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JAIST Repository: 科学研究費補助金における専門分野分類の分析

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https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 科学研究費補助金における専門分野分類の分析 Author(s) 山下, 泰弘 Citation 年次学術大会講演要旨集, 13: 27-32 Issue Date 1998-10-24

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/5646

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

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Ⅰ A4 科学研究費補助金における 専門分野分類の 分析 0 山下泰弘 ( 文部省・学術情報センタⅡ ] はじめに 本研究は、 専門分野分類の 再編のための 基礎的な知見を 得ることと、 既存の知識体系の 鳥倣 を目的として、 研究者の所属分野の 計量分析を行 う ものであ る。 学術研究の発展に 伴い、 専門分野は過度に 細分化される 一方で、 既存分野の総合化が 進み、 学界全体の構造は 極めて複雑なものになっている。

それに伴い、

既存の専門分野分類では 全て の 研究課題を整理できなくなりっ っ あ る。 科学研究費補助金の 分科細目 表 において、 既存の分 類に収まらず 複数の細目にまたがるとされる 複合領域の細目敏が 近年大幅に増加していること からも、 従来用いられてきた 専門分野分類では 新しい研究領域を 既存の枠組みの 中に分類しき れなくなりっ っ あ ることが伺われる。 専門分野分類は、 学術政策上非常に 重要なツールであ り、 多くの場において 使用されている。 例えば、 科学研究費補助金の 審査をはじめとする 研究評価においては 評価単位となる 専門分野 を定めるために、 あ るいは学術政策研究においては 分析単位を定めるために、 また高等教育に おいては特定の 専門領域のバランスをとったカリキュラムを 作成するために、 専門分野分類が 不可欠であ る。 既存の専門分野分類は、 上述のような 状況下においてこれらの 目的を果たし 得 なくなりっつあ り、 学術振興のために 新たな専門分野分類を 模索する必要が 出ている。 また、 学術研究の高度な 発展や研究活動の 変容に ょ り、 仝日では知識体系を 包括的に把握す ることが極めて 困難になっており、 円滑な知識生産を 促すために、 土台となる既存の 知識の体 系化が急務であ る。 専門分野分類は 知識の体系とも 言えるものであ り、 それを考察することは、 すなわち現存する 知識構造を鳥取する 視点を与え、 仝後の知識生産の 促進に寄与し 得る。 専門分野分類を 構成する上で、 専門分野の総合化に

26

分類の多重化、 過度の細分化に 28 類似分野の増加や 専門分野の偏在化はとくに 重要な問題であ る。 そこで、 本研究ではこの 2 点 に 注目し分析を 行 う 。 専門分野の総合性に 関しては独自の 指標を作成して 分析を行い、 細分化 に関しては数量化 4 類にょり各分野の 全体に対する 位置付けを提示し、 それについて 考察する ことに よ り行 う 。 専門分野分類に 関連する先行研究は、 いく っか 散見されるが、 いずれも一部の 専門分野を対 象 とした小規模なものであ る [1,2,3@ 。 本研究は、 学界全体を網羅する 大規模なデータを 使用して、 包括的な分析を 行 う 点に特色があ る。

2

分析内容 本研究では、 学術情報センターが 提供しているデータベース「平成 7 年度研究者ディレクト リ 」の全データ ( レコード数 130 , 295 件 ) を使用して、

(1)

専門分野の総合性分析と

(2)

専門分野の位置付け 分析を試みる。 研究者ディレクトリには、 我が国の大学関係の 大半の研究 者のプロフィールに 関する情報が 含まれているため、 このデータを 分析することに よ り我が国 の 学界全体の概要を 知ることが可能であ ると考えられる。 一 27 一

(3)

研究者ディレクトリでは、 科学研究費補助金の 分科細目 表 にあ る専門分野の 細目コードが 研 究者 1 人につき 3 件まで重要な 順に併記されている。 本研究では、 この併記された 細目の共 出 現 頻度を元に分析を 行 う 。 原 データでは、 細目コードと 自由記述に 28 専門分野客とが 併用さ れているため、 同一の細目コードが 併記され、 それぞれに対して より 細かい下位分野老が 記入 されている場合もあ る。 本研究では、 細目ょ り 小さい単位は 取り扱わないので、 同一のコード が併記されている 場合には、 先頭のもののみ 残してそれ以覚は 削除している。

(1

) 専門分野の総合性分析 それぞれの専門分野について、 以下の値を ヵ ウントする。 a 伴 諸分野のみに 所属する研究者数 b 液 数分野に所属し 当該分野を主たる 専門分野とする 研究者数 c 液 数分野に所属し 当該分野を第 2 、 3 専門分野とする 研究者数 d) それ以外の研究者数 ( 当該分野が記入されていないレコード 数 ) このとき、

b/(a+b

旧 当該分野を主たる 専門分野とする 研究者のうち、 個分野の研究も 副次的に 行っている研究者の 割合、

c/(c+d)

は個分野を主たる 専門分野とする 研究者のうち 当該分野の研 究も副次的に 行っているものの 割合であ る。 これらをそれぞれ X 、 Y 座標値として X 一 Y 平面 上にプロットする ( 図

1)

。 原点からの距離が 遠 い ほどその分野が 他分野と多く 関係を持って いること、 言 い 替えるならば 総合性が高 い ことを意味し 、 逆に原点に近 い ほど独立性が 高 いこ とを意味する。 総合性の高 い 分野は、 さらに分野 内 が多様でかっ 分野外からの 参入が参り、 融 合性の高 い 分野 ( 図 右上 ) と、 分野内は多様で 分野外からの 参入が少ない 分野 ( 図 左下 ) 、 分 野内は 一様で分野覚からの 参入が多 い 分野 ( 図 右上 ) の 3 類型に分けられる。 図 「専門分野の 総合性の概念図 c/(c+d) (2) 専門分野の位置付けの 分析 式 ㊤に よ り各専門分野間の 類似度を算出し、 その結果得られた 類似 度 行列に対して 数量化 4 類を適用する。

(4)

(1)

専門分野の総合性分析では 主たる専門分野と 第 2 、 3 専門分野を区別したが、 この分析では 分野の共出現のみ 考慮し、 併記された専門分野はすべて 同等のものとみなす。 また、 全データ に 対して式㈹を

適用した場合、

専門分野間の 類似 度 が全体的に小さくなり 分野ごとの差が 出難 いため、 専門分野が 1 つ しか挙げていない 研究者は除外して 類似度を計算する。

3

分析結果

(1

) 専門分野の総合性分析 結果を図 2 に示す。 Y 座標の値は、 非常に小さく、 とくに下端の 点が判別し難いのでロジッ ト 変換を施してあ る。 図の右上の領域には

専門分野が存在しないが、

図の中央上側の 領域がそれに 準ずるものと 考 えられる。 この領域には 分子生物学や、 言語学などが 位置している。 これらの分野は、 内部で は 通常の専門分野と 同様に研究が 行われているが、 外部への波及効果が 非常に大きいと 言える。 このような専門分野は 解体して関連分野に 還元しても研究活動が 大きく衰退する

恐れはないが、

多くの分野に 寄与しているので 分野として残しておくべきであ る。 図の左上側には 教育学や社会学、 教科教育などが 位置している。 これらの分野は 比較的独立 性が高く、 かっ個分野の 研究者の参入が 非常に多い。 ただしこの外部からの 参入の多くは、 研 尭成果の外部波及に よ るものばかりとは 言えず、 分野外において 当該分野が研究フィールド と して利用されているケースもあ り得る。 図の右側にあ る分野は 、 概して Y 軸 中程の領域に 集中しているが、 これはロジット 変換の影 響によるもので、 変換されない 場合には右下に 位置する。 したがってこれらは、 個分野の研究 が 副次的に行われることが 多いが、 分野外への波及効果は 決して大きくなく、 個分野で副次的 に研究されることが 少ない分野であ る。 この中には、 工学では複合材料,物性、 表面界面物性、

応用物性・結晶工学など、 農学では生物資源科学、 医学では病態医化学、

複合領域では 自然災 書

工学、 環境動態解析、

核融合学などが

含まれる。 これらの分野では、

関連分野出身の 研究者 により出身分野の 方法論とさまざまな 分野の知識を 適用して研究が 行われることが 多い。 この ょ

うな分野の研究は、

当該分野内では

非常に重要なものでも、

方法論や知識を 提供した関連 分 野 側ではあ まり重要視されないので、 分割して関連分野に 還元すると、 還元された先で 極めて 周縁的に扱われ 研究領域の衰退を 招く恐れもあ

るため、

個別の分野として 残した方がよいと 考 えられる。 図の左下、 独立性の高い 分野には、 臨床系の医学分野や 数学、 刑事法学などがあ る。 また、 複合領域の人文地理学もこの 中に含まれており、 複合領域であ りながら独立性が 高 い ことが 分 かる。 この領域にあ る分野は、 プロパ一な研究者が 多 い ため個分野と 統合して より 総合的な分 野に再編した 場合においても 研究活動に大きな 影響は出ないものと 考えられるため、 類似分野 が 存在するならば 統合が検討されるべきであ る。

(2)

専門分野の位置付けの 分析 分析の結果、 ほぼ分科細目 表 の 部 ごとに分かれた 7 つのクラスタが 見出された ( 図 3) 。 細 目を示す 各 点は全体的に V 字型に分布しており、 左上に医学、 その下に農学、 v 字の下端に理学 一 29 一

(5)

| ㏄ 0 | 2.5 3.0 ︵ 埋弔穏 上ボ今ロ︶︵ っ +U て 。 図 2 耳門分野の総合性 0 ・Ⅰ 0 . 2 0 . 3 0 . 4 0 ・ 5 0 . 6 0 ・ 7 公衆荷主 ギ Ⅰ 甘井・ 仮 Ⅰ ェギ

Ⅰ 毎 Ⅰ七ギ 本月 わ佳 ・ 憶 ユ エギ 扶育・社会 莱 七 % ギ 森ロ 界 Ⅰ 拐桂

Ⅰ な珪億窩析 俺牛 ●

体 有半 田文 宇め キ [ 柏 ニ古ギ 吉志 爽甘エ牛 広射 億科 牛 車 ⅠⅠ く 米人Ⅹ

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耳 耳目 巾耳ギ Ⅹ理学 人文毛車牛 Ⅹ工学 @@5ft@@r@+ 法 Ⅰ 宇 + あ 尿 Ⅰ ね宇 +

庄 市村 宰 林 山ギ 自然地曳 宇 aw-M- @ 圧お Ⅰ 荻ギ 迂ウ 法宇 Ⅰ 軽 外材 宇

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(6)

図 3 専門分野の位置づけ ( 数 Ⅰ 化 4 類 ) | ㏄ 目| ュ ︵上もて 沖楓 の 拙

0

医学

尿

祐光吉エ 宰

社会

趙 苗舟 拐 4 字

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0.2 . ●文学 ■法宇 A 軽涛宇 x 咀宇 Ⅹ工学 ●屋宇 + 医学 [% 台位 牡 ゃ広偵牡 0 ・ 25

第 2 固有ベクトル

(7)

工学、 右半分に人文・ 社会科学系分野がクラスタをなす 形で並んでいる。 医学および理学,工 学クラスタは 部分的に極めて 密集しており、 場合によってはいくつかの 分野が統合されるべき と 考えられる。 概して X 軸 ( 第 2 固有ベクトル ) が大きい領域に 人文・社会科学系分野が 、 逆に 小さい領域に 自然科学系分野が 集中している。 一方 Y 軸 ( 第 3 固有ベクトル ) の値が大きい 領域 により人間や 生物と深く関わる 分野

(E.IES

学 、 人文・社会など ) が 、 小さい領域に 人間とあ まり 関係が深くない 分野 ( 数学、 物理など ) が集まっている。 自然科学系と

人文・社会科学系は、

複合領域クラスタを 挟んでほぼ完全に

分離しており、

農 学の部の農業経済学が 経済学クラスタに 含まれる以外に 自然科学と人文・ 社会科学の境を 越え て位置する分野は 見られない。 自然科学系諸分野は 、 互いに他の部のクラスタに 乗り入れる 形 で 分布しているが、 人文・社会科学系諸分野はかなり 明確に各部に 分かれている。 なお、 他の 部のクラスタに 含まれている 細目については、 その部への編入が 検討されるべきであ ろう。

複合領域の分野は、

自然科学系諸クラスタの 中には数多く

存在するが、

人文・社会科学系諸 クラスタには 日本語教育が 含まれるのみであ る。 今後細目の見直しの 際には、 人文・社会科学 関連の複合領域分野の 増加が望まれる。 4 まとめ 本研究では、 大規模なデータを 用いて、 専門分野分類を 再編する上で 重要な因子であ る専門 分野の総合性と 学界における 位置付けについて 分析した。 専門分野の総合性分析からは、 独立性の高い 専門分野と、 総合性の高 い 専門分野が区別され た 。 総合性の高 い 分野はさらに、 融合性の高 い 分野 ( 分子生物学、 言語学など ) と内部は一様 で 外部からの参入が 多 い 分野 ( 教科教育、 教育学、 社会学など ) 、 内部は多様で 外部からの 参 人 が少ない分野 ( 自然災害科学、 複合材料・物性など ) の 3 類型に分けられた。 総合性の高 い 分野は

多くの場合において 独立性の高 い 分野とは形態が 異なり、 適用される分類原理も 異な るため、 現行のような 一元的分類に 納めることは 必ずしも得策ではないように 思われる。 また、 専門分野の位置付けの 分析からは、 各分野がほぼきれいに 部ごと分けられ、 とくに自 然科学系と人文・ 社会科学系分野の 分布にはほとんど 重なりが見られないことが 見出された。 さらに、 医学および理学・ 工学分野は過剰に 細分化されている 可能性があ ること、 人文・社会 科学系の複合領域が 極めて少ないことも 見出された。 文献 [ 川 千里学術情報研究会、 「わが国における 文化人類学研究者の 現状 一 F 研究者・研究課題総覧 1984 年版Ⅰを用いた 計量的研究の 試み」、 ドクメンテーション 研究、 Vo1.36 、 No ユ O 、 pp.471 480 、 1986 [2l 中嶋田 多 、 「医学・歯学・ 薬学分野における 専門領域構造の 研究 一 『研究者・研究課題総覧 1984 年版 ] を用いて 一 」、 LfbraryandInformationScience 、 pp.155-165 、 No.24 、 1986 [3l 浦田広助、 「引用分析にもとづく 学問間の関係の 検討」、 麗澤 大学紀要、 Vol.5l 、 pp.103 118 、 1990

図 3  専門分野の位置づけ  (  数 Ⅰ  化 4  類  )  |  ㏄  目|  ュ ︵上もて  沖楓  の  拙      0           医学           尿 あ             祐光吉エ 宰    社会             趙 苗舟 拐  4  字       "  轟  ¥            0.2 . ●文学    ■法宇 A 軽涛宇 x 咀宇 Ⅹ工学 ●屋宇 + 医学 [% 台位 牡 ゃ広偵牡    0 ・  25        第  2  固有ベ

参照

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『消費者契約における不当条項の実態分析』別冊NBL54号(商事法務研究会,2004