小テストNo3 14Seika2quiz3 wans

14Seika2-3 生化学Ⅱ 第３回小テスト

2014.7.22 問題１．

以下に，解糖系で生成されたピルビン酸を二酸化炭素に変換する｢クエン酸サイクル｣を 構成する酵素のうち，名前に｢デヒドロゲナーゼ｣が含まれるもの５種類を記した。

a. イソクエン酸デヒドロゲナーゼ b. リンゴ酸デヒドロゲナーゼ

c. ２­オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ d. ピルビン酸デヒドロゲナーゼ多酵素複合体 e. コハク酸デヒドロゲナーゼ

この５種類の酵素とクエン酸サイクルの関係に関する以下の設問に答えなさい。

i. ピルビン酸から始まって，クエン酸サイクルの８（＋１）個の反応を順に進めた場合， 酵素 a~e が触媒する反応の正しい順番を記号で答えなさい。

ii. a~e.の酵素５種はそのほとんどが反応生成物として NADH を生産する反応を触媒するが， １酵素のみ，反応生成物として FADH2を生産する反応を触媒するものがある。この酵素 を記号 a~e で答えなさい。

iii. 触媒する反応の生成物に｢補酵素 A；CoA｣誘導体を含む酵素２種類を上の酵素から選び 記号 a~e で答えなさい。

iv. 問題 iii.に関連して，基質に｢補酵素 A；CoA｣誘導体を含む反応を触媒するクエン酸サ イクル内の酵素２つを酵素名で答えなさい（上の５つの酵素ではありません!）。 v. 解糖系で生成されたピルビン酸１分子がクエン酸サイクルで二酸化炭素に変換される

結果，生成される NADH，FADH2，GTP の個数をそれぞれ答えなさい（解答欄上段）。 次に，求めたこれらの数から 1 分子のグルコースを解糖系→クエン酸サイクルを経て二 酸化炭素に変換した場合に生じる NADH，FADH2，GTP，ATP の個数をそれぞれ答えな さい（解答欄下段）。

問題２．

i. 下の表は電子伝達系の各複合体の性質をまとめた一覧表です。空欄①∼⑩に適当な語句 を記入し，表を完成させなさい。

複合体名 別名 電子供与分子 電子受容分子 ^{移動する水素イ}_オンの数

I _{① ② 酸化型 CoQ ４}

II _{③ ④ 酸化型 CoQ ⑤}

III CoQ-シトクロムｃオキ

シドレダクターゼ ^{⑥ シトクロム c3＋ ⑦}

IV _{⑧ シトクロム c}^２＋ _{⑨ ⑩}

ii. 電子伝達系が移動させた水素イオンはミトコンドリア内部のどの場所に集められるか， 答えなさい。

iii. ii. で集められた水素イオンはどのように ATP 合成に利用されるか，ATP を合成する酵 素名とともに説明しなさい。

＜裏に続く＞

14Seika2-3 iv. 理論的に，グルコース１分子が解糖系→クエン酸サイクル→電子伝達系を経て合成でき

る ATP 分子の数を答えなさい。

v. 実際の細胞では様々な理由でグルコース１分子あたり約３２分子の ATP が合成される 計算となり，iv.で計算された値よりも少ない。理論値よりも実際の ATP 合成量が少なく なる理由を２つ，答えなさい。

問題３．

光合成の暗反応ではリブロース１，５­ビスリン酸を基質として二酸化炭素を有機化合物 に変換し，｢光合成産物｣と呼ばれる有機化合物が合成される。この反応と，光合成に関す る以下の質問に答えなさい。

i. リブロース１，５­ビスリン酸と二酸化炭素を結合させる反応を触媒する酵素の名前を 答えなさい。また，この酵素が触媒する反応の生成物名を答えなさい。

ii. i.の解答にあげた生成物は｢ホスホグリセリン酸キナーゼ｣により， ① という分 子に変換される。空欄①に適当な化合物名を答えなさい。

また，この反応では，ATP がリン酸基の供給源として消費され，ADP になる。この ATP は光合成において生産されるが，ATP 合成を担当する酵素名とともにどのように ATPが合成されるかを簡単に説明しなさい。

iii. 前問空欄①の化合物は「グリセルアルデヒド３­リン酸デヒドロゲナーゼ」という酵素 により｢光合成産物｣，別名 ② に変換される。空欄②に適当な化合物名を答えな さい。

また，光合成の暗反応で，グリセルアルデヒド３­リン酸デヒドロゲナーゼはある還 元剤を酸化させて ① を ② に変換する。この還元剤の名前を答えなさい。 また，光合成の明反応でこの還元剤の合成を担当する酵素の名前を答えなさい。

iv. ｢酸素発生中心｣の役割を簡単に説明しなさい。 問題４．

i. 以下の文章にある空欄に適当な語句を入れ，文章を完成させなさい。

生物の DNA 複製反応は ① が基質になり，酵素の ② が DNA 分子の ③ 末端にデオキシヌクレオチドを結合させて ④ を放出する反応で分子を伸ばす。

ii. DNAポリメラーゼが持つ３つの酵素活性を挙げ，DNA 複製におけるそれぞれの活性の 役割を簡単に説明しなさい。

解答用紙 所属 学籍番号 氏名 合計 102 点

14Seika2-3 問題１．²⁴点満点

i.⁵_点

d → a → c → e →b

ii.²_点

e

iii. ²_点

c

2_点

d

iv. ³_点

クエン酸シンターゼ

3_点

スクシニル CoA シンテターゼ v. NADH_{（各 1 点）}

４

FADH₂ １

GTP

１ NADH

１０

FADH₂ ２

GTP

２

ATP

２

問題２．³²点満点 i._{①（各 2 点）}

NADH-CoQオキシドレダクターゼ

②

ＮＡＤＨ

③コハク酸-CoQ オキシドレダクタ ーゼ

④

ＦＡＤＨ２

⑤

０

⑥

還元型 CoQ

⑦

４

⑧

シトクロムｃオキシダーゼ

⑨

酸素

⑩

２ ii. ²_点

ミトコンドリア膜間部 iii. ⁴_点

ミトコンドリア膜間部に閉じ込められた水素イオンが再びミトコンドリアのマトリックス に戻る流れを用いて F0^F1^ATPaseという膜蛋白質が ATP を合成する。F0^F1^ATPaseが水素を 3個移動させると 1 分子の ATP が合成され，このとき F0^F1^ATPase浜区の上で回転するおも しろい特性を見せる。

iv. ²_点

３８ v. ²_点

自然に水素イオンがマトリックスに漏れ出す。 2_点

リン酸をマトリックスに輸送する仕組みに水素イオンが一部利用される。

＜裏に続く＞

14Seika2-3 問題３．²⁶点満点

i._酵素名³_点

リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ

生成物名³点

3­ホスホグリセリン酸 ii._①³_点

1，3­ビスホスホグリセリン酸 ii. ATP_{合成の様子}⁴_点

CF₁CF₀ATP合成酵素と呼ばれる膜タンパク質が葉緑体のチラコイド内に閉じ込められた水 素イオンをストロマに戻すときに回転しながら ATP を合成する。

iii. _②³_点

グリセルアルデヒド 3­リン酸

還元剤³点

ＮＡＤＰＨ 酵素名³点

フェレドキシン-NADP^＋レダクターゼ iv. ⁴_点

水分子を酸素，水素イオン，電子に変換するタンパク質でその中にマンガンイオンを含む。 光化学系Ⅱに 4 個の光子が入射されたとき，2 分子の水が解離し 4 個の水素イオン，4 個の 電子，そして 1 分子の酸素が発生する。

問題４．²⁰点満点 i. _{①各 2 点}

デオキシヌクレオチド-三リン酸

②

DNA_{ポリメラーゼ}

③

３

④

ピロリン酸 ii._{各 4 点}

ポリメラーゼ活性：DNA を合成する活性

５ ­３ ­エキソヌクレアーゼ活性:DNA 合成時の RNA でできたプライマーを除去する活性

３ ­５ ­エキソヌクレアーゼ活性:いわゆる「校正」活性。間違ったヌクレオチドを結合さ せたときにすぐこれを取り除く活性。