激動する国際金融を考える
激動する国際金融を考える
04年7月18日:日大経済学部オープン・キャンパ
ス発表資料 黒沢ゼミナール
製作:(総括)小浜健史 (グラフ作成)本多徹也 (協力)渡辺マミ (協力)成澤俊宏 その他黒沢ゼミ3年生
激動する外国為替相場
激動する外国為替相場
為替レート っ て何 !?
今なぜ日米間で1 ド ル=1 0 9 円なのか !?
外国為替と は何か?
外国為替と は何か?
z 「
為替」とは、もともとお金とお
金を替える、交換する意味 であり
z
つまり、外国為替とはドルと円、
円とユーロなどの異なる通貨を交
換することである。
z
今回は円とドルに焦点を合わせる。
為替取引について
為替取引の内わけは、通常時、約95%が投機取 引、残り約5%は貿易・金融による取引である。
また投機取引とは、貿易、金融資産などを扱う取引 である。
外国為替市場
外国為替市場
為替相場の仕組み
為替相場の仕組み
z
銀 行 間 市 場 ( イ ン
タ ー バ ン ク 市 場 )
に お い て 、 為 替 は
各 銀 行 の デ ィ ー ラ ー
間 で 取 引 さ れ て い
る。
短資会社の取引風景
電子ブローキング電子ブローキング
ロイロイタターやーやE BSE BSなどの電子取引端末による取引などの電子取引端末による取引 銀行のディーリングでも使われている
銀行のディーリングでも使われている
歴史編 歴史編
円の誕生
円の誕生
日米間の為替
z
1871年、新政府は「新貨条例」を
制定し、日本の通貨を統合して
「円」を誕生させました。
円の発足当初、円ドルの為替相場
は1ドル=約1円でした。
なぜ「円」と呼ぶのか!?
なぜ「円」と呼ぶのか!?
z 香港説
香港からイギリス造 幣局の機械(中古) を輸入して使用した 所、「ONE
DOLLAR 壱圓」と 表示され、それがそ のまま日本の円となっ たという説 。
z 便利説
新政府の財務担当 の大隈重信が方形 貨幣、つまり小判、 は携帯に不便だか ら、円形にすべき だと主張した、と いう説。
「ドル」の由来
「ドル」の由来
z
アメリカ・ドルは1785年に誕生した。
z
16世紀の初めの南ドイツ地方の「ター
レル貨幣」が起源でそれがスペインに伝
わって「ドレラ」と発音されるようにな
り、それがアメリカで通貨として使われ
る時に「ドル」と発音されるようになっ
た。
為替レート の推移
0 50 100 150 200 250 300 350 400
1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 円/ ドル
固定相場制 1ドル=360円
変動相場制
(1973年)
為替の変動
為替の変動
( 例)
( 例)
z 円高(ドル安)とは、1ドル=100円だったものが
1ドル=80円に動くこと。
z 逆に円安(ドル高)は、1ドル=100円が1ドル=
120円方向になること。
z ちなみに一般市民の私達が海外旅行に行く時、 円高のほうが得になります。
為替レート の決まり 方
為替レート の決まり 方
z
購買力平価
(PPP:The Theory Of Purchasing Power Parity)長期的、物価上昇
z
フ ロー アプローチ
中期的、経常収支、資本収支、外貨準備預金高 z
アセッ ト アプローチ
中・短期的
– オーバーシューティングモデル 実質金利
– ポートファリオ バランスアプローチ リスクプレミアム
z
ラ ンダムウォ ーク 説
極短期的、政治的、軍事的情勢
購買力平価説
購買力平価説
z 購買力とは、通貨で何を買える力があるかを 表す
z 長期的な為替レートは2国間の物価上昇の
比率によって決定されるという説
z 財やサービスの取引が自由に行える市場で は、同じ商品の価格は1つに決まる、「一物一 価の法則」が働いている。
例えば・ ・ ・
例えば・ ・ ・
日本 100円
アメリカ 1ドル
同質
理論的には価値は等し い
同じビッグマックが日本で100円、アメリカで1ド ルで あれば、 100円と1ドルが等しいはずであり、つまり100円の購買力と1ド ルの購買 力は 等しいので1ドル=100円と為替レートが決まる というのが購買力平価説の考え方 である
ビッ グマッ ク 購買力平価説
ビックマック購買力平価=日本ビックマックの物価÷ アメリカのビックマック物価
マクドナルドのビックマックを比較して各国の購買力を参照するこ と。世界中で販売されているビックマックは、同一の商品で比 較出来ることが特徴
日本のビックマックが上昇
日本製品がアメリカ製品に 比べて割高
日本の輸入が増加
ドル買い・円売りが増加 円安・ドル高
日本のビックマックが下落
日本製品がアメリカ製品に 比べて割安
日本の輸出が増加 ドル売り・円買いが増加 円高・ドル安
実際の為替レート と
実際の為替レート と
ビッ ク マッ ク 平価による為替レート の比較
ビッ ク マッ ク 平価による為替レート の比較
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
円
アメリカ カナダ イギリス ドイツ フランス イタリア スイス スウェーデン 香港 シンガポール オーストラリア サウジアラビア ブラジル メキシコ
為 替 レートとビックマック平 価 為替レート -
ビッグマック平価 -
購買力平価説
購買力平価説
z 正常な自由貿易が行われていたときの為替相 場を基準にして、物価指数の変化から求められ る。
購買力平価
日本の物価指数
(日本の求めたい年の物価指数
÷ 日本の基準年の物価指数)
基準時点の為替相場
×海外の物価指数
(海外の求めたい年の物価指数 ÷ 海外の基準年の物価指数)
実証 実証
z 1987年の円/米ドルレートが安定している ため基準にする。
z 物価指数(消費者)から算出された購買力
平価の理論値と実際の為替レートとの動 きを比較する。
現実の為替レートと購買力平価の比較
0 20 40 60 80 100 120 140 160
1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003
円/ ドル
現実の為替レート 消費者物価によるPPP
検証結果 検証結果
z 短期的に見ると現実の為替レートが購買力
平価説の理論値から大きく離れる時がある が、現実の為替レートは購買力平価の理論 値に収斂することから、長期的に見て現実 の為替レートは常に物価上昇と関係してい る。
z つまり、物価の変化率は長期的にみて、為 替レートを決定する要因
ラ ンダムウォ ーク 説
ラ ンダムウォ ーク 説
z 物価や金利などの経済現象以外の突発 的なニュースが為替相場に影響を与え る短期的な為替相場の変動。
z 最終的には購買力平価による為替レー トにたどり着くが、短期的な変動は説 明できないというのがランダムウォー ク説です。
実証編
1998年12月に1ドル=122.7円から1ドル=
1 1 5 . 7 円に約7 円、 円高に移行
原因
z 英米によるイラクへの空爆が合計で4回行わ
れた。
z 為替市場でアメリカへの不信感が高まり、アメ
リカの通貨(ドル)が売られ、ドル安になった。
2004 年4 月1 ド ル=1 0 4 . 0 5 から 1 1 0 . 3 5
に約6 円、 円安に移行
原因
z 四月初頭、イラクで日本人が3名が人質にとら
れ、またその後も数名拉致される。
z 日本が政局不安になり、為替市場で日本への
不信感が高まり、円が売られ、円安へなる。
今後の為替レート
今後の為替レート
z
2004年 7月20日
–
ランダム ウォーク説
z
2004年10月18日
–
アセット アプローチ説
z
2005年 7月18日
–
購買力平価説
ラ ンダムウォ ーク 仮説による
7月2 0 日の為替レート
z
午前8時35分、 永田町駅構内で自爆
テロ発生!通勤ラ ッ シュ だっ たため、
約7 0 名死亡。 その他、 重軽傷者多数。
そのため、 1 ド ル=約1 3 5 円まで移行。
先週の1 0 9 円から 、 約2 6 円、 円安に
移行する。
アセッ ト アプローチ説による
1 0 月1 6 日の為替レート
109.3+1/0.87× (0.105-1.84667)
=1 1 0 . 3 9
1
F = Eppp+ {(r*−π *)−(r−π )}
θ
F =3ヶ月後の日米間の為替レート θ =0.87 E =現在の為替レート
r =3ヶ月物の日本の金利 r* =3ヶ月物のアメリカの金利 π =日本のインフレ率
π * =アメリカのインフレ率
購買力平価説による来年
購買力平価説による来年
の為替レート 予想
の為替レート 予想
z 2005年の日本の消費者物価指数 予想 96.0
z 2005年の米国の消費者物価指数 予想122.0
z 基準年1987年
(96.0/88.08) 144.64 ×
(122.0/74.61) =96.4094
2005年の予想為替レートは約96円