320
理
想
的
兒
童
遊
園
の
設計
と其
の
施
設
増
山
他
計
男
科學 文 明 の力 によ り て築 き 上げ ら れ た最 近 の大 都 市 と 云 ふ 一 大 怪物 は 、 た ゞ成 人 の要 求 のみ を満 足 せし め る に 細 心 であ つて 、事 一 度 兒童 の要 求 に封 して は甚 だ し く無 關 心 で あ る や う で あ る 、現 今 の文 明 の 誇 り た る 交 通機 關 や 鐵筋 コ ンク リー ト の大 建 築 物 は 小 さ き人 々の生 活 と は 餘 り に没 交 渉 であ る。 こ の 都 市 は 一 齊 に自然 を 遠 ざ けん と 努 め て ゐ るや う に 見 え る。 これ實 に怖 る べき現象 であ る。 兒 童 を して樂 し き健 全 な る生 活 を 送 ら しむ る には 自然 に接 せ しむ るよ り 他な い 自 動 車 の疾 驅 す る ア ス フ ア ル ト の街 頭 に兒童 の 喜戯 す る に任 せ る こと が出 來 よう か。 かく し て兒 童 遊園 は都 市 と 云 ふ乾 燥 せ る砂 漠 に 以 上 の 缺 點 を補 はん と し て生 れ 出 でた 兒童 の オア シ ス であ る。 此 所 で 初め て兒 童 は 愉 快 に 安 全 に 跳 ね廻 る 自由 の天 地 を 得 る の であ る。 且 又 此 所 は 単な る活 動 慾 を 満 足 せ し む る 地 の み では な い、兒 童 は此 處 で自然 を 學び 、 健 全な る身 體 を 養 成 し、 幼 時 よ り し て社 會 教 育 を 授 け 得 られ る の で あ る 。 以 下児童 遊 園 に 就 い て逐 次 述 べて 見 る。兒
童
遊
園
の
目
的
兒 童遊 園 の 目的 は 兒 童 の生 活 に最 も 適 切な る 運 動遊 戯 の施 設を な し 、興 味 あ る 運 動 並 び に秩 序 あ る遊 戯 をな さ しめ 以 て 彼 等 の 體 育 、徳 育 及び 智 育 を 促 進 せ し めん と す るも ので あ る 。兒
童
遊園
の位置
及
び
面積
兒 童 遊 園 の位 置 は 主 要道 路 、 特 に繁 榮 な る路 線 より 隔 離 せ る 處 に し て、 そ の周 園 の 二 乃 至 三方 は 道 路 に面 せ し め、 そ こ に種 々の 施設 を 爲 し得 る安 全 にし て 衛 生 的な る 場 所 であ るを 要 す る 。 而 し て 一 遊 園 と 他 の 遊 園 と の距 離 は 五 六町 を 隔 た し める 、餘 り遠 いと き ま つて行 く に臆 肱 造 園 學 雜 誌 一二321 で加 ふ る に両親 が 肯 じ な い ので あ る。 面 積 は そ の 附 近 の兒 童 数 及 び環 境 に よ つて決 定 さ る べ き 問 題 で別 に限 定 出 來 な いが 、大 體 に於 て 兒 童 一 人 當 り 十 尺 平 方 を 要 求 され る。 一 般 に 五 百坪以 上 三千 坪を 必 要 と し 、そ の 中 に 一 つ の 集 團運 動 を な し得 べき廣 場 を 設け る。 こ れ に収 容し 得 る 兒 童 人 員 は 百 五十 名 乃 至 八 百名 で あ る わ け で あ る。
兒童
遊園
の地
拵
兒童 遊 園 は 平 坦 で な け れ ばな らな い 。 た ゞそ の 一 隅 に 於 て餘 り 高 く な い 臺 地を造 る。 土面 は 努 め て排 水 を良 好 に して 、 降 雨 後 に 於 ても 直 ち に運 動 に使 用 出 來 る やう にす る。 而 し て個 人 遊戯 場 に最 も 良 き 地拵 へ は 、 最 下 層 に コー ク スを 四 乃 至 六 寸填 充 しそ の上 に石灰 石 を三 寸 敷 き詰 め 最 上 層 に濱砂 を 二寸 の厚 さ に敷 き 込 む ので あ る。 此 の 如 く す れ ば 堅 牢 な る こと 疑 な く、 且兒 童 の損 傷 を 受 く る こと 少く 衣 服 を 汚 損 す る こと も あ ま りな い。 團 體 遊 戯 場 は 芝 生 地 と な す 。 此 く す れ ば實 用 上 便な る のみ な らす 遊園 の美 化 に資 す る こと 大 で あ る 。 但 し芝生 内 には 歯 の あ る履 物 に て 入 る こ とを 禁 す る こと。 芝 は 日 本芝 を用 いる。 臺 地は 凡そ 七 尺 位 の高 さ と な し、 上部 を 平 坦 にし て日 蔭 棚 を 設 け る 。 傾 斜 面 は芝 を 張 り 、灌 木類 を 點 植 し 風 致 を 助 け る。 階 段 は 細 か く 付 け る。 そ の 位置 及び 数 は適 宜 定 め る 。 排 水装 置 と し ては 、 地 表 水 は遊 園 の 周 園 に設 け ら れ た る溜 桝 に 流 入 せ しめ る 。 溜 桝 は あ ま り深 く な く 中 に 溜 る 土砂 を掃 除 す る に 都 合 よ く す る。 地 下排 水 は 土 管 を 一 尺 五 寸 乃 至 二 尺 五寸 の深 さ に十 尺 の間 隔を 以 て埋 設 す る。 土 管 は直 径 三 寸 の 素 焼 の も のを 使 用 す る 。 芝 生 地 に於 て は 深 さ 二尺 五寸 乃 至 三 尺 、 間隔 を 十 五 尺 とす る。 排 水 線 は 平行 にす る こと。兒童
遊園
の設計
様
式
利 用 本位 の兜童 の 遊 戯 場 を 施 設 す る の で あ る から 、 あ ま り に風 致的 に しな いの で あ る。 植 物 を 植 ゑ る に し ても そ れ は教 養 的 分 子 を多 分 な ら し め る 。兒
童
遊
園
の外
圍
外 圍 は 兒童 遊 園 に 飲 く べからざ る も のであ つ て、 外 圍 のな い も のは 兒童 保 護 の目 的 を 満 足 せし めな い も の と云 理想的 兒童遊園 の 設計と其 の 施設 一三322 つて い ゝ 。 外 圍 は 高 さ 六 乃 至 七尺 と し、材 料 は鋼 鐵 の柱 と細 目 の 針 金 の 網 を 用 ひ 、堅 固 に し て瀟 洒 た るも のた ら し め る 。 網 は ボ ー ル等 の 飛 び 出す を 防 ぐ 。 外 側 に植 栽 を な し埃 の 入 る を防 ぎ 又幾 分 見 透 し を除 く 。 出 入 口に は夜 間 閉 鎖 装 置 即 ち 戸を 必ず 附す 。此 の位 置 は 出 入多 き方 面 を 選 ば ねば な ら な い 。 数 は 可 成 少 く普 通 ニケ 所 位 が 適當 で あ る。 あま り 多 いと管 理 に不 便 を 來 す 而 し て此 の入 口 は児 童 遊 園 の使 命 を 暗 示す るや う な 取 扱 が好 ま し いの であ る 。 尚 こ ゝに次 のや うな 掲 示 を す る。 一 開 園 及 び閉 園 時 間 一 満 十 五 歳 以上 の者 及 び 附 添 人 以外 の 者 の 入園 を 斷 る ( 此 の掲 示 は 氣 を付 け る 入 が 少 い 故 、 可成 目 に つく やう にす る こと 。 )
地
割
地割 はな る べく簡 明な る を 要す る 。 この 地割 を な す に 先 だち 必ず緻 密 な る平 面並 び に高 低 測 量 を 示 さ ね ば な ら な い 。 先 づ第 一 に個 入 遊 戯 場 と 團體 遊 戯 場 と の割 合 を 考 へ る 次 にそ の両者 を 如何 に連 絡 せ し め、 且休 養 衛 生設 備 を 爲す やを 案 す 。 而 し て 此 の 地割 は 平 面 的 のみ な ら す 立 體 的 にも せ ねばな らな い の であ る。 遊 園 内 の各 部 の大 體 の割 合 を述 ぶ れ ば 團體 遊戯 場 七 割 五 分 、個 人 遊 戯 場 二割 、徒 渉 池 及 臺 地 五分 であ る。植
栽
植 栽 と 云 ふ ことは た ゞ青 々 と し た樹 木 を 植付 け て外観 を 美 し くす る の みな らす 、 空 氣 を 清 く し 又緑 蔭 を 作 るた め な のであ る。遊 園 に植 ゑ る樹 木は 私 園 に於 け る が 如 く 充 分 に 手 入 れ るす る こと が出 來 な い 故 、 そ の 地 の 氣 候 風 土 に 適 し煤 煙 及塵 埃 に樹 す る抵抗 力 の強 き も の でな け れ ばな ら ぬ。 而 し てそ の 一 時 的 植 栽 は 不 可 で あ つ て必 ず 永 久的な る を 要 す る。 植 栽 の位 置 は運 動 器 具 の 間 、芝 生 地 及徒 渉 池 の 周園 等 で、 運動 遊戯 の邪魔 にな ら ぬ庭 で 、專 ら 日光 を 遮 り 遊 び 及憩 ひ の蔭 を つく り 、 殊 に夏 季 に於 て 遊 び を安 ら か に す る こと が 出 來 る やう にす る。 この緑 蔭 を つく る樹 木 は 大 葉 に し て枝 下高 く樹 冠 の 横 に擴 張 す る喬 木 性落 葉樹 が好 い 。 落 葉樹 は 四 季 の變 化 に富 む も の で、 こ の變 化は 園 内 の景 色 の 上 に大 な る關 係 が あ る。 以 上 の諸條 件 に適 す る 造 園 學 雜 誌 一 四323 樹 種 を あ げ れ ば 次 の 如 し。 ス ズ カ ケ 、 ア ヲ ギ リ 、 ニセ ア カ シ ヤ 、 エ ンジ ュ、 ハ ン テ ンボ ク 、 ヤ ナ ギ 、 ハ ル ニ レ 、 ム ク ロジ ュ 、 カ ツ ラ 、 ホ ホ ノ キ 等 。 日 蔭 棚 に は藤 を 仕 立 て る の が 最 も よ い の で あ る 。 次 に 遊 園 の 外 側 に 植 ゑ る 樹 木 は 、 園 内 に 入 る こと を 最 も 忌 む 埃 を 防 ぎ 又 防 風 の用 を な さ し め る 。 これ に は 常 線 樹 が よ く 、 諸 害 に 野 し て 抵 抗 力 強 く 葉 は 厚 く 固 く 枝 張 密 に し て 根 張 り の 丈 夫 な も の が 適 す る 。 し か し 落 葉 樹 に も 相 當 此 の 條 件 に叶 ふも の が あ る 故 多 少 取 入 れ た 方 が よ い 樹 種 は ヒ ノ キ 、 サ ハラ 、 シ ヒ 、 カ シ、 ク ス、 サ カ キ 、 サ ン ゴ ジ ュ 、 ツ バ キ 、 ヤ ツ デ 、 ア ヲ キ 、 ア セ ビ 、 イ テ フ、 ピ ラ カ ンサ ス 、 ス ズ カ ケ 、 エ ンジ ュ 、 ニ セ ア カ シ ヤ、 ヒ ヒ ラ ギ 等 使 所 、 塵 芥 場 等 の外 部 か ら 直 接 見 ゆ る を 防 ぐ た め に 植 栽 す る 場 合 は 、 常 に 實 用 と 装 飾 と を 同 時 に考 へね ば な ら な い 。 即 ち 見 に く いも の を 陰 蔽 す る と 共 に他 の 美 な る も の を し て 益 々美 な ら し め る 様 に す る の で あ る。 用 う る 樹 木 は 平 凡 な 形 や 色 調 のも の を 以 て し 、 張 く 調 子 を 出 し て 人 目 を 引 く 様 な も の を 避 け る 。 而 し て 枝 葉 密 に し て見 透 か し の き か な い常 緑 樹 が よ い の で 樹 種 と し て は 次 の 如 し シ ヒ 、 カ シ 、 ク ス 、 コ ー ヤ マ キ 、 ア ス ナ ロ 、 サ ハ ラ 、 ヒ マ ラ ヤ シ ー ダ ー 、 カ ナ メ モ チ 、 ヒ ヒ ラ ギ 、 コ ノ テ ガ シ バ、 チ ヤ 、 ヤ ツ デ 、 ア ヲ キ 、 ヒ ヒ ラ ギ ナ ン テ ン、 ド ウ ダ ン ツ ツ ジ 等 以 上 の 各 樹 種 の 代 表 木 に そ の名 稱 ( 和 名 ) 及 び 特 徴 を 記 せ る 札 を 幹 に 附 け 、 又 は 枝 に 懸 け て 置 く 。 札 の 大 さ は 三 寸 に 四 寸 位 の も の で 木 製 が よ く ペ ン キ を 塗 つ て 用 ひ る 。 揚 げ る 高 さ は 地 上 四 尺 位 と す る 。 體 育 施 設 個 人 遊 戯 場 個 人遊 戯場 は 各 種 の運動 器 具 を 設 置 し、 各 自 自 由 に 器 具 を使 用 せ し め 、 運 動 の機 會 を 與 へ る と 同 時 に創 造 的遊 戯 即 ち 兒童 のう ち に潜 め る才能 を 引 き出 す や うな 種 類 の 遊 び を 刺 戟す るも のでな け れば な ら な い の であ る 。 故 に 筋肉 の 發 達 に供 へ る と 云 ふ こ と と共 に次 のや う な 條 件 を 具 備 せ しめ る こと肝 要 で あ る 。 一 、 運 動 具 又は 遊戯 道 具 と し て本 質 的 價 値 が あ つ て 一 般 の兒童 がそ れ を 以 て喜 ぶ も の た る こと。 二 、 危険 率 の最 も 少 く デ ザ イ ンが よ く て 釣 合 が と れ 単 理 想 的 兒童遊園 の 設計と其 の 施設 一 五
324 純 に し で丈 夫 な る材 料 で 注意 深 く 作 られ てあ る こ と。 三、 耐 久 性 の も の で 少 し位 使 ひ過 ぎ て も 又天 候 の 如 何 にか ゝは ら す 容 易 に狂 ひ破 損 の生 じ な い こと、 こ れ は 又安 全 であ る と い ふ保 證 にも な る。 四、 錆 び 易 きも の又 繊 細 な るも のでな い こと。 五 、 一 人 で も 又 多 勢 で も遊 ぶ こと の出 來 る やう な も の 六 、色 々 と異 つた遊 戯 運動 に磨 用 し 得 る や う な も の 。 即 ち兒 童 の 想像 力 に張 く 訴 へてそ れ を 以 て遊 ん で ゐる う ち に絶 えす 新 し い使 ひ方が 兒 童 自 身 の考 へに より て 生 み 出 され る やう な 種 類 のも の。 而 し て運 動 具 は 使 ひ勝 手 よく 、 且 管 理 に便 な る やう に 配 置 し、 そ の数 は 場 所 に 應 じ て可 成 良 き も のの み を選 定 し 、雑 然 た ら しめ な いや う にす る こ と であ る。 設備 す る に當 り 少年 少 女 部 、 幼 兒部 、 及 び出 來 得 る な ら ば 嬰 兒 部 に分 つ ので 少年 少 女 部 は幼 兒 部 より廣 く す る。 次 に各 部 に施 設 せら る べき運 動 器 具 を 列 記す る 。 少 年 少 女 部 ブラ ン コ、 スベ リ ダイ 、 シー ソ ー、 固 定 圓 木 、動 躍臺 水 干階 梯 、 攀登 木 、 吊縄 、高 飛 、 土俵 等 幼 見 部 砂 遊⋮ 場、 徒 渉 池 、 ブラ ンコ、 ス ベリ ダ イ 、 腰掛 付 ブ ラ ン コ、 弾 力豪 等 嬰 兒部 砂 遊 場、 揺 籃 等 こ れ 等 の良 い遊戯 場を 形 づく る 要素 とな るも の、 一 つ 一 つ に就 いて述 べ る。 ブ ラ ン コ 兒 童 の最 も 愛好 す る も の で あ る。 鐵 製 のも の は 木 製 の も のよ り 耐 久的 で外観 も よ い 。 高 さ は 九 尺 、腰 掛 板 は 地 上 一 尺 、 板 の 巾は 四 寸 、 厚 さ 五分 、 長さ 一 尺 と す。 腰 掛 相 互 の間 隔 は 三 尺 と し て 一 個 所 に二 個 を 懸 垂 す る、 それ 以上 は 兎角 危 險 が 伴 ふ。 柱 は 地 下三 四 尺 と し コ ン ク リ ー ト に て 充 分 堅 固 にす る 。 幼 兒 用 のは 高 さ 七 尺、 板 の長 さは 九 寸 と なす 。 他 は 右 と大 體 同じ であ る。 ス ベリダ イ 一 段 一 段 と臺 の 上 に登 つ て行 く ま で の運 動 、墓 を 、起 り 下り る 興味 .兒童 等 の 得 意 さは思 ひ やら れ る。 ス ベリ毫 の床 は 地 上 七 尺 五 寸、 梯 子 の 長 さは 八 尺 五 寸 乃 至 九 尺、 雨 端 に輕 いパ イプ の手 摺 を 付 け る。 段 か ら 段 ま では 六寸 、 巾 一 尺 三 寸 と す。 斜 面 の 板 は 十 四 尺 、 巾 一 尺 二寸 、雨 側 は 安 全 を 期 す る た め 三 寸高 く す る。 造 園 學 雑 誌 一六
325 こ の板 は 一 枚 も の は 用 ひす 、必 ず 二枚 以上 合 せ て作 る 一 枚 板 は餘 り 滑 り 過 ぎ て危險 であ る。 梯 子 の 位置 は 斜 面 の 反樹 側 か 或 は横 につ け 李行 に し て は いけ な い。 雫行 にす る と申 途 か ら乗 り 移 つて滑 り他 入 の 邪魔 と な る0 シ ーソ ー シーソ ーの板 は眞直 な 板 目 のよ く通 つた も のを用 ひ、 下 の 臺 殊 に 地中 に 入 る部 分 には 腐 り を 防ぐ た め に塗 料 を 施 す 。板 の 長 さは 八 尺 、 巾 一 尺、 高 さは 二尺 五寸 と す 。 雨 端 の腰 掛 の前 に握 手 を 什け ると いゝ。 固 定圓 木 長 い丸 太 の上 で上 手 に調 子を とり 乍 ら落 し つ こ を や つ た り 、 叉端 か ら 端 へ と う ま く渡 る。 この 丸 太 は眞 直 な も ので 長 さ 二間 、直 径 八寸 、 雨 端 に こ れ を 支 へる高 さ 七寸 の臺を 置 く 。 地中 に入 る部 分 に は 勿 論 防 腐 剤 を 施 す 。 動 躍 臺 五體 全 部 を 活 動 さ せ る に 最 も よ い運動 器 具 であ る) 吊綱 綱 に ぶ ら 下 つ て揺 れ る 。 綱 は 桁 にし つ か り と結 ば れ、 下 に 八寸 毎 に こま 結び に結 ば れ 一 番 下は 小 さ い兒童 の た め に大 き く結 ん で置 く 。 綱 は 径 一 寸 、 長 さ 八 尺位 の も のを用 ひ る。 腰 掛 付 ブ ラ ンコ これは 腰掛 が向 ひ合 つ て 一 つ の臺 上 に付 け ら れ 、上 よ り 鐵 棒 に よ つて 支 へ られ て ゐる も の で、 大 き さ は 種 々 あ るが 四 人 乗 の が 最 も よ い 。 普 通 の ブ ラ ン コと共 に兒 童 に大 に喜ば れ る も の であ る。 揺 籃 嬰 兒 、 幼 兒 のた め の も の で、 前 後 にゆ ら り く と 揺れ る。 ブ ラ ン コ の 腰 掛 の代 り にヅ ツ ク或 は 籃 を細 か き鎖 に て吊 す の であ る 。 籃 の高 さ は 地 上 二尺 五 寸位 が よ く こ の 中 に仰 臥 せ し める ので あ る。 攀 登 木 木 に攀 ぢ登 る ことを 兒 童 は大變 好 む。 さ う し て高 い 所 か ら 四 邊 を眺 め る こ と は小 さ い人達 には非 常 な 喜び で あ る この木 は枯 木 の小 枝 を 除 き 、太 き枝 を よ き 形 に残 し て 皮 を剥 ぎ 、 根 部 を 地中 に埋 め る。 兒童 は よ く 猿 が 木を ゆ す ぶ る と同 じ や う な こと をす るか ら餘 程 し つか り せ ぬ とグ ラ ぐ にな つて了 ふの であ る 。 木 の高 さ は 九 尺位 、 目 通直 径 一 尺 内外 、 枝 下 の長 き も 理 想 的兒 童 遊園 の 設計と其 の 施設 一七
326 のは 梯 子を か け て登 攀 に便 な ら し め る 。 木 の下 は 半 徑 三 尺 に 線 を とり そ の中 に特 に 多 量 の砂を 入 れ る 。 土 俵 兒 童 は 下駄 も靴 も脱 ぎ 棄 て ゝ相撲 を や る 。 殊 に大角 力 の頃 は盛 に 取組 を や る の であ る。 土 俵は 直 径 六 七 尺 、周 園 は 俵 より ヅ ツ ク の 袋 に砂 を詰 め た も のを列 べた方 が よ い 。 弾 力 臺 幼 兒 に と つて 最 も 大 切な 器 具 に し て 、容 易 に運 動 し且 身 體 全 部 を 動 かし 得 る のみ な らす 大 變 に面白 い も の で あ る。 こ れは 薄 き彈 力 あ る 板 を数 枚 合 せ 、そ の雨 端 を 支 へ た も の であ る 。 砂 遊 び 場 砂 弄 り は 兒童 にと つて 不思 議 な 魅 力 を特 つ て ゐる。 砂 の 中 か ら は 山 が出 來 たり 、 川 が 流 れた り 、 時 に は 御 馳 走 が 飛び 出 し た り す る。 砂 遊 び場 の廣 さ は 一 定 し な いが 五 六 尺 平方 よ り 小 な る も の は 好 まし く な い 。 深 さ は 二 尺位 と し て これ に 砂 を 一 尺 五六 寸瀧 た す 。砂 は 僧 い 濱砂 。 権は 地 上 五六 寸 の 高 さ で三 寸 厚 に コ ン ク リー ト で作 る 木 材 は 長く 使 用 に 耐 えな い 。 底部 は 土 のま ゝと し て排 水 に便 な ら し め る。 コ ン クリ ート だ と排 水 不良 で砂 が 硬 く 固 っ て了 ふ。 これ に傾 斜 した 屋 根 を つけ る 。 か く すれ ば 汚物 の 浸 入 を防 ぎ砂 の 消 耗 を減 す るば か り でな く色 々と便 利 が あ る0 場 所 は 日 當 り よ く 周 園 に夏 季 の日 蔭を つく る べき 樹 木 を 植 ゑ る 。 日 蔭棚 を持 へ るも 一 法 で あ る0 砂 遊び 道 具 と し て ス プ ー ン 、 バ ケ ツ、 種 々の木片 等 を 備 へる 。 こ の道 具を 入 れ る箱 が 必要 であ る。 徒 渉池 都 會 の兒童 は 水 に恵 ま れ て ゐな い。 た ゞ僅 に 汚 い溝 を 掻 き 廻す 位 が や つと であ る。 か ゝる有 様 な る時 、遊 園 の 一 隅 に美 し い 水 の満 ちた 池 を 見出 し た 彼 等 は どん な に喜 ぶだ ら う か。 日 比谷 公 園 内 の兒 童 遊園 地 にあ る 徒 渉 池 へ 朝 の六 時 頃 か ら來 てボ チ ヤく やつ て ゐる者 も あ る のであ る 。 ﹃ これ や あ 良 い 庭 だ、 これ な ら 安 心 して 遊 ば せ る 、﹄ と 此 塵 へ 來 る親 達 の誰 も が叫 ぶ言葉 で あ る 夏 の盛り に 兒童 に 最 も 大 き い喜 び を 與 へ る も の は徒 渉 造 園 學 雑 誌 一八
327 池 の 他 には な いの であ る。 徒 渉 池 の大 さ 及 形 状 は 勿論 地 形 によ つ て 左右 せ ら れ る が 普 通 縦 二十 尺横 十 五尺 を 以 て 可と す る。 深 さは 周 邊 で五 寸 、 次 第 に深 く し て中 央 で二 尺 とす る そ れ 以 上 深 く す る 必 要 な く 却 つて危 險 で あ る 。 排 水 口 は 底 部 に設け る0 池 の周 園 の陸 は 六 尺 巾 とし 外 方 に傾 斜. を つけ て 水 排 ,けを よく し、 そ の 外 側 に排 水 溝 を つけ る 。 こ ゝは コ ンク リ ート 塊 を敷 き 滑 ら ぬ やう にす る 。 脱 衣箱 及 び 保 護 者 の腰掛 、 シ ヤ ワー、 水 呑 臺 を 設 け る 倫 池 の中 心 又は 周 園 の何 庭 か に壁 泉或 は 噴 泉 を置 き そ の 水 を絶 えす 池 に注 が しめ る。 こ の 池 に遊 ぶ者 の心 得 と し て左 の如 き掲 示を す る 。 一 、 は だ か で入 つ ては いけ ま せん 。 一 、 池 の中 で菓 子を 食 つ て は いけ ま せ ん 。 一 、池 の 中 や 周 園 で 硝 子 の玩 具 を持 つ て は い け ま せん 一 、仲 よく 翻 か に遊 び ま せう0 徒 渉 池 の 位 置 は砂 場 そ の他 に近接 せし めす 且 安全 で清 潔 な と ころ でな く て はな らな い 。 周園 は 厚 い 植 込 みを 施 す 。 出 入 口 は ニ ケ所 位。 砂 遊 び場 と 一 所 に設け ると 池 中 に砂 を 蓮 搬 す るか ら 水 が直 ち に 濁 り、 又砂 遊 び 場 にも 水 が 入 り 過 ぎ て砂 が 固 ま つ て了 ふ。 硬 く な つた 砂 を 砕 く のは容 易 な こ と ではな い 。 團 體 遊 戯 場 團 體 遊 戯 場 は ボ ー ル、 ゲ イ ム、鬼 ご つ こ 、 軍 艦 遊 戯 等 を なす 。 而 し てそ の運 動 と共 に 兒 童 の肚 交 場 た らし め る の で あ る。 こ の團體 遊 戯 の兒童 精 神 上 に及 ぼ す 利 釜 を あ ぐ れ ば 一 、 敏 活 にも の を 庭 置 す る こと が 出 來 る や う にな り 決 断 力 に富ん で來 る。 一 、 正 直 で な く では な ら ぬ故 、自 然 に兒童 を 正 直 な ら し め る。 一 、 自 治 的 とな り 忠實 に事 を は こ ぶや う にな る。 一 、 大謄 にな り且 手 腕 家 と な る。 一 、自 らを 恃 む 風 を養 ひ 卑 怯 を 去 る。 こ ゝ に施 設す るも のは ダ ツ デ ・ボ ー ル、プ レ ーグ ラ ウ ンド ・ ボ ー ル 、バ レー・ ボ ー ル 、 デ ツ ド ・ ボ ー ル 、バ スケ ツ ト・ ボ ール 、 スボ ンヂ ・ボ ー ル、テ ニス、 ク リ ケ ツ ド 縄 ( 縄 飛 用 ) 、 豆 袋 等 であ る。 圃膿 遊 戯 場 、 側 人 遊戯 場 を 通 じ て 次 の如 き掲 示を 要 所 に置 く。 ﹁ 皆 さん で これ を 守 り ま せう ﹂ 理 想 的兒 童遊園 の 設計 と 其 の 施設 一 九
328 仲 よく 遊 び ま せう 言 葉 を 町嚀 に使 ひま せ う 器 械 は 大 切 にし ま せ う 垣根 に 登 らな いやう にし ま せう 此 盧 は 皆 さん の遊 び 場 で す か ら紙 屑 、果 物 の 皮 、辮 當 の包 み等 を 散 ら か さな いで き れ いにし ま せう 樹 木や 花を 可愛 が り ま せう 室 内 遊 戯 場 こ れ は 主 と し て 兒童 の 社 交 場即 ち 主 と し て兒 童 の集 合 す る場 所 に使 用 さ れ る も の で 、 此庭 で 兒童 の 徳 育 、智 育 が 授け られ る 。 又 夏 冬 や雨 風 の 日 な ど の 戸外 の運動 に 適 しな い日 には 此 塵 で 喜戯 せ し め るも の で あ る。 而 し て 冬 あ ま り 寒 い日 には 暖 房 装 置 を 施 す 。 室 の 一 隅 にテ ー ブ ル と椅 子 と を据 へ 課 外 讀 本 や 少年 少 女 難 誌 を列 べて 小 さ な圖 書 館 を作 る。 又 簡 單 な 運動 具 及 遊び 道 具 を 備 へ る。 な ほ便 所、 手 洗 所 を 設 け る。 遊戯 場 の大 さは 八十 坪 乃 至 百坪位 で 百人 内外 を收 容 せ し め る。 位 置 は 可成 遊 園 入 口 に近く 設 け 裏か 表 が 道端 に 面 す る方 が何 か と便 宜 で あ る。 建 物 の構 造 は簡 軍 に し て外 部 は 悪 童 に悪 戯 せ られ ざ る や うな 色 を 塗 る 。 床 は特 に考 慮 を 要 す る も の で廣 く 安 全 で清 潔 でな く て はな らな い 。 風通 し よく 濕 氣 な き も の た るを要 す る。 板 は 二 重 張り と し釘 頭 を 出 さ ぬ 様 注 意す る。 次 に 大 切 な のは種 々の器 具 を 仕 舞 ひ置 くた め の戸 棚 や 箱 や 引 出 し の 用 意 であ る 。 これ は 兒童 に 整 頓 の 習慣 を養 は し める た め に重要 な も ので あ る 。 一 言 す べき は 設備 され る椅 子は 整 形 學 上 の標 準 に合 つ た も ので身 體 の 發 達 に適 した も の であ る こ と 。 而 して實 用 的耐 久 的 な る を要 す る 。 出 來 得 れ ば 蓄音 器 を 具 へ て 兒童 を 樂 し ま せ る。 教 化 施 設 花 壇 これ は普 通 に云 ふ と こ ろ の 花 壇 で な く 、動 物 の 飼 育 と 共 に兒 童 の 自 然 教 育 の 一 助 と し て 作 ら る ゝも の で 。植 物 に 注意 せ しむ る こと は 同時 に 他 の 生 物 を観 察 す る の 欲 望 及機 會 を 與 ふ るも の であ る。 何 とな れ ば 植 物 あ る所 には 自 ら 蝶 や蜂 や 小 鳥 等 が 集 つて來 る か ら で あ る。 花壇 を 設 置す る 場 所 は建 物 の周 園 、 遊 園 の緑 或 は 個 人 遊 戯 場 と團體 遊戯 場 と の境 に帯 状 に 造 る。 日 光 と風 通 し 造 園 學 雑 誌 二 〇
329 と排 水 良 き を 要す る 。 面積 は 幾 ら でも よ い 。 花壇 の縁 は 丸 太や 楝 瓦 よ り も 花 、龍 ノ鬚 、草 ツ ゲ 等 で つけ る 方 が よ い 。 芝 は 冬 季 枯 れ る が 土 止 と し て何 ら 差 支 へ が な い の であ る 。 培養 す る 植 物は 別 段 珍 ら し い種類 と か勝 れ て麗 し い 花 の咲 く も のとか 八 重咲 若 しく は 何 輪 嘆 き と か 云 ふ華 かな 草 花 であ る と かは 要 しな い の で、 成 長速 か にし て開 花早 く 且 そ の 開 花 期 長 き極 め て 普 通 な る栽 培 し易 き も ので よ い ので あ る 。 例 へ ば 、 長命菊 、 撫 子、菊 、 董 、朝 顔 等 であ る 。 これ ら に 一 つ く 札 を つけ、 そ の孕 稱 、特 徴 、用 途 等 を 簡 單 に記 す。 名 稱 は 一 般 的 の も のを 記 し 學 名 等 は避 け る。 動 物 の 飼 育 所 謂 動 物 園 と し て學 術 的 の 立 場 よ り飼 育 す る のでは な く 、 一 つは 自 然 的 氣 分 を 作 る た め、 一 つ はそれ ら の動物 の形 態 又 は 自 然 の動作 を觀 賞 娯樂 の 對象 と し且 つ動 物愛 護 の精 神 を 養 は し めん が た め で あ る。 檻 の 位置 は 園 の周 圍 が よ い 。 鳥 の或 も のは 籠 に 入 れ て 木 の枝 に吊 す のも 面白 い 。 勿 論 そ の 鳥 獸 には 名 稱 、簡 單 な る 習性 及産 地を 記 せ る札 を 掲 げ る ので あ る。 動 物 の種類 は 大 體 次 の如 し 。 獸 類 サ ル 、 ウ サ ギ 、 モ ル モ ツ ト 、 タ ヌ キ 、 ク マ 、 ヒ ツ ジ 、 ヤ ギ 、 ロバ 、 コ ー モ リ 等 鳥 類 ア ウ ム、 カ ラ ス 、 ヤ マ ガ ラ 、 メ ジ ロ、 ハト 、 ク ジ ヤ ク ミ ソ サ ザ ヒ、 キ ツ ツ キ 、 セ キ レ イ 、 シ ジ ユウ ガ ラ 、 ゴ ジ ユ ウ カ ラ 、 カ モ 、 ア ヒ ル 、 オ シ ド リ 等 又 小 さ な 池 を 作 つ て キ ンギ ヨ 、 フ ナ、 メ ダ カ 、 カ メ 等 を 飼 ふ 。 衛 生 施 設 水 飲 臺 實 用 本 位 に 作 ら る ゝも の に して 水 栓 は 地 上 二 尺 五 寸位 が良 く 、剰 餘 水は 直 ち に流 去 す る やう にす る。 周 圍 は タ 、 キ或 は 石敷 と し排 水 を よく す る。 皇 の構 造 は 石 材 又 は コ ンク リ ート を 以 て し 、後者 の仕 上は 洗 出 し が美 しい。 一 個 の水 栓 に 二三 個 の 鐵 製 の水飲 を つけ る 。 これ は鎖 を つけ ねば な らな い 。 設 置 す る 場 所 は遊 戯 場 及 徒 渉 池 に各 一 個宛 、徒 渉池 に 於 ては 剰 餘 水は 流 失 せし め す し て 水栓 下 一 尺 の所 に穴 を 穿 ち て水を 溜 め洗 浄用 に供 す る。此 の如く しな いと 池 の 理 想的児童遊園 の 設計と 其 の 施 設 二 一
330 中 で洗 濯 し て 水を 汚し て 了 ふ のであ る。 手 洗 所 手洗 所 と 云 つて も 手 のみ に限 らす 洗 面 にも 兼 ね 使 用 せ し め る 。 兒 童 は遊 園 で愉 快 に遊 ん で 歸 り が け に此處 で手 や 顔 を 洗 ふ ので あ る。 流 し の 高 さ は二 尺 位、 深 さ三 寸 位 と し そ こに 數 個 の 洗 面 器 を 備 へ る 。構 造 は コ ンク リ ート、 地 面 の排 水 を よく す る 。 足 洗 所 手洗 所 と 共 に設 け られ るも の にし て流 し は コ ンク リ ー ト造 り と し、 そ の雨 側 に腰 掛 を つけ て腰 を 下 し て洗 ふ こ と の 出來 る やう にす る。 水 は流 し の 一 端 よ り噴 出 せし め 他 の 一 端 から 流 れ 出 る や う にす る。 深 さ四 寸 乃 至 五 寸位 周 圍 は勿 論 排 水装 置 を 充分 に す る。 位 置 は 前者 と共 に 出 口 に近 く設 け る。 シ ヤ ワ ー 徒 渉池 に 附 属し て 作 らる ゝ も の で 水遊 び後 に身 體 を 清 水 で洗 ふ装 置 であ る 。高 さは 地 上五 尺 、 数 は五 六 個 位 で よ く 、 地面 は 排 水 と共 に滑 らぬ やう 小砂 利 の洗 出 し 等 が よ い 。 捻 り は 二 尺 五 寸位 の所 に付 け る。 便 所 便 所 は 水洗 式 で淨 化 装 置 とす る。 これ は 汚 物 が直 ち に 流 去 せ ら れ從 っ て 臭 氣 なく 蝿な ど の發 生 を 見 な い 。 鐵 筋 コ ン ク リ ート造 りと し 男 子用 女 子屑 と 區 劃 し 一 時 に各 々五 名宛 の使 用 に供 し 得 られ る や う にす る 。 位 置 は 便 利 のよ い所 でな け れ ば な らな い 。 兒 童 は 催 し て も遊 び に ま ぎ れ て 愈 々とな つ てか ら駈 け 出 す も の で あ る 。 尚 徒渉 池 に 近く 海 水 着 の ま ゝ で行 き 得 る 處 な れ ば 一 層 よ い 。 徒 渉 池 に近 く 便 所 が 無 いと 植 込 の中 や 甚 だ し き は 水中 で して 了 ふも のが ゐ て實 に 不潔 であ る。
休
憩
施
設
腰 掛 は 監 督 者、 附 添 人 及び 兒童 の休 憩 す るた め に 置 か れ る 。 これ は鋳 鐵 製 の足 に 板 張 り のも の が よ い 。 而 し て 腰 掛 は 露 天 の もと に置 か れ るも の であ るか ら 四圍 の状況 に よく 調 和 し装 飾 的 な る 形 状 を有 す る と共 に 幾 分 堅 牢 な る を 要 す る。 大 人 用 と 小 人場 と 二種 類 と し前 者 .は 高 さ 一 尺 四 寸、 奥 行 一 尺 五 寸、 後 者 は 高 さ 一 尺 、奥 行 一 尺 一 寸 と す る 。 日蔭 棚 の下 にも 適當 に腰掛 を 置 き 又 簡 單 な 食 卓 を 作 つ て食 事 に 便な ら し め る。 こ の場 合 日蔭 棚 の 柱 を 中 心 に圓 造 園 學 雜 誌 二 二331 形 又 は 方 形 に つく り、 前 者 の場 合 は 直 径六 七 尺 あ れ ば 七 八 人 の用 に供 せ ら れ 、後 者 の場 合 に は 三 尺 五寸 乃 至 四 尺 四方 と す れ ば 八 人 位食 事 が出 來 る。 棚 の 下以 外 に設 け る 時 は長 方 形 を よ し と す る。 これ は 巾 三 尺 で 一 人 當 り 一 尺 五 寸 とれ ば よ いの で あ る。 日 蔭棚 は 丸材 又 は 角材 で作 つた 簡 單な も ので纏 繞 性 植 物 を搦 ま せる。 其 他 の 設 備 遊 園 管 理 所 監 管者 、園 丁 そ の他 の詰 所 で あり 遊 園 事 務 を も と る。 携 帯 品 預 り 所 兒童 の携帯 品 、 衣 服等 を 保管 す る 所 で簡 單な 小 屋 で番 人 を 付 け る。 これ は管 理 所 を象 用 す る こと も出 來 る。 料 金 は 別 にと ら ず。 塵 芥 籠 園 内 の適 當 な 所 に置 き 塵 を 棄 て さ せ るり 板 又 は竹 製 と す る。 時 計 正確 な る 時計 を見 易 き 所 に かけ 兒 童 に時 間 の觀 念 を 輿 へ る。 落 し 物 、 忘 れ 物 掲 示 板 小 黒 板 を 揚 げ 品 名 、 月 日を 記 す。 目 に つき 易 き 所 に 設 け る。 以上述 べ 來 つた 所を 適 當 に 整 頓 し て實 質 に富 み た る 安 全 な 兒童 遊園 を造 る べ き であ る。 か ゝる 理想 的 な 兒 童 遊 園 が 澤 山 に出現 し て注 意 深 い 指 導 者 のも と に充 分 な る日 光 を浴 び 乍 ら 目由 に愉 快 に兒童 が 日 々を途 る こと が 出 來 た な ら ば 兒童 の幸 福 は 如 何 ば か り であ ら う か。 かく して こ ゝに 凡ゆ る 意 味 に於 て健 全 な る第 二 の市 民 が 生れ る のであ る。 杉 本 支 太 郎 著 茶 室 の 構 造 法 と茶 庭圖 解 神 田區 錦町 三 丁目 建築書院發行 菊 版二二〇頁 定價 金五 圓也 理 想 的兒童遊園 の 設計と其 の 施設 二 三