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ネット依存度とパスワード管理意識の関連について

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 79 回全国大会. 4D-01. ネット依存度とパスワード管理意識の関連について 八城年伸† 安田女子大学家政学部†. はじめに 現在、情報サービスのユーザー認証において は、知識や記憶による認証(WYK認証)と、 所有物による認証(WYH認証)が主流となっ ている。代表的なWYK認証としてはパスワー ドがあるが、従来のユーザー教育においては、 確率論に基づき定期的に変更する、他の情報サ ービスとの使い回しをしない、とされてきた。 筆者はユーザー教育と利用相談に携わってい た経験から、パスワードの定期的な変更に対す る拒絶反応を感じ、従来の手法に疑問を持った ことからユーザーの意識調査を行い、ユーザー 教育のあり方を探ってきた。 意識調査の主たる対象は、情報に関する専門 教育を受けていない段階の女子大学生である。 調査は筆者が担当する講義などにおいて、調査 紙調査方式で実施してきた。調査の時期と調査 紙の回収数は以下の通りである。 前期 2006年度. 第1回. 7月. 後期 184. 2007年度. 第2回. 1月. 196. 第3回. 12月. 173. 2008年度. 第4回. 7月. 282. 第5回. 12月. 99. 2009年度. 第6回. 7月. 78. 第7回. 1月. 247. 2010年度. 第8回. 6月. 69. 第9回. 12月. 285. 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度. 第10回 第12回 第14回 第16回 第18回. 6月 6月 7月 7月 7月. 122 111 234 176 138. 第11回 第13回 第15回 第17回 第19回. 12月 11月 11月 11月 11月. 587 301 528 234 204. 2016年度 第20回. 7月. 41. 第21回. 11月. N/A. 比較可能な尺度の必要性 これまで筆者が行った調査は、講義等におい て実施したため回答率が高く、無効回答率も低 かった。しかしながら調査の対象を拡大すると 共に、分析を効率化することを目的にアンケー ト ASP サービスを用いたところ、回答の任意性 が強く現れる結果となり、回答率が急激に低下 した。これの詳細については情報処理学会第 78 回全国大会にて報告した。[1] ---------------------------------------------------------------------------A Study of relation between dependence to network service and password management consciousness † Toshinobu YASHIRO, Yasuda Women's University. このことはアンケートへの回答をサボろうと する横着な学生、すなわちセキュリティへの関 心の低いユーザーの動向が見えにくくなる危険 性があるということである。また、過去の主な 調査対象は、女子大学生という比較的均一な集 団である。調査対象を拡大し、より多くのユー ザーの意識を探る際には、分析結果からユーザ ーの特性を推し量るのではなく、何らかの尺度 や属性を用いて、それを基に教育や指導の方法 を検討することが適切であると考えられる。 尺度として考えられるのは、情報システムの 利用行動を説明するモデルとしての TAM(技術需 要モデル:Technology Acceptance Model)や、 それを拡張した TAM2 がある。しかしながらそれ らを単純に用いると、設問が増加することで回 答の所要時間が増え、関心の低いユーザーの回 答がますます得にくくなる危険性がある。加え てパスワードの管理意識であることからインタ ーネットを利用していることが前提となり、不 必要と思われる設問が少なからず含まれること から、適切とは言い難いと考えた。[2] インターネットを利用していることが前提の 尺度を幾つか検討し、ネット依存治療部門を有 する独立行政法人国立病院機構久里浜医療セン ターが提供する、ネット依存のスクリーニング テストを用いることにした。[3] スクリーニン グテストについては、2012 年度より八城の講義 においてネット依存を客観視させるために用い ており、学生の大まかな回答傾向が把握できて いることも選択理由の一つである。 調査の概要 調査は 2016 年 11 月に、調査紙調査で実施し た。スクリーニングテストについては TAM/TAM2 より少ないとは言え、20 ないし 15 の質問項目が あり、なおかつネット接続環境が必要となるこ とから、在来の調査紙にスクリーニングテスト の結果を記入する欄を追加し、別途、実施をし たテストの結果を記入する形とした。 テストに時間を要するため、調査紙は翌週の 講義までに記入、回収する方式とした。配布数 は 201、回収数は 153 で、回答率は 76.1%である。 スコアの記入方法を間違えた回答もあり、有効. 3-513. Copyright 2017 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 79 回全国大会. 回答数は 111 であった。過去の調査と比較する と、アンケート ASP サービスを用いた調査とほ ぼ同等の回収率である。この回収率の低さは、 先に問題点として指摘した、意識の低いユーザ ーが回答をサボった可能性が否定できない。 調査結果 ネット依存のスクリーニングテストには、イ ンターネット依存度テスト(IAT)、韓国情報化 振興院が作成した K-スケールの青少年用および 成人用があるが、今回の調査では IAT と K-スケ ール成人用を用いた。IAT の結果は平均 36.83、 標準偏差 11.31 であり、分布は以下の通りであ る。平均的なオンラインユーザーとされるのは 20~39 点であり、60.4%の学生が該当した。. パスワードの強度との関係 次にソーシャルアタックへの耐性を見るため、 連想記憶を基に第三者による推測のしやすさ、 用いた字種によるパスワードの複雑さについて 分析をした。依存度が高くなれば、パスワード の強度もやや高くなっている傾向が見られた。 100% 80% 60% 40% 20% 0% 20‐29. 推測しにくい. 30‐39. 親友レベル. 40‐49. 50‐59. 40‐49 4. 50‐59 60‐69 3 2 1. 友人レベル. 60‐69. 会員登録レベル. 100% 80% 60% 40% 20% 0%. 20 15 10 5 0. 20‐29. 30‐39 5. K-スケールは判定が比較的複雑であるためか、 45.8%の学生が判定を間違えていた。このことか ら K-スケールを用いる際は、判定は分析時に行 まとめ う方が適切であると考えられるが、両者には強 今回、ユーザーを分類する尺度として IAT を い相関関係があったため、IAT のみを尺度として 用いることを試みた。結果としては相関が見ら 用いても差し支えないと考えられる。 れるものの、弱いものであった。尺度の一つと して用いるには使えそうだが、それのみでユー 利用時間との関係 ザーを比較・分類するには材料が不足すると言 IAT のスコアが尺度として使用可能か否か、幾 わざるを得ない結果であった。 つかの設問についてスコアとの関連を分析した。 しかしながら、調査方法が煩雑になったため 情報機器の利用状況において、スマートフォン に関心の低いユーザーが回答を避け、それに伴 などのポータブルデバイスの利用時間、SNS の利 って有効回答が少なくなり、傾向が見えにくく 用時間には、弱いながらも相関が認められた。 なった可能性も否定できない。IAT の設問を調査 紙に取り込むなど、他の手法を検討すると共に、 240 SNS 非SNS 他の尺度についても比較検討することを今後の 180 課題としたい。 120 60 0 20‐29. 30‐39. 40‐49. 50‐59. 60‐69. 参考文献 [1] 八城年伸、「意識調査において実施方法の差 異が与える影響について」、情報処理学会第 78 回全国大会講演論文集(3)、pp513-514、2016. 240 非PC. PC. [2] 「インターネット利用の決定要因と利用実態 に関する調査研究 」、総務省情報通信政策研究 所、2009 年. 180 120 60. 「 ネ ット 依 存 のスク リ ー ニング テ ス ト 」 ( http://www.kurihama-med.jp/tiar/tiar_07.html ) 、 2016/1/11 現在 [3]. 0 20‐29. 30‐39. 40‐49. 50‐59. 60‐69. 3-514. Copyright 2017 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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