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【18】10. 閉会の挨拶

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Academic year: 2021

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10.閉会にあたって

国際学部附属多文化公共圏センター長 渡邉 直樹

本年、第5回を迎えた宇都宮大学学生国際連携シンポジウムは「いま、日中関係を 考える ―大学生からみた『過去』『現在』『未来』―」をテーマとして、本学学 生と中国人学生の報告、対中国関係の研究者である早稲田大学大学院教授・天児慧 先生ならびに対日本関係の研究者である中国・上海の華東師範大学教授・徐顕芬先 生のご講演、そして、教員からのコメント、会場のみなさまとの討論等、中身の充 実したシンポジウムとなりました。  この盛り上がりは、なによりも、日中両国学生のみなさんの、このシンポジウム にむけた準備と熱意に負うところが大きいといえます。国際社会、とりわけ東アジ アにおいて重要なパートナーであるべき日中間に横たわる課題を学生の立場から分 析し、解決策を提案し、新たな展望のうちに両国共通の利益を見出し、互恵関係を 再構築しようとの、会場のみなさまのそれも含む、強い願望がひしひしと伝わって くるシンポジウムであったと思います。 1972年の日中国交正常化以来、半世紀近く、両国の友好関係は大きく進展してき ました。戦略的互恵関係という未来志向のもとで「日中友好平和条約」(1978)も 締結されました。しかし、現在、両国はこの互恵関係の見取り図が描けず、平和条 約は「絵に描いたもち」にも等しい状況といってもよいでしょう。 2014年11月10日、北京におけるAPEC首脳会議の場における日中両国首脳会談に 期待が寄せられました。首脳会談に「やっと漕ぎ着けた」とメディアが報じたよう に、また、その雰囲気で察しられるように、日中両国の関係は改善とはいまだほど 遠い状況です。 しかしながら、本日、ご講演くださった天児先生、徐先生ともに両国関係の将来 については悲観的ではありませんし、学生のみなさんの発表もむしろ自分たちが開 拓するべく日中関係の未来に関し、楽観的志向が優っているように見えました。ま た、会場のみなさまも「両国関係が今後改善の方向に向かうべきなのに」というご 心配の発言が多くあったように思われます。 確かに、日中・中日両国の間には複雑かつ解決困難な問題がまだまだ山積して います。これら諸問題は日中・中日両国の若い学生のみなさんを仲立ちとして、将 来、新たな理念のもとできっと解決され、互恵関係が真実、「実」のあるものとな ることを、わたくしには確信できました。この若者たちの願望が、宇都宮の地から 日中両国政府と国民一人一人にきっと届けられることを願いつつ、閉会のご挨拶と させていただきます。 − 81 −

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