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教員夏期講習の起源に関する一考察

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Academic year: 2021

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(1)Title. 教員夏期講習の起源に関する一考察. Author(s). 佐竹, 道盛. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 32(2): 1-13. Issue Date. 1982-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4867. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 教員夏期講習の起源に関する-考察. 佐. 竹. 道. 盛. は じめ に. 夏期講習は, 今日では単に 教育界のみならず社会一般に広く普及定着している制度である この . 夏期講習が教員現職教育の方法として, 我が国の教育界に定着したのは明治30年代のことであっ た. 「学制」以 来の慢性的な教員不足の中 で, 小学校の授業を欠く ことなしに, 教員に研修の機会を 提供して資質の向上をはかるために, 無理のない現実的な方法と して採用されたのが夏期講習 で あった. しかもそれは, 教育関係者のながい間の模索が生み出した制度であった . ただ, 前述のような現実的な配慮によって生み出された制度であっただけに 定着過程で関係者 ,. によってさま ざまな問題点の指摘がなされつづけていた.. 本稿は, 我が国の近代教育史の中で, 教師像を実質的に形成してきた有力 な制度としての夏期講 習に関して, その成立と定着の過程をあとづけるとともに, 問題点を明らかに して今日の 現職教育 に歴史的知見を提供することを意図するものである,. 教員 夏期講習前 史. 1 1. 「学制」 期における夏期講習志向. 教員 夏期講習は, 在職者を対象とする教員講習がある程度普及した段階 で, その教員講習と夏期 休 業 が結合されて成立するものである. ところで, 「学制」期には教員講習の原型とみられる諸施策. が府県によって採択されており, その点で 「学制」 期は夏期講習制度成立への間接的準備期とみな し得る.また一部の府県では,休日を利用する現職教育が現われているが, これは授業を欠く ことな しに教員の研修を行うことを意図する点で夏期講習へ一 歩近づいた施策であるといえる . 以上のように, 「学制」期には府県により多様な現職教育が実施さ れて 教員 講習の普及基盤 が形 , 成され, 夏期講習への間接的な準備がととのえられるとともに, 一部 で休日利用の研修が実施され て夏期講習制度への志向が素ぼくな形で現われている. まず教員 講習の原型 となる, 府県の多様な現職教育施 策の一端をのぞいてみたい . 庁下へ 師範学校一箇所ヲ設ケ各中学区内中学ノ位置へ教科 講習所各一箇ヲ設ク師範学校ノ、固ヨ リ小学ノ訓 導 トナルヘキ者ヲ養成スル所ナレハ其学科タ ル各大 学本部師範学校ノ学科ニ卿掛酌ヲ 加へ以 テ今日ノ適度トナスヘシ教科講習所ノ・即今教員 其人ニ乏シキラ以テ師範学科ヲ踏マサル教 員 又ノ・教員タラントスル者ニ現行ノ小学教科及授業法ヲ講習セシメテ以テー時急需ヲ弁スルモノ.

(3) . 佐 竹. 道. 盛. 1 )… … ナ リ(. 師範学校によ って本格的な教員養成がなされる一方, 教科講習所において応急的な教員養成と在 職者の再 教育というかたちでの現職教育が実施されている. 次に仮伝習所の名称 を有し, ほぼ前記の講習所と同じ機能を果たしている愛媛県伊予の制度をあ げよう. 教員養成ノ法ヲ論スル者常ニ漸成 ト急成トラ分力テリ乃チ近 日設クル所ノ両校ノ、窃ニ 其漸成ヲ期. シ以テ 十分ノ材ヲ養成セント欲ス夫ノ 急成ニ至テハ先是讃岐国ニ成章学校アリ官立学校卒業生ヲ 教長ニ充テヤヤ簡略ナル師範学科ヲ以テ教員志願ノ者ヲ養成シ卒業スレハ直チニ各小学ニ 派遣 ス 今現ニ奉職セル者四 十余人伊予国ノ・毎大区一員ノ官立師範学校 卒業生ヲ噂シ区内主眼ノ小学ヲ以 テ仮伝習所ト為 シ現在ノ教員及ヒ教員志願ノ者ニ授業法ヲ指南セリ即チ十四大区ニシテ而シテ十 四伝習所ナリ今日ニ於テ管内到所大ニ異同アルノ教育ヲ 見サルハ職トシテ此ニ由ルノミ亦以テ急 2 )… … 成 ノ 闘 ヲ 補 フ ニ 足 ラ ン ト ス(. 最後に, 山梨県の伝習生をとりあ げてみたい. 近代教育発足期の複雑な教育界の事情に対応すべ く, 教員養成も多様なコースによっ ている, 現職教育を担当するのは伝習コースである. 九年十一月ニ至り 遂 ニ本県師範学校規則ヲ改定シ生徒ヲ分チテ師 範予備補充伝習ノ四種トシ師範 生徒ノ・在 学二ケ年半トシ師範タルベキ諸学科及ヒ教育論授業法学校管理等ヲ学習セシメ以テ完全 ノ教員ヲ陶冶セン トス予備生徒ノ・学力未タ師範生タルニ 足ラザル者ニ予備ノ学科ヲ修セシム補充 生徒ノ・自今一時ノ 需要ニ供スル者ニシテ適宜ノ試験ヲ行ヒ等級ヲ付シ授業法及ヒ他学科ノ欠乏セ ル者数週間教授シ之ヲ管下諸学校ニ派出セシム伝習生徒ノ、目下教員ノ任ニ在りテ算術及ヒ其他ノ 3 }…… 学科ニ短ナル者ヲ数週間伝習スル者トス(. 以上の事例から, 教員 講習普及の基盤を形成した 「学制」 期の現職教育の多様な展開の一端 が知 られよう. つづいて, 休日を利用する教員研修の事例を静岡県年報の伝えるところによってみることにしよ. 教員ニ従事ス ル初ニ当り試験ノ上各等級ヲ 付与ス然しトモ尚其足ラサルラ補 翼センカ 為メ中学区内各所研習所ヲ設置シ毎月二次或ノ・三次従来ノ小学教員ヲ召集シ正則授 業法及諸学科 第1条. ヲ講修セシム但伝習教員ノ・師範校訓 導巡回訓導及研習掛ラシテ負担セシム 第2条 研習所ハ ー 定ノ位置ナク大 凡四方三四里内ヲ 一部 トシ其柏中央ノ校ヲ以テ研習所トス 第3条 各校教員相 互ニ研習切瑳 スルモノニシテ正課授業法ヲ 主 トシ之レニ 次クニ教課予科書目ヲ以テスヘシ 第4 条 研習日ノ・日曜日ト定ム時間午前九時ヨリ午後四時迄トス 第5条 研習ノ、各教員 互ニ切瑳ス 4 } ルモノト錐トモ会頭ナキラ得ス依テ巡回訓導研習 掛ヲ 以テ之レニ充ツ(. このように研習所規則は日曜日を研習にあてることを規定 しているが, 日曜日はこの年から小学 校の休日と なっており, 研習日は休日を利用する仕組みといえる. このような休日 の利用を, より 長期の夏期休業の利用に拡張することによって夏期講習制度が成立するはずであるから, この研習. 所の試みは 「学制」 期における夏期講習制度志 向の事例として注目すべきものといえる. こう した休日の利用は,「講習生タル者ノ・各自担当セル学校 及教場等ノ差支無之様兼テ取計置可申 候事」 (群 馬県教育史第1巻)という群馬県当局の指示にみられるような授業確保への配慮によるも のといえよう. ともあれ 「学制」 期の現職教育の中にはすでに, 夏期講習への志 向がうかがえる..

(4) . 教員夏期講習の起源に関する-考察. 2. 教育令期における夏期講習志向. 教育令期には, 教員 講習が全国規模 の統一的な制度として普及定着し, 一部の府県で夏期休業を 利用する講習が現れている. この時期は, 夏期講習という名称は別として実質的には夏期講習が萌 芽した時期 であるといえよう,. 6年の文部省達第1 明治1 6号によって制度化された教員 講習は, 実用的な教育を実施して民衆の 信頼を確保 し, 松方財政下の教育の停滞をばん回させ得るような教師を生み出すことと, 自由民権 運動に対抗し得るような教師 を形成していくことを目 的にその普及がはかられた.. 実用的な教育を普及させるための教員講習の必要性を, 長野県当局は次のように 強調している . 教育ノ 道年ヲ逐テ開ケ学芸日ヲ逐テ新タナリ 教員ノ職ニ従事スルモノ鋭意学問ノ道ニ進ミ教授ノ 方法ヲ研究セスンハ何ヲ以テカ此進歩ニ伴ヒ教育ノ成績ヲ収ム ルコトラ得ンヤ殊ニ 現今教員其人. ニ乏ク到 ル処ノ小学校ノ、授業生等ヲ置キ教授ノ事ヲ助ケシメサルモノナ ク其甚シキモノニ至テハ 専ラ授業生ニ教授ノコトラ負担セシムルモノアリ 其教授上ノ 景況ヲ観察スレハ弊風亦随テ砂ナカ ラスシテ或ノ・地理 歴史物理等ノ諸科ト読書トラ混シ旨意 ヲ後ニシテ字句ニ拘ハルモノアリ或ノ・教 フル所ノ事高尚迂遠疎漏杜撰ニシテ生 徒其旨趣ヲ会得スルコト能ハス応答唯字句ヲ記詞 シ教師ノ 口吻ヲ擬スルニ過キサルモノアリ或ノ・問答ノ法宜ヲ得ス所謂抽出ノ手段ヲ用ヒテ漫ニ生徒ノ答ヲ 助ク ルモノアリ或ノ・説ク所学理ニ偏シテ実用ニ疎ナ ルモノアリ……之ヲ改良スルノ法ヲ設ケスシ テ可ナランヤ是甲第四十二号布達ヲ以テ教員 講習概則ヲ達シタル所以ナリ講習ノ際宜シク右 等ノ 5 ) 諸弊 ヲ改メ 併セテ左ノ諸件ヲ了得セシムヘシ( このように, 教授法の改良の必要とともに教育実用化の必要が説かれる・ 父兄の信頼をつ なぎと . める必要も 次のように 説かれている. 学校長教員 タルモノニシテー モ其職ヲ怠り其責ニ負クコトアラシメン歎独り一身ノ面目ヲ汚シ 栄誉ヲ損スルノミナラス近クハ生徒ノ教養ヲ誤り父兄ノ信用ヲ失ヒ遠クハ学校ノ施設ヲ妨ケ教化 6 ) ノ秩序ヲ索ルニ至ラン烏ソ之ラ シテ目ラ操持スル所ヲ知ラシメスシテ可ナランヤ( 自由民権対策も教員 講習の主目的のひとつであっ た.. 凡ソ学校長 教員タルモノハ其学校ノ内外ニ在ルラ 間ハス夙夜 眠勉シテ益々其 学術ヲ研磨スヘキ. ハ勿論一言一行ヲ慎重シテ荷モ邪僻ニ陥ルコトナク論激ニ流ル・コトナク公正忠厚ヲ主 トシ唯己 , レノ本分ニ負カンコトラ之し恐レサルヘカラス夫ノ政談ヲ事トシ政党ニ入り妄り ニ政法ヲ論議ス ルカ如キハ殊ニ其関与スヘキ 所ニ非ス故ニ教員タル者ノ・決シテ右等ノ事ニ従事スヘカラサルコト ) 7 ラ 懇 篤 諭 示 スヘ シ(. しかし, このような県の 「心得」 の指示にもとづ いて実施された講習は 自由民権対策の側面よ , りは実効のある教育を実施 して父兄の信頼をつなぎとめる教師を育成することを重視していたよう である. 上伊那郡の事例がこのことを雄弁に物語っているといえる . 社会一般ノ地位ヲ上進スルハ普通教育ニアリトハ蓋シ動力スヘカラサルノ確説ニシテ其盛否ノ・人 民ノ休戚ニ関スルコト明カナリ 然ルニ熟ラ今日教育ノ実況ヲ通観スルニ大ニ 怪マサルラ得サルモ ノアリ何 ソヤ小学校教育ノ盛否ノ・人民ニ 取りテ酋ニ休戚ヲ感セサルノミナ ラス却テ小学ノ事業ヲ. 拡張セントスルラ見ルトキハ為ニ眉 ヲ輩ムルモノアル是レナリ是し人民ノ未タ 教育ノ真価ヲ知ラ サルニ由テ然ルモノ之レカ近因タルヘシト離モ抑モ亦其遠因ナキニアラサルナリ……民間教育ノ 為メニ 支消スル所ノ費用ノ・其効功ト得失相償ハス且教員ニシテ真正ノ教育ヲ 子弟ニ施 シ世 ノ信用. ラシテ益 葦固ナラシムルカ如キハ絶テ聞力 サ ル所ナリ是し目ラ一般ノ人民ラシテ 教育ニ冷淡ナラ 3.

(5) . 佐 竹 道 盛. シムル所以ナランカ去レハ民間教育ニ信不信アルハ実ニ教員其子弟ヲ教養スルノ如何ニアリト謂 フモ敢テ不可ナキカ如シ 且夫し教育ノ道日ヲ逐テ開ヶ月ヲ逐テ進ムラ 以テ 教員ノ職ニ従事スルモ ノ 鋭意自修ノ 途ニ 進ミ教授ノ方法ヲ 研究スルニアラスンハ何ヲ以テカ世 ノ進歩ニ伴ヒ教育ノ成績 ヲ収ムルコトラ得 ンヤ是し明治十六年八月文部省第十六号達アル所以ニシテ本県由 テ以テ教員講 習概則 (十七年五月甲第四十 二号) ヲ布達シ次テ丙第百四 十二号 (十七年八月) 達アル所以ナラ ン カ◎. さらに実用的な教育を効果的に実施する方法としてのペスタロ ッチ一主義の開発主義教授法伝達 の必要から, 教員 講習が促進された点も見逃せない. 講習を媒介とする開発主義の盛行については, 『大日本教育会雑誌』 が次のように伝えている. 新主義新授業法の普通教育を風摩し寒村僻邑の村夫子と離も ペシタロジーの 説を聴かんと欲する 意を生じたろ事……白髪の老翁垂皆 の授業生と座を並へ列を共にして芋や大根の観念開発のおは 9 ) なしを聴き唖鈴球 竿を振りをること 実に感服の至りなり(. 8年について表示したのが第1表 このような趣 旨にもとづく, 全国の 教員講習の実態を明治17 ,1 を使用 し遺漏ないよう配慮した, び教育雑誌等 である, 資料は文部省年報所載の府県年報, 官報及. なおここでは, 府県主催の講習のみを掲示し, 郡区町村主催のものは除いてある. ペスタロ ッチ一 主義の開発主義教授法を伝達するために, 教育学及 び授業法を中心に すえる教員. 講習が, ほぼ全国規模に拡大したこ とが明らか である. このように全国規模に拡大 した教員 講習の中には, 講習担当者及び受講者の時間の都合や講習会 場の都合を考慮して, 夏期休業を利用 するものもあらわれている.. 石川県学事年報の報ずる 次の事例 は, 講師及び講習員の時間の都合を考慮したものとみられる, 本年教員ノ 講習ノ・昨年報ニ掲載スルカ如ク師範学校ニ於テ之ヲ開設シ教育学教授術 学校管理法及 体操術ノ四科ヲ伝習シタルコトニ 回トス然レトモ……講習ノ・上位教員ノ一部ニ止リテ未タ容易ニ 教員全体ニ及ハス故ニ本年夏期休業ノ際本校教員数名 ヲ各郡 へ派出シ二週間ヲ期シ下位教員へ初 1 0 }…… (圏点引用者) 等小学科ノ教授術ヲ伝習セリ{ 講師及び講習員の都合のほかに施設の都合も 考慮される, 山梨県の事例 がそれにあたる.. 旧法ヲ墨守シ進 テ開発主義ヲ取ルラ知ラス是ヲ以テ 本年七月徽典館生徒ノ休暇ニ乗シ県下各郡ヨ リニ名 乃 至六名ノ小学校長教員ヲ 集メ曽テ東京師範学校ニ派遣セル師範学科取調員ラシテ生徒教 ・・.・..・..・. 授術及体操ヲ伝習セシメ兼テ教育学学校管理法並物理化学器械ノ運用法ヲ講習セシメ各自帰校ノ 後郡長其郡内ノ 教員ヲ招集シテ再 ヒ之レカ伝習ラキテハシメタリシニ爾 来教授ノ 法大ニ革 マリ体操. 亦一般ニ 実施スルニ至り物理化学博物等ノ器械亦無カル可カラサルラ知 り之ヲ購需シテ其教授ヲ 1 1 )…… (圏点引用 者) 確実ナラシメンコトラ計画シ( 講習が意識的に 夏期休業中に 開催される現象が一般化し, そのうえ 「夏期講習」 の呼称 が用いら. れていることを夏期講習制度成立の主要な指標とすれば, 教育令期には夏期講習制 度はまだ成立し て い な か っ た と い っ て よ い.. というのは, 上述のとおり夏期 休業を利用する講習の事例がいくつか 見られるものの, この時期 の講習を全体としてみると必ずしも夏期に集中してはいないし, 夏期講習の呼称もまだあらわれて いないからである. 教員 講習が1年を通じて開催され, のちにみられるような夏期に集中する現象 がまだあらわれていないことは第2表から明 らかである. ただ, 「学制」期にくらべるとき, 夏期講 習制度に 一歩近づいたことは明 らか である. 以上のとおり, 教育令期には教員講習が全国に普及し, す でに一部 では夏期 休業を利用する講習 もあらわれている. 夏期講習制度の成立も近いといえる. ′.

(6) . 冨. 教員夏期講習の起源に関する一考察. 第1表. 教員講習会一覧. 教 学校管 理法授 体 博 物 化 幾 心. 東 京 京 都 兵 庫 函 館 群 馬 栃 木 三 重 静 岡 明. 治. 17 年. 山 梨. 育. 理 業 操. 学. 学 法 術 物 理 学 何. ○ ○. ○ ○. ○ ○ ○. ○ ○. ○ ○. 画. 学. 小学そ 弘道館 教 記述義 員 の 心得. B①. ○. ○. ○ ○ ○ ○ ○. ○. ○ ○ ○ ○ ○. ○. ○. ○ ○. ○. ○. ○ ○. ○. ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○. 長 野. 石 川 富 山 鳥 取 島 根 新 潟 広 島 札 幌 東 京. ○ ○. ⑨ 噂. ○. ○. ⑨ 噂. ○. ○ ○. (② c ). ○ ○. ○. ○. B①. ○ ○. R① 〕. ○ ○. ○ ○. ○. ○. ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○. ○ ○. ○ ○. ○. ◎ ○. ○ ○. ○. ○. ○. ○. ○. 埼 玉. 18 年. 栃 木 二・ 重 滋 賀 岐 阜 長 野 宮 城. 秋 田 福 井. B② 【② H 】 B②. ○. B②. ○. ○. R② 〕. ○ ○. ○. B②. ○ ○. ○ ○. ○ ○ ○ ○ ○. ⑩. B②. ○. ○. ○. ○ ○. 噂. B②. ○ ○. ○. B② R② 〕. 福 島 山 形. ⑩ ◎. B②. 新 潟 群 馬. ◎. R② 】. 大 阪 長 崎. B①. B②. ○ ○. 京 都 兵 庫. A②③ B①. 宮 城 福 島. ゆ. h① B. R① 〕. ○ ○. 滋 賀 山 形. B①. B①. ○ ○ ○ ○. A④B①. (① C ). ○ ○. ○ ○. 資 料. 他. h② H 〕. ○ ○. ○. ○. ○. ◎噂. R② 】. に リ.

(7) . 道. 佐 竹. 認 誤. 心 授 体 博 物 化 教 学校管 育 学. 理 業 操. 理法. 学 法 術 物 理 学. 石 川 ○ ○ 富. 盛. ○. A⑫. ○ ○. B②. 明 治. 島 根 ○ ○ ○ ○. 18 年. O 愛 媛 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 大 分 ○ ○. B②. ○ ○. 広 島. 資 料. B②. ○. ○. 山 ○ ○. 幾 画 弘 小学教 そ 道 館記 員 の 述 心得 他 何 学 義. ○. B② A⑱ B②. 宮 崎 0印は当該学科を開設している府県を示す. 空欄は講習学科の不明な府県である. 「その他」 欄の◎印は2科目を示す.. (注) 1. 2. 資料. 1 4号 1 8号 ⑤3 3 4号 ⑥2 0 4 0号 ③5 0号 ④2 2号 ②4 A--官報①4 5 ⑦4 24号. 99号 ⑧1. ⑩7 80号. 22号 ⑨4. ⑪687号. ⑰594号. 0 9号 ⑩8. 3年報 C①大日本教育会雑誌第1 2年報 B②文部省第1 B①文部省第1 号. C②石川県学事報告第1号. D①長野県教育史第10巻史料編4. 7年) 第2表 教員講習の時期及び期間(明治1. 益ミ ご . 東. 都. 兵. 庫. 函. 館. 群. 馬. 栃. 木. 三. 重. 静. 岡. ハ h U. 4. 5. 6. ‐◎. ○-. 長. 野. 取. 島. 根. 新. 潟. 広. 島. 札. 幌. B① A①. 7週. B①. 85日. A②③ B① B①. 1カ年. A⑥ D① A⑥. ○. 城. 鳥. 8週間 24日. ○ ◎. 料. A④B①. B①. 形. 川. 資. C①D②. ○-‐◎. 山. 山. 講習期間. 3 カ月. -◎. 0‐. .. 石. 9 lo 11 12. ○. 賀. 富. 8. ‐◎. 梨. 島. 7. B①. 0‐. 山. 福. 3. ○. 滋. 宮. 2. 京. 京. の 時 期 (月). 講 習 l. ○. 21日. B①. 8 ~ 9週. C② B①. ○ 0‐. ‐◎ -◎. ○-. 60日. B①. 3カ月. B①. ○ 0‐-◎ 0‐‐◎. A⑦ 8週間. A⑧. 30日. A⑨.

(8) . 教員夏期講習の起源に関する一考察 (注) 1 2. 0印は講習の始期を示し, ◎印は講習の終期を示す , 講習が2回以上開催されている場合には, 早い方をひとつだ け掲げた, 空欄は不明のもの , 3 資料 A--官報①45 2号 ②440号 ③50 0号 ④2 18号 ⑤334号 ⑥2 14号 ⑦42 4号 ⑧199号 ⑨4 22号 B①文部省第1 2年報 C①大日本. 教育会雑誌第1号 C②石川県学事報告第1号 D①長野県教育 史第10巻史料編4. D②官報第202号. 1 1 夏期講習制度の起源と定着 明治19年に始まる学校令期に夏期講習制度が成立し, 全国的な 定着をみる 夏期講習の制度化を . 促進したのは明治20年代初期に 導入され, 公認の教授法となったヘルバルト派教育学 であった 公 . 認の教授法としてのヘルバルト派教授学を伝達普及させる必要から 長期にわたる夏期休 業を意識 , 的に利用する夏期講習 の制度が生み出されたのである. 夏期講習制度の成立事情を検 討していきたい . 1 2 )及び教員講習関係記事( 1 3 )を調べてみると 夏期 いま, 官報掲載の明治21年の府県学事年報摘要〈 , 休業中の講習が1 0件報告さ れているにもかかわらず, 特に 「夏期講習」 の呼称はみあたらない . 1 4 )摘要及 び講習関係記事( 1 5 }を官報 で調べた結果では 同年1 一方, 明治2 4年の府県学事年報( 0月に , はじめて 「夏季講習」 の名称 で呼ばれる講習があらわ れる それは次のような 内容のものである . . 宮城県仙台市教育会ニ於テハ本年夏季休 業中八月十七日ヨリ同三十日ニ至ルニ週間同市五城館ニ. 夏季講習会ヲ開キ高等女子師範学校教授兼高等師範学校教授篠田利英ヲ招噂シ教育学ノ講義ヲ嘱 託セシニ入会者計百二十六人内小学校長三十一人訓導五十六人授業生三十二人 助教諭一人 有 , , 1 6 )… … 志者 六 人 ニ シ テ(. ところが, この講習よりも1カ月前に大 日本教育会がその機関誌で第1回夏季講習会の 開催を予 1 7 ) またこの大日本教育会講習 の講師をつとめたのが 上記引用文 中の篠田利英である 告しており( , , ことからみて, 仙台教育会の講習は大日本教育会の前例 にならって 「夏季 講習会」 の名称を付して 実施されたものとみられる. 大日本教育会ではその後全国の教員を招集して毎年夏期講習を開催 しているが それに平行して , 官報の夏期講習の記事も次第に増加 している.. ヘルバルト派教育学伝達の必要に促されて成立した大日本教育会の第1回夏季講習について 『帝 , 国教育会五十年史』 は次のとおり伝えている. 明治二十年頃からヘルバルト学派の教育学が次第にもてはやされるやうになり 開発主義の後を , 取って代るやうになっ た. ヘルバ ルト派の 教育学では 教育の目的を以て人格の陶冶にありとな ,. し, その方法として 教授段階といふものを説いたから 当時の思想 界に歓迎されたのである 而 , , してケルン, リン ドネル, ライン等の著訳書が沢山紹介された 猶その外にも種々 なる教育の理 . 論や実際に関する学説や研究などが, 盛に唱へられて 益々 賑やかになったが 本会に於ても雑 , , 誌に於て, 又は会員を集め て, 是等の学説や研究の紹介を怠らず 又本会の主催で連続講義を開 , いたこともあっ たが, 明治二十四年八月から始めて夏期講習会を開いた …… , これが本会第一回の夏期講習会であったが, 成績頗る良好で 聴講者二百三名 八月一 日より , , 八月三十一日に 至る- ケ月間, 毎日教育学二時間博物学二時間づつ講義を続行する 日程に なって.

(9) . 佐 竹 道 盛. 居た. 爾 来夏期 講習は本会の年中行事として, 毎年一回, 必ずこれを開く 事となっ た. 1 7 }し全国規 このように大日本教育会の夏期講習は,明治24年8月の夏季講習所規則によ って発足( 模 で講習員を集め盛況を誇ることとなり,それに伴って地方へ の影響もみられるように なっている. 第3表は, この夏期講習の盛況を府県別の受講者数に よ って示したものである. 第3表 大日本教育会夏期講習会状況 会員数. 府 県. 会員数. 府 県. 会員数. 府. 県. 会員数. 府 県. 東 京. 12人. 徳 島. I. 青. 森. I. 静 岡. 2. 石 川. 2. 岐 阜. l. 岡 山. l. 福 島. 3. 神奈川. 3. 高 知. I. 新 潟. 7. 佐 賀. 2. 千 葉. 2. 京 都. 5. 香 川. l. 山 形. I. 三 重. l. 兵 庫. I. 福 岡. I. 鳥 取. I. 山 梨. 4. 埼 玉. I. 鹿児島. 2. 広 島. 2. 長 野. 6. 茨 城. I. 大 阪. I. 愛 媛. l. 岩 手. l. 愛 知. 6. 長 崎. I. 大 分. l. 福 井. I. 滋 賀. 6. 群 馬. 3. 沖 縄. I. 島 根. 3. 宮 城. I. 栃. 3. 木. 7年8月) により作成, (注)『大日本教育会雑誌』(明治2. ところで, 『長野県教育 史』 (史料編5) 所載の 『信濃教育会雑誌』 の記事によると, 信濃教育会 では明 治23年の 講習要項によって, 同年8月第1回夏期講習会を発足させている. 長野県学事 年報摘要を含む明治21年の府県学事年報摘要に「夏期講習」の呼称がみられないこと, 有力な 二つの教育会の第1回夏期 講習会が明治23年ない し24年に 発足していることな どからみ て, 夏期 講習制度の起源はこの時期に求めてよいように思われる. そして明治20年代末には, 「群 馬郡第 八区乙種学事会にては, 八月一日より廿五日迄, 金古町高等小学校にて, 夏期講習会を開設 1 8 } ) というように地方に も夏期講習が浸透するようになる, したり」 (群馬 県教育史第2巻(. こうして, 明治30年代には夏期講習会は 全国にゆきわたり, 着実に根付いていっ た. 谷本富は30 年代における夏期講習会の盛況を次のように伝えている. 夫れ学術の進歩は日に日に新に又新に して, 未だ曽て休止することあらず. 世の教師たる者仮令 学識優に其の職に堪ふと称せらる・者とても, 荷も自ら安んじて足れりとし, 敢て進趨すること をなさずんば, 知 らず識らず時運に後れて, 復 た人の師たるに適せ ざるに 至るべし. 是れ所謂 補 習の÷日 も廃すべからざる所以なり. 然而して教師補習の方法としては, 夫の講習会の如きは,. 確に最便利なる ものたること誰か之れを疑はん. 宜なる哉, 此年都部遠近多くは夏季休暇に際し, 又学には冬季休業をも用ひて, 講習会を開設するもの続続として起ることあるや, 現に余の如き 浅学 無識の身を以てしても, 昨年は遠近十三筒所よりして招か れ今年は 更に増 して十七箇所の多 きに及ぴたりき, 唯日乏しく 途遠し, 未だ悉く之れに応ずる能は ざるを遺憾なりとす. 実に 昨年 は就中僅に 二所に出講し是れにてすら猶ほ殆と席暖なるに暇あらず, 家門を過 ぎて入らざる有様 1 9 } な り( .. 谷本の言葉は決して誇張ではない.明治30年代における夏期講習の定着の状況は教育雑誌の 記事 からも明らかに読みとることができる. 夏期講習定着の状況は, 第4, 第5表からも明 らか である.. とはいえ, 夏期講習に対してはその定着過程で幾多の問題点の指摘が関係者によっ てなされてお. 8.

(10) . 教員夏期講習の起源に関する一考察. り, 今日の教員 現職教育にも示唆を与えるものがある 次章で それらの問題点の検 討を試みたい . , , 第4表 夏期講習会状況(明治3 2年). 区分 \\\\ \ 県 開. 設. 郡. 市. 兵. 庫. 長. 第5表 東京府下夏期講習会状況(明治3 3年). 野. 550. 日本体育会. 180. 300. 順 夫求合社. 100. 国 語伝習 所. 235. 成 女 学 校. 30. 大 成 学 館. 473. 国. 180. 帝国教育会 東京府教育会. 数. 20. 16. 講. 習. 員. 数. 1,777. 不明. lo. 12. 3 以 上. lo. 4. 7日以下 修 業 期 限 30 日 以 上. l. 2. そ の 他. 19. 習. 会員数. 文. 会. 2 以 下. 費. 2 2,624円. 12 1,203円. 会員数. 種 類 人 422 明 治 義 会. 13. 習. 講. 類. 22. 講. 講習科目. 種. 数. 部. 学. 省. 院. 合. 計. 90. 2,560. (注)『教育報知』 第6 3 9号(明治3 3年9月1 0日) によって作成,. (注)『教育時論』 第5 1 9号 (明治32年9月15日) により作成,. 1 1 1 定着期 夏期講習の諸問題 夏期講習会の定着の過程 で露呈した 諸問題とそれらに対してとられた 教育関係者の 対応の 中か. ら, われわれは今日の現職教育 のあり方についての多くの示 唆をく みとることができる 以下 夏 , . 期講習の問題点と関係者の対応を教育雑誌によって明らかにしていきたい . まず, 講習は学校の教育実践, 特に教授に役立つ 内容をとり入れなければならないはず であるが , 定着期の講習に関してその不十分′ なこと が批判されている. 現職教育 の基本的要件をめ ぐる批判と して注目される , 今や講習会の 設日に盛に月 に加はり近く は中都の市区より 遠くは山間僻阪の村間に亙り て其声を. 聞かさるはなく或は月次を以て或は隔月に小集会を催し特に冬期夏期にありては彼此競ふて之を 開きた ゞ後ろ・あらんことを恐るるもの)如し此趨勢而かも喜ぶべき 現象の間に立ちて 奇なる題. 字を掲げて其切果を論せんとする所以のものは剛述へて当事者の 注意を翼ひ又真の有効 なる 事業 たらしめんとするの 婆心に 外ならす 思ふに今日全国県下教育者諸君が講習会を設け己れの智見を増さんと務むるは甚たよ し而れども. 今日現に行はる・方法及規則たる直接教授上に於て益 する所少なきにあらさ るか一部に偏するの. 恐れなきか 資か用度の計算上に於て相 償はさる所なきか此れ軽々に観過すべから ざるの大 問題に. あらすや先つ其設立の根本たる科目を察するに 各会互に高尚なる学科を喜ひ講師の資格 を以て其 会の利否を判すること其- なり 此弊たろや専門に陥り只空虚なる誇名 を来たすのみ… …第二の場 合に於て今日の教育者が本職たる教育の手段を研究するに於て遺憾なき能はす何となれば教授の. 術こそ小学の要務なるに 多くの講習会 が此科を加ふることの甚 多からさることなり{ 2 0 } .=”. 口授に終始する講習方法を批判して, 受講者に自発的研究の余地を与え それを前提に講習 を実 , 施することを提唱する論説もみられる 教員研修の方法をめ ぐるすぐれた提案といえる . . 今後講習会を開かんとするには よく其人の資格を論じ 講師学科 等もよくよく 吟味して 学科 , , , につきては, 教科書若くは参考書 等 を一定しおきて予め研究の余地を与 へて 一 ト通りは理会し , 9.

(11) . 佐 竹. 道. 盛. たろ後, 講師の講演を聞かば了解すること易易たり. 講師も一定の教科書あらば, 自ら本文を口 授するの時間を省きて, 諸家の意見を並べて, よくよく判別 して, 将来研究の 余地を開くこと大 なりと云ふべし, 抑も何科にもあれ, 口授 と云ふものは筆記の方に労力の大半 を奪はれて, 真に 研究の 余地なく, 殊に形而上学科に於ては, 益々其の然るを知る, 要するに他人の講義 を頭より, 受身的に聞きて, 理解の出来るものに非ず, 故に 学科は進まずとも会員数は減少すとも, 荷く も 講習会を開きし以上は, 尤も有益に利用 したきものなり. 徒らに教場に出 で・睡るが如 きは, 会 員数千を以て数ふに至るも 益なきものなり. 乞ふ見よ, 上は文部省の講習会より, 下は郡 市に開 きし講習会に 至るまで, 其会に臨みし会員に, 其利益の 点を間は ゞ概して 余り益あらずと云ふに 樺からざるは, 講習会其者の方法を誤り いこ職由せずんばあらず, 望むらくは, 今後の講習会に 2 1 )こ と を 向 て 一 の 注 意 を 払 は れ ん(. 一 方, 夏期講習の定着過程 で営利的詐欺的な私設講習会があらわれ, それを契機に 当局の取締り が強化される事件が起っているが, このことは, 民間において教員 研修の機会を設定 (現職教育). する場合に, それ相応に自律的な水準保持の努力が要請されることを示しているといえよう, 近 来都下及地方に於て夏期講習会は著 しく増加したるが, 中には 学術普及の名の下に不正の利益 を得んとする もの少なからざるに依り, 文部省にては今回省令を以て之れが取締を為す筈にて, 既に普通学務局にて右取締法の起草中なるが, 今当局者の語る所に依れば, 各学校夏季休暇を利 用 し, 学術の普及を計るは, 寧ろ奨励すべき事にして, 取締法余り厳密に 失するときは, 反て他 の善良なる講習会の発達を害する事 あるを以て, 今回の取締法は只 だ保護を目的として起草中な るが, 其の大体は中学校取 締法に倣ひたるものにして, 其の重なる点を挙ぐれば, 1 講 師並に教員に 一 定の資格を附する事 衛生を重んずべき事 監督は 凡て地方官に委 任する事 取締法違反者は 講習停止を命ずる事. 1 1. 1 2 2 ( ) 等に して, 全文 二十余条より成り, 本月中には発表するに至るべし と云ふ. { 2 3 } この 取締法そのものは結局 具体化せず, 視学官の指導 を強化する方策がとられて いる. 文部省当局は取締りを強化するかたわら, 教育界の世 論に沿う方向で講習の水準維持のための 基 準を示している. 受講者の予習への配慮, 受講者の 学力差に応ずる 措置, 講師選定の 基準等基本的 4 2 )で あ る 事 項 を 含 む も の( .. 夏季休業を利用 して夏季講習を開設することは, 年々増加し, 其利益も亦少なからざる が将来一 層利益を顕著ならしめんが為, 今回白仁普通学務局長より左の如き通牒を地方長官に発 したり. 講習の要項及予習の事項は前以て講習員に示すこと 成るべく講習員の学力に応じて組分けをなし別別に 組を作ること. 1. 2 3. 欠席を取締ること 講習の学科目は可成小学校の教科目と直接の関係あるものを選び尚ほ自習に不便なるもの. 4. を選ぶを可とす 5. 講習会の講師は成る可く中等学校の 有資格の教員にて小学教育に通暁せるものを最も適任. と す.. こうした通牒による 基準の指示を通じて地方講習の内容がととのっ たことも確かである. この通 牒から 3 ヵ月後に開かれた兵庫 県下四郡の講習にそのことがうかがえる. 講習要項をあらかじめ配布 し, 講習員に予習させた加東郡 講習に 通牒第1項の反映を見ることが できる. ただし, 講習員の学力による組分けはまだ実現していない. 10.

(12) . 教員夏期講習の起源に関する一考察. 今回の講習は, 講師の熱心に従事せられたろと, 講習員に於ても受講の必要を感じたろとに依 り, 先づ相当の効果を収めた るものと認めらる 然れども講習員 の資格雑多にして 学力の差等 , , 甚しき為め, 講師に 於ても, 講義上 困難せられたろが如し , 当講習会に於ては予め各講習員に講義要項 (印刷物) を配付し 成るべく 各 部こ実物に就き練 , 2 5 習せしむるの方法を執りたるに, 其成績良好なりしを認め( )たり , 城崎郡も講師選 定の成功と講師講習員双方の能動 的態度を報告しており 通牒の第1項 第5項 , , の効果がうかがえる.. 今回の講習は, 講師講習員 共に能動的にして, 殊に博 物科の如きは実物を各自若しく は三四人 に一づつを持たしめ, 検索解剖-々自然に接して 考究する に在り 理化学も亦日常卑近の事項 , , につき実験をなしつ・ 説明せしものにして, 講師の 準備のために費へ し労力は大なるものあり . 講師の熱誠と, 其 教方の巧 なりしは 講習員 の興味を喚起し 趣味を感ぜしめ 精励 の結果を( 2 6 } , , , 得 た り,. 文部省当局はその後も取締りと基準の指示を繰り返しており それによって夏期講習 の官製的性 , 格が強化されている, 講習の取締り は,義務教育年限の延長を翌年にひかえた明治40年初夏に営利的夏期講習をめ ぐ っ 2 7 ) て再 び表 面 化 して い る( ,. 講習基準の指示も, 義務教育年限延長に伴う尋常小学校の教科目の増加と高度化に対応するため. の, 尋常小学校教員の学力補習講習が具体化する明治40年 41年にあいついで発せられている , . 4 0年の通牒 では新たに講習期間及び講習員定数の 基準を示したことが特に注目( 2 8 )される いずれ , も講習 の効果を左右する基本的な事項であるだけに重要 である . 本年三月小学校令を改正し尋で同施 行規則を発布せられ義務教育年限の延長は将に明年四月を期 して実行せられんとすると同 時に尋常小学校に 於ける教科目は改正令 第十九条に依 りて更に地 理, 歴史, 理科の数科目を加 へ其他の教科に在りても尋常科第五学年以上に課するものは旧令の 程度より更に詳密なるを要すべきを以て改正令実施の準備として尋常科 教員の学力を補習せしめ ざるべからざるは実に目下の急務に属す文部省 夙に此点に 於て企図する所あり髪に本年五月 を以 て北海道庁府県に 通牒 し国庫より補助せらるべき 教育費の一部 を以て尋常科教員の学力を補習す る講習会に補助せ しめ尋て該 講習会の効果を顕著ならしめんがために北海道庁府県に通牒して左. の数項を指示せり. ( 1 ) 目的 尋常小学校教員の学力を補習せしむるに在ること ( 2 ) 講習員 一学級の講習員の最多眼は凡そ五十人たるべきこと. ( 3 ) 会期及教授時数. 会期 は凡そ九週間以上毎週教授時数は凡そ三十時間以上たるべき こと”“ , ・ 講習 の学科目は教育, 国語, 算術, 地理 歴史 理科 図画 体操たること…… , , , , ( ) 各学科目の毎週 教授時数 各学科目の毎週教授時数は便宜配当するも妨げなしと 雄も理科の 5 時数を多からしむる 等補習の目的に適合せしむるを要す ( ) 講師 講師は師範学校中学校又は高等女学校の教員免許状を有する者を以て充つること,””. 6 ( 4 ) 学科目. 明治41年の通牒は, 講習に際しての試験の 実施 成績の郡市長への報告 成績の検定への活用 等 , , , 新たに管理強化の方策をうち 出 して講習の官製化をすすめている , 普通学務局長は, 小学教員の学力補習に関する講習会開設の際 左記の事項特に注意し 其効果 , , を確実ならしむる様各府県知事へ通牒せり 1, 講習員に対しては相当の方法に依り試験 を施行し其成績を考査すること 2, 前項考査の結果は関係郡市長に通知すること 11.

(13) . 佐 竹 道 盛. 3, 考査の成績に由り講習証明書に等差を付すべし 2 9 )こと 4, 講習の成績は 無試験検定等の場合に 十分参考となすべき{ こう して, 通牒による 基準の 設定を通して夏期講習の水準の維持がはかられる一方で講習の官製 化がすすめら れているが, ゆきすぎた管理と強制は当然に 反発や消極的対応を生むものである. 教 育者の指導に 当る視学たちが第1回視学講習の 際に示した拒否的, 消極的対応がこのことを雄弁に 物語っている. このこと もまた, 自律性 を生命とする教員の研修の組織化に 当っ て考慮すべき 基本 的事項とい える. 第二回の 道府県視学講習会は, 去る二十日講習を了 して夫々帰任せろを以て, 更らに第五回郡視 学講習会をば, 来四月 二十日より開催の企てありて, 各地方とも人選中 なるが, ……初回には講 師の不慣 なるのみならず, 講習員の能力を諒解 しをらずして, 講義の手心 が解らず, 又講習員は 種々 の態度にて, 真面目なるは老朽 を自覚せるもののみ, 或は東京見物 を主とし, 或は甚だ生意 気にて講義の揚げ足にても捕へんとするもの多かりしが, 今や両者共其態度に 一致を生ずるあり 3 0 )といふ (圏点引用 者) て, 期限の短小なる割 合には, 大に好成績を挙げつつあり( . 0 教員夏期講習は, ペスタロ ッチ一主義の開発主義教授法を普及させる ために組織化された明治1 年代の教員講習を 基盤に, 明 治20年代に, 公認の 教授法としてのヘルバ ルト派教授学を伝達するた めに制度化され, 明治30年代に 全国的に定着した. 夏期講習の定着過程に おいて, 教育界の世論及び文部省当局の基 準設定を通じて, 講習員の自発 性の尊重, 講習員定数の 適正化, 講習期間の延長, 講師選定の適正化, 講習員の 学力差への配慮等々, 講習の発展充実のための 基本的要件が明確にされ, その整備への努力が始まった. 一方で文部省による 取締りの強化が講習の官製 化を一層 おしすすめる結果となったことも否定で き な い.. (注) ) 師範学校及教科講習所ノ事 群馬県年報 文部省第4年報 明治9年 94頁 ( 1 3頁 ( 2 ) 教員養成ノ概略 愛媛県年報 文部省第4年報 明治9年 23 2 4頁 ) 教員養成ノ概略 山梨県年報 文部省第4年報 明治9年 1 ( 3 4 ) 研習所規則概略 静岡県年報 文部省第4年報 明治9年 138頁 ( 0巻史料 ( 5 ) 長野県小学校教員講習委員心得(明治17年8月 27日) 長野県教育史刊行会編集 長野県教育史第1 0年9月 30 日 948頁 編4 昭和5 ( 6 ) 同上 0巻史料 7年8月 27日) 長野県教育史刊行会編集 長野県教育史第1 ( ) 長野県小学校教員講習委員心得(明治1 7. 0年9月 30日 949 頁 編4 昭和5 0巻史料編 諭示(明治18年12月) 長野県教育史刊行会編集 長野県教育史第1 講習終了につき上伊那郡 ) 教員 ( 8 0年9月 30 日 973一974頁 4 昭和 5 ( 9 ) 長野県教育の実況 『大日本教育会雑誌』 第22号 明治18年8月 31 日 111一112頁 02頁 2一3 9 3年報 明治18年 2 ( 1 の 師範学校 (石川県年報) 文部省第1 年 1 3 一 1 86頁 7 7 文部省第1 2年報 明治1 ( 1 1 ) 師範学科 (山梨県年報) 1 46 7 45 1号) 1 449号) 岐阜 (官報第1 6件である 年報摘要は3 掲載された学事 ,大阪( 1 2 ) 明治2 1年中に官報に ( ,山口( . 1 48 ( 7号) 4 8 4号 愛知 ( 1 ) 1 4 8 3号 ) 大分 兵庫 ( 1 4 7 5号 ) 宮崎 ( ( 4 1 7 3号 ) ( 1号 ) , 1 4 7 鹿児島 , 山形 号) , , , , , 1 06 5 4号) 15 0 0号) 1 50 498号) 1 4号) 149 491号) 1 宮城( 1 48 9号) , 山梨( , 奈良( , 福島( , 青森( , 静岡( , 広島( ( 1 5 2 3号 ) 2号 ) 長野 1 5 2 ( 1 2 1号 ) 東京 1518号) 15 16号) ,徳 15 12号) 号) , , , 愛媛 (5 , 千葉 ( , 埼玉 ( , 滋賀 ( 1 4 ( 56 1 6 1号 熊本 福岡 5 ) ( 1 5 6 0号 ) ( 茨城 1 6号 高山 ( 5 5 ) 15 49号) 4 4号) 15 , 15 33号) 島( , , , , 佐賀 ( , 福井 ( 8号 ) ( 1 5 7 ) 岡山 ( 1 5 7 7号 ( 1 6号 ) 長崎 神奈川 5 7 4号 ( ) 石川 1 5 7 1号 1 5 ) , 15 66号) 号) , , , , , 新潟 ( 7 , 秋田 (. 12.

(14) . 教員夏期講習の起源に関する-考察 15 島根 ( 7 9号) ( 1 ) 明治2 3 1年1月から1 2月までに掲載された講習関係の記事は2 7件(官報第1 35 3号,13 5 9号,1 37 5号,1 37 9号, 1386号, 1406号, 1448 号 1458 号 1480 号 1481 号 1522 号 1523 号 1536号 1550号 1551 号 1552号 , , , , , , , , , , 1554 号, 1557 号, 1563 号 1564 号 1566号 1568 号 1574 号 1609号 1650 号 1651号 1652 号)であ , る, , , , , , , ,. ( 1 4 ) 明治2 4年の宮靴こ掲載された学事年 報商要は次のとおりである 広島(官報第22 き 5 4号,2 2年年報) 2 2 6 , , 熊本( 2年年報) 号, 2 22 7 3号, 2 2年年報) 23 25号, 2 2年年報) 高知 ( 2 2 3 福 7号 ) ( , 長野 ( 2 3 2 8号 井 ) , 北海道 ( , , , 2 3 3 0号) 徳島( 2 332号) 2 3 33号) 2 334号) 23 36号) 23 3 , 群馬( 7号) 23 41 , 奈良( , 鳥取( , 愛知( , 長崎( , 富山( 号) 23 4 4号) 2 4 36号) 2 43 7号) 2 4 38号) 24 46号) , 茨城 ( 24 48号) , 滋賀 ( , 三重 ( , 大分 ( , 山形 ( , 兵庫 ( ,福 2 45 4号) 島( 2 4 9号) 5 24 6 8号) 2 4 92号) 2 50 0号, 2 3年年報) , 宮城 ( 2 4 89号, , 静岡 ( , 群馬 ( , 長野 ( , 広島 ( 2 3年年報) 25 30号) 2 5 32号) 25 43号, 23年年報) 2 2 4号) 5 , 石川 ( 25 13号) , 京都 ( , 北海道 ( , 埼玉 ( , 東京 ( , 2 4 8 8号, 2 熊本 ( 3年年報) 2 4 6 2号) 2 48 2号) ( 2 2 1号 岡山 7 ) , 島根 ( , 青森 ( , ( 1 ) 明治2 5 4年中に掲載された教員講習関係の記事は15件 (官報第2 25 2号, 2 30 1号, 2 32 4号, 2 3 31号, 2 372号, 2394 号, 2417 号, 2425 号 2430 号 2439号 2445号 2454 号 2466 号 2485 号 2499号) である , , , , , , , .. 1 ( 6 ) 教育講習会 官報第2 48 5号 明治2 4年10月 9 日 94 頁 ( ー の 『大日本教育会雑誌』 第1 0 8号 明治2 4年7月1 5 日 350 頁 ( 1 8 0 上野教育会雑誌第1 0 7号 明治29年9月1 5日 群馬県教育史第2巻 ( 1 ) 谷本富講演 教育学講義速記録 序言 明治3 9 1年3月1 0日発行 ( 2 の 水江生 講習会の価値 『教育報知』 第5 41号 明治3 0年3月 3 日 15頁 1 ( 2 ) 岡山 七々道人 夏季講習会につきて 『教育時論』 第663号 明治3 6年9月1 5日 32-33頁 ( ) 夏期講習会取締法 『教育時論』 第65 2 2 1号 明治3 6年5月1 5日 39-40 頁 ◎ 「文部省普通学務局にては, 曇に営利的或は詐欺取財的なる夏期講習会を取締る目的を以て 取締規則を公示 , すべしなどとの議論も出で, 既に規則起草中なる由は, 前号に報ぜし所なるが 右は協議の結果 規則を公示す , , ることなく, 視学官をして時々視察せしめ, 不都合のものあれば 相当の制裁を加ふることに 一決したりとい , , ふ」 (夏期講習会の取締 『教育時論』 第65 5号 明治36年6月 25 日 33頁) ( 2 4 ) 『教育時論』 第7 96号 明治40年5月 25日 岡 本年度夏季講習会の状況 加東郡 兵庫県教育会報第2 16号 明治4 0年10月1日 5 6一5 7頁 鰯 ) 本年度夏季講習会の状況 城崎郡 兵庫県教育会報第2 1 6号 明治4 0年1 0月1日 5 3一5 4頁 ◎ 「……荷も教育学問の名目の下に不正行為を営むものは 容赦なく 禁停止の処分を行ふことに内定せりと 」 , . (夏期講習会の取締 『教育時論』 第79 9号 明治40年6月 25日 33一34 頁) ( 2 8 ) 尋常小学校教員講習会状況( 1 ) 文部省 『教育時論』 第8 1 1号 明治4 0年1 0月 25 日 26-27頁 回 教員講習会注意事項 『教育時論』 第8 29号 明治4 1年4月 25 日 35頁 回 り 第7回視学講習会 『教育時論』 第790号 明治4 0年3月 (本 学助 教授・ 函 館分 校). 13.

(15)

参照

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