教材研究としての椋鳩十論(二〇一四年度卒業論文要旨集)
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(2) 教材研究としての椋鳩十論. 教材研究としての夏目漱石論. の特質を探ることを目的とした。. 本研究では、椋鳩十作品の主題は主に山場に表れていること を明らかにし、時代ごとの主題の表れ方の違いから教材として. 漱石作品を執筆背景、主人公の性質・役割、悲劇の構造の三 項目について分析し、 教材として扱うことを踏まえて考察した。. 値を明らかにすることを目的とした。. 本研究では、教科書教材として多く扱われている夏目漱石の 作品を分析し、その特徴や変化をつかむことで教材としての価. 早紀. 「動物と人間の友 昭和十年代から昭和二十年代の作品には、 情」「動物と人間の闘いの美しさ」 「愛情」 、昭和三十年代の作. 主人公については「作品中で起こる出来事の中心にいる人物 であり、 その考えや心情が多く書かれている人物」と定義した。. . 品には、「動物と人間の分かり合う難しさ」 「人間の過ち」 「動. その結果、 『吾輩は猫である』や『坊っちゃん』といった漱石. 荒谷. 物の死」、昭和四十年代以降の作品には、 「人間の自然破壊への. いった漱石の独自性がよく表れていることが明らかとなった。. . 批判」「戦争への批判」という主題が見られた。. 徒を、主人公は「そうして大きな面で卒業すれば教育をうけた. 一四六三. 椋鳩十作品全体を見ると、時代ごとに主題の違いは見られて も、ほとんどの作品は一貫して「命の尊さ」を主張していた。. もんだと癇違いをして居やがる。話せない雑兵だ。」としており、. . 昭和十年代から昭和二十年代の作品は、動物の死等の現実の 厳しさをあえて避け、 動物と人間が共存する様子を描くことで、. 直接的に日本社会を批評している。朝日新聞に入社した後は人. 国語科教育学研究室. 「命の尊さ」を伝えている。その後、昭和三十年代以降の作品. 国語科教育学研究室 一四三一 中田 紗衣. は戦争や人間の環境破壊による現実の厳しさを描き、生きるこ. 間の内面を批評する作品になり、執筆背景の変化に伴って、作. 品の主題にも大きな変化が見られる。. 『坊っちゃん』では将来日本社会を担うであろう旧制中学の生. が教師をしている時に書いた作品には、鋭い批評やユーモアと. との難しさから「命の尊さ」を訴える作品が多かった。. (『現 漱石作品の本質は、明治の日本の「上滑りの文明開化」 代日本の開化』)に対する批評にある。特にユーモアと文明批. また、山場が明確な作品の例として挙げた『大造じいさんと ガ ン 』 や、 『黒ものがたり』等の教科書に採択された作品のほ とんどが、昭和十年代から昭和二十年代の作品である。. ある』や『坊っちゃん』は教材としての価値がある。児童には. 評の関係性がよく見られる、教師時代に書かれた『吾輩は猫で. 以上から、物語の山場を読むことが、作品の主題や作品全体 の構造を読み取ることにつながると考察した。. この関係性に着目させ教えたい。. - 104 -.
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