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XIII 堺駅前駐車場 平成17年3月30日 堺市監査委員公表 第18号 堺市

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(1)

Ⅹ Ⅲ 堺 駅 前 駐 車 場

1 施設の概要 ( 1) 施設の設置目的

堺市は、平成 5 年 8 月に、堺市都心部に駐車場整備地区を指定し、区域内に おける総合的・計画的な駐車場整備を推進するため平成 5 年 9 月に駐車場整備 計画を策定した。本件駐車場を整備した地区は、関西国際空港や堺市の西の玄 関口として、文化・物・情報の交流の拠点として役割を担うことが期待されて おり、今後ますます増加が予想される駐車場需要にも対処するため、南海本線 堺駅前に建設 する民間 商業施設 の地下空 間に立体 道路制度 を利用し て本件駐 車場が整備された。

( 2) 施設設置の経緯

平成 5 年 9 月に公表された駐車場整備計画に基づき、駐車場整備に向けた準 備が開始され、平成 10 年 8 月道路整備特別措置法第 8 条第 1 項の規定に基づ く有料道路事業の許可を得る。同年 9 月に本件駐車場建設工事に着工し、同 12 年 6月、本件駐車場建設工事が竣工し、同年 7 月 1 日、本件駐車場の供用 が開始された。

( 3) 施設の概要

名称 市立堺駅前駐車場 所在地 堺市戎島町 3 丁 22−1 延床面積 6, 266 ㎡

構 造 鉄骨鉄筋コンクリート造 駐車場形式 自走式駐車場地下 1 階 1 層

駐車台数 140 台(うち、身障者用スペース 3 台) 工事費 約 1, 600 百万円

財源内訳 国庫貸付金 540 百万円 起債 810 百万円 大阪府補助金 10 百万円 市単独費 240 百万円

( 4) 施設の利用条件

(2)

利用料金

基本料金 7:00∼23:00 まで 最初の 30 分まで・・200 円 以降 30 分までごとに 200 円 泊料金(23:00∼翌 7:00) 1 回 1, 000 円

利用時間

入庫及び出庫ができる時間帯 7:00∼23:00(16 時間) 年中無休

駐車できる自動車

車長 4. 7m 車幅 1. 9m 車高 2. 2m ②その他の利用条件

( ア ) 利用提携施設があり、駐車場無料サービスが実施されている。 ( イ ) 回数券、プリペイドカードが販売されており、これらを利用すると最

大で上記料金の 20%引で利用することが可能である。

( ウ ) 平成 14 年 8 月から定期利用(月ぎめ利用)も可能となっている。利 用条件は次のとおりである。

通常定期券 全日(0:00∼24:00 まで) 25, 000 円 昼間(7:00∼23:00 まで) 22, 000 円 夜間(17:00∼翌 10:00 まで) 16, 000 円 平日限定定期券 全日(平日の 0:00∼24:00 まで) 17, 000 円 昼間(平日の 7:00∼23:00 まで) 15, 000 円

( 5) 施設の利用状況

本件駐車場の利用状況は次のとおりである。 ①利用者数 (単位:人)

平成13年度 平成14年度 平成15年 度 利用者 数 38, 317 42, 547 39, 206

②回転率、修正回転率(平成 15 年度)

回転率=利用台数÷ 駐車ペース(140 台−定期利用契約台数) なお定期利用契約台数は各月末日時点の契約台数 修正回転率=回転率× 平均駐車時間

平日 休日 全体 平日 休日 全体 平日 休日 全体 85 208 107 0. 85 2. 09 1. 07 0. 97 2. 73 1. 29

(3)

( 6) 施設運営に関する法令等 地方自治法

道路整備特別措置法 道路法(16 条、64 条等) 堺市駐車場条例

堺市駐車場条例施行規則

( 7) 施設の管理状況等

本件駐車場の管理は、道路法第 16 条 1 項「市町村道の管理は、その路線の 存する市町村が行う。」と規定していることに基づき、基本 的に堺市が直営で 管理している。直営にかかる収入、支出額、利用状況は次のとおりである。 ①収入及び支出決算額 (単位:円)

平成13年度 平成14年度 平成15年 度 収入額 105, 301, 772 80, 699, 141 65, 470, 949 支出額 61, 858, 184 52, 701, 512 81, 728, 788 差額 43, 443, 588 27, 997, 629 △ 16, 257, 839

一方、本件駐車場の業務の一部は、次のとおり委託が行われている。 ②委託先

財団法人堺市都市整備公社

③委託金額 (単位 円)

項目 平成13年度 平成14年度 平成15年度 委託料 29, 035, 215 27, 618, 559 27, 636, 061

④委託業務内容の概要

( ア ) 施設管理運営に関する業務 ・庶務に関する業務

・施設管理に関する業務 ・利用状況に関する業務 ・施設清掃に関する業務

・光熱水費の支払いに関する業務

・駐車場管制、電気、機械、防災、防犯等、各種設備機器の保守点検業務 ・非常災害、緊急事態に対処する業務

(4)

2 監査の結果

( 1) 公の施設の必要性について

本件駐車場は、駐車場整備計画に基づき、堺市都心部区域内における総合的・ 計画的な駐車場整備の推進を目的として設置された施設であるが、同時に本件 駐車場近隣の路上駐車を解消するという目的も有している。

堺市では、本件駐車場の供用により路上駐車解消にどの程度の効果があった かを検証する等の目的のもと、毎年、本件駐車場の存在する南海本線堺駅周辺 地区において路上駐車の台数調査を行っている。その結果、本件駐車場供用開 始前の平成 11 年度に比べ、平成 15 年度では路上駐車台数が約 75%減少してい るという結果が認められる。

一方、本件駐車場は収容台数合計 140 台の駐車場であるが、平成 15 年度の一 時利用台数の年間平均は、平日 85 台、休日 208 台であり、特に平日については 路上駐車の解消に貢献した割合は決して大きくはない。現実には、路上駐車台 数が大幅に減少した背景には、本件駐車場を含め南海電車堺駅周辺に簡易式駐 車場(コインパーキング)の供給が増えたことが大きく影響しているものと考 えられる。

本件駐車場が路上駐車の解消に貢献した割合は大きくはないが、それが本件 駐車場の必要性がないことを意味するわけではない。現状では本件駐車場近辺 に駐車場供給が増えているとはいえ、これらはいずれも簡易かつ一時的な施設 であり、今後も安定的に駐車場供給がなされるかどうかは極めて不確定である。 これに対して、本件駐車場は、堺市において駐車場整備計画に基づき、堺市都 心部区域内における総合的・計画的な駐車場整備の推進を目的として設置され た公共駐車場である。このような点からすれば、本件駐車場の必要性は高いも のと考えられる。

( 2) 管理運営の合規性・妥当性について

① 本件駐車場の管理は、堺市をその主体として直営で行われている。これは、 道路法第 16 条 1 項「市町村道の管理は、その路線の存する市町村が行う。」 と規定するのに従った取り扱いである。

(5)

の方法による監督を行っており、堺市自身が本件駐車場の管理にかかる最終 的な責任を負担することは明確であり、道路法の解釈上も問題ないものと考 えられる。

もっとも、委託先である財団法人堺市都市整備公社は、委託を受けた業務 をさらに南海ビルサービス株式会社に対して再委託している。堺市と財団法 人堺市都市整備公社との間の委託契約書第 5 条は「乙(財団法人堺市都市整 備公社)は、業務の全部又は大部分を一括して第三者に委任し、または請負 わせてはならない。」と規定しており、南海ビルサービス株式会社に対する再 委託が同条項に抵触しないかの検討を行った。

この点、料金徴収業務、各種支払に関する業務等の財団法人堺市都市整備 公社自身が行っており、業務の大部分の委託には該当しないとの解釈は可能 であると考えられる。しかしながら、委託料金ベースで考えると、堺市から 財団法人堺市都市整備公社に対する委託料が 27, 636, 061 円(平成 15 年度) であるのに対して、財団法人堺市都市整備公社から南海ビルサービス株式会 社に対する委託料は 19, 755, 125 円(平成 15 年度)に上っており、委託料金 ベースで単純に評価すると約 70%近い業務が再委託されている状況にある。 直接委託への切り替え等の検討を行うべきであると考える。

③ なお、現在は指定管理者制度は導入されていない。これは、本件駐車場は、 現時点では道路法第 64 条による制約を受けており、利用料金制が採用できな いなど指定管理者制度に移行するメリットが乏しいことによる。しかし、後 記意見の項で述べるとおり、本件駐車場について償還金の一括返済により道 路法の制約を受けない状況となれば、指定管理者制度を導入するメリット、 すなわち駐車場経営ノウハウをもつ民間の活力により、本件駐車場のさらに 効率的な活用が期待できるものと思われる。従って、償還金の一括返済が実 現した場合には、指定管理者制度導入について前向きに検討することが望ま しい。

( 3) 経済性・効率性について

現時点では、本件駐車場が効率よく運営されているとは言いがたい状況にあ る。

(6)

ても、本件駐車場の回転率はかなり低く、本件駐車場は効率的に運営されてい るとはいい難い状況にある。

このため、本件駐車場は、駐車料金収入によりランニングコストが賄えない 状況となっている。すなわち、平成 15 年度では前述のとおり約 1600 万円の赤 字となっている。本件駐車場建設にあたっての国庫貸付金等の償還計画も、本 件駐車場が近隣の平均回転率 3. 1 程度利用されるという前提で策定されてお り、利用状況が低いという現状は、償還計画どおりの償還の履行も困難として いる。

そのため、堺市では本件駐車場の利用促進のために平成 14 年 8 月には定期 利用制度を導入している。しかし、後述のとおり、道路法、道路整備特別措置 法等の制約があるため、一時利用の利用料金については本件駐車場開設以降全 く変更されないままである。利用促進のために一層の工夫が望まれる。

( 4) 受益者負担の妥当性について

利用料金(使用料)は、本件駐車場開設当時の近隣駐車場の利用料金平均額 による算出されており、当初の利用料金設定方法としては妥当なものであった と考えられる。30 分 200 円という金額は現状の利用料金としても妥当性がある ものと思われる。

もっとも、前述のとおり本件駐車場周辺には近時簡易駐車場の供給がかなり 増えている状況にあり、近隣駐車場の利用料金としては値下げする傾向にある。 従って、本件駐車場の利用促進の観点から考えると、利用時間帯に応じて利用 料金に差を設けたり、一日の上限金額を設ける等の形で、利用料金を柔軟に設 定することが望ましいものと思われる。

しかしながら、本件駐車場は道路整備特別措置法に基づく有料道路事業とし て許可を得た上で国庫貸付金等から借入れを行い建設したものであるため、堺 市独自に利用料金を変更することが極めて困難な状況にある。すなわち、利用 料金変更を行うと国庫貸付金の償還計画にも影響を及ぼすことになるため、堺 市単独での利用料金変更が困難となっている。

3 意見

(7)

る。

本件駐車場の有効活用のためには、利用時間帯に応じて利用料金に差を設けた り、一日の上限金額を設ける等の形で、利用料金を柔軟に設定することや、駐車 場経営のノウハウをもつ民間活力の利用が望ましいものと思われる。しかしなが ら、本件駐車場設置の経緯から、現状では堺市単独でこのような利用促進策を採 用することが困難な状況にある。

従って、本件駐車場の利用促進について、抜本的な解決を図るためには道路整 備特別措置法等の制約を取り除くほかない。そのためには、国庫貸付金等の一括 償還も視野にいれた検討が不可欠である。堺市自身も本件駐車場が堺市都心部区 域内における駐車場整備計画に果たす重要性に鑑みれば、国庫貸付金の一括償還 は、十分検討に値する方策であるものと考えられる。

参照

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