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アメリカ商業銀行活動の構造的変化

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Academic year: 2021

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(1)

ア メ リカ商 業 銀 行 活 動 の 構 造 的 変 化*

有   馬   敏   則

工  は   じ  め   に ・第2次 大 戦 後 と くに1950年 代 の 末 期 か ら,ア メ リカ 巨大 企 業 は 対 外直 接 投 資' を 増 大 させ,多 国 籍 企 業 活 動 と して新 しい局 面 を展 開 して い る。 そ れ と と もに ア メ リカ商 業 銀 行 も1960年 代 以 降,業 務 の多 様 化,市 場 の 国 際 化,経 営 技術 革 新 を通 じ急 速 な 発 展 を とげ,最 近 で は,1950年 代 に他 の金 融 機 関 に 浸 蝕 され た マ ー ケ ッ ト ・シ ェアを か な り回 復す る に いた っ て い る。   従 来 の保 守 的 銀 行 経 営 よ り,1960年 代 に入 っ て の積 極 的 銀 行 経 営 へ の 変化, い わゆ る 「銀 行 革 命 」 は,商 業 銀 行 活動 の資 金 調 達,資 金 運 用 の両 面 に構 造 的 な変 化 を もた らした 。 また 国 内 活動 の み な らず,国 際 的活 動 に まで そ の 業 務 範 囲 が拡 大 され,「 銀 行 の国 際 化 」 が 進 行 して い る。   と くに 国際 的 銀 行 活 動 と して は,多 国籍 企 業 活 動 の拡 大 に対 応 して,海 外 支 店 の設 置,現 地 子 会 社 の 設 立,多 国籍 銀 行へ の 出資,現 地 銀 行 との 提 携 や 協 力 関 係 を通 じて活 発 な 動 きを 示 して きた。 そ して,こ の よ うな銀 行 の 国 際 化 と密 接 な 関 係 に あ る ユ ー ロ市 場 の 急 激 な 発 展 と と もに,多 国籍 銀 行 と し ての 性 格 を 持 つ 「コン ソー シ ア ム銀 行 」 形 態 が 生 まれ,ま た 「ユ ー ロ ・バ ン キ ン グ」 が 新 しい銀 行活 動 と して注 目され て きて し{る。   ア メ リカ に お い て銀 行 業 が 成 長 産 業 の ひ とつ と して株 式 市 場 で も高 く評 価 さ れ て きた の は,海 外 部 門 収 益 が 国 内 部 門 に 比 べ て,き わめ て高 い伸 び を 示 し, 経 常収 益 に大 き な寄 与 を した か らで あ る。 *本 稿 は 拙 稿 「多 国 籍 企 業 と国 際 金融 資 本市 場 」 『彦根 論 叢 』 第177号.昭 和51年1月,   「通 貨 発 行特 権 と多 国 籍企 業 」 『同 志 社商 学 』 第27巻6号,昭 和51年3月 を補 足 す る もの で あ る。 ●

(2)

」       アメ リカ商業銀行活動 の構造的変化   79   本 稿 に おい て は,こ の よ うな環 境 変 化 の も とで の,ア メ リカ商 業銀 行 の資 金 調 達,資 金運 用 活 動 の構 造 的 変 化 を,国 内 的 側 面 と国 際 的 側 面 の 両面 か ら検 討 し,最 後 に商 業銀 行 国際 化 の展 望 を 試 み る こ とに した い。 皿  ア メ リ力 国 内 にお け る商 業 銀 行   1.個 人 部 門 と商 業 銀 行   ア メ リカに お け る経 済 部 門 間 の 資金 過 不 足 状 態 は 表1か ら明 らか な よ うに, 公 的 部 門 と企 業 部 門 の 不 足 を,個 人部 門か らの借 入 れ で 補 って い る。 個 人 部 門 の 金 融 資 産 を ス トッ ク ・ベ ー スで 表 した の が 表2で あ る。 有 価 証 券 残 高 は しだ い に シ ェア を低 下 させ てい る もの の まだ圧 倒 的 に 多 い。 これ は過 去 に お け る直 接 金 融 の 比重 の高 さ を裏 付 け て い る。       ω   しか し第2次 大 戦 後 は,こ の直 接 金 融 の比 重 もか な り低 下 して い る。 フ ロー ・ ベ ー ス で み る と貯 蓄 性 預 金,保 険 ・年 金 の比 重 が高 く,直 接 金 融 優 位 とい われ       表1    経済 部門別資金過不足状況      (単位 億 ドル) 年 1960 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 公    共 11 41 36 79 33 32 95 70 38 31 冊       1   1      1   nδ 2 1 ▲   △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ 中    央 22 9 8 28 84 61 52 49 11 77 3       1          1   2   2 △ △ △ △   △ △ △ △ △

(資 料)  Federal  Reserve  Bulletin, (注)  企 業 は 非 金 融 民 間 企 業 Ω 地   方 1 2 8 1 9 3 3 1 7 4 2 1 3 2 5 4 9 4 2 2 5 8               1 △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ 企   業 8 5 5 7 9 9 3 4 5 7 0 6 4 3 5 2 8 1 9 8 0 2   1 2 1 2 2 3 2 3 5 6 △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ 個    人 60 257 351 403 359 276 515 497 450 615 705 海  外 7 38 20 12 9 34 8 36 16 21 22               1   1 △ △ △ △           △

Flow  of  Funds.よ り作 成o

(1)Federal  Reserve  Bulletin,  Janu.1967,  p.ユ9に よ る と フ ロ ー ・ベ ー ス で は,1920   年 代,有 価 証 券 投 資 は 個 人 部 門 で,50%以 上 で あ っ た の が,1950年 代 央 に は20%以 下   に 落 ち こ ん で い る 。

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表2    個 人 部 門 の金 融 資 産 残 高    単 位  億 ドル ・()内 は% 年 1960 65 70 71 72. 73 ・ 払 金 金 求 現 要 預   641 (6.8)   942 (6.4) 1,345 (7.0) 1,455 (6.8) 1,573 (6.5) 1,702 (7.4) 貯 蓄 性 預   金 1,657 (17.5) 2,875 (19,6) 4,223 (22.0) 4,925 (23.1) 5,679 (23,6) 6,356 (27.6) 保 険 ・ 年   金 1,801 (19.0) 2,597 (17.7) 3,679 (19.2) 4,080 (19.1) 4,575 (19.0) 4,581 (19.9) 有価証券 5,316 (56.0) 8.035 (54.9) 9,636 (50.2) 10,549 (49.4) 11,867 ,(49・3) 10,008 (43.5) 株   式 3.942 (41.5) 6,375 (43.5) 7,336 (38.2) 8,337 (39.1) 9,591 (39.9) 7,444 (32.3) そ の 他   80 (0.7)   195 (1.4)   306 (1.16)   336 (1.6)   364 (1.6)   376 (1.6) 合   計 9,495 (100.0) 14,644 (100.0) 19,189 (100.0) 21,345 (100.0) 24,058 (100.0) 23,023 (100.0)

  (資料)  Federal Reserve Bulletin, Flow of Funds.よ り作 成o

      (三井銀行r調 査月報』翫490) て い る ア メ リカ に お い て 間 接 金 融 の 比 重 が 高 ま っ て い る こ と が わ か る 。   こ れ は 経 済 成 長 と と も に 小 口 資 金 保 有 者 が 増 加 し,リ ス ク の 大 き い 有 価 証 券 よ り も,流 動 性,安 全 性 を 重 視 し て,貯 蓄 性 預 金 を 選 好 し た か ら で あ ろ う。 ま た 後 述 す る貯 蓄 性 預 金 獲 得 競 争,レ ギ ュ レー シ ョ ンQの 貯 蓄 性 預 金 上 限 金 利 引 上 げ も大 き く影 響 し て い る 。   と こ ろ で 個 人 部 門 に よ る 借 入 れ は 表3の よ う に 巨 額 な 規 模 に 達 し て い る 。 そ の 中 で も割 賦 信 用 と 住 宅 抵 当 貸 付 額 が 大 き い 。 こ の 理 由 と し て は ① 個 人 所 得 水 準 が 高 く,早 くか ら 自動 車 や 家 具 と い っ た 耐 久 消 費 財 が 普 及 し て い た こ と,② 消       ぐ       表3    個人部門の金融負債残高  単位 億 ドル()内 は% 付 付 用 用 他 を 貸   信 重  当 信 者

宅 の 呵 住 そ 割 そ そ 合 言 十 一口 1965年' 2,063  ( 59.2) 142  (  4.1) 709  ( 20.3) 190  (  5.4) 383(11.0) 3,487  (100.0) 1970年 2,725  (』56,8)         5 205  (  4,3) 1,021  (21.3) 251  (  5.2) 598  ( 12.4) 4,800  (100.0) 1973年 3,790  ( 57.3) 245  ( .3.7) 1,474  ( 22.3) 330(  5.0) 772  ( 11.7) 6,611  (100.0)

(資 料)  Federal  Reserve  Bulletin,  Flow  of Funds.よ り作 成 。

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ら       アメ リカ商業銀行活動の構造的変化  81 費 者 信用 の 高収 益 性 に着 目し,商 業 金 融会 社,信 用 組 合,商 業 銀 行 の 競 争 が 激: しか った こ と,③ 住 宅 抵 当 貸 付 に お い て は政 府 の積 極 的 な介 入(連 邦 住 宅 用 に よ る損 失補 填 の保 険,連 邦 低 当 金 庫 の抵 当 証 券購 入 に よ る住 宅 金 融 市 場 の 流 通 性 を高 め る努 力)に よ り,貯 蓄 貸 付組 合,保 険 会 社,相 互 貯 蓄 銀 行 とい った 資 金 貸 付 側 の 競 争 激 化 と住 宅抵 当 貸 付条 件 緩 和 に よる需 要 の 増 大 が あ げ られ る。 消費 者 信 用,住 宅 抵 当 貸 付 に 占 め る商 業 銀 行 め地 位 は 表4,表5に 示 され て い る。 と ころ で 商 業 銀 行 が貯 蓄 貸 付組 合 な どの 住 宅 金 融 専 門 機 関 と激 烈 な競 争 を して まで,住 宅抵 当 貸付 の拡 大 に努 め た 理 由 は,住 宅抵 当 貸 付金 利 が 一 般 的 に ア ド ・オ ン方 式 を とっ て お り,実 効 金 利 は 非 常 に 高 いた め で あ る。 また 住 宅 建 設 は 金 融 逼 迫 時 に減 少 し,「金 融 緩 和 期 に 増 大 す る とい う循 環 的変 動 を商 業 銀 行 が 利 用 した こ と も指 摘 され る。 す なお ち 金 融 緩 和 期 に企 業 の 事業 資金 需 要 低 下 に み まれ た商 業銀 行 は,余 裕 資 金 を 住 宅 抵 当 貸 付 に 融通 し,よ り効 率 的 な資         表4    消費者信用に占め る商業銀行の地位    (単位 %)

」 幽196・

銀 会 組       の 業 融 用 商 金 信 そ 合 行 社 合 他 計 38.8 35.9 9.1 16.2 100.0 1・965 40.9 33.6 10.3 15.2 100.0 1197・ 44.5 27.1 12.7 15.7 100,0

い975

46.8 24.1 15.7 13.4 100.0 (資 料)  Federal  Reserve  Bulletinよ り作 成』

        表5    住 宅 抵 当 貸 付 に 占 め る 商 業 銀 行 の 地 位 (単位%) \ ∼ ∼ 一 ∼ 」:」196・ 行 合 行 社 関 他 計   組 銀 会 機 の 鑞 付 蓄 険 府           そ 業 貸 貯 保 政   蓄 互 命 邦 人 商 貯 相 生 通 個 合 13。6 37.2 13.0 17.6 5.1 13.5 100.0 1965 14.2 44.3 14.1 14.0 3.0 10.4 100.0 1970 15.1 44.6 13.3 9.5 7.8 9.7 100.0 1975一 一一9fJ 17.5 50.3 10.5 4。1 12.2 5.4 100.0

(資 料)  Federal  Reserve  Bulletinな お,1960,1965はM.  E.  Polakoff  and  Others     「Financial  Institutions  and  Markets」p.290。

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金 運 用 を し ょ うとす る。 そ して設 備 投 資 意 欲 が 高 ま り事 業 資 金 需 要 が 増大 し, 貸 付 金 利 が上 昇 す る と きは,事 業 貸 付 に 資金 を投 入 し よ うとす る。 この よ うに 商 業 銀 行 は住 宅 抵 当貸 付 を 景 気 循環 か ら くる資 金 需 要 変 動 の ク ッシ ョン と して 利 用 す る の で あ る。 以 上 の よ うに 個 人部 門 は,有 価 証 券 よ りは 貯 蓄 性 預 金 を 好 む傾 向 を強 め,そ の半 面,旺 盛 な 資 金借 入れ を行 い,両 面 か ら商 業 銀 行 の 業 務         拡 大 に貢 献 した とい え るだ ろ う。   2  企 業 部 門 と商 業 銀 行   企 業 の資 金 調 達 は 表6に 示 され て い る よ うに外 部 資 金 が 継 続 的 に そ の ρ・エ ア を拡 大 して い る。 これ は コス ト上 昇 に より企 業 収 益 力 が低 下 した こ と,減 価 償 却 が取 得 価 格 に基 づ い て行 わ れ た た め,'イ ン フ レに よ る名 目投 資 資 金 額 増 大 を まか な え な か った こと等 が あげ られ る。 外部 資金 の 中 で は表7か ら明 らか な よ うに,銀 行借 入れ の伸 びが 著 し く,社 債 に よ る調 達 も高水 準 に あ る。 しか し 株 式 に よ る調 達 は 低 下 して お り,こ れ か ら も 直 接 金 融 の 比 重 の 低 下 が 理 解 され       表6    企 業 の 資 金 調 達 比 率    (単位  億 ドル,%) ● F 孟 -1965 66 67 68 69 70 71 72 73 74 内部 資 金   (A) 566 612 615 617 607 594 680 787 846 837 内部留保 214 230 200 166 109 58 103 157 171 129 減 価償却 352 382 415 451 498 536 577 630 675 708 外 部 資金   (B) 204 253 296 315 389 395 468 553 672 762 十 一冒 口 C 合 770 865 911 932 996 989 1、148 1,340 1,518 1,599 A 一C 73.5 70.8' 67.5 66.2 60.9 60.1 59.2 58.7 55.7 52.3 B 一C 26.5 29.2 32.5 33.8 39.1 39.9 40.8 41.3 44.3 47.3 (資 料)  Federal  Reserve  Bulletin,  Flow  of Funds.よ り作 成 。

(注1)  内 部 留 保 は在 庫 利 益 差 引 き 後

(注2)  1974年 の 数 字 は6月 ま で の 数 字 を 年 率 換 算

(2)高 垣 寅 次 郎 監 修 『世 界各 国の 金融 制度,第10巻 』 大 蔵 財 務協 会,昭

和50年,208-215ペ ー ジ,三 井 銀 行 『調 査 月 報 』昭 和51年5月 号 を参 照 。

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レ       アメ リカ商業銀行活動の構造的変化   83 表7    企業部門 の外部資金調達源泉  単位 億 ドル,()内 は% ゴ 1965   66   67   68   69   70   71   72   73   74 751   五 銀 行 借 入 105(  51.5) 83(  32.8) 66(  22.3) 96(  30.5) 118(30.3) 56( .14.2) 44(9.4) 135(  24.4) 306(  45.5) 299(  38.8) △120(△28 .7) △195(△55 .5) その他借入   6(2.9) 13(5.2) 14(4.7) 35(11.0) 71(18.4) 32(84)   7(1.5) 28(5.1) 21(3.1) 109(14.1) 13(3.1) △31(△8 .8) モ ー ゲ ー ジ 39(  19.1) 42(16.6) 45(  15.2) 57(  18.1) 46(  11.8) 52(  13.2) 114(24.4) 156(28.2) 161(  24.0) 109(  14.1) 30(7.2) 85(24㌦2) 社 債 54(  26.5) 102(  40,3) 147(  49.7) 129(41.0) 120(  30.8) 198(  50,1) 189(  40.4) 125(  22,6) 110(  16,4) 213(  27.6) 418(100.0) 395(112.5) 株 式 一(  一) 13(5.1) 24(8.1) △2(△0:6) 34(8.7) 57(  14.4) 114(  24.3) 109(  19.7) 74(  11,0) 41(5.4) 77(  18.4) 97(  27.6) 合 尋員﹂1 204(100.0) 253(100.0) 296(100.0) 315(100.0) 389(100.0) 395(100.0) 468(100.0) 553(100.0) 672(100.0) 771(100.0) 418(100.0) 351(100.0)   (資料)  Federal Reserve Bulletin。よ り作成(三 井銀行r調 査月報』翫490)   (注)  その他借 入は コマーシャルペ ーパ ー,金 融 会社 お よび政府か らの借入 合計。         75年1,Hは 年 率換算 の数 字。 る 。 こ の 原 因 は 前 述 し た 個 人 部 門 の 貯 蓄 性 預 金 へ の 運 用 増 大 に よ る と い え る だ ろ う。 株 式 へ の 最 大 の 投 資 家 は 個 人 部 門 で あ る 。 個 人 部 門 の 株 式 投 資 が フ ロ ー ・ベ ー ス で 減 少 を 続 け て い る状 態 は ,企 業 の 株 式 に よ 為調 達 に 打撃 を与 え る こ と に な っ た 。 ま た 社 債 利 息 は 税 法 上 費 用 と し て 計 上 さ れ,株 式 配 当 は 税 引 後 利 益 か ら行 わ れ る た め,社 債 に 比 べ て 株 式 の ほ うが 不 利 で あ る こ と も原 因 し て い る と い え る だ ろ う。 ま た 生 命 保 険 資 金,年 金 基 金 資 金 が 社 債 に 集 中 し て い る の は 株 式 投 資 が 州 法 な ど で 制 限 さ れ て い る こ と と,社 債 の 私 募 発 行 の 普 及 が そ の 理 由 と し て あ げ ら れ る。   以 上 は 企 業 の 長 期 的 な 資 金 調 達 の 側 面 で あ り,銀 行 借 入 れ の シ ェ ア は 傾 向 的 に 上 昇 し て い る も の の,短 期 的 に は 金 利 や 株 価 の 動 向 に 左 右 さ れ る の で あ る 。 た と え ば1973年,74年 の 企 業 に よ る 資 金 調 達 量 は,イ ン フ レ下 で 大 幅 に 増 大 し て い る が,株 価 が72年 を ピ ー ク と し て 下 落 し た こ と か ら,株 式 に よ る 調 達 は シ ェ ア,絶 対 額 と も に 減 少 して い る 。 そ の 半 面,銀 行 借 入 れ が 急 増 して い る 。 し か し75年 に な る と不 況 の 影 響 か ら 資 金 需 要 量 も低 下 し,長 期 金 利 の 下 落 に よ る 社 債 発 行 量 の 急 増,株 価 上 昇 に よ る 株 式 発 行 の 増 加,銀 行 借 入 れ の 激 減 と な つ

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て い る ので あ る。   と こ ろで 資 金 管理 技 術 を 高 め た企 業 は,そ の金 融 資 産 構 成 を 大 き く変 化 させ た 。 つ ま り現 金 や 要 求 払 預 金,低 利 回 りの政 府 証 券 の シ ェアを 著 し く低 下 させ 逆 に定 期 預 金 や コ マ ー シ ャル ・ペ ー パ ーへ の投 資 を 大 き く伸 ば して い る。 この 定 期 預 金 の伸 び は,商 業 銀 行 のCD(Certificate  of Deposit)発 行 に 負 う と こ ろ が大 で あ る。   3  金 融 機 関 の中 の商 業 銀 行 金 融 機 関 の シ ェアを,そ の 保 有 金 融 資 産 につ い て比 較 す る と表8に な る。商 業 銀 行 は1973年 現 在 では40.7%で 最 大 の シ ェア を持 ってい る もの の,戦 後 の 推 移 か らは,そ の シ ェアを 低 下 させ て い.る。 そ の かわ り貯 蓄 貸 付 組 合,私 的 年 金 基 金 の シ ェア増 大 が 著 しい 。   1920年 代 ま で商 業 銀 行(と くに 都 市 り 銀 行).は 貯 蓄 性 預 金 や 長 期 貸 付 に,あ ま り関心 を持 た ず,貯 蓄 専 門 金 融 機 関 も短 期 貸付 は ほ とん ど行 わ ず,金 融 機 関         表8  金 融 機 関 の 金 融 資 産   単位 億 ドル,()内 は%. ﹂ に r イ 1950 55 60 65 70 71 72 73 商 業 銀 行 1.480 (50.9) 1,854 (43.6) 2,266 .(38.5) 3,435 (37.0) 5,182 (38.7) 5,767 (38.3) 6,550 (38.1) 7,552 (40,7) 蓄 付 合 貯 貸 組 169 (5.8) 377 (8.9) 715 (12.1) 1,296 (14.0) 1.762 (13.2) 2,060 (13.7) 2,431 (14.1) 2,724 (14.7) 互 蓄 行 相 貯 銀 224 (7.7) 313 (7.4) 406 (6.9) 582 (6.3) 790 (5.9) 896 (6.0) LOO6( 5。8) 1,066 (5.7) 命 険 社 生 保 会 637 (21.9) 903 (21.2) 1,196 (20.3) 1,541 (16,6) 2.005 (15.0) 2,147 (14.3) 2,325 (13.5) 2,446 (13.2) 的 金 金 私 年 基   63 ・(2 .2)   177 (4.2)   369 (6.3)   736 (7.9) 1,108 (8.3) 1,305 (8.7) 1,565 (9.1) 1,333' (7.2) 金 融 会 社   ) 8 0 8   ・   3 (   ) ﹁ D 4 8   ・ -﹂ 4   (   ) ρ 0 7 ` 7   ● 2 4 (   ) 8 8 4   . 4 4   (   ) [ U 7 2   , 6 4 (   ﹂) O F O 7   . ρ 0 ﹂4 ( ) O FO 8   。 7 4 (   ) 4 8 8   . 8 4 ( そ の 他 (注) 248 (8.5) 442 (10.3) 664 (11.2) 1,244 (13.4) 1,910 (14。2) 2,208 (14.5) 2,545 (14.9) 2,567 (13.7) 業 行 計 商 非 銀 合 1,429 (49.1) 2,397 (56.4) 3,626 (61.5) 5,847 (63.0) 8,2∞ (61.3) '9 ,286 (61.7) 10,652 (61.9) 11,020 (59.3) 合 計 2、909 (100.0) 4,251 (1∞.0) 5,892 (100.0) 9,282 (100。0) 13,382 (100.0) 15,053 (100.0) 17,202 (100.0) 18,572 (100.0)

(資 料)  Federal  Reserve  Bulletin,  Flow  of Funds.よ り作 成 。

(注)  そ の他 に は,信 用 組 合,州 ・地 方 政 府 職 員 年 金 基 金,損 保 会 社,不 動 産 投 資 信 託,ミ     ュ ーチ ュア ル ・フ ァ ン ド,証 券 ブ ロー カ ー ・デ ィー ラーを 含 む。

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      アメ リカ商業銀行活動 の構造的変化   85 相 互 間 の競 争 は 激 し くな か った。   しか し1920年 代 に 入 る と 企 業 の 資 金 調達 も 内部 資 金 や 有 価 証 券 が 主 流 を 占 め,ま た 年 金 や 保 険 制 度 の 発 展 に よ り,商 業 銀 行 の地 位 は しだ い に 低 下 しは じ め た。 そ こで貯 蓄 性 預 金 獲 得,住 宅 抵 当 貸付 な どに力 を い れ は じめ,業 務 内 容 ・の 多様 化 や,経 営 態 度 に もや や 積 極 性 が み られ る よ うに な った 。 そ の 後1930年 代 の不 況 は銀 行 に 対 す る企 業 の 資 金 需要 を著 し く減 少 させ 資 金 運 用 は 貸 付 に か わ って,国 債 そ の他 の 証 券 投 資 が 主 要 な 比重 を 占 め る よ うに な った 。 これ は30 年 代 の恐 慌 を経 験 し,銀 行 の 流 動 性,安 全 性 に重 点 が 置 か れ た こ とが大 き く影 響 して い る。 しか し1950年 代 の 後 半 に な り,銀 行 の貸 出 と投 資 の 割 合 は逆 転 し 以後 貸 出 の比 重 は 増 大 を続 け る こ とに な った 。   他 方 資 金 調 達 面 では20年 代,定 期 預金 が着 実 に増 大 し,総 資 産 に 占 め る比 重 も上 昇 した。 しか し,30年 代 に 入 る と高 収 益 をあ げ る運 用 機 会 が 減 少 し,銀 行                は定 期 預 金 を 集 め る熱 意 を な くし,ふ た た び そ の比 重 は 低 下 して い った。   そ の後1950年 代 を通 して 貯 蓄 貸 付組 合,相 互 貯 蓄 銀 行,信 用 組 合 とい った貯 蓄 専 門金 融 機 関 の 急 激 な 成 長 の まえ に,商 業 銀 行 の地 位 は 著 し く低 下 した。 こ の原 因 は資 金 運 用 面 に お け る商 業銀 行 の保 守 性 に 一 部 求 め る こ とが で き る。 す なわ ち商 業 銀 行 は 消 費 者 信 用,住 宅抵 当貸 付 の高 収 益 性 に 着 目 しなが ら も,そ の よ うな 小 口貸 付 の 危 険 性 や 高 コス ト性(事 務 の 繁 雑 さな ど)か ら,そ れ らの 業 務 に熱 心 で な か った か らで あ る。   だ が,商 業 銀 行 の シ ェア の低 下 は,そ の最 大 原 因 を 資 金 調 達 面 に 求 め る こ と が で き るで あ ろ う。 つ ま り貯 蓄 貸付 組 合 との間 に あ った 金 利 差 で あ る。1933年 連 邦 準 備 法 弟19条Q改 正 に よ り,要 求払 預 金 の付 利 が 禁 止 され,貯 蓄 性 預 金 の 上 限 も規 制 され る こ とに な った が,住 宅 建 設 重 視 とい う政 府 の 意 図 もあ り,商 業 銀 行 に 認 下 され た 貯 蓄性 預 金 の上 限 金 利 は,貯 蓄 貸 付 組 合,相 互貯 蓄 銀 行 と い った 住 宅 金 融 中 心 機 関 の 金利 を下 回 っ てい た 。1950年 代 を 通 じて商 業 銀 行 と 貯 蓄 貸 付 組 合 との 金利 差 は1%以 上 であ った 。 (3)高 垣 寅 次 郎,前 掲 者,199一 一208ペ ー ジ 。

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  しか し なが ら1960年 代 に 入 る とニ ュー ・エ コ ノ ミッスに よ る経 済 成 長 促 進 政 策 に支 え られ た 大 衆 社 会 の 成 長,技 術 革新 に とも な う大 現 模 な 投 資 に よ って 創 出 され た 銀 行業 務 拡 大 の機 会 を 利 用 す るた め に,い ま ま で の保 守 的 な 銀 行 経 営 が大 幅 に 改 め られr商 業 銀 行 は 積 極 的 な 経 営方 針 の も とに シrア 回復 をは か っ た の で あ る。 これ は資 金 運 用,資 金 調 達 の 両 面 か ら指 摘 す る こ とが で き る。 (1)資 金運 用 の変 化   資 産 構 成 の変 化 を示 した のが 表10で あ る。 まず 無 利 子 の 現 金 や連 銀 預 け金,       表10  商業銀行の資産構成   単位 100万 ドル()内 は% 一 ∼    年   1960

       一一

現 金,連 銀 預 け 金 等 有 価 証 券 保 有 額 計' 財 務 省 証 券 政府関係機関証券等 』地    方    債 そ     の     他 貸     出     計   フェア フル ・プアン   ド売 不 動 産 貸 付 商 工 業 貸 付 個 人 向 け 貸 付 そ     の     他 そ1  の     他 総     資     産 貸 出/有 価 証 券 52,233 (20.2) 82,025 (31.7) 61,104 (23.7). (  一) 17,609. (6.8) 3,312 (1.2) 118,132 (45.7) (  一) 28,806 (11.1) 43、359 (16.8) 26,512 (10.3) 19,455 (7.5) 5,969 (2.4) 258,359 (1∞.0) 1.44 1965 1973 61,043     119レ245 ( 16.1)     ( 14.1) 104,645     189,847 ( 27.6)     ( 22.5) 59,688     58,847 ( 15.8)     (  7.0) 4,625     29,312 (  1.2)     (  3.5) 38,728      95,498 ( 10.2)     ( 11.3) 1,604      6,T90 (  0.4)     (  0.7) 202,815    499,577 ( 53.5)     ( 59.3)   一     35,387 (    一)     (   4.2) 49,675     119,068 ( 13.1)  亀  ( 14.1) 71,898     160,772 ( 19.0)     ( 19.1) 45,699     100,792 ( 12.1)     ( 12.0) 35レ543      83,558 (  9.3)     (  9.9) 10,396      34,196 (  2.8)     (  4.1) 378,899     842,865 (100.0)  (1∞ 。0) 1.94 2.63 1974 128,842 (13.9) 195.935 (21.1) 54,800 (5.9) 32,905 (3.5) 100,962 (10.9) 7,268 (0.8) 554,341 (59.8) 40,099 (4.3) 132,105 (14.2) 188,564 (20.3) 104。045 (11.2) 89,528 (9.8) 48,368 (5.2) 927,486 (100.0) 2.83 197ら , 128,716 (13.8) 212,058 (22.8) 68,191 (7.3) 33,882 (3.6) 101,472 (10.9) 8,513 (1.0) 535,831 (57.6) 38、841 (4.2) 131,445 (14.1) 178,993 (19.2) 101,816 (10.9) 84,736 (9.2) 54,452 (5.8) 931,057 (100.0) 2.53 (資 料)  FDIC:Annual  Report,  Federal  Reserve  Bulletin.

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      アメ リカ商業銀行活動 の構造的変化   87 低 利 回 りの有 価 証 券 投 資 の シ ェア が 低下 し,か わ って 高 利 回 りの 貸 出 の シ ェア が 高 め られ て き てい る こ とが お か る。 この 中 で も利 回 りの低 い 財 務 省 証 券 残 高 の減 少 が 著 しし,。これ は 後 述 す る貯 蓄 性預 金獲 得 競 争 に よる金 利 の上 昇,金 融 資 産 に 占め る貯 蓄 性 預 金 の シ ェ ア増 大 に と もな う資 金 コス ト増 加 に よ り,資 金 運 用 を収 益 の高 い「も のに 向 け ざ るを え なか った か らで あ る。 また 現 金,連 銀預 け 金 の減 少 は,貯 蓄 性 預 金増 加 に よ る全 預 金 に対 す る支 払 準 備 率 の低 下 か ら も 可 能 に な った とい え るで あ ろ う。   と こ ろで 貸 出 の 総 資産 に対 す る割 合 は1960年 の45.7%か ら1975年6月 に は 57.6%と 大 き く増 大 して い る。 この 中 で商 工 業 貸 出増 加 は,直 接 金融 か ら間接 金 融 へ と移 行 して い る企 業 の 資金 調達 の変 化 に ともな う需 要 増 加 と と もに,収 益 の高 さに 着 目 した 商 業 銀 行 の積 極 的 な資 金 運 用 の 表 わ れ で あ る とい え るだ ろ う。 そ して 企 業 の 旺 盛 な 資金 需 要,と くに 設 備 資金 需 要 に対 して,商 業 銀 行 は,タ ー ム 一 回 ー ン(中 ・長 期 貸 付)を 発 展 させ た の で あ る。 また 個 人 向け 貸 付 の増 大 は,個 人部 門 の資 金 需 要 が旺 盛 で あ った こ と もあ るが,電 子 計 算 機, デ ー タ処理 機械,通 信技 術 の進 歩 に よ り,商 業 銀 行 の事 務処 理 の正 確 化,高 速. 化 を 可 能 に す るな ど事務 面 の合 理 化 が 進 ん だ た め で あ る。 そ れ に よ り事 務 処 理 費 用 が 低下 し,と くに 収 益 性 の 高 い業 務 とし て,商 業銀 行 が この分 野 に 多 くの資 金 を 供 給 した た め,個 人 向け 貸 付 の増 大 を もた ら した とい え るだ ろ う。(表4,5 参 照)こ の よ うに商 業 銀 行 は 資 金 運 様 の 多 様 化 を お しす す め て きた の で あ る。   ②   資金 調達 の変 化   商 業 銀 行 は貸 出 を大 き く増 大 させ た が,こ れ は資 金 調 達 面 の裏 付 け が あ った か らで あ る。1960年 代 か らの 積 極 的 な 資金 調達 と して,フ ェデ ラル ・フ ァ ン ド 借 入れ,CD発 行,コ マ ー シ ャル ・ペ ーパ ー発 行,ユ ー ロ ・ダ ラ ー取 入 れ を あ げ る こ とが で き るだ ろ う。   まず フ ェデ ラル ・フ ァン ドとは 連 邦 準備 銀 行 に対 す る加 盟 銀 行 の 預 け 金(無 利 子)を 指 す 。 加 盟 銀 行 は 一 定 の 預 金 準備 高 を1週 間(準 備 市 銀 行)か2週 間 (地 方 銀 行)単 位 で 調 整 す れ ば よ く,一 時 的 な余 裕 資 金 を 有 利 に 運 用 す る こ と が で き る。 フ ェデ ラル ・フ ァン ド取 引 は1921年 以来 行 わ れ て い るが,取 引 額 が

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増 大 した の は1960年 代 にな って か らで あ る。   この取 引 きに参 加 す る銀 行 は50年 代 の 始 め は,せ い ぜ い100行,後 半 に も200行 に す ぎな か った が,中 小銀 行 の参 加 に よ り,近 年 で は       くり 3,000行 に 達 し て い る と い わ れ て い る 。 一 般 に フ・エ'デラ ル ・フ ァ ン ドの 借 り手 は 大 銀 行 で あ り,貸 し 手 は 過 剰 準 備 を 持 つ 中 小 銀 行 で あ る 。 フ ェ デ ラル ・フ ァ ン ド市 場 の 発 展 は 大 銀 行 の 資 金 需 要 が 強 か っ た こ と の 他 に,1960年 代 後 半 の 金 利 上 昇 に 起 因 し て い る。 す な わ ち 金 利 が 上 昇 す る ほ ど 無 利 子 の 過 剰 準 備 維 持 に よ る機 会 費 用 は 増 大 し,'過 剰 準 備 を 持 つ 銀 行 は 何 ら か の 投 資 を 行 わ ざ る を え な い か ら で あ る 。 ま たTBレ ー ト(Treasury  Bill Rate) よ り も 利 回 りは 高 く,流 動 性 が 高 い こ と も市 場 拡 大 に 寄 与 し た と い え る だ ろ う。   大 銀 行 は フ 土 デ ラ ル ・フ ァ ン ド市 場 を 主 と 表11主 要46行 の フ ェ デ ラ ル ・フ ァ     ン.ド取 引(単 位   100万 ドル) 年 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 19 合 曇日十   891 1,093 1,296 1,232 1,002 1,451 1,736 1.358 3,375 4,549 8,300 7,154 9,970 14,903 16,429 12,378

(資 料)Federal  Reserve  Bulletin.       よ り作 成。 (注)純 取 入 れ 銀 行 の純 取入 れ 額 。 して 準 備 金 調 整市 場 と して で な く,貸 付 や 投 資 拡 大 の た め の 資金 調 達 市 場 とし て 利 用 した 。 もち ろ ん連 銀 か らの借 入 れ も可 能 で あ った が,借 入 れ に とも な う 連 銀 の 介 入 を 避 け るた め に,あ ま り利 用 され な か った 。 また連 銀 が 民 間へ の信 用 供 与 手 段 と して,貸 出 よ りも公 開市 場 操 作 を 重 視 した こ と も フ ェデ ラル ・フ ァン ド取 引 を増 大 させ た とい え る だ ろ う。   つ ぎ にCD発 行 に よ る資 金 調達 につ い て考 察 し よ う。 前 述 した よ うに1950年 代,商 業 銀 行 の 地 位 が 低 下 した要 因 は貯 蓄 貸 付 組 合 な ど との 預 金 金 利 差 で あ っ た 。 そ ζで商 業 銀 行 は 貯 蓄 性 預 金 最 高 限 度 規 制 の 引上 げ を 当局 に 訴 え 続 け, 1957年,1936年 以 来20年 ぶ りの 引 上 げ に成 功 した 。 そ の後60年 代 に 入 る と上 限 (4)近 沢 敏 里 『現 代 ア メ リ カ 商 業 銀 行 論 』 文 雅 堂 銀 行 研 究 社,昭 和46年,85∼89ペ ー   ジ,高 垣 寅 次 郎,前 掲 書,225∼229ペ ー ジ。 嘲

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,       アメ リカ商業銀行活動の構造的変化  89 金利 引 上 げ もた び た び行 わ れ,65鏑 ・は金 利 差 が ・.5%に まで 縮 小 し擢.。 の よ うに して商 業 銀 行 に おけ る個 人 の 貯蓄 性預 金 の シ ェアが 拡 大 した が ,・さらに 重 要 な の は企 業 向 けCD発 行 に よ り大量 の定 期 預 金 を 猿 袴 で き,企 業 と して も 有 利 な資 金 運 用 手 段 を 提 供 され る こ とに な った と い うこ とで あ る。   す なわ ち1961年2月FNCB(現 在 の シ テ ィー銀 行)が 譲渡 可 能定 期 預 金 証 書 と してCDを 取 引 先企 業 に発 行 し,証 券 業 者 が そ れ と同時 に既 発CDの 売 買 業 務 を始 め,「 譲 渡 可 能」 の裏 付 け       表12CD残 高(単 位 億 ドル) を した。 そ こで,表12に 示 され て い る よ うに 爆 発 的 に 発 行額 が 増 大 し た。 この よ うに して 定 期 預 金 に も高 い流 動 性 が 与 え られ,政 府 証 券 や コ マ ー シ ャル ・ペ ー パ ー な ど他 の投 資 物 件 との 競争 が可 能 とな っ た の で あ る。 1960年 61 62 63 64 65 66 32 62 99 126 163 157 1967年 68 69  ' 70 71 72 73

(資 料)Federal  Reserve  Bulletin.

203 235 109 261 348 445 645 よ り作 成 。   また要 求払 預 金 に比 べ てCDは 定 期 預金 と して の性 格 を 持 つ た め に,支 払 準 備 率 が 低 くて す み,・そ の面 か ら も商 業 銀 行 の信 用 供 与 能 力 を 高 め,業 務 拡 大 に 貢 献 した とい え るだ ろ う。 ・   しか しな が ら1973年5月 ま では10万 ドル 以 上 の大 口CDに 対 して,レ ギ ュ レ ー シ ョンQに よる上 限 金 利 が 設 け られ ,1966年,69年 の金 融 逼 迫 時 に はCD金 利 が コマ ー シ ャル ・ペ ーパ ーな どの 金利 を下 回 った た め,商 業 銀 行 か ら大 量 の 資 金 が流 出 し,資 金 調 達 力 が きわ め て不 安 定 な も のに な った 。 そ こで商 業 銀 行 は コマ ー シ ャル ・ペ ーパ ー発 行,ユ ー ロ ・ダ ラ ー取 入 れ,貸 出債 権 お よび 証 券 の買 戻 し条 件 付 売 却 な ど考 え られ るあ らゆ る手 段 を 使 って資 金 調 達 に 努 め た 。   と ころ で金 融 政 策 当局 は 金 利 上 限 規 制 が商 業 銀行 の預 金 獲 得 に 大 きな 影 響 を お よぼ す こ とに気 づ き,レ ギ ュ レー シ ョンQを 有 力 な金 融 政 策 手 段 と して利 用 し,商 業銀 行 活 動 に 大 ぎな制 約 が 加 え られ た 。

(5)M.E.  Polakoff  and  Others,  Financial  Institution  and  Markets,1970,  p.128.

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ら   つ ぎ に コ マ ー シ ャ ル ・ペ ー パ ー に よ る 資 金 調 達 を 検 討 し よ う。 コ マ ー シ ャ ル ・ペ ー パ ー 発 行 に よ る 資 金 調 達 形 態 は1920年 代 か ら行 わ れ て い た が,こ の 市 場 が 異 常 な 発 達 を し た の は 金 融 逼 迫 時 の1966年 後 半 以 降 だ っ た 。 商 業 銀 行 で 最 初 の コ マFシ ャル ・ペ ー パ ー を 発 行 し た の は1964年9月 の フ ァ ー ス ト ・ナ シ ョ ナ ル ・パ ン ク ・オ ブ ・ボ ス トン で あ っ た 。 連 銀 は66年9月,商 業 銀 行 貸 出 の 過 度 な 膨 脹 を 抑 制 す る た め,商 業 銀 行 が 直 接 コ マ ー シ ャ ル ・ペ ー パ ー を 発 行 し て 吸 収 し た 資 金 に,定 期 預 金 と 同 じ金 利 規 制,準 備 率 を 課 した 。 こ の 規 制 か ら 免 れ る た め に 商 業 銀 行 は,銀 行 の 子 会 社 や 銀 行 持 株 会 社 が コ マ ー シ ャ ル ・ペ ー パ' 一 の 発 行 で 取 得 し た 資 金 を 銀 行 の 貸 出 債 権 を 販 売 す る方 法 で 吸 収 し た 。  (こ れ は 銀 行 関 連 の コ マ ー シ ャ ル ・ペ ー パ ー と 呼 ば れ る 。)   し か し 銀 行 の 重 要 な 資 金 調 達 手 段 と し て の 銀 行 関 連 コマ ー シ ャ ル ・ペ ー パ ー の 発 行 も,70年 に 入 る とCD規 制 金 利 引 上 げ と コ マ ー シ ャ ル ・ペ ー パ ー 金 利 の 急 騰 が 原 因 と な っ て,し だ い に 魅 力 の な い も の と な り,70年7月 を 境 に そ の 残 高 は 減 少 し た 。 そ し て70年9月 銀 行 関 連 コ マ ー シ ャ ル ・ペ ー パ ー に 対 し定 期 預 金 準 備 率 が 課 さ れ る よ うに な り,こ の 傾 向 に い っ そ う拍 車 が か け ら れ た 。   商 業 銀 行 の 新 し い 資 金 調 達 手 段 に よ る 国 内 市 場 開 拓 と と も に,60年 代 後 半, 資 金 源 と し て の 比 重 が 高 ま っ た の は ユ ー ロ ・ダ ラ ー 市 場 で あ っ た 。 商 業 銀 行 の         表13  商 業 銀行 に よ るユ ー ロ ・ダ ラー取 入れ 残 高   (単位  100万 ドル) 1964.3       6       9       12   1965.3       6       9 0      12   1966.3       6       9       12 1,046 917 1,166 1,183 1,431 1,436 1,611 1,345 1,879 1.951 3,472 4,036 1967.3     6     9     12 1968。3     6     9     12 1969.3     6     9     12 3,412 3,166 4,059 4,241 4,920 6,202 7,104 6,039 9.621 13,269 14,349 {2,805 1970.3     6     9     12 1971.3     6     9  112 1972.3     6     9     12 11,885 12,172 9,663 7,676 2,858 1,492 2,475   909 1,532 1,443 2,023 1,406

(資 料)  Federal  Reserve  Bulletin.よ り作 成。

(注)  米 銀 の 海 外 支 店 に対 す る 負 債残 高 を ユ ー ロ ー ダ ラ ー借 入 れ 高 に した 。

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,        ア メ リカ商業銀行活動の構造的変化   91 海 外支 店 か ら本 店 へ の資 金 供 給 に つ い て は,ユ ー ロ ・ダ ラ ー市 場 の 金利 に対 す る弾 力 性 が 高 か った た め,本 国 の 金 融逼 迫 時 に は取 入 れ 金 利 を 引 上 げ,容 易 に 資 金 調 達 が 可 能 で あ った 。  (表13)   しか しユ ー ロ ・ダ ラー取 入 れ は ア メ リ昌力 国 内 の金 融 引締 効 果 を 弱 め る結 果 と な った た め,連 銀 は レギ ュ レ ー シ ョンDとMY`よ り,ユ ー ロ ・ダ ラ ー取 入 れ に 支 払 準 備 率 を 適 用 す るな どの規 制 を 強 め た。 そ し て最 近 で は レギ ュ レー シ ョン Qに よ る大 口CD金 利 規制 の停 止(1973年)に よ り,商 業 銀 行 の 資 金 調 達 力 は 強 化 され,ユ ー ロ ・ダ ラー取 入額 も1969年 と比 較 す る と大 き く減 少 して い る。 (こ の点 は 後 に 再 考 す る こ とに な る)し か し ユ ー ロ ・ダ ラ ー市 場 は ア メ リカ の 金 融 市 場 と密 接 な 関 係 を持 ち,そ れ だけ7メ リカ国 内 金 融 政 策 の運 用 が難 し く な って い る とい え るだ ろ う。   1960年 代 に 入 って の 銀 行経 営 積 極 化 か ら得 られ た 利 益 は,各 銀 行 の取 引 き層 の相 異,預 貸 金 業 務 に 対す る態 度 の相 異 等 々 の影 響 が 複 雑 に 入 りくみ,ま た 各 銀 行 の 規 模 の ち が い もあ り,簡 単 に結 論 す る こ とは で きな い。 しか し大 量 の資 金 を 種 々の方 法 で 調 達 し,顧 客 に対 して 自行 に 有 利 な 条 件 で 資 金運 用 で きる大 銀 行 の 優 位 は 動 かす ことが で き な くな った とい え るだ ろ う。 0 また 支 店 禁 止 州 に お い て は店 舗 網 拡 大 の唯 一 の 手 段 で あ る銀 行持 株 会 社 の活 発 な 活 動 もア メ リカ に おけ る商 業 銀 行 活 動 に お い て注 意 しな くて に な らない 事 実 で あ る。 さ らに1960年 代 の終 りに は,銀 行 持 株 会社 法 の 適用 外 に あ った 単 一 銀 行 持 株 会社 が,商 業 銀 行 業 務 多 様 化 の 手 段 と して大 銀 行 に採 用 され る よ うに な り,ア メ リカ の銀 行 構 造 は 大 きな 変化 を とげ る こ とに な った 。 す な わ ち 単 一 銀 行 持株 会 社 傘 下 の銀 行 の総 預 金 量 は1955年116億 ドル で全 銀 行 総 預 金 額 の6 %に す ぎなか った のが,69年 約1,810億 ドル で全 銀 行 総 預 金 額 の約43%を 占め         る よう に な った の であ る。   この よ うな単 一 銀 行 持 株 会 社 に 対 し議 会 は1970年 単 一 銀 行 持 株 会 社 法 を 制 定 して,』複 数 銀 行 持 株 会 社 と同 様 に 規 制す る よ うに な った 。 そ して 法 律 に よ り,

(6)Federal  Reserve  Bulletin,``Recent  Changes  in the Structure  of Commercial  Bank,"

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銀 行 持 株 会 社 に許 され る銀 行 関連 業 種 が 決 定 され た 。 これ が銀 行業 務 の 多様 化 に 一 層 拍 車 をか け る こ と とな った。 最 近,銀 行 持 株 会 社 の 行 動 に対 す る社 会 的 非 難 が 数:多くされ る よ うに な った が,持 株会 社 はそ の立 法 の趣 旨に の っ と り, 公 衆 の利 益 が十 分 満 た され る よ うな 配 慮 をす べ きで あ ろ う。 皿  ア メ リカ商 業 銀 行 の国 際 化   1  国 際 化 の背 景   ア メ リカ商業 銀 行 の 国 際業 務 活 動 へ の進 出 は,イ ギ リス や ヨー ロ ッパ 諸 国 の 銀 行 に 比 べ て著 し く遅 れ て いた 。 これ は 第1次 大 戦 前 は ア メ リカが 資 本 の輸 入 国 で あ り,外 国 業務 活動 へ の銀 行 の関 心 が 強 くな か った か らで あ る。19世 紀 中 貿 易 金 融 は ロン ドン市場 が利 用 され,ポ ン ドで 決 済 され て い た。   ア メ リカ商 業 銀 行 の 海 外進 出 は,1913年 連 邦 準 備 法 が 海 外 支 店 設 置 を認 可 し た のに は じま る。 そ して 国 際 金融 の担 い手 で あ った 欧 州 の 資 金 市 場,金 融 機 関 が 第1次 大 戦 で 疲 弊 し,か わ って債 権 国 とな った ア メ リカの 資 金 が 需 要 され る よ うに な り,ニ ュー ヨ ー ク市 場 の 拾頭,ア メ リカ商 業 銀 行 の 国 際 金 融 市 場 へ の 参 加 が 行 わ れた とい え るだ ろ う。   さ らに1919年 の 「エ ッ ジ ・ア ク ト(Edge Act)」 に よ る連 邦 準 備 法 の改 正 が, 国 際 金 融 業 務や 海 外 金 融 機 関 等 へ の出 資 を 行 う子会 社 の設 立 を認 め た 結 果,ア メ リカ商 業 銀行 は外 国支 店 の設 置 を認 め な い 国 に もそ の活 動 を拡 げ る こ とが 可 能 とな った 。そ の 後商 業 銀 行 の海 外 支 店 が 急 速 に 増 加 し,1920年 に は181店 に 達 した が,大 不 況 と第2次 大 戦 に よ り激 減 し,1946年 に は73店,し か もそ の大 半 が 中 南 米 に存 在 した に す ぎなか った 。 また1929年 まで に設 立 され た18社 の エ ッジ法 会 社 の うち16社 は1930年 代 初 頭 に解 散 また は 他 社 や 他 銀 行 に 吸収 され, 残 り2社 と1930年 以 後 に 設 置 され た協 定 会 社2社,エ ッジ法 会社3社 が第2次         大 戦 後 ま で存 続 す るに す ぎな か った。   1950年 代 まで の ア メ リカ商 業 銀 行 は海 外 に お い て も,原 則 と して 国 内 で 行 っ o 9

(7)J.C.  Baker&M.  G.  Bradford,  American  Banks  Abroad,  Praaeger  Pullishers,

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,       アメ リカ商業銀行活動の構造的変化   93 て い る商 業 銀 行 業 務 だ け を 支 店,子 会社 を通 じて遂 行 し て きた 。 い くぶ ん 商 業 銀 行 業 務 か ら離 れ て,開 発 銀 行,投 資 銀 行,金 融 会 社 に 関 係 を持 つ 場 合 で も合 弁 会 社 や 小 数 株 式 取 得 に よ り,そ の よ うな業 務 を行 った 。 こ の よ うな ア メ リカ 商 業 銀 行 の海 外 戦 略 は 銀 行経 営 哲 学 の保 守 性 を 反 映 した もの で あ り,ま た厳 し い規 制 下 にあ る国 内 で の 多 様 化 の実 情 を反 映 した も ので あ った 。 原則 と して海 外 に進 出 した 銀 行 は 商 業 銀 行 ネ ッ トワ・一 クの拡 大 を優 先 させ た。 この よ うに ア メ リカ商 業 銀 行 の 海 外 活 動 が 消 極 的 で あ った 理 由 と して は,'つ ぎの よ うな こ と           が考 え られ る。   ① 商 業 銀 行 業 務 発 達 の た め の 資 金 調 達 を 求 め る こ とが 最 優 先 で あ った こ と。   ② 遠 隔 地 で 非 銀 行業 務 を経 営 管 理 す る能 力 が十 分 で なか った こと。'  ・   ③ ア メ リカ商 業 銀 行 は進 出先 の金 融 機 関 と競 争 す る こ とを望 まな か った こ と。   ④ 海 外進 出企 業 は本 国 か ら資 金 調達 で きた こ と。   ⑤   ア メ リカ 銀 行 と して も 国内 資 金 需 要 が 旺 盛 な た め,国 際 化 の必 要 性 が 薄 か った こ とな どで あ る。「   と ころ が1960年 代 に な る と海 外 支 店 開設 数 は 急増 し,1956年 か ら60年 に か け て の 年 平均2.6店 舗 か ら,1961年 以 降5年 間 の年 平 均17.4店 舗,1960年 代 後半 に は年 平均54.7店 舗 と大 きな 変 化 を もた ら した。   この よ うに1960年 代 に 入 って ア メ リカ銀 行 の海 外 進 出が 急 増 し,海 外 業 務 の 比 重 が 高 ま った 背 景 と して は 大 き く① ア メ リカ企 業 の対 外 直 接 投 資 の 増 大,② ユ ー ロ市 場 の発 展 とア メ リカの対 外 投融 資規 制,`の 二 つ をあ げ る こ とが で き る だ ろ う。 もち ろ ん,海 外 進 出 は 商 業 銀 行業 務 多様 化 の延 長 線 上 に あ る もの で あ る。  ① に つ い ては ア メ リカ の 在 外 総 資産 は1960年 当 時856億 ドル で あ った が, 1965年 に は1204億 ドル,1970年 に は1669億 ドル と増 大,こ の 間 の 年 平 均 伸 び 率

(8)  S.1.Davis,``U.  S. Banks  Abroad:one  step  shopping?",  Harvard  Business  Review,

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 は7%で あ る。 この うち民 間 在 外 資 産 は 同時 期 に493億 ドルか ら1,202億 ドル へ と増 大 し,年 平 均 伸 び率9.5%と 在 外 総 資産 の伸 び を上 回 る大 きな 伸 び を 示   して い る。 この た め在 外 総 資 産 に 占め る民 間資 産 の比 率 は1960年 末 の57.6%か   ら,1970年 末 に は72,0%へ と上 昇 し,民 間 部 門 の対 外 進 出 の積 極 性 を 裏 付 け て い る。 民 間在 外 資 産 の うち民 間 の 対 外 直接 投 資残 高 が ア メ リカ企 業 の 世 界 化, 多 国籍 化 を直 接 反 映 す る数 字 で あ る。 す な わ ち 同残 高 は1960年 か ら70年 まで に 318億 ドル か らウ82億 ドル へ と上 昇 し年 平均 伸 び 率95,%を 記 録 して い る。    この よ うな ア メ リカ企 業 の 海 外 進 出 は必 然 的 に銀 行 へ の金 融 ニ ーズ とな って 現 われ て きた。 そ の結 果 一 面 で は ア メ リカ銀 行 の海 外 支 店 に と って 新 分 野 が 提 供 され る こ とに な り(採 算 上 の 誘 因),他 面 で は 海 外 で の サ ー ビ スを 行 わ な い 驚 と従 来 の顧 客 を失 い か ね な い とい う事 情(競 争 上 の誘 因)も 作 用 した と見 られ       る。 ま た ア メ リカの 巨額 の対 外 援 助 資金 が ア メ リカ銀 行 の海 外 活 動 の 足 場 を 提 供 した こ とも見 逃 せ な い あ   ② に つ い ては ア メ リカ銀 行 が ユ ー ロ市 場 で重 要 な役 割 を 演 じ る よ うに な った 1960年 代 が注 目され る。 ア メ リカ の 国際 収 支 悪 化 か ら,1963年 金 利 平衡 税 が 導 入 され,ニ ュー ヨ ー ク市 場 で の 資 金調 達 が 困難 とな り,1965年 に は 海 外 投融 資   自主 規 制,1968年 に は そ の強 制 化 が 行 われ た 結 果,ア メ リカ系 企 業 の 海 外 活 動 資 金 供 給 のた め の ア メ リカ銀 行 の海 外進 出,1ユ ー ロ市 場 へ ρ 依 存 度 増 大 を促 し た 。 ま た前 述 した よ うに1966年,1969年 に は 国 内 の金 融 引 き締 め 策 に 対 して,  ア メ リカ銀 行 各 行 は 欧 州,特 に ロン ドン支店 を通 じて積 極 的 に ユ ー ロ ・ダ ラー  の取 り入れ を行 った ので あ る。 9   2  銀 行 国際 化 の実 態  銀 行 国際 化 は ア メ リカ銀 行 の 国 際 化 を参 考 にす る と通 常 第14表 の よ うに3な い し4段 階 に分 類 で き るで あ ろ う。   ア メ リカ商 業 銀 行 の国 際 的 活 動 は,1960年 代 の量 的拡 大 に 加 え,1970年 代 に (9)竹 内 一郎,「 欧 米 に 見 る銀 行 国 際 化 の現 状 」 『金融 ジ ャーナ ル』1970年7月 号 。

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95       ア メリカ商業銀行活動 の構造的変化 銀 行 国 際 化 の 諸 段 階 表14   第3段 階(広 義)

(肪告ご真倉 驚 窃 夢)

第4段 階

う了)

第3段 階(狭 義)

(1霧亨

髪)

第2段 階

(彰

第1段'階

(実弟

㌻●)

段階お よびその 通称 多国籍企業化 対外直接投資 の 増 大 ・本格化 輸 出入中心 マ ー チ ャ ン ト ・バ ン キ ン グ,リ ー ス,コ ン サ ル テ ィ ン グ 等 の 各 種 銀 行 周 辺 業 務 ・関 連 業 務 を す べ て 取 り扱 う。 小 売 銀 行 業 務 も取 り扱 う。 ただ し,小 売 銀 行業 務 は 取 り扱 わ な い 業 ま も が 金 動 資 高 引 重 国 活 融 が 取 比 外 の 投 重 本 の 。で 的 比 資 期 る 場 。 外 の ,長 ま 市 大 対 務 り 中 高 融 増 貿 易 取 引 に直 結 した 外 国為 替 業 務 が 中 心 で,資 本 取 引 は短 期 金 融 に限 られ る、 企業の国際化, 多国籍化段階 銀行の国際業務 活動 自行 の海 外 拠 点 だ け で な く,資 本 参 加 ・業 務 提 携,周 辺 業 務 子       グ ロ ーバ ル 会 社 設 立等 に よ り, な 規 模 で最 も有 利 な 資 金 の 調 達 。運 用 を 行 う。 直接海外拠点を 増強(支 店,子 会社等) 外 国 銀 行 とコル レス契 約締 結 が 主 内 容 。 扱 う銀行の国際 業務遂行:方法 あ らゆ る国 の 企 業 を対 象 とす る 自国企業中心 自国企業 中心 銀行の国際業務 の取引先 (資料)  三菱鍔三 菱 銀 行r調 査』1973年7月 号,7ペ ージ を修 正 。 入 る と質 的 に も次 の よ うな変 化 が生 じて きた 。   まず 第1に 海 外 支店 網作 りも一 段 落 し,海 外 支 店 数 の増 加 と1969年 を ピ ー ク に 伸 び 悩 み,大 手 銀 行 にそ の傾 向が 強 い 。 しか し子 会社 ・合 弁 会社 の設 立 等, 資 本 参 加 形態 に よる進 出が 増 加 し,業 務 内 容 も周 辺 業 務 関連 の ものが 増 加 して   ゆ い る 。   第2に ア メ リカ銀 行 の海 外 支 店 が 保 有 す る資産 構 成 が資 金 調 達 面 で外 国 へ の 依 存 度 が 高 い ば か りで な く,資 金 の運 用 面 で も対 ア メ リカ本 国貸 付 が 減 少 し, 対 外 国 貸 付 が 増 加 して い る こ とで あ る。 第15表 を も とに これ を み て み よ う。 1969年 に ピー クに た っ した 本 店 向け 資 金 は70年 代 に は い る と急 速 に減 少 す る。 か わ って海 外 支 店 の主 要 な 運 用 先 とな った の は 外 国銀 行 で あ り;つ ぎに 外 国 非 ⑩   三 菱 銀 行 『調 査 』1973年,3月 号,11ペ ー ジ 。

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表15    ア メ リカ銀 行 海 外支 店 の資 産 ・負債    (単位  億 ドル) 総 資 産 (運   用 ) 総 負 債 ( 調 達 ) 各年末 1969 1970 1971 1972 1973 1974 1975 1969 1970 1971 1972 1973 1974 1975 合   計 365(80) 474(73) 613(66) 782(67) 1,219(65) 1,519(70) 1,759(76) 365(82) 474(76) 613(69) 782(70) 1,219(66) 1,519(71) 1,759(77) 対米国分 154(98) 97(97) 48(95) 47(94) 51(90) 69(96) 68(96) 26(92) 26(91) 31(86) 35(86) 56(91) 120(95) 202(96) 本店 の ぞ 他 137  17 72  25 23  25 21  26 19  32 45  24 37  31 7  19 7  19 7  24 10  25 16  40 58  62 121  81 対外国分 201(68) 362(68) 548(64) 713(66) 1,120(65) 1,387(69) 1,628(76) 323(81) 428(76) 561(68) 721(70) 1,117(65) 1,330(70) 1,513(76) の ぞ 他 銀   客 非 行 顧 的 関 公 機 の   行 そ 他 銀 行 外 店 白 梅 支 35 69 112 115 192 276 345 34 64 108 111 182 269 339 98 170 246 358 564 603 684 205 248 311 412 654 657 722 F D 7 2 ρ0 7 1 Q ゾ     一 1 9 臼 4 P D 19 42 55 84 103 202 228 63 116 178 224 337 468 541 66 74 88 114 177 202 206 9 ﹂4 8 2 3 3 3   1 1 2 4 6 ρ0 15 20 21 26 46 、69 64

  (資料)  Federal Reserve Bulletin.より作成。

        ()内 は ドル建分の比率。 銀 行顧 客(主 と して多 国籍 企 業)で あ る。 と くに 外 国 銀行 の比 率 が74年 以 後 減 少 気 味 で あ るの に対 し,外 国 非 銀 行 顧 客 は増 大 を 続 け,前 者 との シ ェアを 縮 め て い る の は注 意 を要 す る。 また 自行 の そ の他 の海 外支 店 に対 す る運 用 が 増 大 し て きて い る。 と こ ろで 調 達 面 で は 外 国 銀 行が シ ェア を 低 めた と はい え,い ぜ ん と して主 要 な資 金 源 の地 位 を 保 って い る。 外 国非 銀 行顧 客 の比 率 が 少 しず つ 減 少 して い る の に対 し,自 行 の 海 外 支 店 と外 国公 的 機 関 が シ ェアを 高 め て きて い る。 した が って主 要 な 資 金 調 達 源 は 外 国 銀行 で あ る も のの,資 金 調 達 の 巨 大 化 と多 様 化 が はか られ て い る と考 え られ るだ ろ う。   ま た ドル建 て比 率 に つ い て は1969年 に は80%で あ った が そ れ 以 後 は低 下 して き て い る。 しか.し本 店 との 取 引 で は ドル建 て比 率 が 依 然 と して 高 く,.外 国非 銀 行 顧 宕 で はそ の比 率 が 逆 に 低 い とい え る。 また 外 国 銀 行 は そ の 比 率 を低 め,海       ゆ 外 支 店 は 高 め て い る。 これ は 本 店 に ドル を 供給 す る 従 来 の 支 店 の 役 割 が 変 化

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                           アメ リカ商 業銀行活動の構造的変化  97 し,支 店 相 互 間 で 資 金 を融 通 しあ うよ うに な った こ と,外 国非 銀 行 顧 客 へ の 運 用 増 大 と と もに,ド ル 以外 の通 貨 も取 り扱 い,そ れ だ け影 響 力 を拡 大 し よ うと       ㈱       ' す る 側 面 が あ ら わ れ て き た こ と を 意 味 し て い る と考 え られ る 。   第3に 表16に 示 さ れ て い る よ うに 大 手 銀 行 の 総 営 業 純 利 益 の か な りの 部 分 が 海 外 活 動 に よ り 占 め られ,し か も そ れ が 定 着 し つ つ あ る こ と で あ るoCiticorp に 例 を と る と1970年 の 同 行 国 際 部 門 収 益 は5,800万 ドル,総 収 益 の40%を 占 め .て い た が,1974年 に は1億9,300万 ドル,総 収 益 に 占 め る 比 率 も62%に 上 昇, 表16  ア メ リカ主 要 銀 行 の海 外 部 門 か らの収 益 お よび純 利 益 に 占 め る比 率(1970∼1974年)       (単位   100万 ドル,%) Bank  America Citicorp Chase  Manhattan Manufacturers       Hanover Morgan Bankers  Trust Chemical First  Chicago Continental  Illinois

Charter  New  York

合 二= 十 1970 31.6 58.0 30.7 11.4 25,5 8.7 7.7 ・1 .2 0,1 NA 1971

   :脚

    42.8'29.022.O

l::::!:二1:二:1

、6.、1、.6121.、 10.012.4117.0 2.0   4.6  7.0 0.2   2,1  3.O NAI  NAINA 174.7     241.6 1972 52.9 110.0 50.4 24.0 41.9 20.8   9.0   8.6 13.0   7.8 28.0 54.0 34.0 29,0 35.0 35,0 14.2 11.0 17.0 28.0 1973 70.1 15210 67.5 35:9 66.8 29.7 11.5 11.0 17.3 13.4 1974 1970(' 1974の 増 加 額 32.0100.139.O

so

41:騰l/::1

36.。59.9[、7.。 45.9181.045.0 45.1  37.052.0 16.7  30.033.0 12.0  3.0  3.0 20.0  16.317.0 41.9  25.061。0 338.4      475.2 634.・ 68.5 135.0 58.3、 197〔ンー 1974の 増 加 率(倍) 3.17 3.33 2.90

48.,1,.25

55

28:/

22.3' .1.8

1::11

3.18 4.25 3.90 2.5 459.6   3.63

(資 料)  The  Banker,  Sep.1975.よ り 作 成 。

ω  調達面 におけ る ドル建比率 (単 位  %) 店 客 行 店   顧   行 銀 支   銀   非 国 外   国 本 外 外 海 1969・     9 85.7 71.2 85.6 65.7 1970 100 66.2 79.8 64.1 1971    1972 71.4 55.7 71.1 62.0 80 56.1 70.9 72.1 1973 93.8 53,7 66.7 69.2 1974 96.6 59.9 66.5 71.7 1975 98.1 64.1 71.3 82.9 ⑫   そ れ ぞれ の顧 客 別 取 引 を詳 し く分析 して い る もの として,関 下 稔 「多 国籍 企 業 の海   外 資 金言周達 」 『経 済』 新 日本 出版 社,1976年6月 号,三 井 銀 行 『調 査 月報 』1973年1   月 号 が あ る。

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こ の 期 間 に 国 際 部 門 収 益 は3倍 強 の 増 加 を 示 し た 。 こ の よ うに ア メ リ カ 銀 行 が 競 っ て 国 際 化 の 道 を 歩 ん で い る の は,あ き ら か に 国 内 業 務 に 比 べ て 国 際 部 門 で の 高 収 益 が 期 待 で き る か らで あ る と 思 わ れ る。 また 注 且 さ れ る の は 銀 行 国 際 化 の 中 心 に な っ て い る の が,バ ン ク ・オ ブ ・ア メ リカ,シ テ ィ銀 行,チ ェ ス 銀 行 の 三 大 銀 行 で あ り,こ れ らが 圧 倒 的 な 優 勢 を 示 し て い る こ とで あ る 。 バ ン ク ・ナ ブ ・ア メ リカ は78ケ 国 に208の 海 外 処 点 を,シ テ ィ銀 行 は90ケ 国 に238の 海 外 支 店 を ふ くむ950以 上 の 海 外 処 点 を,チ ェ ス 銀 行 は95ケ 国 に2,000以 上 の 海 外 処 点 を 有 し,上 位10行 に お い て,海 外 支 店 で は88%,多 数 株 所 有 海 外 子 会 社 で は72 %を し め て い る の で あ る 。 海 外 で74年 に こ れ ら10大 銀 行 が あ げ た 収 益 総 額6億 3,430万 ドル の うち 上 位 三 行 だ け で3億8,210万 ドル,60.2%を し め て い る。 ま た 上 位 銀 行 の 業 務 内 容 は 整 備 さ れ た 世 界 的 ネ ッ トワ ー ク で,さ ま ざ ま な 銀' 行 活 動 を 行 い,卸 売,小 売 銀 行 業 務 を 問 わ ず,文 字 通 り,表14の ワ ー ル ド ・フ ル サ ー ビ ス ・バ ン キ ン グ の 第4段 階 に は い っ て い る 。 これ に 対 し 中 位 銀 行 グ ル         一 プ は ,国 際化 で は後 発 であ り,ま だ 卸 売 業務 が 中心 で あ る とい え るだ ろ う。 こ の よ う に し だ い に 寡 占 化 傾 向 を 強 め て い く先 発 グ ル ー プ に 対 し て マ ニ ュ フ ァ ク チ ャ ラ ー ズ ・ハ ノ ー バ ー トラ ス ト,モ ル ガ ン ・ギ ャ ラ ン テ ィ ・・ トラ ス ト,ケ ミカ ル ・ソミソ ク 等 そ の 他 の 大 手 銀 行 は,コ ン ソ ー シ ア ム ・ンミン ク に 積 極 的 に 参 加 す る 等,独 自 の 方 法 で 巻 き 返 し を は か っ て い る が,現 状 で は 出 遅 れ を 取 り戻 す に は い た つ て い な い 。   こ の 結 果,国 際 化 の 進 展 状 況 か らみ た ア メ リ カ 銀 行 は3大 銀 行,比 較 的 効 率 の よい 国 際 化 を 推 進 し て い る そ の 他 の 大 手12銀 行,そ れ に 続 く20∼50銀 行 の3 グ ル ー プ に 分 類 す る こ と が で き る で あ ろ う。 β   IV  ア メ リカ商 業 銀 行 国 際化 の展 望 ア メ リカ連 邦 準 備 理 事 会 が1976年4月13日 に発 表 した と こ ろに よ る と,ア メ リカ商 業 銀 行 の 主 要 外 国 支 店 の融 資残 高 は1975年 末 現 在 で,1,410億 ドル に達 ⑬   『金 融 財 政 事 情 』1975年,1月6日,44ペ ー ジ 。

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       ア メ リカ商業銀行活動 の構造的変化  99 して い る。(こ の統 計 に は同 一 親 銀 行 の 海 外 支 店相 互 の取 引 は含 まれ て い な い) しか しな が ら,ア メ リカ商 業 銀 行 の海 外 進 出 の拡 大,海 外 支店 活 動 の活 発 化 の も とで,ユ ー ロ市 場 か ら資 金 を調 達 し,本 店 で運 用 す る とい った形 態 は大 き く 変 化 した。 資 金 運 用 先 は外 国 銀 行 と外 国 非 銀 行顧 客(主 と して多 国 籍 企 業)が 比 重 を 増 し,資 金 調達 面 では,外 国 銀 行 が い ぜ ん と して大 きな シ ェアを 持 って い る もの の,外 国非 銀 行 顧 客,海 外 支店,外 国公 的機 関 が 比 重 を伸 ば して 多 様 化 して い る。   と ころ で,巨 額 に達 した 海 外 融 資 に対 して,債 務 不 履 行 の危 険 性 が ます ます 増 大 し,海 外 進 出 に慎 重 を 期 す ア メ リカ商 業 銀 行 が 増 加 して い る。 これ は 高収 益 を あ げ る ことが 可 能 な国 際 金 融 業 務活 動 に,多 くの 銀 行 が 参 入 し,競 争 が 激 化 して 挙 り,信 用 のお け る有利 な貸 付先 が見 つ け1こく くな った こ と,利 幅 も縮 小 して きた こ と,こ れ らの要 因 に 世 界 的 景 気 後 退 の 影 響,燃 料 価 格 の 上 昇 が 相 ま って,多 くの ア メ リカ商 業 銀 行 が}そ の 営 業 活動 を再 考 しつ つ あ るた め で あ る。   また 連 邦 準 備 理 事 会 も商 業 銀 行 の 国 内 業 務 で 不 良貸 付 が 増 大 して い る時 期 に,海 外 へ過 大 な 業 務 拡 張 を行 うの は危 険 で あ る と考 え て お り,と くに 過 去 数 年 間 海 外 貸 出 は激 増 した半 面,こ れ に相 応 した 銀 行 資 本 の増 加 がみ られ な か っ た こ とに 関 心 を よせ て い る。 このた め 連 邦 準 備 理 事会 は過 去1年 半 にわ た り銀 行 の 多 角 化 を 阻 止 し,資 本 の補 強 を 進 め 外 国 業 務 よ り も国 内業 務 を固 め る方 針 を 強 調 した。 連 邦 準備 理 事 会 は 海 外 面 で は 国 際投 資銀 行へ の参 加 申請 許 可 を 渋 り,ま た最 近 許 可 され た ジ ョイ ン ト ・ベ ンチ ァー は第15位 の銀 行 まで で あ り, 地 域 も中東 そ の他 ナ イ ジェ リア,ベ ネ ズ エ ラ な どOPEC諸 国 に 限 られ てい る。   ア メ リカ商 業 銀 行 は1960年 以 降,積 極 的 な 国際 化,銀 行 関 連 持 株 会 社 を 通 じ て の業 務 の多 様 化 な ど に よ り,急 速 な成 長 を遂 げ て現 在 に 至 って い るが,あ ま りに業 務 の多 様 化 を行 い,急 成 長 を 遂げ た た め に,資 本 構 成 の 悪 化 や 借 入 金 の 増 大 を招 来 した 。 そ して現 在 で は この よ うな積 極 路 線 に つ い て の 反 省 の時 期 に きて い る よ うで あ る。   資 金 運 用 に つ い て は 不動 産 関連 貸 付や,開 発 途 上 国 向 け 貸 出 の 増大 に よ り,

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商 業 銀 行 資 産 内 容 の質 的悪 化 を もた ら して い る との指 摘 が 多 い 。 また 世 界 的 景 気 停 滞 に と もな っ て,多 国籍 企 業 の 対 外 直接 投 資 も伸 び なや み,商 業 銀 行 も海 外 支 店 の 統 合 や 閉 鎖 な ど 経 営 の 合理 化 に 着 手 せ ざ るを え な くな っ てい る。 他       ロの 方,資 金 調 達 面 に お い て も,貯 蓄 性 預 金 の 安 定 性 に 問題 が残 され て い る。   この よ うな 環境 の も とで商 業 銀 行 は 従 来 の 成長 指 向型 か ら,よ り安 定 した 発 展 へ の 移 行 が 求 め られ て お り,小 売 銀 行 業 務 や 国 際化 業 務 へ 積 極 的 な活 動 を 続 け て きた 商 業 銀 行 と くに大 銀 行 も,自 らの経 営 体 制 を 改め て補 強 す る時 期 に き て い る とい え るだ ろ う。 ` 璽 M  大 村 一 夫 「転 機 に 直 面す る ア メ リカ商 業 銀 行経 営 」 『金 融 ジ ャー ナル 』1976年4月   号 。

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