第 12號
58!高温加工後のオーステナイト結晶粒成長について
(第3報)高速度鋼についで
武 田 信 男蘇
Nobuo Takeda:Austenite Grain−Growth After Hot Wofking(3rd Report)0ロ
High Speed Steels. Hlgh speed steel specimens were worked by torsioR at the temperature of j OOO∼1200。, a且d austenite grain−growth was observed w三th microscope. Austenite grain−bo斌丑daries were revealed by keeping the specimens at 800。 for 10 minutes, the temperature bring1皿g the箕ose iR S curve. The outl韮nes of the experi斑ellts are as foUows: d)Theτelation between the degree of deforma亡ion, gral且size and the worklng temperature was measured。 (2)The progress of recrystallization or graiR−growth with the Iapse of time after bot working was observed. (3)The relatlon between the degree of deformation and the lapse of time be£ore recrystallizing was fo繊d oot. (4)It was observed that the successive alternating working diminished the capacity of recrysta− 11izati◎n. (5、CoarRe austenite grains were魚capable of belng recovered by the heat tfeatment. ぐReceived August 25,1951) 亙。緒 言 著者は既に数種類の炭素鋼及び構造用特殊鋼について高 温加工後のオーステナイト粒度に蘭する賓験を行い,再結 晶圖,高温加工後再結晶開始に要する時間,繰返加工による オーステナイト粒度の愛化及び粗大化オーステナイト粒の 熱庭理による恢復等についての結果を報告した(D②.本報 は引績き行った高速度鋼についてのものである.高速度鋼 は鍛錬温度においてオーステナイトに固溶する元素の量多 く,かつ炭化物を混えている馳で趣を異にするので實鹸を 試みたのであるが,結果は本質的には前報告のものと著し く相違するものではなかった.しかしこの場合は粗大化オ ーステナイト粒は後の熱庭理によって恢復が至:く不可能で 致命的な結果を招くので,粒成長の程度を明かにしておく ことは,高速度鋼鍛錬の竃際作業上に費するところあるも のと思われる.なお高速変鋼についての斯様な實瞼結果は これ迄全く.獲表されていないようである。 IL 試料及び實験方法 試料の主要成分の分析結堆をTable 1に示す. Table正CompositiQn of Specimens.M・・判・%
HS 2 HS 3 HS 51w%
18:§引}暮:雲婁 }。・34}22・331・・%i・%i・・%
4.46 4.22 1.Q8 0.41 0.44 0.933,18 ig.60 ** 喧k大墨工墨部精密工墨教室 *2951年4月本會東京大會に疲表 (1)著者,本誌,B−14(1950),No.12。 ぐ2)著者, 本誌, B−15c!951.),10L 賓験装置及び方法は前回の場合と略ζ同檬であって,直 煙8mm2中央:∠肖テ部の長さ13mmの試瞼片を1000∼ 1200qで衝撃的に擾りその後のオーステナイト粒:成長を測 定した.オーステナイト粒境界は1200。以下の温度から箪
582 研 究 B一号15巻 に急冷したのでは現れ難いので次の方法をとった。すなわ ち高速度鋼のS曲線を見るとnoseが800.附近にある(3) ので,加工後の試験片を冷却の途中で8000に!0分保持す るのである.これにより極めて明瞭なオーステナイト粒境 界を現出し得た.腐蝕液はHNO35%,HCI 10%のアルコ ール溶液を使用した.
III.賓瞼結果及び考察
加工度,結晶粒度及び加工温度聞の關係をFig.1∼3に 示す.いずれも加工温度に保持した時間は加工前5分,加 工後15分,また加工速度は加工直前のはずみ車回樽速度 1000r・p. m.である.これを見ると前報告(1)のものに比 し再結晶を起さない低加工薗部の範園が難く,粒の粗大化 も.霞
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鋸膨〃e酬〃耀。〃〃〃グ% Fu11 Lines:γ8, Dotted Lines:γZ Fig・IRelation betweenγ,8(or Z)and Working Temperature. o 〃 タ〃 グ〃 が8 〃 〃 卯鯉〃’〃∫伽羅〃♂% R∬IUne:γ∼Zl Dotted Line;7∼& Fig.2Relatio夏between 7,8(or Z)and Working Temperature. 昏ミ 画餅魅
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O 0 鋼吻8〃:〃55山門’確1初Pβ物物解{號:霧
。 口 。 口 8 ア〃 β8 3〃 卯8鰐〃ヂ〃θ’〃㎜伽π% Fig.3Relation between rγ, S(orβ) and Working Tempeτature..議覇
Work. Temp.℃ Deg, of Deform.% (a.) 1100 0 (b) 〃 9.5 (c) 〃 20 (d) ” 30 Photo.1Microstructure of Recrystallized Austenite. Specimen:HS 3 (3)大和久7本誌,8(1944),245. する限界加工度が1100。で10%附近になっている.また第 12號
高温加工後の如露ステナイト結晶粒成長について(第3報)高速度鋼について 583 曲線の形は同様であるが粒の大きさは著しぐ小さい.Fig. 1(加工度40%以下)及びFig.2(加工度40%以上) に破線で示したものは加工度γとlmm2内の粒:籔Z(粒 李均翻面積8の二二)との蘭係であるが,これが直線約で あることから,γ一8曲線が双曲線となることが明かであ る.7−Z直線の傾斜は加工温度の高いもの程小になって いる・なおFig・2より加工によって結晶粒が素材粒子の 大きさよりも微細化されるためには,この場合100%以 上の加工度が必要であることが判る.恥oto.1に顯微鏡 組織の例を示した. :Fig.4は加工後時聞経過と共に再結晶及び粒成長の進む 過祉を求めたものであるが,前報告(2)のものと同様の経過 をとっている.加工前の加工温度保持時聞は5分である.藁
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:Fig.4Recrystallizat三〇n and Grain Growth with Lapse of Time after Hot Working. 諮r鍵
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下に來ている・(bは固溶元素量の増加及び炭化物存在の 影響であると思われる・(2,に屯しては次のように考えら れる,すなわちこXに再結晶の遅速を左右すると思わ拠る 下記(a),(b),(c)の因子に例して (a,固溶元素量 Coはその殆ど全量がオーステナイト に固溶するものである故,試料HS 5の方がHS 3より固 二元素量が多い.しかしそれが二者の曲線の差異に及ぼす 影響は次の鮎より考えて極めて僅少であらう.すなわち下 聞加工後の再結晶温度は固溶質素量の増加と共に高くなる が,その影響は次第に緩慢となることが知られている(軌 これを今の場合に韓了すれば,高温加工後の再結晶開始の 速さは固溶元素量の増加と共に遅れるが,その影響は次第 に緩慢となると考えて差支えないであらう.ところで高速 度鋼はいずれも多量の固溶元素を含んでいるから幾分の固 溶元素量の増減があったにしても再結晶の速さには殆ど影 響しないものと思われる. (b)素材結晶粒の大きさ 素材結晶粒の大きさが小さい程冷聞加工後の再結晶速度 が増加する(5)ことは知られた事實であり,これは高温加工 に回しても同様と思われる.試料HS 3とHS 5とでは Flg.1及びFig.3より判るよ弓に前者の方が素踊結晶粒 が小であり,從って再結晶速度は速いであら引1200。の 曲線でHS 3がHS 5の下に來るのは主としてこれによる ものと考えられる.なお1100’,10000の曲線に麹しては 主として次項が開係する. Cの炭化物の大さ,凱歌,分布 半弓氏(6)の二相合金の再結晶温度に鵬する研究によれば 地質内の第二相結晶の形状,分布等の影響は次の通りであ る.すなわち粗大な角ばった第二相が不均一に分布してい るものは再結晶温度が著しく降下し,微細な粒状の第二祖 ユし ヌ ら ノ 3 34’ク’醜耀 冴紹虞 ’翻 乙,ン 「・卿 瀞 8勧下押、 一一→η禽8〃,舷ρ御メ峨セρ1〃ノ}、1潔 Fig.5Relation between Time of R㏄rystal】izat黛011 (Lapse of Time U且til Recrysta】1ization Occures) and Degree of Deformation) ’再ケ解ムニ/∬5\枝ここ傷
L一一」」____L Fig.5は試料HS 3及びHS 5について加こ[度と再結晶 :開始迄の経過時聞との開係を求めたものである・これを見 ると,(b前報告のものに比べて再結晶瀾始は著しく流れ ている,(2)試料HS 3はHS 5よりも温度による曲線の 開きが大きく,かつ1200’の曲線はHS 3の方がHS 5の が均一に分布しているものは再結晶温度が著 しく上昇する.今11000について試料HS 3と HS 5との顯微鏡組織を比較すればPl塾oto.2 のように前者は散在する比較約大きな炭化物 もあるが,地質一面に極めて微細な炭化物が 一様に分布していることが著しい特徴であ り,これは再結晶を遅らす原因となる一一方 後者は少数の稽ζ大きな炭化物が現れている のみであるから再結晶は前者よりもかなり速 くなるのが當然であら5.1100。についての 實験曲線の差異ほ主としてこれによって起る ものと考える,1000。の曲線に封しても二二 である.次に1200。における三門鏡阻織を較 べると試料HS 3の微細な炭化物はオーステ ナイト中に固溶してしまい試料HS 5との聞 にあまり差が認められない.したがってこの場合は炭化物 (4⊃Zickrlck, Trans, A.1. M E Meta1s, D}v. d 933), 152. (5.) 萸馬2 本誌, 9(!945),10. (6) 7圧弓, 本誌, 7(1943),7584 研 窄 B一第15巻 ヂ_、 茎w ノへ.、二 宏・譜メ藷. (a) (b) (c) (d) Photo.2 慧 認.雛,遅. 弓s3 弓s5