(16)回
転 円 板 法 浄 化 機 構 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
鹿 児 島 高 専 ○ 西 留 清 宮 崎 大 学 工 学 部 渡 辺 義 公 〃 石 黒 政 儀 1は じ め に 筆 者 ら は先 に 固 定 生 物 膜 に よ る基 質 除 去 過 程 の 動 力 学 的 検 討 を行 い 、筆 者 らの 提 示 し た 固 定 生 物 膜 に よ る 定 常 動 力 学 理 論 が 回転 円 板 法 に よ る硝 化 ・脱 窒 プ ロ セ スに 十 分 適 用 可 能 で あ る こ と を 実 験 に よ り検 証 した 。 本 動 力 学 理 論 は 円 板 の100%を 浸 漬 させ て 嫌 気 性 脱 窒 を 行 う場 合 、付 着 生 物 膜 は常 に 水 中 に あ るた め 液 本 体 基 質 濃 度 が 定 常 で あ れ ば生 物 膜 内 基 質 濃 度 分 布 も定 常 で あ り、そ の ま ま 直 接 的 な 適 用 が 可 能 で あ る 。 円 板 の約50%を 浸 漬 させ て 硝 化 等 を 行 う場 合 、液 本 体 基 質 濃 度 は 定 常 で も付 着 生 物 膜 は空 中 と水 中 を交 互 に 循 環 し なが ら基 質 を 除 去 す るた め 生 物 膜 内 基 質 濃 度 分 布 は 定 常 と は な りえず 、本 理 論 の 直 接 的 な 適 用 が で きず、 生 物 膜 内基 質 濃 度 分 布 も計 算 で き な い 。 ま た 、生 物 膜 内 基 質 濃 度 の測 定 は 現 状 で は難 しい 。た だ し 、半 浸 漬 回 転 円板 法 に お い て も円 板 回 転 速 度 が無 限 で あ れ ば 全 浸 漬 型 の 場 合 と同 様 に生 物 膜 内 基 質 濃 度 分 布 は 定 常 に な る と考 え られ る 。 この 点 に関 してRittmanとMcCartyは 通 常 の 回 転 円 板 法 の 円板 回 転 速 度 を無 限 に 近 い 状 態 と見 な し 、半 浸 漬 回 転 円 板 法 に も定 常 動 力 学 理 論 が 適 用 で き る と報 告 し て い る。 しか し 、通 常 の 円 板 回 転 速 度 で は 生 物 膜 内 基 質 濃 度 分 布 が 定 常 にな る と は考 え られ な い 。そ こ で 、本 文 で は コ ン ピ ュ ー タ ー シ ミュ レー シ ョン に よ り半 浸 漬 回 転 円 板 法 の 生 物 膜 内基 質 濃 度 分 布 を明 らか に し 、筆 者 らの 動 力 学 理 論 の 同 法 へ の 適 用 限 界 に つ い て検 討 す る 。 ま た 、 円 板 の 回 転 速 度 と周 辺 速 度 、 円 板 浸 漬 率 お よ び液 本 体 酸 素 濃 度 と基 質 除 去 速 度 との 関 係 を シ ミュ レ ー シ ョ ンに よ り明 らか に す る 。 2シ ミュ レ ー シ ョン モ デ ル 半 浸 漬 回 転 円 板 法 は空 中 部 で は酸 素 が 大 気 中 か ら生 物 膜 へ 移 動 し 、 ア ンモ ニ ア性 窒 素(以 下NH3-N) は 生 物 膜 内 へ は供 給 さ れ な い 。水 中 部 で はNH3-Nは 液 本 体 か ら生 物 膜 へ 輸 送 さ れ 、酸 素 は そ の 濃 度 勾 配 に よ り液 本 体 か ら生 物 膜 へ あ る い は生 物 膜 か ら液 本 体 へ 移 動 す る 。 空 中 部 で は 付 着 水 膜 表 面 の 酸 素 濃 度 は 常 に 飽 和 され 、水 中 部 で は液 本 体NH3-Nお よ び酸 素 は定 常 濃 度 で あ り、 液 本 体 は 完 全 混 合 状 態 で あ る 。 酸 素 お 図-1半 浸 漬 回 転 円板 生 物 膜 モ デ ル表-1シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 条 件 よ びNH3-Nは 拡 散 層 と付 着 水 膜 で は分 子 拡 散 の み に よ り移 動 し 、生 物 膜 内 で は分 子 拡 散 に よ る移 動 と ゼ ロ 次 生 物 化 学 的 反 応 が 同 時 に 生 ず る 。 た だ し 、生 物 化 学 的 反 応 は 生 物 膜 内 に 酸 素 お よ びNH3-Nが と も に存 在 す る場 合 の み 生 じ 、嫌 気 性 生 物 膜 で は基 質 除 去 は 考 慮 せ ず 分 子 拡 散 に よ る基 質 の 移 動 の み を 考 え る 。半 浸 漬 回 転 円 板 法 モ デ ル で は 図-1に 示 す よ う に シ ス テ ム は 空 中 部 で は気 相 、 付 着 水 膜 、お よ び 生 物 膜 、水 中 部 で は 液 本 体 、拡 散 層 お よ び 生 物 膜 に よ り構 成 され る 。 シ ミ ュ レ ー シ ョ ンの 基 礎 式 は 非 定 常 分 子 拡 散 過 程 を示 す Fickの 第2法 則 で あ る 。 (1) 式 −(1)は付 着 水 膜 お よ び 拡 散 層 に は 直 接 適 用 で きるが 、 好 気 性 生 物 膜 で は生 物 化 学 的 反 応 に よ り基 質 消 費 が 起 こ る た め 式-2に 示 す よ う に生 物 化 学 的 反 応 項 を加 え ね ば な らな い 。
(2)
式-(2)を 差 分 表 示 し て 、 任 意 時 間tj+1、 第i層 の △t 時 間 後 の 基 質 濃 度 は 式-(3)と な る 。(3)
(4) こ こ で 、 添 字jは △t時 間 の 数 を 表 わ し 、 任 意 時 間 Tj=j・ △tに お け る 液 本 体 か ら生 物 膜 表 面 へ 移 動 す るFluxは 式 −(5)と な る 。 (5) した が っ て 、 半 浸 漬 回 転 円 板 法 に お け る液 本 体 か ら生 物 膜 表 面 へ の 平 均Fluxは 式-(6)で 表 わ さ れ る 。 図-2円 板 周 辺 速 度 と基 質 移 動 係 数 の 関 係 図-3硝 化 反 応 速 度 係 数 と水 温 の 関 係 図-4液 本 体 酸 素 濃 度 とNH3-Nの 関 係(6)
定 常 状 態 で は単 位 時 間 当 りの 基 質 除 去 速 度 はFluxに 浸 漬 面 積 を乗 じた 式-(7)で 表 わ され る 。(7)
3結 果 と考 察 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を行 な う に 当 り、前 述 した モ デ ル に 従 って 、表-1に 示 す 実 験 条 件 に 合 わ せ 電 算 機 に よ り数 値 計 算 を行 っ た 。拡 散 層 厚 と硝 化 速 度 係 数 は そ れ ぞ れ 図-2、3に 示 す よ うな 筆 者 らの 実 験 結 果 を用 い た 。図-4は 液 本 体 酸 素 濃 度 とNH3-N濃 度 の 関 係 で あ る 。液 本 体 酸 素 濃 度 は あ るNH3-N濃 度 以 上 で は ほ ぼ 一 定 とな って い る こ と が わ か る 。 そ こで 、Run 1 で はNH3-N濃 度 が3.5mg/l以 上 で は液 本 体 酸 素 濃 度 は3.0mg/l、Run 2で は 液 本 体NH3-N濃 度 が 3.0mg/l以 上 で は3.5mg/lと した 。 計 算 条 件 の 中 で 付 着 水 膜 厚 は未 知 で あ り 、種 々 の 付 着 水 膜 厚 に つ い て 計 算 し 、 シ ミュ レー シ ョ ン に よ る平 均Fluxが 実 験 に よ り求 め たFluxに 最 も適 合 す る付 着 水 膜 を求 めた。 そ の 結 果 、付 着 水膜 厚 はRun 1で は50μm、Run 2で は60pmと な った 。Bintan jaら は 円 板 表 面 上 の 付 着 水 膜 厚 を求 め る次 の 式 を 提 示 し た 。 (8) 図-5の 破 線 は 式-(8)を 用 い て計 算 し た 結 果 で あ り、 付 着 水 膜 厚 はRun 1の 条 件 で約40pmと な り 、 シ ミ ュ レ ー ショ ン に よ り推 定 した 付 着 水 膜 厚(50Pm) とほ ぼ 一 致 して い る 、 ま た 、Hartmanは 生 物 膜 が 付 着 して い る場 合 の 付 着 水 膜 厚 を40μmと 測 定 し た 。 付 着 水 膜 は 円 板 速 度 と円 板 の 表 面 状 態 に よ って も変 わ る と考 え られ るの で本 文 で は 式-(8)か ら計 算 した 図-5の 実 線 を 用 い た 。 (8) 3-1シ ミュ レー シ ョン に よ る動 力 学 式 の 検 討 図-6は シ ミュ レ ー シ ョ ンに よ り求 め たRun1に お け る空 気 中 と水 中 部 の 生 物 膜 内NH3-Nと 酸 素 の濃 度 分 布 で あ る 。液 本 体NH3-Nお よ び 酸 素 は 定 常 濃 度 で あ って も空 気 中 お よ び水 中 部 の 生 物 膜 内 基 質 濃 度 分 布 は 著 し く変 化 す る 。図-6中 の 破 線 は 筆 者 ら の モ デ 図-5円 板 回 転 速 度 と付 着 水 膜 厚 の 関 係 図-6シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ るNH3-N 図-7円 板 滞 留 時 間 とFluxの 関 係(Run 1)ル か ら求 め た 定 常 状 態NH3-N濃 度 分 布 で あ る 。式-(5)で計 算 さ れ た 生 物 膜 へ のNH3-NFluxと 液 本 体 中 の 滞 留 時 間 との 関 係 を 図-7に 示 す 。 液 本 体NH3-N 濃 度 が3.5mg/4以 上 で は 平 均Flux(○ 印)は ほ と ん ど 一定 とな り、3,5mg/l以 下 で は減 少 す る 。 この こ とは液 本 体NH3-N濃 度 が3.5mg/l以 上 に な る と 反 応 が 酸 素 律 速 とな り、 そ れ 以 下 で はNH3-N律 速 と な る た め で あ る 。 図-4の 実 験 結 果 か ら も同 様 な事 が わ か る 。 図-8は シ ミュ レ ー シ ョ ン と実 験 に よ り求 め た 平 均Fluxで あ る 。表-1に 示 す 条 件 で の シ ミ ュ レ ー シ ョ ンか ら求 め られ た値 と実 験 値 は ほ ぼ 一 致 して い る 。 この 結 果 、筆 者 らの定 常 動 力 学 理 論 か ら求 め た 硝 化 速 度 は 浸 漬 生 物 膜 の 平 均 硝 化 速 度 に ほぼ 等 し い こ と が わ か る 。 3-2円 板 速 度 と硝 化 速 度 の 関 係 図-9は 付 着 水 膜 厚 と硝 化 速 度 の 関 係 を示 す シ ミ ュ レ ー シ ョ ンの結 果 で あ る。 硝 化 速 度 は 付 着 水 膜 厚 に 大 き く影 響 さ れ 、付 着 水 膜 厚 が 厚 く な るほ ど 小 さ くな る こ とが わ か る 。前 述 し た よ うに 、付 着 水 膜 厚 は周 辺 速 度 が 速 くな る ほ ど厚 く な る。 拡 散 層 厚 お よ び付 着 水 膜 厚 は周 辺 速 度 で 決 ま り 、円 板 周 辺 速 度 が 一 定 な ら 、円 板 径 お よ び回 転 速 度 が 変 わ って も一 定 と考 え ら れ る 。 図-10の 破 線 は 円 板 周 辺 速 度 を 一定(7.1m/min) と し て付 着 水 膜 厚50μm、 拡 散 層 厚80pmの 条 件 で 回 転 速 度 を2.5∼15rpmま で 変 えた 時 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ンの結 果 で あ る。平 均Fluxは 回 転 速 度 が 高 い ほ ど大 き くな る 。 こ の こ と は 、小 型 の 実 験 装 置 で得 ら れ た デ ー タか ら円 板 周 辺 速 度 を 基 準 と して ス ケ ー ル ァ ップ を行 う場 合 に 、実 装 置 の 効 率 が 実 験 装 置 の 効 率 よ り も低 くな る とい う現 場 で の 経 験 を 裏 付 け る もの で あ る 。 一 方 、同 一 円 板 径 で も回 転 速 度 を か え る と周 辺 速 度 が 異 な り、酸 素 律 速 状 態 で は 回 転 速 度 が 低 い ほ ど拡 散 層 厚 は厚 く な るが 付 着 水 膜 が 薄 くな るた め平均Flux は 大 き くな る 。図-10の 実 線 が こ の場 合 の シ ミ ュ レ ー シ ョンの 結 果 で あ る 。 ま た 、NH3-N律 速 状 態 で は 回 転 速 度 が 高 い ほ ど拡 散 層 厚 が 薄 くな る た め 平 均Flux は大 き くな る 。 3-3円 板 浸 漬 率 と硝 化 速 度 の 関 係 半 浸 漬 回 転 円 板 法 で は円 板 の 約 半 分 が 気 相 中 に あ る た め 、円板 の 浸 漬 率 が 変 化 す る と回 転 速 度 は 一 定 で も 円 板 の 空 中 ・水 中 滞 留 時 間(Cycle timeと 定 義 す る)が 変 化 す る 。浸 漬 率 が 変 化 す る場 合 の 空 中 の 平 均 図-8円 板 表 面 へ のNH3-N Flux 図-9付 着 水 膜 厚 と硝 化 速 度 の 関 係 図-10円 板 速 度 と硝 化 速 度 の 関 係
Cycle timeは 式-(9)で 表 わ さ れ る 。
(9)
(10)
(11)
ま た 、浸 漬 率 は 式-(12)で 表 わ さ れ る 。(12)
図-11は 式-(9)、(12)に よ り計 算 し た浸 漬 率Cycle timeの 関 係 で あ る 。図-12はRun 1の 条 件 で 円 板 のCycle timeを 関 数 と した 時 の シ ミュ レ ー シ ョ ンの 結 果 で あ る 。 ○ 印 は 酸 素 律 速 、 △ 印 はNH3-N律 速 条 件 で の 結 果 で あ る 。 酸 素 律 速 で は 、浸 漬 率 を 小 さ く し て水 中 に 比 べ 空 中 のCycle timeを 長 くす る と、 図-7に 示 す よ うに 初 期Fluxが 大 き くな り、 平 均 Fluxも 大 き くな って い る 、 しか し、浸 漬 率 が 小 さ く な る と浸 漬 面 積 が 小 さ くな り 、● 印 で示 す よ う に 式-(7)で 示 した 単 位 時 間 当 りの 硝 化 速 度 は む しろ 小 さ くな る 。酸 素 律 速 で 、Run 1の 条 件 で は 平 均Fluxに 浸 漬 面 積 を乗 じた 値 が 最 大 に な る最 適 浸 漬 率 は 約40% で あ る 。 一 方 、NH3-N律 速 で はCycle timeを 変 化 させ て も平 均Fluxは さ ほ ど変 化 し な い 。 し か し 、 ▲ 印 で示 す よ う に浸 漬 面 積 が 大 き くな る と硝 化 速 度 は 大 き く な り 、NH3-N律 速 で は浸 漬 率 が 大 きい ほ ど高 い 硝 化 速 度 が 得 られ る 。 3-4液 本 体 酸 素 濃 度 と硝 化 速 度 の 関 係 酸 素 律 速 で は 液 本 体 酸 素 濃 度 を 上 げ る こ と に よ り平 均Fluxを 高 め る こ とが で き る と考 え ら れ る 。図-13 はRun 1に お け る液 本 体 酸 素 濃 度 と平 均Fluxの シ ミュ レー シ ョ ンの 結 果 で あ る 。液 本 体 酸 素 濃 度 が 高 く な る に従 い平 均Fluxも 大 き くな るが 、液 本 体 酸 素 濃 度 が3mg/lか ら6mg/lに な って も硝 化 速 度 は 約 10%大 き くな るだ け で あ る 。酸 素 律 速 で は液 本 体 を 曝 気 して 液 本 体 酸 素 濃 度 を高 め る こ と は大 き な エ ネ ル ギ ー を必 要 と す るの で効 率 的 方 法 と は い え な い 。 む し ろ 、気 相 中 の 酸 素 分 圧 を高 く して 生 物 膜 表 面 の 酸 素 濃 度 を 高 く した 方 が 効 率 的 と考 え られ る 。酸 素 分 圧 を高 く した実 験 結 果 はす で に報 告 ず み で あ り、 こ の 点 に つ い て の 詳 細 は講 演 時 に 報 告 す る 。 図-11浸 漬 率 とCycle dmeの 関 係図-12 Cycle timeと 平 均Fluxの 関 係
4お わ り に シ ミ ュ レ ー シ ョ ンの 結 果 次 の こ とが 明 らか に な っ た 。 半 浸 漬 回 転 円 板 法 に お い て は液 本 体 基 質 濃度 は定 常 で も生 物 膜 内 基 質 濃 度 分 布 は 著 し く変 化 し 、液 本 体 か ら拡 散 層 へ のFluxは 生 物 膜 表 面 で 一 定 で な い 。 しか し 、 シ ミュ レー シ ョン に よ り得 られ た 平 均Flnxは 定 常 動 力 学 理 論 か ら求 め たFlux値 とほ ぼ 一 致 して い る。 この こ と は筆 者 らの 動 力 学 理 論 が 半 浸 漬 型 回 転 円 板 法 に も適 用 可 能 で あ る こ とを 意 味 して い る 。ま た 、 シ ミ ュ レ ー シ ョン に よ り生 物 膜 内 基 質 濃 度 分 布 が 明 らか に な り、任 意 の 円 板 径 、浸 漬 率 、 円 板 速 度 、お よ び液 本 体 基 質 濃 度 な ど諸 条 件 下 で の 単 位 浸 漬 面 積 当 りの 基 質 除 去 量 の 定 量 化 が 可 能 とな った。 回 転 速 度 、浸 漬 率 、 液 本 体 酸 素 濃 度 、お よ び付 着 水 膜 を変 化 させ て シ ミュ レ ー シ ョン を 行 っ た結 果 、 硝 化 反 応 速 度 を上 げ る た め に は 酸 素 律 速 の 場 合 、付 着 水 膜 厚 を 小 さ くす る か 、気 相 中 の 酸 素 分 圧を 高 め る の が 最 も有 効 で あ る こ とを 明 らか に し た 。 一 方 、NH3-N律 速 の 場 合 、Cycle timeの 短 縮 、 拡 散 層 厚 の 縮 少 、 お よ び 円 板 浸 漬 率 の 増 大 が 効 果 的 で あ る 。 記 号 表
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討
議
(16)回
転 円 板 法 浄 化 機 構 の シ ミュ レ ー シ ョン
北 海 道 大 学 工 学 部
神
山
桂
一
回転 円板 法 の浄 化 作用 を 付着 水 膜 と生 物 膜 とに分 けて,そ れ ぞれ の膜 内へ の酸 素 お よび基 質(こ こでは半 浸漬 円 板 を用 い て の硝 化 作用 を 取 り扱 った の でNH3-N)の 移 動 現 象 と して,空 中お よ び浸 漬 中 とい う状態 が 交互 に 生 ず る 円板 に つ いて解 析 を 行 い,コ ン ピュー タ ー シ ミュ レー ションを用 い て 液 中NH3-N濃 度 や 円板 周 速 度 な ど が 硝化 速 度 に どの よ うな影 響 を与 え るかを 調 べ たの が 本研 究 の 内容 であ る。 従来 か らの豊 富 な実験 結果 か ら得 ら れ た 知見 を もと に,回 転 円板 の生 物 膜 モ デル を 図-1の よ うに まず 半 円形 部 分 が 浸漬 され る と して 考 え,付 着水 膜 お よ び生物 膜 内 へ の拡 散(非 定 常分 子 拡 散)と,生 物 膜 内で の生 物化 学 的反 応 に よ って 酸素 やNH3-Nが(2)式 に よ って濃 度 変化 が 生 ず る と し,液 中 のNH3-Nの 減 少(す な わ ち硝化)は 液本 体 か ら生物 膜 表 面 へ移 動 す るNH3 -NのFluxの 大 き さで決 ま る と して,こ のFluxの 変 動 と円板 上 の有 効 な生 物 膜 面 積 の大 きさか らこれ を 求 め てい る。 シ ミュ レー シ ョ ンにあ た っ ては,表-1に 示 した 条件 を 用 いて 円 板 の 周速,液 本 体基 質 濃 度,同 溶 存 酸素 濃 度,あ るい は 円板 周速 に よ って 変 る付 着 水 膜 の 厚 さな どを パ ラ メー タ と して 計 算 した 結果 を 判 り易 く示 してあ り,回 転 円板 を 用 い て硝 化 を行 わ せ る場 合 に 大変 参 考 に な った。 た だ し,論 文 を読 み なが ら若 干,理 解 で き ない 点 が あ った ので 教 え て いた だ きた い 。 1)モ デ ル の説 明 で液 本 体 のNH3-Nが 定 常濃 度 とされ た の は,連 続 流入 完 全 混合 槽 と考 え て,槽 内濃 度 が一 定 に 保 たれ て い る状 態 を 指 して い る と思 われ るが,そ の とき の除 去NH3-N量 と生物 膜 へ のFluxの 総 量 とは 等 しい ことが ど こか で 計算 条 件 に組 み 入 れ る必 要 は あ りま せんか 。 2)式(6)で 平 均Fluxを 求 め て あ ります が,こ の と きのtはj=nま で,す な わち 浸漬 部 の最 後 ま で,す な わ ちt =n△tの 一 定値 で一 般 的 な時 間 で はな い と理 解 して よい の で し ょ うか。 3)上 の よ うに 理解 して 図-6を 見 た と き,生 物 膜 表面 のNH3-N濃 度 が 水 没直 前 に ど こま で減 少 して い るか が平 均 のFluxに 影響 す る こ とにな り,Co.iを 計 算 で は どの よ うに扱 わ れ た ので し ょうか。 4)円 板 速 度 と硝化 速 度 の 関係 を 述べ て あ る部 分 は,本 論 文 の 中心 課題 と思 われ ます が,当 日 もう 少 し判 り易 く説 明 して ほ しい。 5)付 着 水 膜 厚 さは式(8),(8)と もに円 板 周速 ωRで 定 ま って しまい ま すが,実 測 で も これ は認 め られたので しょ うか。 生 物 膜 の 状態,す なわ ち 回転 速 度 に よ って 変 って くる の では な いか と思 って い たが,私 の考 え ち がい で し ょ うか 。 以 上 は小 さ な疑 問点 で あ る。 最 後 に,シ ミュ レー シ ョ ンの 結果 が実 験 結果 と どの よ うに一 致 す るのか を 具体 的 に 見せ て い た だけ る と有 難 い と思 う。膜 の 内 部 を実 測 す る こ とは で きな い か も知 れ ない の で,液 中 の様 子 か らの 推 定 で もよ いか ら。討
議
(16)回
転 円 板 法 浄 化 機 構 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
岩手大学 工 学部
大
沼
正
郎
本 研 究 で は,生 物 膜 内 基 質 濃 度 を 非 定 常 と して コ ン ピ ュ ー タ ー ・シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 っ た 努 力 に つ い て 評 価 す る 。 しか し な が ら,次 の 諸 点 に つ い て 疑 問 が あ る の で 御 教 示 い た だ け れ ば 幸 で あ る 。
1)シ ミュ レー シ ョ ン の 条 件 と して 酵 素 の 拡 散 係 数 をRun 1,Run 2に お い て3.0cm2/day,2.2cm2/dayと し て い る 。 水 温 が 同 じ水 中 の 拡 散 係 数 と 比 較 す る と,シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に 使 っ た 拡 散 係 数 は,前 者 で30%, 後 者 で10%以 上 も 大 き くな っ て い る 。 こ の こ と に 関 す る 見 解 を う か が い た い 。 2)図-4の プ ロ ッ ト,曲 線 は 実 験 結 果 な の か そ れ と も シ ミ ュ ー レ ー シ ョ ンの 結 果 な の で し ょ う か? 3)シ ミ ュ ー レ ー シ ョ ン に つ い て 次 の 点 に つ い て う か が い た い 。 (1)差 分 で 非 定 常 解 析 を お こ な う 場 合,そ の 安 定 条 件 で あ る△t,△Z,DAの 関 係 を 明 示 して 欲 し い 。 (2)生 物 膜 内 に お け るz方 向 の 終 端(Z=∞)に お け るNH3-Nに 関 す る 環 境 条 件 。 (3)50%浸 漬 の 回 転 円 板 ろ 床 に お い てAirphaseで は,NH3-Nはjilm中 に お い て 水 膜 方 向 に 拡 散 す る と い う モ デ ル で し ょ う か?。 こ の 場 合,図-6に お け るNH3-Nの 曲 線 が 下 に 凸 と な る 秒 数 は ど の 程 度 で し ょ う か?
(4)図-6に お い てDOに つ い て は,steady stateに 近 く な る こ と が わ か る 。 し か し な が ら, water phaseに お け るNH3-Nの100%浸 漬 の 回 転 円 板 の 結 果(steady state)がt=2 .0∼4% の と こ ろ,も し くは こ の 円 板 をt=40秒 で 静 止 した 場 合,DOが ほ ぼ0に もか か わ らずNH3-Nが steady stateの 状 態 に な る と 考 え られ る な ら,非 定 常 解 析 の 結 果 が 定 常 解 析 の 結 果 と 一 致 す る と考 え る べ き で な い で し ょ う か 。 この結 果 か ら,DOに ついては ほ ぼ 一 致 す る と考 え られ て もNH3-Nに つ い て は 一 寸 疑 問 が あ る の で は な い で し ょ う か? しか し な が ら,図-8に お け る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と 実 験 のfluxが ほ ぼ 一 致 して い る と い う 結 果 が 得 ら れ て い る 。 こ の こ と が よ く 理 解 で き な い 。 図-8に お い て,steady stateに お け る 計 算 か ら も と め た fluxは ど の 程 度 で し ょ うか? 4)液 本 体 のNH3-N濃 度 が3.5mg/l以 下 に お い て,NH3-Nが 反 応 を 律 速 す る と あ る が,こ の 根 拠 は な に に 基 づ い て い る の で し ょ う か? 特 に,こ の 問 題 に 関 して 実 証 は 行 わ れ た の で し ょ うか?