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鋳鉄の黒鉛化促進処理について

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Academic year: 2021

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(1)Title. 鋳鉄の黒鉛化促進処理について. Author(s). 三谷, 將之; 相馬, 詢. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. A, 数学・物理学・化学・工学編, 42(1) : 51-60. Issue Date. 1991-07. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6186. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 平成 3年7月. 北海道教育大学紀要 (第2部A) 第42巻 第1号 IA) VOL 42 ion工 i i do Un i i t ty of Educat Joumalof Hokka on (Sec s ver ‐I , No. l Ju y ,1991. 鋳鉄の黒鉛化促進熱処理について. ニ. 谷. 蒋. 之・相. 馬. 諭*. 北海道教育大学札幌分校機械工学研究室 *北海道大学工学部機械材料学研究室. izat ion of Cast lron ing Heat Treatment of Graphi on the Pro] t 〔 1 dot M[asayuki N I ITAN工 and M[akoto sOHMA. *. ion l l ido Un i i Laboratory of Mechani inee ing ty of Educat s caI Eng r ege ver ,Sapporo Co , Hokka Sapporo o02 i ido Un ive i * Laborato i i ine ia l l ineer ty of Eng ty ater s ng r s nee r ng M【 ach 1γ of Eng ly M【 , Facu , Hokka Sapporo 060. Abstract ly needl i [ oa ion general i Establ i t tne and m ー ong ti uch energy zat shed methodsofgraphi ‐Soh ion of di izat ine graphi i l has suggested that the existence of f te nodules and the ut rect. lat ip bet ion would promote the process. This paperinves i ionsh i t t l w r een zat graphi gatedthere ing pre-heat ing in austeni ine graphi te and the amount of f te nodules precipi tated dur. i i i ion phenomena at the cr t t caltemperature range‐ zat graphi The results were su工nlr lows larized as f ol : i 1) Longer pre‐heaing in austenite andi i t rmalheat at higher temperatureinthecr cal sothe i ion t range l zat eaded to more graphi ‐ ion was to pre‐heat castiron for 20 min 2) The opt i i imum condi t t zat ons promoting graphi to a t h ickness of5. l ly at the tepmpratt ing i t af ter the ・ re j us sotherma mm and then heat. ion. ing transformat f cool start o. 3) Remarkab1 i ion jus ing transformation was due to t t after the start of coo1 e graphi zat ing te]nperatures d i i i ion t rectgraph zat sothermalheat ‐ The decreasing expansion by loweri io ofind i i ion i t rect graph was due to the increase in the rat zat ‐ ly gaph 4) St i i t rong castiron was comparatively easi zed, butthe expansion was less than h in iron ofl t t r n ow s e g ‐. 5) Th i s research provided useful data to. i i ion, and al t zat so suggested the promote graph. f ferentst i bi l i ion of cast irons wi i th d ty of easier product ren啓h poss . 51 ) (.

(3) . 52. 三 谷 府 之・相 馬. 1. 緒. 言. )とともに それ 鋳鉄の機械的性質は, 化学組成, 溶解条件, 冷却条件等によっ て著しく変化する1 , らの影響の総合的結果として顕微鏡組織すなわち, 基質と黒鉛組織が特徴づけられる. 一般的に鋳鉄を機械材料として利用する場合高強度の材質が求められ, そのためには黒鉛片は微 細であることが望まれる. また, 基質組織としてはパーライ トが微細 で, 量が多いほど強く, 耐摩 耗性に優れているが, 靭性に劣るので, 機械材料としての利用に問題が生じる場合がある. そこで, セメ ンタイ トを高温で分解して黒鉛と鉄にすると (黒鉛化:Fe 3C → 3Fe 十 C) 鋳鉄は軟化して ) 朝性が生じるよう になる.2 oCに長時間加熱して共晶 Fe C をすべて 黒鉛化焼鈍は,鋳鉄をまずオーステナイ ト域の85 0~950 3 焼鈍炭素にした後, 緩やかに冷却して Ar .変態で析出するパーライ トもその温度付近に長く保って分 ) 黒心可鍛鋳鉄は, この方法で 解する. 前者を第一段黒鉛化, そして後者を第二段黒鉛化と称する.3 ) 工業的に製造されている.4 ) しかし 可鍛鋳鉄の第一段黒鉛化は,比較的解明しやすく,また従来多くの研究がなされてきた.5 , 第二段黒鉛化においては, 安定系によるオーステナイ トの直接黒鉛化あるいは準安定系による変態 であるオーステナイ トのパーライ ト変態および準安定系から安定系への変化である共析セメ ンタイ トの黒鉛化という, 以上三種の変態様式が順次利用され, 第二段黒鉛化が完了される. すなわち, 第二段黒鉛化 は第一段黒鉛化より複雑であるため従来詳細な研究は少なく, また第二段黒鉛化 は通 ) 中でも 黒鉛化時間の短縮は 常数十時間を必要とすることから工業的に多くの問題を残してきた.6 , 省エネルギーの立場から早急に解決されなければならない問題である. これに対して, 著者の一人 )変態域を含む成長実験から冷却変態開始直後に恒温加熱することにより黒鉛化が促進されること は7 を見出した. さらに, オーステナイ ト域における加熱も重要であると推察した. すなわち, オース テナイ ト域加熱中に生じる微小な黒鉛が多いほど, それを核として第二段黒鉛化が促進されると考 えられるからである. しかし, これに注目した研究は従来皆無である. そこで, 本研究では, 片状 黒鉛鋳鉄についてオーステナイ ト域恒温加熱 (事前加熱) 時間とそれに続く冷却変態域黒鉛化との 関係について調べ, 黒鉛化促進について有効な知見を求めることを目指した.. 2. 実験方法 実験に用いた試料は,素材寸法 小30×250(mm) の片状黒 鉛鋳鉄 FCIO0 と FC300で, 化学組成 を表1に示した. 顕微鏡組織は, 図1に示したよ う にFCIOO は長く伸 びた片状 黒鉛, その周 辺の フ ェ ライ ト, そ し て パ ー ラ イ ト 基 質 か ら な っ てい る. FC30 0の黒鉛は, FCIOOに比較して細く短 く, また,パーライ トが級密な様相を呈している.. このよう な二種類 の鋳鉄 の中心部 から, 小 5 × 35(mm)の丸棒を機械加工により採取して, 実験. 表1 片状黒鉛鋳鉄の化学組成,% T.C. G.C. Si. M [ n. P. S. FCIOO 4.12 2.26 1-84 0.59 0.070 0.014 FC300 3.26 0.98 2.01 0-54 0.052 0.019. に供した. 2 5 ( ).

(4) . 一 - - - 露 襲滋惑謙 鋳鉄の黒鉛化促進熱処理. . . . . . 53. . . に. . L」すご 遥 々; .逸 イ. -↓むて.! FCIOO ) 片状黒鉛鋳鉄 (. 二ヒトきせ」三 -〆. ド ≦》. . ー --ニ. 片状黒鉛鋳鉄 (F C 3 00). 図1 片状黒鉛鋳鉄の顕微鏡組織 (鋳造のまま, 3%ナイタール腐食) 熱処理 は, 図2に示した縦型熱膨張計 の電気炉の試料台に上記の試験片をのせ, 図3に示したよ oCまでおよそ1 0C/mi うに室温から90o 0 0mi n の加熱速度で加熱した後0 n事前恒温加 ,20そして6 o 熱を行っ た. その後, 冷却変態付近温度まで1oC/mi n で冷却した. そして, 冷却変態開始直前の AC.OQV. 検 出器. 差動変圧器. →排気. じ 1. 冷却水 石英管. 冷接点 嵯 温度- CA熱電対 伸び記録計. 試験片. 温度一時間記録計 ←÷ ガス 図2 熱膨張計の概略図. 0C 7 15 7300C 7400C. 900OC-○,20,60 min 変 態域恒 温加 熱温度. . (加 熱 時 間 :3hr). 740, 730,7 15, 700,660.66ooC. 室 温). . r. 600 700 800 900 圭, oc 加糞 丸温厚. 図3 熱処理方法 3 5 ( ).

(5) . . 54. 三. 谷. 之・ 相. 府. 馬. 諭. oC 冷却変態終 oC 冷却変態終了直前の70 0C 冷却変態半 ばの71 0C 冷却変態開始直後の7 0 5 30 740 , , , , oCの各温度で3hr恒温加熱した後 室温まで 0Cそして冷却変態が完全に終了した660 了直後の680 , 冷却して, 熱膨張曲線の解析, 組織観察そしてフェライ ト面積率の測定を行っ た. また, FC300 に oCに つ い て の み 行 っ た な お 加 熱 は 縦 型 熱 膨 張 計 の oC-60 min → 730 700 660 ついて は, 90o , , , , ‐ /mi 0cc 99‐9 999%) をおおよそ5 石英管の下部から高純度アル ゴンガス ( n の割合で送り込ん だ雰囲 8 }(日本レギュ レー 気中で行っ た. さらにフェライ ト面積率は, 粒子の解析を行うルー ゼックス450 ビデ オ信号に変換し, タ社製) を使用した. その測定原理 は, 視野内の粒子を TV カメラによっ て. しきい値回路に送り, 解析したい濃度範囲内の画像 だけを抽出する. その後, 2値化して計数回路 で種々 の測定を行う. 本実験では, ナイタールで深腐食を行っ てパーライ トを黒色, フェライ トを 白色に区分して, フェライ ト面積率を測定した.. 3. 実験結果 oCにおける事 図4-仰,( B )式のはFCIOOの, そして⑩ はFC300の熱膨張曲線である. 仰 は,9oo 前加熱時間がo min , すなわち恒温加熱を行わなかっ た場合の結果である. 変態域恒温加熱膨張傾 oCが一番著しく 以後加熱温度の低下とともに減少して 変態終了後の 向は, 変態開始直後の73 0 , , o 660Cでは, 変態開始直後の約1/4になっ た‐ また, 各温度の膨張傾向に著しい差 が生じたが, 恒 温加熱後の冷却曲線の傾きはいずれの場合もほぼ等しく, 平行な直線を描いた. 一 方, 加熱時間に oCでは 恒温加熱開始から 30 対する膨張傾向にも等しい差異 が生じた. すなわち, 変態開始直後の7 , わずか20mi n ほどで全膨張 (3hr加熱) の約80%にも達するが, その後の膨張傾向は, 著しく減 0Cにも認められ 20mi 少した. この傾向は, 変態半 ばの715 n まではやはり著しい膨張傾向を示し, , oCにおいても加熱開始直後の瞬時に o 0 全膨張は,7 30Cの80%に達した. さらに, 変態終了直前の70. R製 S W率 日展 の\ aコOO一× ^刺 o. i圏. o. ,一 ・. 1 c 66。。. 3. o. 1. 鱒影 5-. ハ. 5. in. ムー. *.も. 660℃. 4÷730℃. . FC3001. 2. FCIQQ. 1 1 7300C. -一・一 /’ .. /. 0. 6. 1. 0 0. 、ー 塾誓時翠 [. 5. 《 O 墓拶 -‐---- / - ー / ーメ びモー 獄さ ‐イ 〆‐ 2 3 1 加熱時間、 h. 5. 7 00℃ が. 6吠 1 46. ,. ″ 官A I ). 3. 7300C. 1. . 夕. 3. ) (B). 遡幽= 3 C), ( 2 」 ・ 20 60 70o a考『 商一 9oo 6 0 6 0 700 600. 6o0 700 600 900 600 700 8oo 加 熱 温 度, oc 加 熱 温 度, oc. 加熱温度、 ℃. 図4 恒温加熱熱膨張曲線 5 4 ( ). 900. 加熱温度、 ℃.

(6) . 55. 鋳 鉄 の黒 鉛 化 促 進 熱 処 理. oCのおおよそ20%になっ 著しい膨張傾向が生じたが,前二者の温度に比べると著しく減少して,730. た. 一方, 変態終了後の二つの温度の膨張傾向は, 加熱初期の著しい膨張傾向も消失して類似した 0Cのおおよそ25%になっ た 低膨張曲線を描き3 hr加熱後の膨張量は730 .. 0 ( B拝ま n の場合に類似し, n の場合である. 膨張傾向は④のo mi ,900Cでの事前加熱時間が20mi 0C以上の各恒温加熱の膨張は o min また恒温加熱後の冷却曲線の傾きはほぼ等しい. しかし,7 00 , の場合よりわずかだが増大する傾向が生じるとともに, 加熱後の冷却曲線はやはり重なる傾向を示 oC 0Cについても恒温加熱を行ってみたが 加熱の半ばまでは71 した. 一方, 冷却変態開始直前の740 5 , 0 0 0 よりも低膨張で, その後は71 80Cと660Cの膨張傾向及び膨張量 5Cにほぼ等しくなっ た. なお, 6 は仰の場合にほぼ等しかっ た. 0C及び700 0Cでの膨張傾向は 囚及び( ( C )は, 事前加熱時間が6 B )に類似 し 0min の場合である.730 , o ているが, わずかに増大する傾向が認められる. また,66 0Cは, やはり④及び( )の場合に類似した B 膨張傾向を示すとともに, 膨張量もほぼ等しかっ た.. 右端の⑩ は,FC300 の事前加熱時間が60mi n の場合である. 膨張傾向は先の FCIOOに類似して 0Cの著しい膨張増大傾向は FCIOOよりも緩慢になっ て ほぼ40min いるが, 変態開始直後の730 , , 0Cの膨張量 は FCI 0C及び7 O Oよりも少なく 00 の恒温加熱で膨張が飽和状態に達した. 又, 7 30 , , oCの場合は約30%減少した しかし変態終了後の660 oCの膨張はFCI 7 30 OOにほぼ等しかっ た. . 0C事前恒温加熱時間に対する膨張量を 変態域恒温加熱温度別に区分して 図 5 は, FCI OOの900 , oC事前恒温加熱時間が長いほど 示した結果で膨張傾向の差異が明瞭に認められる. すなわち, 90o ,. 又, 冷却変態域での恒温加熱温度が高いほど, 膨張が増大した. また, 変態終了後の恒温加熱によ る膨張はほぼ等しく, 事前加熱の影響の消失が明瞭である. 変 態 域 恒 温 加 熱 温 度 (加 熱 時 間 :3hr) 7300C 7000C 6600C 0-6. N. 言 三 「 園 浅. N. . . “. 二国n璽. 嚢 ○.2 0.0. 0 20 60. 0 20 60. 圏 n 悶 0 20 60. 90ooc事 前↑亘ラ品 加 熱 時 間,min 図5. oC事前加熱に対する変態域膨張量 FCI O Oの9 0 o. 図 6 は, 恒温加熱中の膨張量とフェライ ト面積率を棒グラフに示した結果である 一般的に, 膨 . 張の増大に従っ てフ ェライ ト面積率が増大したが, その傾向は, 必ずしも一致していない. すなわ ち FCIOOの事前加熱時間o mi n の場合, 恒温加熱温度の低下とともに膨張の減少傾向が著しいが,. フェライ ト面積率の減少傾向は, 極めて緩慢である. 一方, 事前加熱時間の増大に伴っ てフ ェライ ト面積率が増大するが, やはり類似 した傾向が明瞭に認められた. これに対して,FC300の場合は, 膨張量とフェライ ト面積率の関係が FCIO0とは逆の関係が生じているのが注目される. すなわち, 膨張量 はいずれの場合も FCIOO よりも少ないが, フェ ライ ト面積率はFCIOOを上回っ た. 55 ( ).

(7) . 56. 三 谷 将 之・相 馬. 詞. TOO 9oooc事 前↑ 亘漏 加 熱 時 間 :omin. ヤ h60. FCIOO 9oooc事 前 恒ラ 昼 加 熱 時 間 :20mln. ム 浅 60 ヤ ー 60. 1曜 4o. . ト糎20. ト 掴 20. O 変 態域 恒 温 カ ロ熱 な し. 査の ま ま 金 寿美. 変 態 域 恒’ 品 加 熱な し. 鋳造 のま ま. 2 ぞo . 0 O .. 730 715 700 660660. 730 715 700 660660. 加勢 も温 度, oc. ioo ム繰 60. 加 熱 温 度, oc FC300 9oooc事 前 恒 温 加 熱 時 間 :60min. FCIOO 9oooc事 前 恒 温 加 熱 時 間 :60min. 藷 6O. ドi6O. 日 把 40. 日憾 40 ト糎 20. ト掴 20 O . 昼 変 態 城 恒ラ 6 呂繰 0 .. 鋳 造 のま ま. 、態 域 恒 温 変 加熱な し. 6 』o ‐. 鋳造 のま ま. . 2 ぞo . 730 715 700 680660. 730 715 700 660660 加 勢 温度, oc. 加 勢“温 度, oc. 図6. 恒 温加熱中の膨 張量 とフ ェ ライ ト面積率. 図 7 は, 図6の関係を再度整理したグラフで, 事前加熱時間に対する変態域恒温加熱中の膨張量. とフェライ ト面積率の対応関係が明瞭で, 膨張とともにフェライ ト面積率がほぼ直線的に増大した. そ して,o min に対 して 20mi n 事前恒温加熱によるフェライ ト面積率の増大が顕著であることから, 20mi n 程度の恒温加熱によって黒鉛化を促進させることが理解できた. しかし,60min に よ る結果. は20mi n より僅かに大という程度で, 殆 ど差が無いと言えよう. 一方, FC300の場合, FCIO0 と 同じ膨張でもフェライ ト面積率が大であるという注目すべき結果が明瞭に認められる. 0Cを基準に比較した膨 図8の上図は, FCIO Oの変態域恒温加熱温度に対する変態域膨張量を660 oC 張量比を示す. 図から明らかなように, 変態域恒温加熱温度とともに膨張量比が増大したが,700 より高温側 における増大傾向が著しい. すなわち, 黒鉛化傾向が顕著であることが理解できる. 一 oC事前恒温加熱時間に対する変態域膨張量を加熱時間o mi 方,下図は,90o n を基準に比較した結果 oCより70 oCの膨張傾向 である 変態域恒温加熱温度の増大とともに, 膨張量比が増大するが, 7 30 0 が 大 で あ っ た. ま た, 恒温加熱時間2 0mi n までの増大傾向が大きいが, その後は減少する傾向を示 した. さらに,660℃の場合には恒温加熱時間が増大しても膨張量比がほぼ等しいので, 変態終了後 の温度において は加熱時間を増大しても黒鉛化を促進する効果がないことが再度理解 できた.. 56 ( ).

(8) . 57. 鋳鉄の黒鉛化促進熱処理. 9oooc恒 温 加 熱 時 間 60mi 20min. 繰. .. 60. ジ もが. 纂7o. 660. g l. 730. ÷湿 度(3hr ) 変 態城 恒 温 加 熱 700℃. ;60 3 整1 .. 1ト. 蟹1 2 . 1I 艶 . . H 5 . 700. 変 態域恒 温 加 熱 温 度, oc. 0 .0. 0‐2. 0.4. 0.6. 0.8. 0 10 20 30 40 50 60. ↑ 亘ラ 霊力01熱 中 の 脆察援 量 , % 図7. 9oooe恒 温 加 熱 時 間 , min. 恒温加熱膨張量 と フ ェ ライ ト面積率. 図8 FCI O Oの膨張傾向の比較. oCの場合 他の変態域恒温 図 9 は, 室温で観察した FCI OOの代表的顕微鏡組織写真を示す. 730 , 加熱温度に比較すると, フェライ ト面積率が多く, パーライ トはほとんど分解傾向である そして . その傾向は, オーステナイ ト域恒温加熱時間とともに増大して, 60mi n の場合, パーライ トはほぼ 完全に消失した. しかし, パーライ トが多少残留しているとは言え, オーステナイ ト域事 前恒温加 熱がo mi n でも変態域 で恒温加熱をすると黒鉛化を著しく促進する効果のある結果が得られたこと は注目に値する. oCの場合の黒鉛化傾向は7 oCに類似 しているがパーライ ト量が多い しかし かなりのパー 7 00 30 . , ライ トが分解していることから, この温度でも短時間の恒温加熱で黒 鉛化を行わせ得ることが理解 で きる. oCでの組織変化は図 以上は, 変態域内において恒温加熱を行った場合であるが, 変態終了後の660 一 9の 番下に示した通りである‐ すなわち, 変態域内の恒温加熱に比較すると残存するパーライ ト 量が多く, しかも, 事前恒温加熱時間 の増大にもかかわらずパーライ トの分解量に大きな差が認め られないことが理解できる. これは, 先の膨張量とフェライ ト面積率の測定結果に良く対応してい る‐ oCで60mi oC 図 10 は, FC3 00の場合でオーステナイ ト域の90o 30 n 事前加熱した後, 変態域の7 ,. oCそして変態終了後の660 0Cで 3 hr恒温加熱した結果である 7 0 700 . 30Cの組織はフェライ トと黒鉛 0 のみで, パーライ トの存在 は認められない.すなわち,完全に黒鉛化が行われたと考えられる 7 . 00C の場合も著しく黒鉛化が生じる一方, 同じ条件のFCIOOよりも黒鉛化量がわずかに多い様相が認め ら れる.. 57 ( ).

(9) . 58. 三 谷 府 之・相 馬. omin. 20min. 諭. 60min. oC事前加熱 90o ↓. 0C恒i勘 隣ミー3 hr 7 3 0. omin. 20min. 60mil l. 0C事前加熱 900 ↓ oC恒温加熱 -3 虚 700. omin. 20min. 60min. oC事前加熱 90o ↓ oC恒温加熱-3 hr 660. )を変態域で恒温加熱した顕微鏡組織(3%ナイタール腐食) 図9 片状黒鉛鋳鉄(FCI O O. oC-60mi 90o n 事前加熱 ↓ 変態域恒温加熱-3hr oC 730. oC 700. oC 66o. )を変態域で恒温加熱した顕微鏡組織(3%ナイタール腐食) 図1 0 片状黒鉛鋳鉄(FC3 0 0 5 8 ( ).

(10) . 鋳鉄の黒鉛化促進熱処理. 4. 考. 59. 察. FCI 0ともにオーステナイ ト域で事前恒温加熱時間が増大すると, 変態域内での恒 OO及びFC30. 温加熱膨張及 びフ ェライ ト面積率が増大, すなわち黒鉛化が促進された. これは, オーステナイ ト 域で事前に恒温加熱をすることによって共晶セメ ンタイ トが分解して析出した粒状小黒鉛を中心に 変態域での黒鉛化が進んだ結果と理解できる. しかし, 変態終了後ではこのような効果が認められ なかっ たのは, 温度が低いので炭素の拡散 が抑制されたためと考えられる. 一方, 冷却変態開始直 後における恒温加熱膨張 が著しかっ たのは直接黒鉛化9に よる. すなわち冷却変態開始直後ではオー ステナイ トから直接炭素が析出するので, 著しい膨張と黒鉛化が生じたと考えられる. そしてこの 現象が極めて短時間に生じたので, 工業的立場から有益な知見である. これに対して恒温加熱温度 の低下による著しい膨張の減少は, 直接黒鉛化に変わっ て間接黒鉛化量が多くなっ た結果を示す. すなわち, 黒鉛から離れた位置に生成された パーライ トの分解により黒鉛化 が行われる機構が中心 になる. そして, この機構は時間がかかるので本研究の時間内では直接黒鉛化より低膨張になっ た 0 } と考えられる. しかし, もしさらに加熱を続ければ, 黒鉛化が促進され膨張が増大したであろ う.1 一 方,FCIOO において, 恒温加熱時間とともに冷却曲線の傾きがわずかに穏やかになっ たが, 膨張 0mi 傾向は, 20mi n は20 min に ほ ぼ 等 し か っ た. こ の こ と か ら 直 接 黒 鉛 化 n 恒温加熱が著しく, 6 の最適時間は,肉厚5mm に対して,20min 程 度 と 考 え ら れる. 又, 注 目 す べ き こ と と して, FC300 は, FCIOO よりも パーライ トが細かく高強度にもかかわらず冷却変態直後, 及び変態半ばの恒温加 熱 にお い て FCIOO よりも低膨張でフェライ ト面積率が大であっ たことである. これは, 冷却変態終. oCの両鋳鉄の膨張にはほとんど差異がないことから 第一段黒鉛化量が多く す 60 了直後すなわち6 , , なわち微小な黒鉛の析出量が多いのでそれを核とする直接黒鉛化 が増大した結果と理解できる. 以上の結果から, 片状黒鉛鋳鉄は, オーステナイ ト域での事前加熱の後, 冷却変態域での恒温加 熱温度が高い程, 直接黒鉛化の割合が増大して, 短時間に黒鉛化を達成させることが判明した. し かも, 本研究から直径5 mm に対して, オーステナイ ト域事前加熱おおよそ20mi n , 冷却変態域加 o 熱 20~30 min が 効 果 的 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た‐ 例 え ば, FCIOO の場合,9oo Cで 20 min 事 前 に恒温加熱を行うと, 行わない場合に比較して, 最大で40%もフェライ ト面積率が増大した. また, セメ ンタイ ト量が多く強度が高い鋳鉄ほど事前加熱による粒状 小黒鉛の析出量が多いので, 変態域 における直接黒鉛化 が増大する. さらに, 変態域の恒温加熱温度によっ て パーライ トとフェライ ト 量を変えることができるので, 種々 の機械的性質を付与した材質 を得られる可能性も理解できた. 従っ て, 本研究の熱処理方法は, 黒鉛化を促進して省エネルギーに寄与するので黒鉛化の新たで有 効な方法のみならず, 鋳造後の鋳鉄の材質を容易に変えることができるので, 鋳鉄の種々 の工業的 利用の拡大にも応用できる方法と考えられた.. 5. 結 片状黒鉛鋳鉄に靭性を付与する従来の黒鉛化法は, 一般的に長時間を要し, 省エネルギー的立場 )からあらかじめ微小黒鉛の存在と から問題が指摘されている. これに対して著者の一人の成長実験7 直接変態を利用することが効果的と考えられた. そこで, 本研究では, 片状黒鉛鋳鉄のオーステナ イ ト域事前恒温加熱時間を種々変えることによっ て微小黒鉛の析出量を変化させ, これと冷却変態 59 ) (.

(11) . 60. ・. 三 谷 幣 之・相 馬. 詞. 域恒温加熱 による黒鉛化との関係を調べ, 黒鉛化促進に新たな知見を求めることを目指した 得ら . れた結論は次の通りである. 1) 片状黒鉛鋳鉄は, オーステナイ ト域事前恒温加熱時間が長 い程, 又, 冷却変態域の高い温度で 恒温加熱する程, 著しい膨張が生じフェライ ト面積率が増大した 例えば, 冷却変態開始直後の . 恒 温 加 熱 に よ っ て, お お よ そ 20~30mi n で全膨張の80~90%に達した. 2) 変態終了後の恒温加熱膨張は, 事前加熱にもかかわらず著 しく減少して, 変態開始直後におけ る恒温加熱膨張の1/4~1/5になっ た. 3) 冷却変態直後の恒温加熱による著しい膨張とフェライ ト化 は, 直接黒鉛化による 一方 恒温 , . 加熱温度の低下 による膨張の減少は間接黒鉛化 の割合が増大する結果である . 4) 高強度の鋳鉄ほどオ ーステナイ ト域での事前加熱による微小黒 鉛の析出量が多く 直接黒鉛化 , 量が増大して フェライ ト面積率が増加した. しかし, 膨張は低強度鋳鉄より少なかっ た . 0C事前恒温加熱時間20mi 5)本研究から, 肉厚5 mm について900 n , 冷却変態開始直後の恒温加 熱が最も黒鉛化を促進する条件であることが分かっ た. 6) 本研究の結果は, 黒鉛化促進に対して有益な知見を与える ばかりでなく, オーステナイ ト域 ,. 及び変態域恒温加熱温度及び時間によって組織を変え, 種々の工業的要求に容易に対応できる材 質が得られることも理解 できた.. 文. 献. 1) 加山延太郎ら:鋳鉄の材質, (コロナ社) ( 19 75 ) , P.1~38 2) 岡本正三:鉄鋼材料, (コロナ社) ( 1 976 ) P 1 4 , ‐9 3) 矢島悦次郎ら:機械・金属材料, (丸善) ( 19 84 ) , P‐236 4) 幸田成康ら:新版材料篇 鋳鉄, (日本金属学会) ( 196 3 ) 3~8 0 , P‐7 5) 堤信久, 祖父江昌久:鋳物, 4 1970 ) 9, P.757 1( 6) R. W1 1962 ), P‐107 odawer : Fo tmdw Trade Joumal ,26 (. 7) 相馬諭, 8) 相馬諭, 9) 萩原巌, 1 0 ) 相馬論,. 若松克光:鋳物, 6 2( 1 9 ) 90 25~6 30 , P‐6 長岡金吾:鋳物, 55( 9 83 ) 1 P 5 6~5 51 , .4 高橋忠義:北大工研究報告, 第24号 ( 1 ) 2月, P‐1~6 1 9 6 若松克光:鋳物, 6 2( 9 ) 19 0 P 6 2 9 , . (本 学 教授. 6 0 ( ). 札 幌 分校).

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