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作成: 2017年7月21日(Ver.1.2)
1. 数学的準備 解答と解説
※解答や解説に誤りを発見した場合は、メールまたは講義後に速やかに連絡を下さい。
1.A 論理と命題(クリティカル・シンキング)
問題 1.A.1 論理と命題 1*
正解は(b)だけである。「(b) 晴れたがピクニックに行かなかった」が発生した場合、「『明日の天気が 晴れ』ならば『ピクニックに行く』」という論理命題は偽(False)だったと結論付けられる。
ちなみに「(d) 雨が降ったがピクニックに行った」が発生したとしても、父親の約束が嘘だったと いうことにはならない。何故なら父親の約束は「明日の天気が晴れのケース」だけに言及したもの であり、雨が降った場合(前提が成立しない場合)については何一つ述べていないからである。
問題 1.A.2 論理と命題 2*
「期末テストが80点未満だったにも関わらずお小遣いが減らされなかった」場合だけである。そ の場合、「『期末テストが80点未満』ならば『お小遣いを減らす』」という論理命題は偽となる。 ちなみに、仮に「期末テストが 80点以上だったのにお小遣いが減らされた」という非人道的な措 置を母親がしたとしても、母親の論理命題が偽であったことにはならない。これは問題1.A.1と同 様、母親の言葉は期末テストが80点未満のケースだけについて述べたものであり、80点以上のケ ースについては何も言及していないからである。
【所感】
問題1.A.1や1.A.2に正解できなかった人からすれば、この「論理と命題」はあなたの常識や 日常感覚とは違うものとして見えるかもしれない。もし母親に「『期末テストが80点未満』な らば『お小遣いを減らす』」と言われたら、常識的に考えて「じゃあ『期末テストが80点以上』 ならば『お小遣いの減額は免れる』のだな?」と予想するだろう。しかし、よく考えると相手 はそのように明言などしていない。つまりこれは、自分の中の常識だけで判断した勝手な推測 に過ぎない。要は自分の都合のいいように他人の言葉を拡大解釈しただけである。
私は別に、この問題を通じて「常識で考えるのをやめろ」とか「他人から条件付きで何か言わ れたら、その条件が成立しなかった場合どうなるのか必ず確認しろ」と言いたい訳ではない。 いちいちそんなことを日常でしたら煙たがられるのがオチである。しかし「この場合はこうし てくれるだろう」と勝手に他人に期待して確認を怠ってしまったがために損をしてしまったり、 取り返しのつかないミスになってしまったりすることはあるかもしれない。それを避けるため にも、「常識で物事を考える」だけでなく「論理的に物事を考える」、常識と論理の複眼的思考 を場面ごとで使い分ける癖は付けておくべきだろう。
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問題 1.A.3 論理と命題 3*
正解は(b)と(c)である。1つ1つ見ていくと、 (a) 日本で黒いカラスを一匹発見した。
残りのカラスの色がどうなっているか分からないので、これだけでは仮説の真偽は不明である。 (b) 日本上のカラスを全部調べたところ、全て黒い色をしていた。
つまり仮説が真であったことになる。 (c) 日本で白いカラスを一匹発見した。
一匹でも白いカラスを日本で発見すれば仮説は偽であったことになる。 (d) アメリカに生息するカラスを全部調べたところ、全て黒い色をしていた。
日本のカラスの色がどうなっているか分からないので、これだけでは仮説の真偽は不明である。
問題 1.A.4 論理と命題 4*
学生Aの発言の真偽を証明するものではない。
「いやいや、法学コースの講義だって難しいよ」という発言は、「『法学コースの科目』ならば『難 しい講義である』」という命題だと考えることが出来る。しかし、これは「『経済コースの科目』な らば『難しい講義である』」という命題とは全く無関係である。問題1.A.3でいうところの「『日本 のカラス』ならば『黒い色をしている』」という命題に対して、「『アメリカのカラス』ならば『黒い 色をしている』」という主張をぶつけているのと同じである。したがって、「『法学コースの科目』な らば『難しい講義である』」という命題が真であったとしても、「『経済コースの科目』ならば『難し い講義である』」という命題の真偽は明らかにはならない。
【所感】
上の解説はAさんの主張を「『経済コースの科目』ならば『難しい講義である』」という論理命 題として捉えたものである。日常感覚から言えば「経済コースの講義は難しい」という主張は、 まるで「経済コースの講義は(他のコースと比べて)難しい」という様に聞こえることもある だろう。それに対して「法学コースの講義だって難しいよ」と主張することで、「経済コースの 講義は(他のコースと比べて)難しい」訳ではないと、Aさんの主張を否定するのは、日常感 覚から言って特におかしい所はないように思える。
しかし問題をよく読んでみると、そもそもAさんにとって「講義の難しさ」の基準となってい るのは「自分がほぼ単位を取得できなかった」という事実だけであり、別に経済コースと法学 コースを比較して主張している訳ではない。それにも関わらず、Aさんの主張を「経済コース の講義は(他のコースと比べて)難しい」と解釈するのは勝手な決めつけである。
世の中にはこのような調子で、全く関係のない主張を持ち出して相手の主張を否定しているつ もりになっている人が多く見受けられる。例えば「仙台はお魚が美味しい」という主張に対し て「福岡だってお魚は美味いよ!」という反論である。これも同様に、「福岡のお魚は美味しい」
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という主張は「仙台のお魚は美味しい」とは無関係であり、「仙台はお魚が美味しい」という主 張を切り崩したことにはなっていない(後に出てくる「主張型反論」に過ぎない)。このような 手合は相手の発言を「仙台は(他の地方と比べて)お魚が美味しい」の意味だと勝手に解釈し たのだろうが、そもそも「仙台はお魚が美味しい」という主張の根拠が何なのかここではまだ 明示されていないので、それが他の地域と比べた結果を根拠としているとも限らない。 なお、人から何か非難されたときの詭弁術としての「お前だって××だろ」論法や、自動車の スピード違反で捕まったときの「他の奴らだって違反してるだろ」論法も同様である。こうい う例は探せばいくらでも出てくるので、自身の普段の会話で意識してみるのも一興である。
問題 1.A.5 必要条件と十分条件 1*
(a) 「Aさんは犯行時刻のアリバイが無い」ことは「Aさんが犯人である」ための必要条件である。 正しい。Aさんが犯人であるためには、犯行時刻のアリバイが無いことが必要である。 (b) 「Aさんには犯行動機がある」ことは「Aさんが犯人である」ための十分条件である。
誤り。単に犯行動機があるだけでは、Aさんを犯人だと断定するのに十分ではない。
(c) 「Aさんの指紋が店のドアノブに付着していた」ことは「Aさんが犯人である」ための必要十 分条件である。
誤り。犯行を素手で行なったとは限らないので、「A さんの指紋が店のドアノブに付着してい た」ことは「Aさんが犯人である」ための必要条件ではない。また、ドアノブに指紋を残す人 として従業員や一般客も存在するため、それが犯人の指紋であるとは限らない。したがって、 Aさんの指紋が店のドアノブに付着していた」ことは「Aさんが犯人である」ための十分条件 でもない。
(d) 「A さんが『アリバイが無い』『犯行動機がある』『現場近くで目撃されていた』」ことは、「A さんが犯人である」ための十分条件である。
誤り。これらは「Aさんが犯人である」ための決定打としては不十分。
問題 1.A.6 必要条件と十分条件 2*
(a) 千葉大学法政経学部の学生一覧のリストの中にSさんの名前があった。 これは(3)必要十分条件、である。
(b) Sさんは中級ミクロ経済学を受講している。
これは(4)必要条件でも十分条件でもない、である。これは中級ミクロを受講していない法政経 学部生の存在、中級ミクロを受講している他学部の学生の存在を考えれば分かる。
(c) Sさんは千葉大学の学生証(Sさんの名前入り)を持っている。 これは(1)必要条件、である。
(d) Sさんは千葉大学法政経学部経済コースに所属する学生である。 これは(2)十分条件、である。
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問題 1.A.7 必要条件と十分条件 3: 消費者理論への応用**
(a) 「ある財が下級財である」ことは「その財がギッフェン財」であることの必要条件である。 正しい。ある財がギッフェン財であるには、少なくとも下級財である必要がある。
(b) 「ある財が下級財である」ことは「その財がギッフェン財」であることの十分条件である。 誤り。ある財が下級財であるからといって、その財がギッフェン財であるとは限らない。 (c) 「ある財がギッフェン財である」ことは「その財が下級財」であることの必要条件である。
誤り。「ギッフェン財でない下級財」というタイプの財も存在するので、下級財がギッフェン財 である必要はない。
(d) 「ある財がギッフェン財である」ことは「その財が下級財」であることの十分条件である。 正しい。ギッフェン財は必ず下級財なので、ある財がギッフェン財と判明したら、それだけで 下級財の証拠として十分である。
問題 1.A.8 論証型反論と主張型反論: 基礎 1*
Aさんの主張は、「『中級ミクロでやることは微分ばかりである』という事実から『微分を理解する ことが中級ミクロの単位取得の十分条件である』と言える」という内容だと解釈できる。それを念 頭に1つ1つ見ていくと、
Bさん「ぼくは別に微分が出来なかったけど、去年中級ミクロの単位を取ったよ。別に単位を取 るだけなら微分は知らなくても良いんじゃないかな。」
これは主張型反論である。Bさんが主張しているのは「微分を理解することは中級ミクロの単位 取得の必要条件ではない」という趣旨の内容だが、Aさんは微分の理解を単位取得の必要条件だ と主張してはいないので、B さんの主張はA さんの主張と全く無関係なものであり、A さんの 論理が誤りであることを指摘するものではない。
Cさん「微分を理解して単位が来るのは中級ミクロだけじゃないよ。中級マクロとか他の経済系 科目だって最大化問題を扱うし。別に中級ミクロに限った話じゃないと思うな。」
これも主張型反論である。Aさんはあくまで中級ミクロにのみ言及した主張を行っているので、 それに対して中級マクロという別の講義の話を持ち出すCさんの主張はAさんの主張と全く無 関係なものであり、Aさんの論理が誤りであることを指摘するものではない。
Dさん「中級ミクロでは確かに微分は使うけど、用語の定義とか計算式とか、微分以外にも覚え ないといけないことが多いよ。微分を知っていても単位が来るとは限らないと思うけど。」 これは論証型反論である。まずDさんは「中級ミクロで扱う事項は微分以外にも多数存在する」 という事実を指摘することで、Aさんの主張の根拠となっている「中級ミクロでやることは微分 だけである」が正しくないことを述べている。また、それによって「微分を理解することが中級 ミクロの単位取得の十分条件であるとは言えない」と主張し、Aさんの主張の結論部分が成立し ないことを述べている。このようにDさんは、Bさん、CさんのようにAさんと無関係の主張 をするのではなく、Aさんの主張の根拠や論理の不成立を直接指摘していることが分かる。
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問題 1.A.9 論証型反論と主張型反論: 基礎 2*
これは主張型反論である。
問題 1.A.10 論証型反論: 相関関係と因果関係**
(a) この主張は「『ライターの所持とガンの間に相関関係がある』という事実から『ライターの所 持とガンの間に因果関係がある』と言える」という論理命題であると解釈できる。しかし、ラ イターの所持とガンの間に相関関係があるからと言って、その間に因果関係があるとは限らな い。例えば「タバコ」という隠れたファクターがガンの原因である可能性がある。一般にタバ コを吸う人は同時にライターを所持しているため、タバコとライターの間に相関が発生すると 考えられる。ここでライターとガンの間に因果関係がなく、タバコとガンの間に因果関係があ ると仮定してみよう。そうすると下図のようにライターとガンの間に因果関係が無くとも相関 関係が見かけ上発生する。つまりライターとガンの間の相関関係の存在は、因果関係が存在す るための十分条件になりえない。したがって、相関関係の存在だけを根拠にして、ライターを 所持するとガンになりやすくなると主張することは出来ない。
(b) この主張は「『宿題の提出回数と期末試験の点数の間に相関関係がある』という事実から『宿 題の提出回数と期末試験の点数の間に因果関係がある』と言える」という論理命題であると解 釈できる。しかし(a)と同様、相関関係があるからと言って、その間に因果関係があるとは限ら ない。例えば「真面目な性格」という隠れたファクターが期末試験の高得点の原因である可能 性がある。一般に真面目な性格な人は宿題を提出するため、真面目な性格と宿題の提出回数の 間に相関が発生すると考えられる。ここで宿題の提出回数と期末試験の点数の間に因果関係が なく、真面目な性格と期末試験の点数の間に因果関係があると仮定してみよう。そうすると下 図のように宿題の提出回数と期末試験の点数の間に因果関係が無くとも相関関係が見かけ上 発生する。したがって、相関関係の存在だけを根拠にして、宿題を提出するほど期末試験の点 数が上がりやすくなると主張することは出来ない。
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1.B 集合論
問題 1.B.1 集合論の基礎*
(a) � ∈ �, � ∈ �, � ∉ �
(b) 集合Bに属する要素はすべて集合Aにも属している。すなわち集合Bは集合Aの部分集合で ある。(記号で書くとB⊂ A)
(c) 集合Cは集合Aや集合Bの部分集合ではない。何故ならば、集合Cには属しているが集合A に属していない要素(他大学の3年生)や、集合Cには属しているが集合B には属しない要 素(千葉大他学部の3年生)が存在するからである。ベン図は以下の通り。
問題 1.B.2 リバイバル:必要条件と十分条件*
(a) 集合B,D,E,Gに属する学生は全員集合Fに属している。また、集合BとDは同値であり、集 合Gは集合Bの部分集合である。したがって、ベン図は以下のようになる。
(b) 下図の通り。
(c) 問題1.A.6の(c) は「『Sさんが千葉大の学生証を持っている』ことは『Sさんが千葉大学法政 経学部の学生である』ための必要条件である」という内容であった。これを集合B、Fを用い て言い換えると、「『Sさんが集合Fに属している』ことは『Sさんが集合Bに属している』た めの必要条件である」ということになる。ベン図の通り、集合Bは集合Fの部分集合なので、 S さんが集合 B に属しているためには、少なくとも集合F に属している必要がある。これよ り、学生証を有することが確かに必要条件になっていることが分かる。
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(d) 問題1.A.6の(d) は「『Sさんが千葉大学法政経学部経済コースに所属する学生である』ことは
『S さんが千葉大学法政経学部の学生である』ための十分条件である」という内容であった。 これを集合B、Gを用いて言い換えると、「『Sさんが集合Gに属している』ことは『Sさんが 集合B に属している』ための十分条件である」ということになる。ベン図の通り、集合Gは 集合Bの部分集合なので、Sさんが集合Gに属していれば、それだけで集合Bにも属してい ることの根拠として十分である。これより、経済コースに所属していることが十分条件になっ ていることが分かる。
(e) ベン図は以下のようになる。「�∈ �」が「� ∈ �」のための必要条件であるということは、「�∈
�」であるためには少なくとも「�∈ �」である必要があることを意味する。逆に言うと、xが Aに属さずにBに属することは不可能である。その場合、集合Aと集合Bの包含関係は� ⊂ � となる。
(f) ベン図は以下のようになる。「�∈ �」が「� ∈ �」のための十分条件であるということは、「�∈
�」であるためには、「�∈ �」が成立していればもはや他の事象は関係なくそれだけで十分であ ることを意味する。逆に言うと、xがAに属しているにも関わらずBに属さない、のようなこ とは発生し得ないということである。したがって、集合Aと集合Bの包含関係は� ⊂ �となる。
(g) ベン図は以下のようになる。「�∈ �」が「�∈ �」の必要十分条件であるということは(e)(f)の結 果から、� ⊂ �かつ� ⊂ �が成立するということになる。これはすなわち� = �、つまり集合A と集合Bが同値であることを意味する。
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1.C 数式の計算とグラフの描写
問題 1.C.1 指数計算*
(a) �� (b) �� (c) �−� (d) �� (e) ���
問題 1.C.2 関数とグラフ 1*
問題 1.C.3 増加関数と減少関数*
(b)のみ減少関数。他は増加関数である。
問題 1.C.4 関数とグラフ 2*
(a) � = −�� + ��
(b) � = −��� + ��
(c) � = −�
�(� − �)�+�
問題 1.C.5 文章を数式とグラフにする 1*
(a) ���� + ����
(b) ���� + ���� ≤ ����
(c) ��� ⋅ � + ��� ⋅ � = ���� > ����
(d) 所持金内で買えるビールとツマミの個数の全ての組合せ は16通りあり、右の図の点で表される。
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問題 1.C.6 文章を数式とグラフにする 2*
(a) 式は� =���である。図は以下。
(b) 式は� =���である。図は以下。
(c) 連立方程式:xy = 16およびx = 2yを解いて、� = �√�, � = �√�となる。 (d) � + � ≤ �。
(e) 下左図の青い領域。
(f) グラフは上右図のようになる。長方形の面積がちょうど16cm2になり、かつ(d)の新ルールを満 たすxとyの組合せは点(�, �)である。
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問題 1.C.7 連立方程式*
(a) � = �, � = � (b) � = �, � = � (c) � = �, � = �/�
問題 1.C.8 内分する点 1*
(a) 2+4
2 = 3, 3+6
2 = 4.5より、座標(�, �. �)
(b) 求める座標は、
� = ��� + ��� + � , �� + ��� + � �
(c) 定数tだけを使って
(�� + �(� − �), �� + �(� − �))
と書ける。
問題 1.C.9 内分する点 2**
(a) (A) 常にある(�1と�2の中間に位置する)
(B) 常にない(�2>�1> 0なので0.25�1− 0.5�2は必ず負の値となり、�1より常に小さい) (C) 常にない(�2>�1> 0なので−�1+ 2�2は必ず�2より大きい)
(D) あるときもないときもある(�1= 1,�2= 2のときはあるが、�1= 4,�2= 5のときは無い。)
(b) 所望の条件は「�1<��1+��2」かつ「��1+��2<�2」である。これらを変形して、
�1<��1+��2⇔ � >���
�−
��
���, ��1+��2<�2⇔ � < � −���
��
�1
�2=�とおくと、� − �� < � < � − ��と書ける(ただし0 < m < 1)。m の値がいくらであ ってもこの2つの不等式を満たすP,Qの領域こそが求める条件である。ここでmを1に近づ けて不等式の極限を考えると、挟みうちでQ = 1− Pとなることが分かる。したがってP, Qは
� + � = �という関係式を満たしている必要がある。またQ = 1− Pを上の不等号に代入して
� − �� < 1 − � < 1 − �� ⇔ � < 1 − (� − 1)� < 1 ⇔ � < � < �
を得る。また、Q = 1− Pより� < � < �を得る。まとめると、定数P, Qが満たすべき条件は
� + � = �, � < � < �, � < � < � の3つである。
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1.D 微分
問題 1.D.1 平均増加率*
(a) �増える。 (b) �. ��増える。 (c) �. �
(d) �. �
(e) 平均増加率は
(� + �)�− �
� (f) (e)で求めた式を変形して、
(1 +ℎ)2− 1 ℎ =
1 +2ℎ + ℎ2− 1
ℎ =
2ℎ + ℎ2
ℎ = 2 +ℎ ここでhをゼロに近づけることで、2を得る。
問題 1.D.2 微分の意味*
(a) �′(�) = 2� (b) �′(1) = 2 (c)グラフは以下の通り。
(d) 直線� = �� + �は点(�, �) = (1, 1)を通るので、� + � = �が成立する。また� = �2との交点は 1 点しかない(接している)状態なので、�2=�� + �の解は1つしかない。変形すると
�2− �� − � = 0 ⇔ �� −�2�2−�2
4 − � = 0
となるので、これから
�2
4 +� = 0 ⇔ ��=−��を得る。これらの条件から�, �の値を求めると、
� = �, � = −� (e) 省略。
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問題 1.D.3 基本的関数の微分*
(a) �′(�) =���− �−�/� (b) �′(�) =��−� (c) �′(�) =−�−� (d) �′(�) =�/�
問題 1.D.4 関数の積の微分*
(a) �(�) = (�2+ 1)(2� − 5)とおくと、�′(�) = 2� ⋅ (2� − 5) + (�2+ 1)⋅ 2 =���− ��� + �
(b) �(�) = 4�−1(� + 1)とおくと、�′(�) = −4�−2⋅ (� + 1) + 4�−1=−��−�
(c) �(�) = (�2+ 1)�2�1�とおくと、�′(�) =2�
2�−
�2+1 2�2 =
�
�−
�
���
(d) �(�)�(�)ℎ(�)の微分は、��(�)�(�)ℎ(�)�′=�′(�) ⋅ ��(�)ℎ(�)� + �(�) ⋅ ��(�)ℎ(�)�′
=�′(�)�(�)ℎ(�) + �(�) ⋅ ��′(�)ℎ(�) + �(�)ℎ′(�)�
= �′(�)�(�)�(�) + �(�)�′(�)�(�) + �(�)�(�)�′(�)
したがって、�(� + 1)(� + 2)の微分は以下となる:
(� + 1)(� + 2) + �(� + 2) + �(� + 1)
= �2+ 3� + 2 + �2+ 2� + �2+� =���+�� + �
問題 1.D.5 合成関数の微分*
(a) �(�) = (4� + 1)2とおくと、�′(�) = 2(4� + 1) ⋅ 4 =��� + �
(b) �(�) = (�2+ 1)20とおくと、�′(�) = 20(�2+ 1)19⋅ 2� =���(��+�)��
(c) �(�) = �−1(�2+ 3)2とおくと、�′(�) = −�−2(�2+ 3)2+�−1⋅ 2(�2+ 3)⋅ 2�
=−�−2(�2+ 3)2+ 4(�2+ 3) = (�2+ 3){4− �−2(�2+ 3)} = 3(�2+ 3)(1− �−2)
= 3(�2− 1 + 3 − 3�−2) =�(��+� − ��−�)
(d) �(�) = �(2� + 1)2(�2+ 2) と お く と 、�′(�) = (2� + 1)2(�2+ 2) +� ⋅ 2(2� + 1) ⋅ 2 ⋅ (�2+ 2) +
�(2� + 1)2⋅ 2�となり、これを変形することで、以下を得る。
�′(�) =(�� + �)(����+���+��� + �)
=����+����+����+��� + �
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問題 1.D.6 偏微分*
(a) �(�, �)を�で偏微分すると、
��(�, �)
�� =��� + � (b) �(�, �)を�で偏微分すると、
��(�, �)
�� =��+�
問題 1.D.7 n 階微分(n 次導関数)*
(a) �′(�) =��� (b) �′′(�) =���� (c) �′′′(�) =���
問題 1.D.8 微分係数と増加関数・減少関数*
(a) 1.C.2の各関数の導関数は、(a)から順番に以下のようになる。
�′(�) =�, �′(�) =−�−�, �′(�) =��, �′(�) =��−��, �′(�) =� − �� +(� − �)� �
(b) (a)の結果をふまえて、1.C.2の各関数を1つ1つ見ていく。
(a) �′(�) = 2 > 0なので、関数� = 2� + 4は� > 0において増加関数である。
(b) �′(�) = −�−2< 0なので、関数� = 1/�は� > 0において減少関数である。
(c) �′(�) = 4� > 0なので、関数� = 2�2は� > 0において増加関数である。
(d) �′(�) = 1/(2�12) > 0なので、関数� = �
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2は� > 0において増加関数である。
(e) 分かりやすくするために(a)で求めた�′(�)を変形しよう:
�′(�) =3− � �1 1 +3− ��� =3− � �1 3− � + �3− � �= 3�3− ��1 2
�3−�1 �2は� = 3を除いて常に正の値なので、�′(�) > 0となる。
よって関数� = �/(3 − �)は関数が定義される� > 0の範囲において増加関数である。
(� = 3のときは定義されない) (c) 省略。
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問題 1.D.9 微分係数とグラフの概形*
(a) � = −�2+ 4�の グ ラ フ は 以 下 の 通 り 。 頂 点 は(�, �) = (2, 4)で あ り 、 横 軸 と の 切 片 は(�, �) = (0, 0)と(�, �) = (4, 0)の2つ。
(b) � = −�2+ 4�が増加関数なのは、� < �の範囲にあるとき。 (c) � = −�2+ 4�が増加関数なのは、� > �の範囲にあるとき。 (d) �′(�) =−�� + �
(e) 省略。 (f) 省略。
(g) �′(�) = 0 ⇔ −2� + 4 = 0 ⇔ � = 2となる。これは(a)で描いたグラ フの頂点におけるxの値に等しい。微分という操作は解析的には 導関数�′(�)を求める作業だが、幾何的にはグラフの接線の傾きを 求める作業である。したがって、導関数�′(�)がゼロになるような xと、グラフの接線の傾きがゼロになるx(つまり増加関数から減 少関数へと変化する境界のx)は一致する。
問題 1.D.10 制約のない最大化問題*
(a) � = −�2+ 8� − 8のグラフは以下の通り。頂点は(�, �) = (4, 8)であり、横軸との切片は(�, �) = (4− 2√2, 0)と(�, �) = (4 + 2√2, 0)の2つ。
(b) 最大値は8、最大値を与えるxは4。
(c) 導関数は�′(�) = −2� + 8なので、この値がゼロになるのはxが 4のとき。
(d) この関数は、頂点を1つだけ持つ、上に凸なグラフである。し たがって、以下のロジックで説明すればよい。
(b)で求めた、関数の最大値を与えるx
⇕一致
グラフの頂点におけるx
⇕一致
関数�(�)が増加関数から減少関数にスイッチするようなx
⇕一致
グラフの接線の傾きがゼロになるようなx
⇕一致
(c)で求めた、導関数�′(�)の値がゼロになるようなx
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問題 1.D.11 制約のない最小化問題*
(a) � = �2− 6� + 12のグラフは右の通り。
(b) �′(�) = 0となるxを求めればよいので、
�′(�) = 0 ⇔ 2� − 6 = 0 ⇔� = �
問題 1.D.12 極値条件と最大値**
(a) Aが正の値の場合、この二次関数は下に凸のグラフとなる(例:問題1.D.11のグラフ)。この とき�′(�̅) = 0を満たす� = �̅は関数� = �(�)を最大にする x ではなく、むしろ関数� = �(�)を 最小にする x となる。したがって、� = �̅が�′(�̅) = 0を満たすからと言って、それが関数� =
�(�)を最大にするxであるとは限らない。
(b) � = �にて関数� = �(�)が最大になる場合、� = 0における微分係数
�′(0)がゼロに等しくならない可能性がある。具体例としては、� =
−�2+� + 12が挙げられる(グラフは右図)。このグラフは� ≥ 0の範 囲にて減少関数であり、� = 0にて最大値12を達成する。しかし� = 0はこの放物線の頂点ではないので、�′(0)はゼロとはならない(実際 に計算すると�′(0) = 1)。したがって、� = �̅のときに数� = �(�)が最 大になるからと言って、� = �̅における微分係数�′(�̅)がゼロに等しく なるとは限らない。
(c) この問題において「微分係数�′(�̅)がゼロ」は「�(�̅)が最大値になる」ための必要条件でも十分 条件でも無い。
【コメント】この問題 1.D.12 を作った意図としては「恐らく経済学を学ぶほとんど全ての学 生が『どうせ経済学なんて、とりあえず微分してゼロと置いとけば良いんでしょ。』という安 直な考えに一度は陥っているのではないか?それに警鐘を鳴らしたい、という思いに駆られた からである。確かに、そのアイデアはほとんどのケースにおいて正しいかも知れないが、それ は問題を作る教員サイドが「微分してゼロ」が「関数が最大になる」ための必要条件または十 分条件になるように、いわば学生への親切心から配慮して作問しているからであって、本当は 必ずしも正しくないのである。「微分してゼロ」は決して万能な魔法ではなく、効果が発揮でき る環境はむしろ限定的であるということを覚えて欲しい。
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1.E 制約付き最大化問題
問題 1.E.1 代入法による解法 1*
(a) � + � = �
(b) 長方形の面積はxyである。ここで(a)の条件式をyについて解くと� = 8 − �であり、これを面 積の式に代入すれば、面積は�� = �(8 − �) = −��+��となる。これは上に凸の二次関数なの で、この式を微分してゼロとなるxが、面積を最大にするxである。微分すると−2� + 8とな るので、これがゼロになるのは� = 4のときである。またこれを(a)の条件式に代入することで、
� = 4を得る。したがって、面積を最大にするのは(�, �) = (�, �)である。
(c) (b)と同じ手続きにより、答えは(�, �) = (�, �)となる。(基本的に、縦と横の長さの合計が決ま っているならば、面積は正方形のときに最大になる)
問題 1.E.2 最大化問題の定式化*
(a) ���
� �(� − �)と書ける。
(b) 問題1.E.1(c)を定式化すると、以下のようになる:
����,� ��
�. �. � + � = ��
(c) 非負制約を追加したものは、以下のようになる:
����,� ��
�. �. � + � = ��, � ≥ �, � ≥ �
(d) 問題1.E.1の(c)で解いた通り、1.E.2(b)で定式化した非負制約のない最適化問題の解は(�, �) = (8, 8)であり、これは非負制約を満たしている。非負制約を課さなくても解が非負制約を満たし ているならば、この非負制約はあっても無くても最適化問題に影響を及ぼさないので、1.E.2(c) のように非負制約を付けたとしても最適化問題の答えは変わらない。
【直感的には】あなたは講談社の週刊ヤングマガジンに元々興味が無く、現在全く読んでいな いとしよう。このとき「週刊ヤングマガジンを読んではいけない」というルールが急に課され たとする。しかし、あなたは元々このルールを守っていた(ヤンマガを読んでいない)ので、 このルールが急に課されたとしてもあなたの行動は全く変わらないだろう。つまり、あなたに とって「週刊ヤングマガジンを読んではいけない」というルールは、あっても無くても行動の 意思決定には影響を及ぼさないのである。
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問題 1.E.3 最小化問題の定式化*
この最小化問題を定式化すると、以下のようになる:
����,� � + � �. �. �� = ��
問題 1.E.4 代入法による解法 2*
答えは(�, �) = (�, �)である。以下は解き方。 ステップ1:制約式を片方の変数について解く
� = 16/�
ステップ2:それを目的関数に代入して、1変数関数として置き換える
� + 16/�
ステップ3:この1変数関数をxで微分してゼロとなる所を探す
�(�) = � +16�とすると、�’(�) = 1 −16�2より、�’(�) = 0となるのは� = 4のとき。
ステップ 4:問題 1.D.12 の教訓を活かし、�(�)のグラフの概形を考えることで、�’(�) = �となる
� = �にて本当に�(�)が最小値を取っているのかを確認する。
�(�) = � +16�は、極限を考えると�→0lim�(�) = ∞かつ�→∞lim�(�) = ∞、つまり�がゼロに近
づくほど値が限りなく大きくなる一方で、xが限りなく大きくなってもやはり値は限 りなく大きくなる。�’(�) = 0となるxが1つしかないことから頂点は1つしか存在し ない。つまり�(�)は概形としてU字型をしており、� = 4のときに最小値を取る。 ステップ5:求めたxを制約式に代入して、yも求める
� = 4を制約式に代入して、� = 4を得る。
問題 1.E.5 双対性**
問題1.E.1(b)の解(�, �) = (4, 4)は、辺の長さの和を 8cmにする(�, �)の中で最も面積を最大にする もの(このとき面積16cm2)である。ここで「辺の長さの和が8cm未満のときでも面積16cm2が達 成できる」と仮定してみよう。もしそうならば、そこから辺の長さの和が8cmまで伸ばすことが許 されたとき、達成できる面積の最大値は16cm2より大きくなれるはずである。しかし、それは辺の 長さの和が 8cm のときの面積の最大値が16cm2であることに矛盾する。したがって背理法により
「辺の長さの和が 8cm 未満のとき面積�����は達成できない」ことになる。しかし確認したよう に、辺の長さの和が 8cm ジャストのときは面積�����が達成できている。これはつまり、逆に考 えれば面積�����を達成するために必要な辺の長さの和の最小値が 8cm であることを意味する。 したがって、問題1.E.1(b)の解と問題1.E.4の解は一致する。
【コメント】このように最大化問題の解と最小化問題の解が一致する事例について、消費者理論で はその性質を「双対性」と呼んで議論する。この問題1.E.5はそのウォーミングアップとして用意 した。
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問題 1.E.6 制約付き最大化問題*
(a) 答えは� = �, � = �。以下は解き方。 ステップ1:制約式を片方の変数について解く
� = 18 − 4�
ステップ2:それを目的関数に代入して、1変数関数として置き換える
�2(18− 4�) = −4�3+ 18�2
ステップ3:この1変数関数をxで微分してゼロとなる所を探す
�(�) = −4�3+ 18�2とすると、�’(�) = −12�2+ 36� = 12�(3 − �)より、�’(�) = 0となる のは� = 0のときまたは� = 3のとき。
ステップ4:�(�)のグラフの概形を考える。
�(�)は3次関数であり、� = 0のとき極小値を取り、� = 3のとき極大値を取る。チェ ックしなければならないのは、� ≥ 0の範囲において� = 3のとき最大値を取るかどう かである。グラフの形を考えると、� ≥ 0の範囲においては逆U字型のグラフになっ ているので、� = 3のとき�(�)は最大値となる。
ステップ5:求めたxを制約式に代入して、yも求める
� = 3を制約式に代入して、� = 6を得る。
(b) � = �, � = � (c) � = �, � = � (d) � = ��/�, � = ��/�
(e) � = �/�, � = � (ln��はloge��と同じ) ステップ1:制約式を片方の変数について解く
� = 12 − 4�/3
ステップ2:それを目的関数に代入して、1変数関数として置き換える ln�� = ln � + ln(12 − 4�/3)
ステップ3:この1変数関数をxで微分してゼロとなる所を探す
�(�) = ln � + ln �12 −43��とすると、�’(�) =1�−12−4�/34/3 =1�−9−�1 =�(9−�)9−2�より、�’(�) =
0となるのは� = 9/2のとき。
ステップ4:�(�)のグラフの概形を考える。
�(�)は12� −43�2を単調変換した関数である。12� −
4
3�2は� = 9/2で最大値となる上
に凸の二次関数なので、�(�)も� = 9/2で最大値となる。 ステップ5:求めたxを制約式に代入して、yも求める
� = 9/2を制約式に代入して、� = 6を得る。
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問題 1.E.7 ラグランジュ乗数法**
(a) まず以下のラグランジュ関数を定義する:
ℒ = �2� − �(4� + � − 18) 1階条件はそれぞれ以下のようになる。
�ℒ
��= 2�� − 4� = 0, �ℒ��=�2− � = 0, �ℒ��= 4� + � − 18 = 0
これらの連立方程式を解いて、以下を得る。
� = �, � = �, � = �
(b) � = �, � = �, � = �� ⋅ ����−�
(c) まず以下のラグランジュ関数を定義する:
ℒ = 3� + 2� − �(�� − 24) 1階条件は�ℒ��= 3− �� = 0, �ℒ��= 2− �� = 0, �ℒ��=�� − 24 = 0
これらの連立方程式を解いて、� = �, � = �, � =��
※このように、ラグランジュ乗数法は最大化問題だけでなく最小化問題にも使用できる。
(d) � = ���, � = ���.� = ������
−�
(e) まず以下のラグランジュ関数を定義する:
ℒ = ln �� − �(4� + 3� − 36)
1階条件は�ℒ��=1�− 4� = 0, ���ℒ=1�− 3� = 0, �ℒ��= 4� + 3� − 36 = 0
これらの連立方程式を解いて、� =
�
�,� = �, � =
�
��
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問題 1.E.8 目的関数と制約式が線形の制約付き最大化問題**
(a) � = �, � = ��。以下は代入法による解き方。
ステップ1:制約式を片方の変数について解く
� = 36 − 6�
ステップ2:それを目的関数に代入して、xの1変数関数として置き換える 2� + 36 − 6� = 36 − 4�
ステップ3:この1変数関数が最大になるxを考える
�(�) = 36 − 4�とすると、関数�(�)はxの減少関数であることがわかる。�(�)が最大に なるのは、� = 0のときである。
ステップ4:求めたxを制約式に代入して、yも求める
� = 0を� = 36 − 6�に代入して、� = 36を得る。
(b) 代入法で解いていこう。
ステップ1:制約式を片方の変数について解く
� =� −8 �� �
ステップ2:それを目的関数に代入して、xの1変数関数として置き換える 8
�+�1 −
�
�� �
ステップ3:この1変数関数が最大になるxを考える
�(�) =�8+�1 −��� �とすると、P, Qの大小関係によって次の3パターンに分かれる。
1. � > �のとき関数�(�)はxの減少関数となる。
2. � = �のときは関数�(�)はxの値に関わらず8/Qで一定となる。 3. � < �のときは関数�(�)はxの増加関数となる。
パターン1のときは、� = �のときに�(�)が最大となる。
またパターン3のときはxを最大限まで上げることで�(�)を高められるので、制約式 をギリギリ守る� = �/�のときに�(�)が最大となる。
なおパターン2の場合は、どんな� ≤ � ≤ �/�でも�(�)を最大にすると解釈する。
- 21 - ステップ4:求めたxを制約式に代入して、yも求める
1. � > �のとき、� = 0を� =8
�−
�
��に代入して、� = 8/�を得る。
2. � = �のとき、�は0≤ � ≤�8を満たす任意のxを代入した� = 8
�−
�
��となる。
3. � < �のとき、� =�8を� =�8−���に代入して、� = 0を得る。
以上より、解答は
� > �のとき、� = �, � = �/�
� = �のとき、�, �は�� + �� = �を満たす任意の組。
� < �のとき、� = �/� , � = �
(c) (b)と同様のやり方で、以下を求めることができる。
� > �のとき、� = �, � = �
� = �のとき、�, �は� + � = �を満たす任意の組。
� < �のとき、� = � , � = �
【コメント】トライした人は分かると思うが、このように目的関数も制約式も線形(一次式)であ るような最大化問題は、ラグランジュ乗数法ではうまく解くことができない。何故ならラグランジ ュ乗数法はあくまでも最大化問題の解が内点解であるケースでのみ威力を発揮するツールだから である。上で見たように、目的関数も制約式も線形の問題では答えが内点解にならず端点解になる ので、ラグランジュ乗数法ではなく代入法など別のやり方で解く必要がある。
しかし代入法も万能ではない。というのも、代入法にはステップ1で「制約式を1つの変数につい て解く」という作業があるが、制約式が常に1つの変数について解ける保証はない。Px + Qy = 8の ような単純な式ならx または yについて解くことができるが、例えば�2+ 2��−1+�−2� + �3= 8 のように制約式がとても複雑な形をしていたらとても解くことはできず、この場合代入法は使用で きない。
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1.F 凹関数と凸関数
問題 1.F.1 (厳密な)凹関数・凸関数のグラフ*
(a) グラフは右の通り。
(b) �(�) = ��は厳密な凸関数であり、�(�) = ��/�は厳 密な凹関数である。
問題 1.F.2 (厳密な)凹関数・凸関数と 2 階微分*
(a) �′′(�) = �, �′′(�) = −���−��
(b) �′′(�)と�′′(�)のグラフは右の通り。
(c) 関数�(�)は任意の� > 0について2次導関数の値が プラスなので、厳密な凸関数である。また、関数
�(�)は任意の� > 0について2次導関数の値がマイ ナスなので、厳密な凹関数である。
問題 1.F.3 (厳密な)凹関数・凸関数の定義**
(a) 解き方は問題文のヒントの通り。以下、数式のみ述べる:
��(�1) + (1− �)�(�2)− �(��1+ (1− �)�2)
⇔ ��12+ (1− �)�22− (��1+ (1− �)�2)2
⇔ ��12+ (1− �)�22− (�2�12+ 2�(1 − �)�1�2+ (1− �)2�22)
⇔ �(1 − �)(�12+�22)− 2�(1 − �)�1�2
⇔ �(1 − �){(�12+�22)− 2�1�2} > 0
⇔ ��(�1) + (1− �)�(�2) >�(��1+ (1− �)�2)
よって�(�)は厳密な凸関数。
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(b) 解き方は問題文のヒントの通り。以下、数式のみ述べる:
���(�1) + (1− �)�(�2)�2− ��(��1+ (1− �)�2)�2
⇔ ���112+ (1− �)�212�
2
− (��1+ (1− �)�2)
⇔ �2�1+ 2�(1 − �)�112�221+ (1− �)2�2− (��1+ (1− �)�2)
⇔ 2�(1 − �)�112�212− �(1 − �)(�1+�2)
⇔ �(1 − �) �2�112�212− (�1+�2)� < 0
⇔ ���(�1) + (1− �)�(�2)�2<��(��1+ (1− �)�2)�2
⇔ ��(�1) + (1− �)�(�2) <�(��1+ (1− �)�2)
よって�(�)は厳密な凹関数。
問題 1.F.4 線形な関数*
(a) ��(�1) + (1− �)�(�2) =��1+ (1− �)�2=�(��1+ (1− �)�2)より凹関数となる。
(b) (a)の結果より、��(�1) + (1− �)�(�2) <�(��1+ (1− �)�2)となることはないので、�(�)は厳密 な凹関数ではない。
(c) ��(�1) + (1− �)�(�2) =��1+ (1− �)�2=�(��1+ (1− �)�2)より凸関数となる。
(d) (c)の結果より、��(�1) + (1− �)�(�2) >�(��1+ (1− �)�2)となることはないので、�(�)は厳密 な凸関数ではない。
(e) �′′(�)=0となるので、�(�)は凹関数であり、また凸関数でもある。
(f) � = �(�)が凹関数かつ凸関数であるとすると、その関数のグラフは直線であると考えられる。
問題 1.F.5 色んな関数の凹性・凸性*
(a) E. 凹関数かつ凸関数 (b) B. 厳密な凹関数 (c) A. 厳密な凸関数
(d) F. 凹関数でも凸関数でもない (e) A. 厳密な凸関数
(f) C. (厳密でない)凸関数 (g) D. (厳密でない)凹関数
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問題 1.F.6 2 変数関数の凹性・凸性*
(a) 問題1.F.3のように定義式から考える。
��1�1+ (1− �)�2�2− (��1+ (1− �)�2)(��1+ (1− �)�2)
⇔ ��1�1+ (1− �)�2�2− (�2�1�1+�(1 − �)�1�2+�(1 − �)�2�1+ (1− �)2�2�2)
⇔ �(1 − �)�1�1+�(1 − �)�2�2− (�(1 − �)�1�2+�(1 − �)�2�1)
⇔ �(1 − �)(�1�1+�2�2)− �(1 − �)(�1�2+�2�1)
⇔ �(1 − �)(�1�1+�2�2− �1�2− �2�1)
⇔ �(1 − �)(�1− �2)(�1− �2)
これは (�1,�1)と(�2,�2)の値に依存して正負の両方をとりうる。よって凸関数では無い。 (b) (a)の結果より自明。ちなみに� = ��を3次元グラフで表すと以下のようになる:
問題 1.F.7 凸集合と凹関数・凸関数**
(a) 凹関数のグラフの下側の領域に含まれる任意の 2 点�, � ∈ Aを結ぶ線分上の任意の点� = �� + (1− �)�が必ず同じ領域に含まれているので、これは凸集合である。