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10年目を向かえた「群馬大学医学部附属病院遺伝子診療部」の現状

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Academic year: 2021

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第20回群馬遺伝子診療研究会

日 時:平成 23年 2月 22日 (火) 18:15∼ 会 場:群馬大学医学部 刀城会館 当番世話人:竹吉 泉(群馬大院・医・臓器病態外科学) 代表世話人:森 昌朋(群馬大院・医・病態制御内科学)

特別講演>

Smart Amp 法を用いた遺伝子検出試薬の開発 三谷 康正 (株式会社ダナフォーム)

Smart Amplification Process(Smart Amp法)は株式会 社ダナフォームと理化学研究所が共同開発した核酸増幅 に基づく遺伝子検出技術である. Smart Amp法はユニー クな非対称プライマーセットと, 強力な鎖置換活性をも つ新規 Aac DNA Polymeraseを用い, 60℃一定で目的核 酸を 30 程度で増幅することが可能であり, 目的核酸 の増幅自体が標的配列の検出となる. 血液などの臨床サ ンプルから DNA 精製を必要とせず, DNA 増幅有無に より簡 に SNP検出が可能となる. 今日の医療現場に おいて個別化医療の実施が重要視されているが, 臨床現 場で簡 , 迅速に SNPを診断できれば, 例えば, 外来患 者の診察の待ち時間に診断し, 最適量を投薬する方針を 決定できる. 昨今, 我々は様々な診断試薬を開発し臨床 現場での応用を開始している. Smart Amp 法は増幅シグナルが検出シグナルである ために,新規開発した蛍光試薬 Excitonを添加し,リアル タイム PCR 装置を用いて検出することが可能であり, 反応チューブを開ける必要がないために増幅産物の拡散 によるコンタミネーションを防止することが可能であ る. さらに PCR のように急激な温度変化を必要とせず 等温条件下で増幅検出が可能であるために, Smart Amp 法を用いた診断チップならびに全自動装置の開発は比較 的容易であり, チップや装置も PCR 法を用いたものよ り 安 価 に 提 供 す る こ と が 可 能 で あ る と え ら れ る. Smart Amp 法は, その簡 性, 迅速性を生かして日々の ルーチン検査ツールに有用であり, 高性能な遺伝子変異 検出システムとして強力な潜在力を持ち, 臨床現場での 検査に有効活用されることが期待する. 今回は, 技術発明の秘話から, その試薬開発の現状を 報告したい. 【参 文献】

Mitani Y, et al.: Nature Methods 4(3), 257-262 (2007).

一般演題>

1.膵臓特異的 FoxO1 トランスジェニックマウスは糖 尿病と多発性膵囊胞を発症する 菊池 司 (群馬大・生調研・代謝シグナル解析 野) FoxO1はインスリンシグナルの下流で制御される転 写因子である. FoxO1は膵 β細胞の 化, 増殖に重要な 転写因子である Pdx1の発現を抑制することが知られて いる. また, 2型糖尿病を発症する IRS-2欠損マウスで は, FoxO1を不活性化することで糖尿病の改善がみられ る. FoxO1の膵臓における機能を in vivo で解析するため, 私達は恒常的活性型の FoxO1を膵臓特異的に過剰発現 するトランスジェニック (TG) マウスを作製した. この TG マウスでは膵外 泌腺房細胞が著明に減少し, 脂肪 細胞に置き換わっていた. また膵 β細胞量の減少が見ら れ, 雄の 30%は顕性の糖尿病を発症した. TG マウスで は膵管上皮細胞の増殖が加速されており高齢マウスにお いて多発性膵囊胞が認められた. さらにラ氏島内の微小 血管増加も認められた. 以上より, 膵臓における FoxO1活性の制御不全が 2 型糖尿病の発症, または膵囊胞の形成の原因となり得る ことが示唆された. 2.10年目を向かえた「群馬大学医学部附属病院遺伝子 診療部」の現状 山田 正信,池田 将樹,篠崎 博光 山田 教弘,小澤 厚志,浅尾 高行 新井 昌 ,針谷 晃,服部 卓 富田知恵子,森 昌朋 (群馬大医・附属病院・遺伝子診療部) 群馬大学医学部附属病院では, 遺伝の関与する疾患の 診療の際に発生する, 主に倫理的な問題に病院全体で対 処するため, 平成 14年 4月より院内措置により遺伝子 診療部が開設され, 本年で 10年目を向かえる. 開設翌年 269 Kitakanto Med J 2011;61:269∼270

(2)

の平成 15年には遺伝関連 10学会による「遺伝学的検査 に関するガイドライン」で「遺伝カウンセリングを含め た包括的な遺伝子診療体制のない病院では, 遺伝子診断 は原則として行えない」こととなった.そして,生殖細胞 系の遺伝子検査はこれまでは保険適用はなかったが, 平 成 18年に進行性筋ジストロフィー症の遺伝子検査が保 険収載となり (4,000点), 平成 20年には 10以上の遺伝 子検査が追加となり, さらに遺伝カウンセリングに対し て遺伝カウンセリング加算 (500点) を算定できるよう になった.また,平成 20年には 抗がん剤イリノテカンに よる副作用の可能性に対する UDP-グルクロン酸転移酵 素遺伝子 (UGT1A1) 多型検査も保険適用となった. 平成 23年 1月までの当院遺伝子診療部への新患 数 は 276名で, 遺伝カウンセリング回数は べ 400回以上 である. 外来は完全予約制で, 週 2日遺伝子診療部外来 にある個室で行っている. 平 カウンセリング時間は 1 時間∼1時間 30 である. 疾患で 10件以上のものは, 多 発性内 泌腫瘍症 2型 33件, 多発性内 泌腫瘍症 1型 21件, Duchenne型筋ジストロフィー症 19 件, 家族性大 腸腺腫症 13件, 家族性脊髄小脳変性症 13件, Marfan症 候群 11件,Kleinfelter症候群 11件であり,常染色体優性 遺伝疾患と X 連鎖劣性遺伝疾患が多い. 上記のように多 発性内 泌腫瘍症 2型の RET 遺伝子診断の需要が多く, 平成 22年 7月より当院では国立大学病院としては初め て「先進医療」として登録を行った. 現在の問題点として, 院内に臨床遺伝専門医が 2名し かいないこと. カウンセリング担当医の専門により疾患 に偏りがあり, 今後幅広い 野へどのように対応するか 遺伝子診療体制の構築の必要性がある. また, 実際の診 療から, 遺伝性疾患であることが本人に告げられず血縁 者は関知されていない事例や遺伝子診断の前に十 な遺 伝カウンセリングが行われていない例, 遺伝子診断後に 結果が適切に本人に告げられていない症例も多い. 今後, 電子カルテへの対応や種々の書類への匿名化の問題, そ し て 出 生 前 着 床 前 診 断 さ ら に ゲ ノ ム 薬 理 学 (Phar-macogenomics; PGx) へ向けた診療体制の構築が必要で ある. 第 20回群馬遺伝子診療研究会 270

参照

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