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食材廃棄物を利用したエコ・クッキングによるCO₂排出削減効果

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Academic year: 2021

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(1)Title. 食材廃棄物を利用したエコ・クッキングによるCO₂排出削減効果. Author(s). 菅野, 友美; 貝沼, 義斗. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 66(1): 177-185. Issue Date. 2015-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/7812. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第66巻 第1号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 66, No.1. 平 成 27 年 8 月 August, 2015. 食材廃棄物を利用したエコ・クッキングによるCO2排出削減効果 菅野 友美・貝沼 義斗 北海道教育大学旭川校 食生活学研究室. Eco-friendly Cooking with Vegetable Wastes and the Reduction of CO2 Emissions KANNO Tomomi and KAINUMA Yoshito Department of Education, Asahikawa Campus, Hokkaido University of Education. ABSTRACT We have studied the use of vegetable wastes in order to show the effectiveness of ecofriendly cooking. We found numerous ways to utilize the wastes by preparation such as soaking vegetables in water, adding seasoning to them, cutting them finely, etc. We compared dumplings cooked in these methods with those in a conventional method. The overall evaluation by a sensory test shows the preference for dumplings cooked in the ecofriendly method, not the conventional method. We constructed portable kitchen equipment based on easily available cooking tools. We prepared four types of dishes(dumplings, imomochi, kinpira, and fried rice), and each dish was prepared using two different cooking methods. Four dishes were cooked in the conventional method, and the other four dishes were prepared in an eco-friendly cooking method. We measured the gas and the water consumption and the waste disposal ratio produced by each cooking method. The consumption and the ratio were estimated in terms of the amount of CO2 emission. We found that the eco-friendly cooking reduces CO2 emissions: on average, the reduction of 29% for dumplings, 58% for imomochi, 41% for kinpira, and 35% for fried rice.. Ⅰ.緒 言. にも及び, このうち生活系ごみが約65%を占める1)。 その大部分が野菜くずや食べ残しなど台所からの. 日本の一般廃棄物の排出量は,1985年前後から. 生ごみ(食材廃棄物)である。このような食品廃. バブル経済とともに増え続け,近年ほぼ横ばいが. 棄の問題は食品がごみとなってしまうだけでな. 続いてきた。2000年度以降は継続的に減少傾向と. く,そのごみとなってしまったものを生産するた. なり,2010年度からは1000g/日/人以下で横ばい. めに使われた大量のエネルギーを同時に廃棄して. 傾向である。2012年度の年間総排出量は4523万t. いることなる。そこで,ごみ問題,食糧問題やエ. 177.

(3) 菅野 友美・貝沼 義斗. ネルギー問題などの解決策としてエコロジー・. を使用した。それぞれの皮を短冊切りにし,皮と. クッキング(以下エコ・クッキング)がある。エ. 同重量の身も短冊切りにし,皮と身を4種類(揚. コ・クッキングとは地球にやさしく暮らすことを. げる,茹でる,焼く,蒸す)の調理法で処理した。. ねらいとし,買い物の際の心がけ,調理の段階で. 揚げるは油を160℃に熱し,30秒間加熱した。茹. の配慮,台所での気配り等を工夫し,環境のこと. でるは沸騰水の中でじゃがいもは140-180秒,に. 2). を考えて食生活を行うことである 。買い物時の. んじんは150秒,だいこんは300秒加熱した。焼く. 工夫で全体量を減らし,さらに調理の段階で食材. は油なしでじゃがいもは140-180秒,人参は160-. を極力有効活用して捨てる部分(野菜の皮)を減. 170秒,だいこんは200-260秒加熱した。蒸すは蒸. らす工夫をすることで相乗的に効果を上げていく. し器に湯をわかし,じゃがいもは170-210秒,に. ことが望ましいとされる。. んじんは160-270秒,だいこんは150-210秒蒸した。. エコ・クッキングの普及により,中学校や高等 学校の教科書の中で,調理と食生活の項や環境と 3). 1-2 官能評価. 食生活の項などで取り上げられている 。エコ・. 評価は官能評価により,適している(○) ,ま. クッキングに関する研究は数多く報告されている. あまあ適する(△),適さない(×),の3段階で. が,エコ・クッキングの実践による環境負荷の指. 評価し,苦味や食感など特徴をコメントした。. 標として二酸化炭素(以後CO2と略す)排出量を 用いる場合が多い。三神4)は調理時のエネルギー,. 2.食材廃棄物の特性を生かした調理. 水使用量,ごみ廃棄量を実測し,CO2排出量から. 2-1 調理メニュー. 環境負荷削減効果を定量化しているが,ガス量や. じゃがいも,にんじん,だいこんの皮に適した. 電気量を計測するためには測定機器類が必要とな. 調理として餃子を採択した。図2-1に示すように. る。しかし,教育現場では計測するための機器設. 食材の身を用いた通常調理と食材の皮を用い,図. 備が整っていないため,エコ・クッキングを教育. 中の下線に示したエコ・クッキングとしての工夫. 現場で実践することは難しい。. 点(以後エコポイントと略す)を取り入れたエコ. そこで,簡単に入手できるものを使って簡易台. 調理を行った。. 所を構築し,これを教材として活用の可能性を検 討することを目的とした。そして食材廃棄物を活. 2-2 官能評価. 用する調理法およびそれを実践するためのメ. 2-1の通常調理の餃子(A)とエコ調理の餃. ニュー開発を行った。すなわち,食材の皮に適す. 子(B)を試料とし,Aを基準試料とした7段階. る調理法を検討し,食材の皮を活用したメニュー. 評定法による官能検査を行った5)。パネルは生. を開発して官能検査を行った。そして簡易台所を. 活・技術教育専攻の学生25名である。評価項目は,. 使って,通常の調理とエコ・クッキングに配慮し. 外観,風味,味,食感,総合評価の7項目である。. た調理で皮を活用したメニューを調理し,ガス使. 統計解析は前報5)に準じて行った。. 用量,水使用量,ごみ廃棄量を測定して比較検討 することで環境負荷削減効果を検証した。. 3.エコ・クッキングによるCO2削減効果の検証 じゃがいも,にんじん,だいこんの皮に適した. Ⅱ.研究方法. 調理として2-1の餃子の他,いももち,きんぴ ら大根,炒飯の計4品を図2-1~図2-4に示すよう. 1.食材廃棄物の調理特性. に食材の身を用いた通常調理と食材の皮を用い,. 1-1 試料および試料調製. 図中の下線に示したエコポイントを取り入れたエ. 試料は市販のじゃがいも,にんじん,だいこん. コ調理を作成した。. 178.

(4) 食材廃棄物を利用したエコ・クッキングによるCO2排出削減効果. 図2-1 餃子の材料,作り方(通常調理とエコ調理). 図2-2 いももちの材料,作り方(通常調理とエコ調理). 179.

(5) 菅野 友美・貝沼 義斗. 図2-3 きんぴら大根の材料,作り方(通常調理とエコ調理). 図2-4 炒飯の材料,作り方(通常調理とエコ調理). 180.

(6) 食材廃棄物を利用したエコ・クッキングによるCO2排出削減効果. 3-1 調査方法. 採取した。3-2のガスボンベの重量減少量でガ. 調査期間は2012年12月~2013年1月とし,調理. ス使用量を,広口瓶中の水容積の減少量より水使. 場所および環境は北海道教育大学旭川校の実習室. 用量を求めた。ごみ廃棄量に関しては条件を統一. および演習室で,机が二つ並べられるスペースで. するため重量既知の折紙のごみ箱を使用し,調理. あればどんな場所でも可能である。調理実施者は. 終了後に紙重量を除いたごみ廃棄量を測定した。. 家庭分野4年生3名でこのうち1名が通常調理,. これは,流しに生ごみを置いて水使用時に生ごみ. 1名がエコ調理を行い,1名は計測を行った。. が水を吸収して重くなるのを防ぐためである。 環境負荷を総合的に捉えるため,それぞれの. 3-2 調理機器および測定器具(簡易台所). CO2排出量を算出した。CO2排出量は測定したガ. 図2-5の写真のように机2台に調理機器を用意. ス量,水使用量およびごみ排気量は,三神ら6)の. し,測定機器を以下ものを使用した。. 方法に準じて以下の換算式を用いてCO2排出量. ・カ セットコンロとガスボンベ(CB-ECO-JR. (g)に換算した。. イワタニ製):加熱. ① ガスに起因するCO2排出量(g)=ガスボン. ・広口活栓付瓶:給水(洗い場の上に設置). ベ減少量(g)/2.59*(L)×2.216). ・万能バット(520×320×120mm):洗い場. ② 水に起因するCO2排出量(g)=水使用量. ・廃液回収容器:排水(万能バットに穴をあけ,. (g)×0.9096). 洗い場の下に設置). ③ ごみに起因するCO2排出量(g)=ごみ廃棄量 (g)×0.436). 広口活栓付瓶 (給水). *:2.59はブタンガスのガス密度. Ⅲ.結果および考察. 万能バット (洗い場). 1.食材廃棄物の調理特性 じゃがいも,にんじん,だいこんの3種類の食 材を皮と身に分け,それぞれ揚げる,茹でる,焼 く,蒸すの4種類の調理方法を用いて処理した。 その官能評価の結果を表3-1に示した。. 廃液回収容器 (排水). 表3-1 調理法の異なる食材のの官能評価結果. 大根. 3-3 測定方法およびCO2排出量換算方法 食材を洗うところから,調理台での処理,ガス. 芋. 図2-5 簡易台所の写真. 人参. カセットコンロ (加熱). 揚げる. 茹でる. 皮. ○. ○. 身. ×. 皮. ○. 身. ○. 皮. ×. 身. ○. × ○ ○. ○ △ ○ × ○. ○ ○ ×. 焼く ○ ○ △ ○ △ ○. ○ ○ ○. 蒸す × × × × × ×. × × ×. (○:適している △:まあまあ適する ×:適さない). コンロでの加熱,食事後の片付け,食器や調理器 具の洗浄までの一連の操作に関して測定データを. 181.

(7) 菅野 友美・貝沼 義斗. その結果,調理法の中で蒸す調理は食材の皮, 身ともに適さなかった。これは,調理時間が短かっ た為と考えられる。 食材別でみていくと,だいこんの皮は,揚げる・ 茹でる・焼くの3種類の調理方法に適しており, 皮を利用できる可能性が高いと思われる。にんじ んは皮と身との間に差が少なく,さまざまな調理. 通常調理. へ生すことができるものと考える。じゃがいもの 皮はどの調理操作に対しても適さず,アクやジャ リジャリとした食感を改善する必要がある。 これらの結果から,食材の種類によって,皮の 特性や, 適する調理方法が異なることがわかった。 また,蒸す調理以外は調味料の使用や下処理の工 夫により皮を調理に生かせる可能性が示唆され. エコ調理. た。食材別では,じゃがいもの苦味(アク)やジャ. 図3-1 餃子の写真. リジャリとした食感,にんじんの苦味,だいこん の辛味や歯ごたえなど課題が残った。これらの課. そこで,皮を使用した餃子と身を使用した餃子. 題を改善するため,じゃがいもは水にさらし,に. で官能評価を行い,比較検討した。その結果,表. んじんは調味料を添加し,だいこんでは細かく切. 3-2に示したように,各項目の判定平均は,外観. るといった工夫をするとよいと思われる。こう. が+0.16,風味が+0.08,味が+0.68,食感が+0.36,. いった改善策により,さまざまな調理に生かすこ. 総合評価が+0.24であった。検定の結果は味の項. とができ,食材の皮の調理への適用が可能になる. 目で1%有意で差がみられた。このように,味を. と考える。. 除く4項目では差がみられず,また,味において も皮を用いた餃子の方がプラスの評価となった。. 2.食材廃棄物の特性を生かした調理. また,判定平均は5項目すべてにおいてプラスの. じゃがいも,にんじん,だいこんそれぞれの食. 結果となったことから,皮を使用した餃子の方が. 材の皮を利用する際の課題を改善し,食材の特性. 好ましいことが明らかとなった。この結果から皮. に適した調理方法を工夫することにより,皮を使. を使用した調理が実際の家庭においても活用でき. 用したメニューの考案を試みた。すなわち,みじ. る可能性を確認できた。. ん切りや水に浸す工程を取り入れることで食感の 改善を,調味料の使用で苦味や辛味のマスキング. 表3-2 餃子の官能評価の判定合計と平均. をした。また, 「包む」「混ぜる」調理を取り入れ. 判定合計. 判定平均. て外観を工夫した。このような観点から,餃子を. 外観. 4. 0.16. 図2-1のように試作し,エコ調理と通常調理を比. 風味. 2. 0.08. 較した。その結果,図3-1の写真に示すように,. 味. 17. 0.68*. 餃子の完成後,二つに切り分けて中身をみたとこ. 食感. 9. 0.36. ろ,外観に違いは見られなかった。風味,舌触り. 総合. 6. 0.24. についても皮を使用した餃子と身を使用した餃子 の間に違いはほとんど感じられなかった。. 182. *. ;p<0.01.

(8) 食材廃棄物を利用したエコ・クッキングによるCO2排出削減効果. 3.簡易台所を用いたエコ・クッキングによる効. 表3-3 ガス使用に伴うガス量. 果の検証. ガス量(L)(ガスボンベ減少量(g)/2.59). 皮などの食材廃棄物の調理への活用は,食材廃 棄物を減少させることができるのみならず,CO2 排出量削減にもつながる。また,調理の際に,. 餃子. いももち きんぴら. 炒飯. 通常調理. 86.9. 18.8. 4.6. 4.7. エコ調理. 84.4. 10.0. 4.1. 4.5. CO2排出量削減のためにできることは食材廃棄物 の調理への活用だけではない。例えば,ガスの使. 水の給水量は表3-4に示したように,すべての. 用を少し抑えたり,洗浄の際に水の使用を少し控. 調理においてエコ調理は通常調理と比べて水使用. えたり,使用しない電化製品の電源をこまめに. に伴う給水量の削減が認められた。特にいももち. 切ったりすることなどがある。そこで,このCO2. は通常調理の6.3Lに対してエコ調理が4.4Lと大き. 排出量に焦点を当て,食材廃棄物の他,ガス使用. く削減されたのは,じゃがいもの茹で汁を洗浄時. 量,水使用量など多方面からCO2排出量を検討し. に用いたためと考える。このように水使用におけ. ようと考えた。しかし,ガス使用量,水使用量の. るエコポイントで,洗浄時に鍋に水をためること. 計測には機器設備が必要となる。そこで,身近に. で,無駄な水の使用を減らせることが確認できた。. 購入できるもので簡易台所を構築し,それを使っ. 表3-4 水使用に伴う給水量. て環境負荷削減効果を検証した。前述の餃子の他, いももち,きんぴら大根,炒飯を通常調理または エコ調理で調理し,その際に使用したガス量,水 量および発生した廃棄量を計測した。その結果を. 通常調理 エコ調理. 餃子 3.0 2.8. 水量(L) いももち きんぴら 6.3 5.0 4.4 4.4. 炒飯 6.2 4.4. 表3-3~3-5に示した。 ガスの使用量は表3-3に示したように,すべて. ごみの廃棄量は表3-5に示したように,すべて. の調理においてエコ調理は通常調理と比べてガス. の調理においてエコ調理は通常調理と比べてごみ. 使用量の削減が認められた。特にいももちは通常. 廃棄量の削減が認められた。特にいももち,きん. 法の18.8Lに対してエコ法では10.0Lと大きく減少. ぴら大根はごみがほとんどなく,食材を無駄なく. した。これは加熱調理におけるエコポイントで,. 活用できることが確認できた。. 湯を沸かす際に鍋に蓋をし,湯が沸騰したらガス. 表3-5 調理に伴うごみ廃棄量. を閉め,余熱であたためるという工程を取り入れ. ごみ量(g). たことが原因であると考えられる。また,きんぴ ら大根は加熱の最終段階に落し蓋をして余熱で火 を通す工程を取り入れ,2分ほど加熱時間を削減. 餃子. いももち きんぴら. 炒飯. 通常調理. 8.8. 21.9. 45.4. 34.3. エコ調理. 2.2. 0.4. 0.0. 9.5. した。炒飯では,熱が通りやすい中華鍋を用いた ことと,加熱の最終段階で2分ほど加熱時間を削. これらをCO2排出量に換算した結果を図3-2~. 減して余熱であたためた。また,餃子も加熱の最. 図3-5に示した。また,通常調理におけるCO2排. 終段階に余熱であたためた。このように余熱を利. 出量を100%としてエコ調理によるCO2排出量削. 用することでガス使用量を削減できることが確認. 減率を求めた。その結果,エコ調理では,餃子(図. できた。. 3-2)で3%~75%削減,いももち(図3-3)で 30%~98%削減,きんぴら大根(図3-4)で11% ~100%削減,炒飯(図3-5)で6%~72%削減で き た。 ま た 平 均CO2排 出 量 削 減 率 は そ れ ぞ れ 29%,58%,41%,35%であった。. 183.

(9) 菅野 友美・貝沼 義斗. 図3-2 餃子のガス使用量,水使用量,ごみ廃棄量の CO2削減効果. 図3-4 きんぴらのガス使用量,水使用量,ごみ廃棄 量のCO2削減効果. 図3-3 いももちのガス使用量,水使用量,ごみ廃棄 量のCO2削減効果. 図3-5 炒飯のガス使用量,水使用量,ごみ廃棄量の CO2削減効果. このように通常調理とエコ調理のCO2排出量を. でる調理など,水を多く使用するメニューでは茹. 比較した結果,餃子,いももち,きんぴら大根,. で水を洗浄に用いることでエコ調理では通常調理. 炒飯の4種類すべての調理においてエコ調理は通. と比べて水の使用を抑え,CO2排出量を削減する. 常調理と比べて,CO2排出量を29%~58%削減す. ことができると考えられる。また,簡易台所のタ. ることができた。4種類のメニューは食材の皮を. ンクを用いることで,洗い場設備のない場所でも. 活用したものであるため,ごみ廃棄量が最も大き. 水使用量が計測可能である。. な削減効果を示した。このことから,食材廃棄物. ガス使用量に関しては,3%~47%の削減効果. の調理への利用が最もCO2排出量削減に効果的で. があった。加熱調理の際にガスをとめて余熱であ. あることが分かった。. たためるという簡単な操作を加えるだけでCO2排. 水使用量によるCO2排出量削減に関しては8%. 出量削減につながると考える。また,ガス使用量. ~30%の削減効果があった。いももちのような茹. は特別な計測器を使わなくてもカセットボンベの. 184.

(10) 食材廃棄物を利用したエコ・クッキングによるCO2排出削減効果. 重量から簡単に計測することができることが確認. め,その特性をいかした調理を検討したところ,. された。. より食べやすくするための調理方法や調理に関す. 本研究で測定したガス使用量,水使用量,ごみ. る有用な知見を得た。また,身近に入手できるも. 廃棄量は簡易台所を使って行ったものであり,す. のを使って簡易台所を構築してエコ調理と通常調. べての調理でCO2排出量削減効果が得られたこと. 理を行い,ガス使用量,水使用量を測定したとこ. から,教育現場で環境教育の一環として活用でき. ろ,すべてのメニューにおいてCO2削減効果が得. る可能性が示唆された。. られ,環境負荷を低減する一助となることを確認 できたことから,簡易台所が現場に取り入れやす. Ⅳ.要 約. く,生徒にとっても無理のない教材として期待で きると示唆された。今後は環境教育の一環として,. ごみ問題,食糧問題やエネルギー問題などの環. 教育現場などに本研究成果をいかしていきたいと. 境問題に対し,私たちにできる身近な対策として. 考える。. エコ・クッキングが推進されている。本研究では 食材廃棄物に焦点をあて,じゃがいも,にんじん,. 参考文献. だいこんの皮を活用するため,まず皮の特性を検 討した。 その結果,じゃがいもの皮にはアクやじゃ りじゃりとした食感が,にんじんの皮では苦味が, だいこんの皮では辛味と歯ごたえが課題としてあ げられた。そこで,これらの課題を改善するため,. 1)環境省,一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成24 年度)について,環境省官房廃棄物・リサイクル対策 部廃棄物対策課,2-3(2014). http://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ippan/ h24/data/env_press.pdf. じゃがいもの皮は水にさらし,にんじんの皮は調. 2)菅野友美,エコ・クッキング,「食育に役立つ調理学. 味料の添加,だいこんの皮では細かくみじん切り. 実習」 ,第1版,西堀すき江編, (建帛社,東京) ,276-. にするなど工夫した。そして,皮を使った餃子を 試作し,身を使った餃子と官能試験により比較し たところ,外観,風味,食感において有意差がみ られず,味では皮を用いた餃子の方が有意に美味 しいという結果となった。このことから下処理の 実施や調味料の使用などの工夫を取り入れること で廃棄物である食材の皮を美味しく食することが できるということが明らかとなった。さらに,皮 の調理への活用の他にもガス使用量,水使用量の 面からCO2排出量削減へとつなげ,これを広める. 277(2007). 3)環境に配慮した食生活,「技術・家庭家庭分野」文部 科学省検定済教科書, (開隆堂,東京) ,139(2011). 4)三神彩子, 環境に配慮した食生活 「エコ・クッキング」 が地球環境問題の改善に与える影響,日本調理科学会 誌,45,323-331(2012). 5)菅野友美,新出祐希穂,大学生における米粉食品の 実態と米粉推進課題-米粉パンについて-,北海道教 育大学紀要,65,353-362(2014). 6)三神彩子,長尾慶子,家庭科教職課程履修生に対す るエコ・クッキング教育効果-野菜廃棄率,使用器具 数,CO2排出量,消費エネルギー(費用)面からの詳 細分析-,日本食生活学会誌,21,272-280(2011).. ためには教育現場でエコ・クッキング実施の重要 性を説く必要がある。しかし,教育現場では計測. (菅野 友美 北海道教育大学旭川校准教授). するための調理設備が整っていない。そこで,簡. (貝沼 義斗 北海道教育大学旭川校学生) . 単に入手できるものを使って簡易台所を構築し, それを使ってエコ・クッキングを行い,通常調理 と比較した。その結果,餃子,いももち,きんぴ ら大根,炒飯の調理において,エコ調理の方が CO2排出量を削減できた。 以上の研究により,食材の皮を有効利用するた. 185.

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