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小学校におけるバンド指導に関する一考察 : ブリティッシュスタイルのブラスバンドを中心として

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Academic year: 2021

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(1)   小学校におけるバンド指導に関する一考察 一ブリティッシュスタイルのブラスバンドを中心として一.                          教科・領域教育学専攻                          芸術系コース(音楽).                               M10203E                               田中 恵美. と言われ、無理のない奏法で演奏することが可能. 1、研究の動機・目的  現在、バンドのある小学校は極めて少ないと. である。全日本小学校バンドフェスティバルにお. 言われている。その原因として、楽器を揃える. いて、毎年必ず1校は、ブラスバンドの編成のバ. ことが学校の予算によっては困難であることや、. ンドが出場している。当イベントの講評には、音. 指導者が少ないこと、活動時間が限られている. 色の美しさや、ハーモニーの美しさなどが評価の. ことなどがあげられる。. 観点として書かれている。.  小学校にバンド活動を取り入れることにより、.  今日、小学校におけるブラスバンドは広く周. 児童が管・打楽器を演奏する機会、その演奏を. 知されておらず、実践している学校も多いとは. 聴く機会が増え、学校内ひいては地域の音楽文. 言い難い。学校におけるバンド活動について、. 化をより豊かにすることができると考える。小. 吹奏楽に関する研究はされているが、ブラスバ. 学校のうちから管・打楽器に触れることは中学. ンドに関するものは少ない。本小論において、. 校より先の音楽活動のきっかけを作ることにも. 小学校のバンド活動にブラスバンドを導入した. なる。また、あらゆる学校行事や社会的な行事. 場合の音楽的な可能性について明らかにするこ. で演奏し効果をあげられることや、バンドの良. ととする。. いチームワークによって児童の学校生活が豊か になることなどの理由から、小学校にバンド活. 2、論文構成. 動を取り入れる意義は大いにあると考えられる。. はじめに.  小学校バンドの編成を見てみると、吹奏楽は. 第I章 学校教育における管打楽器教育の諸相. 少なく、多くは金管バンドである。金管楽器と.  第1節 学習指導要領における特別活動の位. 打楽器のみの演奏形態には、ブリティッシュス.      置づけの変遷. タイルのブラスバンド(以後ブラスバンドと称.  第2節 学習指導要領における器楽教育の位. す)といった編成が存在する。ブラスバンドの.      置づけの変遷. 楽器編成は、サクソルン属の金管楽器(コルネ. 第1I章 小学校におけるバンド活動の概要. ット・ブリューゲルホルン・アルトホルン・ユ.  第1節 小学校におけるバンド活動の歴史. ーフオニウム・バリトン・バス)と、直管楽器.  第2節 インタビューによる調査とその結果. のトロンボーン、打楽器である。同じサクソル.  第3節 分析と考察. ン属の楽器を多く用いていることが特徴であり、. 第巫章 小学校におけるブラスバンドの可能性. パイプオルガンのような豊かなサウンドが魅力.  第1節 ブラスバンドの特性. である。楽器に注目すると、コルネットはトラ.  第2節 合奏の見学とその記録. ンペットと異なり音色がやわらかい。また、コ.  第3節 分析と考察. ルネットのサイズはより自然な姿勢で保持できる. おわりに. 一366一.

(2) ンド活動を取り巻く環境は年々厳しくなってお. 3、研究の概要  第I章では教育課程における管打楽器活動の. り、予算や活動時間・内容等に制約が加えられ. 位置づけについて、主として学習指導要領にお. る傾向にある。また、インタビュー調査から、. ける特別活動、音楽科における器楽教育の位置. 管楽器が未経験という指導者が多く存在してい. づけなどについて史的考察を行なった。. ることも明らかとなった。そのことから、小学.  第I1章では、小学校バンドの黎明期から今日. 校においては、楽器指導やメンテナンス等の面. までの活動の情況について歴史的認識を深めた。. において、ブラスバンドの方が吹奏楽よりもベ. そして、編成の異なる(金管バンド・吹奏楽・. ターであるといえる。. ブラスバンドの3種類)小学校バンドに関して、.  第皿章の合奏記録の比較・分析を通して、小. それぞれの活動の目的、活動内容、指導・運営. 学校バンドにブラスバンドの編成を取り入れる. の困難性、楽器編成の特徴等について、指導者. ことによる優位性について次の6つを確認する. へのインタビューを通して考察を行なった。さ. ことができた。①パート・個人にまで目が行き. らには、それをもとに各編成に共通する点と異. 届きやすい。②少人数から取り組むことができ. なる点についても論述した。. る。③指導がしやすい。④演奏がしやすい。⑤.  第皿章において、小学校の吹奏楽・ブラスバ. アンサンブルがしやすい。⑥音楽表現がしやす. ンドの合奏をフイ』ルドワークとして実際に見. い。これらについては、同属楽器が多く存在し. 学し、合奏記録を作成した。その合奏記録を元. ているというブラスバンドの編成上の特性が大. に、比較・分析を通して小学校にブラスバンド. きく影響していると考えられる。. を導入する際の音楽的な可能性について考察し.  今回の合奏記録は吹奏楽・ブラスバンドとも. た。. に1校ずつであり、しかも1時間の記録であっ た。データとしては少ないといえる。今後、多. 4、結果と今後の課題. くのデータを収集することでさらに考察を進め.  第I1章第2節のインタビュー調査の中の活動. たいと考えている。またブラスバンドは日本に. の目的に関する回答からは、r活動を通して音楽. おいてはまだまだ認知度が低く、活動の継続性. を好きになってほしい」「子どもの情緒を育てる」. や選曲等においても課題が山積している。旋律. 等の、指導要領(音楽科)との関連性や、「相手. 楽器であるコルネットに対する演奏上の負担が. に感謝の気持ちを持つ」「仲間のことを想う」等、. 大きく、その指導に関して具体的な方法の確立. 指導要領(特別活動)との関連性も見られた。. が求められている。. また、バンド活動を通して児童は音を出す楽し.  これらの課題については、筆者自身がこれか. さを見つけ、音楽に対する知識・技能を身にづ. ら教員として学校現場に立ち、指導法の研究・. けようとしている、という事例や活動を通して. 実践を行うとともに、ブラスバンドの普及に努. 異学年の交流が深まり所属感、つまり帰属意識. めていきたい。. が生まれている、等の内容がインタビュー調査 から明らかになった。上記を受けて、バンド活 動には教育的意義が存在すると考えられる。.  しかしながら前述の通り、小学校におけるバ. 一367一. 主任指導教官 竹内 俊一.

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