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多様な数学的な考え方を引き出す授業方略の研究

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Academic year: 2021

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(1)多様な数学的な考え方を引き出す授業方略の研究 教育実践高度化専攻 授業実践リーダーコース. M07280B. 函     I l1       蜥. ワド      1−L1       月咄. 1.問題の所在. 4.実践の内容.  問題を解決する場面では,定型的に問題を解決.  実践Iでは,1時間の授業の中で多様な考え方. できる場合も多い。しかし,あらゆる問題を解い. を行うことをくり返し行っているような場合と,. たことがあり,すべての解き方を覚えているとい. 数時間の授業を通してみれば多様な考え方を行っ. うことは現実的ではない。. ているような場合との相違について調べることと.  実際にさまざまな新しい問題に出会った場合に. する。連立方程式の利用の学習において,多様な. は,いろいろな考え方を試したり考え直したりし. 考え方をどのように引き出すことがよいのかとい. ていきながら,正しい解にたどりついていく。そ. うことを視座に,異なる授業方略を実施した集団. こには新しい関係性や類似性を見出す創造的な思. 間の検証を行った。. 考が働く。創造性の育成には問題と解決の多角性.  実践IIでは,多様な考え方をする授業を日常的. に注目させることが必要である。つまり,数学に. に行った場合に,その前後における生徒の変容に. おける問題の解決のためには,いろいろな場面で. ついて調べることとする。二等辺三角形の証明の. 多様な考え方をすることができ,それを活用でき. 学習において,多様な考え方を引き出す授業によ. ることが必要であるといえる。. り,生徒にどのような変容があるのかということ. 2.研究の同的. を視座に,同じ授業方略を実施した集団内の検証.  本研究の目的は,多様な数学的な考え方を引き. を行った。. 出すためには,どのような日常の授業をすればよ. 5.研究の結果と考察. いのか,また,その授業によってどのような効果.  【多様な考え方の繰り返しが問題の解決に活用. が期待されるのかを明らかにすることである。. できる11時間の中で多様な考え方をする授業を. 3.研究の方法. 繰り返して行う場合と,数時間の授業を通してみ.  本研究では,多様な考え方ができることは,問. れば多様な考え方を行う場合で,考え方の多様性. 題を解決することに有効であるという立場を取る。. に差は認められなかった(表1)。しかし,正答率に. 多様な考えを引き出すためには,まず一人一人が. は差が認められた(表2)。また,多様性と正答率の. いろいろな考え方をすることが大切である。その. 相関にも差が認められた(表3)。つまり,いろいろ. ためには,課題の提示の工夫と,思考をうながす. な場面で多様な考え方をすることにより,それを. 発間が大切である。そして,自分とは異なる考え. 活用できるようになる。もしも定型的な解き方を. 方に出会うことで,考え方の多様性がさらに広が. する授業を繰り返して行っていたならば,たとえ. りを持つことになる。. 多様な考え方ができたとしても,それが問題の解. 一566一.

(2) 決のために有効に作用するとは限らない。重要な. れる】「自分からすすんで解く」や「ものごとを考. ことは,問題の解決に活用できる多様な考え方を. えるようになる」といった項目を含むような,「自. 習得させるように授業方略を行うことである。. 主性」とr学習の価値観」の2つの要素で情意面 が向上した(表4)。これは,多様な考え方をさせよ. 表1解答の合計の個数. うとした授業のねらいと一致する。. 従来の授業  研究実践の授業   t値 X       1,20          1.62 1.64皿s.. (S.D.)   (O.83)      (1.20). 表4情意面に関するアンケートの得点. (ウェルチの法による). 事前   事後   t値.      X5,215.84 自主性. 表2 正誤の人数 従来の授業  研究実践の授業. 達成活動  X   7.34.  N=35           N二34. 正答者数 (%)  8(22,9) 誤答者数 (%)  27(77.1). 2,52“.     (S.D.)  (2.84)   (2.99). の傾向  (S,D.)  (2.61). 19  (55.9). 達成志向  X   7.51. 15  (44.1). 冊1%有意水準,λ2ω=7.90舳. の価値  (S.D.) (2.68). 7,40.     0.26n.s. (2.91). 7,77.     1.01n.s、 (3.07).      X     6,56     6.84. 好意性               1.24n.s.. 表3解答の個数と正答を導けたこととの相関 従来の授業    研究実践の授業 τ。. (㎜.     (S.Dl)  (3.31)   (3148). 思考の   X   5,68   6.08.                   1163n.s.. O.199           0,458“.. 楽しみ  (S.D.) (2,67)  (3.OO). (35)                (34). 学習の   X   5,96   6.50. 舳1%有意水準. 2.19“. 価値観  (S.D.) (2.78)  (2.87) N=98 , t pく.05.  【考え方に多様性と汎用性がある】1時間の中 で多様な考え方をする授業を繰り返して行うこと により,考え方が多様になる。また,他の問題の. 解決の場面にも使えるような汎用性のある考え方 をする傾向がある。.  【多様な考え方は成績が下位の生徒にも重要で ある】多様な考え方をさせる授業をすることは,.  【多様な考え方と基礎的な学力にはやや相関が 認められる】事前テストと事後テストの両方にお いて,多様な考え方と基礎的な学力の間には,や や相関があると認められた。これは,多様な考え 方ができていれぱ,基礎的な問題もできるように なる可能性を示唆している。. 成績が下位の生徒が多様な考えができることに対 して効果があったといえる。通常であれば,下位. 群の生徒に対する手だてとしては,基礎的な問題 を練習により習熟させようとし,上位群の生徒に. 6.今後への提言  今回の研究の結果が,数学の他の全ての単元に 対しても適応できるとは限らない。今後の研究で は,多様な数学的な考え方を引き出す授業方略と. 対する手だてとしては,発展的な問題や多様な考 え方をさせようとする。そうすると,下位群の生. 徒にはいつまでたっても多様な考え方をつけさせ. して,単元や学年なども見通して系統立てた位置. づけをしていく必要がある。今回の研究をさらに 深めて,より一般的な授業方略を探りたい。. る手だてができないことになる。しかし,下位群 の生徒にも多様な考え方をさせることは重要であ. 主任指導教員  米 囲  豊. る。. 指導教員 松本件示.  【授業のねらいに一致した情意面の向上がみら. 一567一.

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