力学演習
No.1 (April 14, 2010) 座標変換 1 問題1. 下の図で表される座標変換について,(x, y)座標系と(x′, y′)座標系との関係を求めよ。x y
x' y'
a b
x x'
y
y'
x y
x' y'
α 問題2. 右図の座標変換について以下の問いに答えよ。
2-1.x′, y′方向の単位ベクトルをそれぞれex′, ey′と書く。xy座標系から見 た場合,これらがex′ =
(cos α sin α )
,ey′ =
(
− sin α cos α
)
と表されることを示せ。 2-2.右図の座標変換が下の式で表されることを確かめよ:
x′= x cos α + y sin α, (1) y′ = −x sin α + y cos α.
2-3.(1)式を下式のような行列表示で表せ。 (x′ y′ )
=(a b c d
) (x y )
. (2)
またex′, ey′ の転置行列tex′, tey′ を使うと,(2)式の変換行列が (t
ex′
te y′
)
のように表せることを確認せよ。 2-4.この座標変換の逆変換を求めよ。この結果と−αの座標回転とが一致することを確かめよ。
問題3. x方向およびy方向の単位ベクトルをex, eyとする。ex, eyを用いると,xy平面上の任意のベクト ルAはA= Axex+ Ayeyと表すことができる。ここでAxをAのx成分,AyをAのy成分という。
一方,問題2.で用いたx′y′座標系において,AはA= Ax′ex′+ Ay′ey′と表される。座標回転によってベ クトル自体は変化しないこと,つまり
Axex+ Ayey = Ax′ex′+ Ay′ey′ (3)
を利用して(Ax′, Ay′)と(Ax, Ay)の関係式を求めよ。また,得られた結果を問題2の結果と比較せよ。
✓ ✏
定義: 座標回転に対して座標と同じ様に変換する量をベクトルと呼ぶ。
✒ ✑
x
y
x'
y'
z' z
参考: 右図のような3次元の座標回転を考える。xyz座標系から見たx′, y′, z′ 方向の単位ベクトルを次式で表す:
ex′ =
l1
m1
n1
, ey′ =
l2
m2
n2
, ez′ =
l3
m3
n3
. (4)
この場合,3次元の座標変換は次式の通りである: x′=l1x+ m1y+ n1z,
y′=l2x+ m2y+ n2z, (5) z′=l3x+ m3y+ n3z.
✎ 2次元座標回転の合成によって任意の3次元座標変換が作られるので,ここでは詳しく述べない。 問題4. ある直線上にある任意の点Pを表す位置ベクトルをpとする。pの満たす方程式は以下の3つの考 え方から求められる。
2
1. 直線上のある点Aの位置ベクトルaに,直線と平行なベクトルdの定数倍を加える。
2. 原点から直線に降ろした垂線の足をH,Hの位置ベクトルをhとする。P とHを結ぶ線は,hと直 交する。
3. 直線の上の同一でない2つの点S, T の位置ベクトルをそれぞれs, tとする。P は線分STを適当に 内分または外分した点である。
下図を参考にして,それぞれの場合でpを表す式を作れ。
d
a
H
h
T
S p
p
p
s
t