1,800 万円以

33

1,800 万円超え  4,000 万円以

40

4,000 万円超( H27 年より) 45 %

14

(15)

15

(16)

社会保険料(今ひとつの所得

税)

• 公的年金 ( 厚生年金+基礎年金 )

18.182%( 労使で折半 )→

約 9%

• 公的健康保険 ( 組合・共済によって異なる )

約 9.5%( 協会けんぽ全国平均 ; 労使で折半 )→

約 4.7%

• 介護保険( 40 歳以上)

協会けんぽの場合 1.72 % ( 労使で折半 )→

約 0.86%

これらは標準報酬月額 と標準賞与額 に対して算定 ( 大凡実

際の給与に対応 )

– 標準報酬月額 : 62 万円が上限.

– 標準賞与額 : 健康保険は年度の累計額 540 万円,厚生年金保険は

1 ヶ月あたり 150 万円が上限.

16

(17)

17

(18)

超過累進課税

18

(19)

19

(20)

各種所得税との歪みの度合い

• 定額所得税と超過累進所得税

– 超過累進下での税収と同じ定額所得税の下でより高い効用を得

られることを示せる.

– 歪みの度合い:超過累進>定額

• 比例所得税と超過累進所得税

– 比例所得税の下では超過累進下での税収よりも大きな税収でも

より高い効用を得られることが示せる.

– 歪みの度合い:超過累進>比例

• 既に歪みの度合いは,比例>定額であることは示したので

.上記の結果から

– 歪みの度合い:超過累進>比例>定額

20

(21)

21

(22)

配偶者控除

22

(23)

マスコミ等の論調

• 「配偶者控除見直し、専業主婦世帯の反発必至」『読売新聞』 2014 年 3 月 8日 http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20140308-OYT8T00265.htm

配偶者控除は、サラリーマンなどの夫と専業主婦の妻がいる世帯で,夫の課税対象の 年間所得から38万円を差し引くことで,所得税を減らす仕組みだ.妻がパートなど で働いても,年収103万円以下なら控除の対象となる.約1200万人に適用され ている.対象になるため年収を103万円以下に抑える女性も多く,女性の働く 意欲をそいでいる,との声が多い.

• 社説「所得税の配偶者控除は,専業主婦やパートで」『沖縄タイムス』 20 16年 12 月 31 日 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/%AD/57935

働く妻など年収が103万円以下の配偶者がいる場合,夫の税負担が軽くなる制 度である.指摘されるのは,制度の恩恵を受けるため,あえて年収を抑えようと する働き方だ.「103万円の壁」が女性の就労拡大を阻んでいる.厚生労働省の

「2011年パートタイム労働者総合実態調査」によると,パートで働く既婚女性の 5人に1人が年収や労働時間など「就業調整をしている」.その割合は,男性や独身 女性に比べて突出して高い.控除を意識した働き方が,結果的に働く意欲をそいでは いないか.

23

(24)

マスコミ等の論調

山田 徹也「『配偶者控除』の後継候補,『夫婦控除』とは?」『東洋経済オン ライン』 2016 年 10 月 2 日  http://toyokeizai.net/articles/-/138216

主に専業主婦やパート主婦のいる世帯を対象に,夫の所得税と住民税を軽減する税制上の措 置「配偶者控除」をめぐって,政府や与党内で本格的な議論がスタートしようとしている. 配偶者控除制度が存在することで,収入が 103万円以内におさまるようパート主婦が就 労を調整する,いわゆる「 103万円の壁」の一因になっている,との指摘があるからだ

今回,議論の口火を切ったのは,政府の経済政策の司令塔である経済財政諮問会議だった

.8 月8 日の会合で,民間議員が「女性が働きやすい税制・社会保障制度などの実現に向け

,配偶者手当,配偶者控除について今年中に道筋を」と提案した.

深田晶恵「一目瞭然!パート主婦「収入の壁」は配偶者控除存続でこうなる|老 後のお金クライシス! 」『ダイヤモンド・オンライン』 2016 年 12 月31 日 htt p://diamond.jp/articles/print/105039

配偶者控除,いわゆるパート主婦の「 103万円の壁」は,女性が働くのを防ぐことになる と,これまで何度か見直し議論がされながらも先送りされてきた.今回は安倍政権の「働き 方改革」の追い風もあり,今度こそ実現するのかと思いきや,来年の選挙を控え与党から慎 重論が急浮上し,配偶者控除の廃止,それに代わる夫婦控除の創設は,見送られることがほ ぼ確実と思われる.

24

(25)

マスコミ等の論調

• 駒崎弘樹 ( 認定 NPO 法人フローレンス代表理事 ) :「『女性は働くとバ ツゲーム』税制の改正に,諸手を挙げて賛成する」『ハフィントンポス ト』投稿日 : 2014 年 03 月 15 日 15 時 28 分 JST 更新 : 2014 年 05 月 14 日 18時 12 分 JST (http://www.huffingtonpost.jp/hiroki-komazaki/post_6939 _b_4968914.html)

女性の就労にガラスの天井をはめる遺物、配偶者控除。とっとと無くなって ほしいと切に思います。

• 全国女性税理士連盟「配偶者控除廃止・基礎控除引き上げの要望書」平 成 28 年 10 月 15 日

パートタイム労働者総合実態調査(平成 23 年)では,主婦パートのうち自分の 収入に一定の上限を設ける等就業調整をしている者の割合が 21.0 %に上り, この原因の一つに配偶者控除等の適用が挙げられている.就業調整は,女性の 低賃金化を招き,経済的自立の妨げになるばかりか,人材を有効に活用できない ことで社会的にも損失となる.少子高齢化により生産年齢人口が減少する中,将 来の日本を支えるためには,女性の能力の活用が今後ますます重要になる.

25

(26)

「(耕論)配偶者控除の壁 中村シュフさん、大石亜希子さん、荻原博子さん」『朝日新聞 Digital 』 2016 年 11 月 2 日.  http://www.asahi.com/articles/photo/AS20161102000129.html

26

(27)

100 万円以上 105 万円未満

27

国民生活基礎調査

(28)

28

100 万円以上 105 万円未満以外にもコブがある.

300 万円以上 305 万円未満 150 万円以上 155 万円未満

130 万円以上 135 万円未満 120 万円以上 125 万円未満

200 万円以上 205 万円未満

(29)

配偶者の就労収入が給与のみとすると

• 給与所得控除:年収 162.5 万円以下ならば 65 万円の控除

• 所得税(第 1 ブラケットの限界税率 5% )

基礎控除 (38 万円 ) のみを適用

所得税の課税最低限→ 103 万円

個人住民税

– 基礎控除は 33 万円で単純に計算すると課税最低限は 98 万円

になるのだが.

 住民税所得割:住民税の非課税限度額( 35 万円)により課税

最低限は 100 万円→均一 10% の限界税率

 住民税均等割:地方により異なるが所得割の課税最低限と同

じが低い→定額税 ( 手取りの逆転がないよう調整あり )

29

(30)

配偶者控除と配偶者特別控除

• 日本の個人所得課税は個人単位だが,扶養控除の存在

により世帯員の収入に応じて税額が決まる部分あり

• 配偶者控除:納税者の配偶者の年収が 103 万円未満の

場合に納税者に適用

所得税: 38 万円

住民税: 33 万円

• 配偶者特別控除:配偶者の年収が 103 万円から 141 万

円未満の場合,給与所得 ( 給与所得控除適用後の年収 )

が 1 千万円以下の納税者に適用.

 所得税は 38 万円から控除額が 9 段階で減少

 住民税は 33 万円から控除額が 9 段階で減少

30

(31)

配偶者控除と配偶者特別控除

31

  給与所得金額Y: 配偶者の

E: 配偶者の

所得金額

(給与所得控除後) 所得税 地方住民税所得割 配偶者控除 Y < 1,030 E < 380 380 330

配偶者特別控除

1,030  Y < 1,050 380  E < 400 380 330 1,050  Y < 1,100 400  E < 450 360 330 1,100  Y < 1,150 450  E < 500 310 310 1,150  Y < 1,200 500  E < 550 260 260 1,200  Y < 1,250 550  E < 600 210 210 1,250  Y < 1,300 600  E < 650 160 160 1,300  Y < 1,350 650  E < 700 110 110 1,350  Y < 1,400 700  E < 750 60 60 1,400  Y < 1,410 750  E < 760 30 30

1,410  Y 760  E 0 0

(32)

ポイント

① 配偶者の住民税の課税が始まる 100 万円(住民税均等割と所得割で非課税 限度額が同一と仮定)←課税最低限

② 配偶者の所得税の課税が始まる 103 万円←配偶者控除ではなく課税最低限 の問題.

③ 配偶者特別控除の減額が始まる105万円

④ 住民税の配偶者特別控除の減額が始まる110万円

⑤ 社会保険料の自己負担が始まる 130 万円( H28 に一部 106 万円へ減額)

⑥ 配偶者特別控除が消滅する 141 万円

• うち配偶者に対する控除の影響は,③,④,⑥( 103 万円ではない!).

• 配偶者が独自に社会保険料を負担し始める年収 130 万円という金額のほう が重要.

• この所得水準は一部に対しては平成 28 年から年収 106 万円未満に引き下げ

→さらなる就労抑制効果?

32

(33)

配偶者手当を給付する事業所の従業員数

の割合

配偶者手当の有無 比率 制限の有無 比率 [制限あり ] 内訳

配偶者手当あり 69.1%

配偶者の収

入制限あり 58.7%

103 万円 40.4% 130 万円 15.1% その他 3.2% 配偶者の収

入制限なし 10.4%

配偶者手当なし 30.9%

33

資料:人事院「平成 27 年職種別民間給与実態調査」等に基づく政府税制調査会配付資料より算出

(34)

世帯モデル

世帯の効用

• 夫の労働供給(と労働所得)は固定

妻の労働供給は可変

家計の予算制約

•  

34

(35)

予算線への影響

35  

 

(36)

36

(37)

家計の選択

37

(38)

配偶者控除の効果

• 配偶者控除の改正は「働き方改革」の柱として,

「女性の社会進出」を後押しし,「すべての女性が

輝く社会」を実現する狙いをもって進められてきた

• 配偶者控除が労働供給に与える限定的.

数量的に小さい

– 最低賃金付近での労働供給量の増加

• したがって,配偶者控除(と配偶者特別控除)の改

定は「女性の社会進出」や「すべての女性が輝く社

会」を実現するために貢献できるとは思えない.

38

(39)

配偶者控除の就業増に対する効果は小さ

39

配偶者控除をなくすことで, 100 万円付近の分布の「こぶ」を均す→労働供給量が 増える→図から明らかなようにその量はたかがしれている?

(40)

「パートタイム労働者総合実態調査」

40

就業調整の理由 割合

自分の所得税の非課税限度額( 103 万円)を超えると税金を支払わなければ

ならないから 60.3

一定額を超えると配偶者の税制上の配偶者控除がなくなり,配偶者特別控除

が少なくなるから 37.7

一定額を超えると配偶者の会社の配偶者手当がもらえなくなるから 20.6

一定額( 130 )万円を超えると配偶者の健康保険,厚生年金等の被扶養者か

らはずれ,自分で加入しなければならないから 49.3

労働時間が週の所定労働時間 20 時間以上になると雇用保険に加入しなけれ

ばならないから 2.8

正社員の所定労働時間の 3/4 以上になると健康保険,厚生年金等に加入しな

ければならないから 4.3

会社の都合により雇用保険,厚生年金等の加入要件に該当しないようにして

いるため 2.6

現在支給されている年金の減額率を抑える又は減額を避けるため 0.4

その他 6.2

(41)

「パートタイム労働者総合実態調査」

• 2010 年 6 月から 2011 年 5 月までの期間を

対象

• 就業調整をしていると答えた有配偶者女性

パート労働者が全労働者に占める割合 2.9%

• 全労働者の 2.9% を占める有配偶者の女性

パート労働者の 37.0% ,つまり,全労働者

の約 1% ( 0.29×0.37 )が配偶者控除の影

響を受けていることになる.

41

(42)

配偶者控除撤廃の効果

静学構造推定による behavioral simulation 結果

• 実際,配偶者控除に関する複数の研究( Akabayashi 2006 ,高橋 201

0 , Bessho and Hayashi 2014, 足立・金田 2016 )では,現行の配偶者

控除が有配偶者女性の労働供給に与える部分は非常に限定的である

と示されている .

• 配偶者控除の全廃による妻の労働供給増加 : 配偶者控除の全廃によっ

て有配偶者女性の労働供給は増加するものの,その量は微少

Akabayashi (2006): 1.91~ 5.53% 高橋 (2010): 0.7%

Bessho and Hayashi (2014): 0.19% 足立・金田 (2016): 0.64%

• Bessho and Hayashi (2014)

労働市場への参加に固定費用(労働時間にかかわらず勤労によって発生する金 銭的・時間的・心理的費用)が存在する場合,配偶者控除を全廃することで既 に働いている女性有配偶者が働くことを全く止める可能性.

42

(43)

配偶者控除および配偶者特別控除の改定

配偶者控除

– 適用基準となる控除対象配偶者(=従たる収入を得る配偶

者)の上限収入額は現行と同額のまま,納税者(=主たる収

入を得る配偶者)の収入により同控除を減額もしくは撤廃す

る.

配偶者特別控除

– 配偶者控除と同額を保つ上限収入額(=配偶者特別控除が減

額を始める控除対象配偶者の収入額)が大きく増額される.

• 平成 30 年( 2018 年)分の所得から適用

– 所得税:平成 30 年( 2018 年)以降に適用

– 個人住民税:平成 31 年( 2019 年)以降に適用(個人住民税

は前年に発生した収入に基づいて課税)

43

(44)

納税者の所得により配偶者控除額は逓減

もしくは不適用

44

 = 38 or 33 配偶者控除額

( 万円 )

(45)

配偶者控除と配偶者特別控除

 

控除対象配偶者の 収入

納税義務者の合計所得金額 (Y) および給与収入 *(M)

Y  900 900 < Y  950 950 < Y  1,000 S  1,120 1,120 < S  1,170 1,170 < S  1,220 合計所得金額

(E) 給与収入 *(S) 所得税

個人住民税

所得割 所得税 個人住民税所得割 所得税 個人住民税所得割

E  38 S  103 38 33 26 22 13 11

38 < E  85 103 < S  150 38

33 26 22 13

85 < E  90 150 < S  155 36 24 12 11

90 < E  95 155 < S  160 31 31 21 21 11

95 < E  100 160 < S  167 26 26 18 18 9 9

100 < E  105 167 < S  175 21 21 14 14 7 7

105 < E  110 175 < S  183 16 16 11 11 6 6

110 < E  115 183 < S  190 11 11 8 8 4 4

115 < E  120 190 < S  197 6 6 4 4 2 2

120 < E  123 197 < S  201 3 3 2 2 1 1

123 < E 201 < S 0 0 0 0 0 0

注 : (1) * 「給与収入」とは給与所得しか存在しない場合の給与所得控除前の収入を意味している. (2) 合計所得金額 45

1,000万円超(給与収入 1,220 万円超)の場合,配偶者控除は適用されない.

(46)

46

個人住民税所得割

所得税

105(40)

110(45) 155(90 )

(47)

評価

税収中立という制約を所与とすると,就業調整の緩和という観点からは実に理に 適った改定.

もし配偶者控除や配偶者所得控除の仕組みにより 100 万円付近で就業調整されて いるならば,当該閾値を 150 万円付近にすることで,論理的には, 100 万円付近 の就業調整を回避できる.もちろん 150 万円付近で就業調整が起こる可能性はあ るが,その程度は 100 万円付近の就業調整よりははるかに小さいと予測できる.

配偶者特別控除の閾値を社会保険料の閾値 (106 万円, 130 万円 ) より十分高くす ることによって,就業調整の責を税制から社会保険制度へ預けることになった.

配偶者控除にかかる批判として「専業主婦の優遇」が喧伝されている.その是非 の判断には精査が必要だが,少なくとも今回の改正で高所得世帯の専業主婦は

「優遇」されなくなった.つまり,所得制限が設けられることにより,個人所得 税制の再分配機能が強化されたとも評価できる.

47

(48)

評価 : 夫婦控除との関連

• 代替案として報道されていた「配偶者控除・配偶者特別控除の廃止」+

「夫婦控除の創設」と比較しても,就業調整に関しての本質的な違いはな い.

• 夫婦控除は,世帯収入に制限がある限り,必ずしも就業調整問題の解決に はつながらない .

• 全夫婦を対象とする夫婦控除の創設には多額の財源が必要とされる.した がって税収中立という制約の下では,今回の配偶者控除よりも厳しい収入 制限が必要である.

• 例えば,控除の適用上限を世帯収入 700 万円とし,夫の年収を 600 万円と しよう.この場合,妻の収入が 100 万円を超えると夫婦控除が適用されな くなる.となると,この妻が現行の配偶者控除のもとで就業調整している のであれば,この新しい夫婦控除のもとでも同様に就業調整を行う筈.

48

(49)

評価 : 若干の懸念

• 大綱による「『 103 万円』という水準が企業の配偶者手当

制度等の支給基準に影響されている」( p.3 )との指摘に

関して,今回の改正は一貫性を欠いている.

• 配偶者控除の閾値を 103 万円から引き離すことで企業の配

偶者手当の支給基準に影響を与えるという意図が推測され

る.

• しかし,今回改正されたのは,配偶者控除の閾値ではなく

配偶者特別控除減額の閾値である.前者は現行の 103 万円

のまま変更されていないから,配偶者控除が重要ならば,

今回の改正が企業の配偶者手当に影響を与えることは難し

いかもしれない.

49

(50)

貯蓄

課税と経済主体の反応

50

(51)

課税と貯蓄

再び労働を固定し,第 1 期の消費 c

1

と第

2 期の消費 c

2

を考える(図で考えられるの

は 2 変数まで).

個人の選択は第 1 期の消費 c

1

と第 2 期の

消費 c

2

.

•  

51

(52)

通時的予算制約 (2 期間モデル )

第 1 期の消費

M1 : 今期の所得 ; S : 貯蓄(正の値の場合)→負の値ならば債務

第 2 期の消費

M2 : 来期の所得 ; r : 金利

• 上記 2 つの表現から

第 1 期の消費の単位 :

第 2 期の消費の単位で :

•  

52

(53)

資本 ( 利子 ) 所得税

資本所得税 T: 第 2 期に発生

    a: 資本所得税率

予算制約

•  

53

(54)

54

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