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中国の開発政策と日中円借款の変化 : インフラを中心に

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(1)中国の開発政策と日中円借款の変化 ──インフラを中心に── 王 萍. 一.はじめに. 析する.最後に,中国の開発政策に合わせて, 日本側はどういうふうに援助を決定したかを分. 日本 の 中国 に 対 す る 経済協力 は,1979 年. 析し,中国政府の開発政策と円借款の有効性と. に開始され,北京オリンピックが開催された. 問題を指摘することにしたい.. 2008 年に,経済協力の大半を占める円借款の 供与が終了した.本論文では,29 年間に及ぶ. 二.中国の開発政策. 円借款が,それぞれの時期の日本政府および中. 中国 の 経済発展 は,1978 年 の 中国共産党第. 国政府の政策と,どのような関わりをもって供. 11 回 3 中全会 を 分岐点 と し て,社会主義時代. 与されたかを検証するものである.29 年間の. と改革開放時代に大きく分けることができる.. 間に,中国の経済水準は大きく変化し,経済政. 中国の開発政策においても,改革開放の開始に. 策の内容も大きく変化している.また,日本側. よって 大 き な 変化 が 生 じ た.改革開放以前 の. も,自国の政治と援助を取り巻く国際世論の状. 30 年間は,計画経済システムの下で地域均衡. 況に応じて,政策を変化させている.本論文は,. という公平性を重視した開発政策が実施された. 両国の政策変化が,円借款の供与にどのような. が,1980 年代から 1990 年代のはじめに,開発. 影響をもたらしたのかを検討するものである.. 政策は効率性を重視する方向へ大きく変化し,. 円借款プロジェクトのセクター配分,地理的. 経済発展の条件に恵まれた東部沿海地域の優先. 配分および量的変化を分析した結果,円借款の. 発展を追求する地域傾斜政策が行われた.その. 供与には,両国政府の政策的影響が強く表れて. 結果,東部沿海地域の経済は急速な発展を遂げ,. いることがわかった.中国の経済成長にとも. 中国の経済成長の牽引力となった.しかし,中. なって変化している開発政策が,円借款のセク. 国の国内では深刻な格差が生じ,環境問題も悪. ター配分・地理的配分に強く影響していること. 化しつつある.それを背景に,中国政府は再び. が確認された.日本政府の政策は,多くの時期. 地域均衡発展と格差の減少へと転換した.. において中国の開発政策を容認するものであっ. ここでは,中国各時期の開発政策を振り返り,. たが,いくつかの点において,その独自の考え. 日本の対中円借款の開始以後の変化を概観して. が,中国の意向とは異なって,反映されている. いきたい.. 時期があることを検証する. その方法として,まず,中国政府の各五年計. 1.1970 年までの内陸重視の地域均衡政策. 画においての開発政策,特にインフラの整備計. 中国 の 産業構造 は 1949 年 の 中華人民共和国. 画について分析する.次に日本の対中円借款の. 成立時にはきわめて偏ったものであった.この. 概況,円借款の地理的配分とセクター配分を分. 時期に重工業優先の産業政策が行われ,資源の.

(2) 152 (860). 横浜国際社会科学研究 第 15 巻第 6 号(2011 年 2 月). 賦存が豊富である内陸部への工業立地はコスト. トルネックとなっているエネルギー産業と交. 低下に繋がること,アメリカに対する戦争準備. 通・運輸の発展は特に重視され,多くの電力・. 状態が続き,国防上の観点から,内陸部への工. 交通インフラ整備プロジェクトが計画・実施さ. 業施設の移転には戦略的意義あると考えられた. れた.. ことから,内陸部の重点開発と均衡のとれた地. 電力セクターについて,中国の電力生産に利. 域開発を目指すことが政府の開発政策の基準と. 用されている 1 次エネルギーの 7 割以上は石炭. なった.. であるので,この時期に,内陸の山西,内モン. 第 1 次 5 ヵ年計画(1953─1957 年)か ら 第 5. ゴルなど主な石炭生産地を中心に,火力発電所. 次 5 ヵ年計画期(1976─1980 年)ま で,高度中. の建設が行われた.また,豊富な水力資源を有. 央集権の計画システムの下で,傾斜的に内陸部. する中西部(黄河上流,長江中上流,紅水河流. へ資金を投入し,またそれと同時に先進地域で. 域)においては,大型水力発電所建設が推進さ. ある沿海部から大規模な産業移転を実施した.. れた. 交通セクターについて,東部沿海地域優先の. 2.1980 年代からの沿海開発政策. 地域開発政策の実施によって,内陸地域と沿海. 2―1.第 6 次 5 ヵ年計画(1981―1985 年). 地域間石炭輸送システムの整備の重要性が増大. 1981 年に始動した第 6 次 5 ヵ年計画(1981─. した.この時期において,交通インフラの整備. 1985 年)において, 「東部沿海地域の経済発展. は,石炭輸送の主役である鉄道および港湾の建. を加速させる.この地域における労働力,加工. 設を中心に計画・実施された.特に,山西省の. 技術,対外輸送条件,優遇政策を生かして,対. 石炭を省外(東部沿海および東北重工業基地). 外貿易 を 拡大 す る.内陸地域 の エ ネ ル ギー開. へ輸送するために,山西省と関連省の間に複数. 発・原材料工業の発展・交通整備を推進し,沿. の鉄道線(北線,中線,南戦)が重点的に建設. 海地域の経済発展を支援する. 」と定められて. された.また,石炭輸送および対外貿易のニー. いる.具体的には,1980 年広東省の深圳,珠海,. ズ を 満 た す た め に,大連・秦皇島・天津・青. 汕頭と福建省の厦門における「経済特区」の設. 島・石臼所・上海など 15 の港において 132 ヵ. 置が決められた.さらに,1984 年には,大連,. 所の大深水バースの整備が行われた2).. 秦皇島,天津,煙台,青島,連曇港,南通,上海,. この時期に,市民生活および主要都市の投資. 寧波,温州,福州,広州,堪江,北海 の 14 の. 環境を改善するために,道路・空港・通信イン. 東部沿海都市が国務院から「沿海開放都市」に. フラの整備も重視され始めた.ほかに,水利イ. 指定 さ れ た.ま た,1985 年,国務院 は 珠江 デ. ンフラについては,黄河,淮河,長江,海河な. ルタ,長江デルタと閩南デルタの 3 地域を「沿. ど大江・大河の洪水災害を有効に防ぐために,. 海経済開放区」として指定した1).. 関連水利施設の増強が計画された.また,首都. 一方,産業発展政策については,従来の重工. 北京・天津を中心とする北部地域の工業用水不. 業優先政策が大きく修正され, 農業, エネルギー. 足問題を緩和するために,潘家口水庫の建設,. 産業と交通運輸業,および教育と科学技術など 「基礎産業」が戦略重点分野とされている.そ. 「引滦入津」などプロジェクトが実施された. 2―2.第 7 次 5 ヵ年計画(1986―1990 年). のうち,投資配分上では,経済・社会発展のボ. 第 7 次 5 ヵ年計画(1986─1990 年)は,開発政. . . 1)国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委 員会(編)「中華人民共和国国民経済和社会発展第 六個五年計画(1981─1985)」. 2)関山健『日中 の 経済関係 は こ う 変 わった─ 対中円借款 30 年の軌跡─』高文研 2003 年 pp. 90 ─94.

(3) 中国の開発政策と日中円借款の変化(王). (861) 153. 策としてはじめて全国を「東部沿海地帯」 , 「中. る深刻なインフレ,改革開放路線をめぐる政治. 部地帯」 「西部地帯」という 3 地域に区分し,地. 対立,お よ び 対外開放 に よ る 民主意識 の 高 ま. 域経済を発展させるために,3 地域間の関係を. り を 背景 に,1989 年 に「天安門事件」が 起 き. 正しく処理し,各地域の特長を生かし,さらに. た.その影響で,事件直後に策定された第 8 次. 地域の経済連携を促進する必要があると提起し. 5 ヵ年(1991~1995 年)計画 に お い て は,比. た.. 較的低い年平均成長率目標(6%)が設定され,. 具体的には, 「東部沿海地帯」は沿海部の 11. 1980 年代から推進された輸出志向型経済戦略. 省市自治区, 「西部地帯」は 西部 の 9 省自治区. や 東部優先 の 地域開発政策 は 強調 さ れ な かっ. からなり,他の省自治区は「中部地帯」となる. た.. としたうえ, 「東部沿海地帯の発展速度を加速. し か し,1992 年鄧小平氏 の「南巡講話」に. し,エネルギー,素材産業の建設の重点を中部. よって,さらなる改革開放の重要性が内外から. 地帯におき,西部地帯には開発のための準備を. 広く支持された.これをきっかけに,同年 10. 進めていく」という政策を明確に打ち出してお. 月 の 第 14 回党大会 で は「社会主義市場経済」. り,さらに「東部沿海地帯」は経済特区,開放. という概念が採択され,翌年の 1993 年 11 月に. 都市及び経済開放区の発展を促進し,海外から. 開催された党大会において「社会主義市場経済. 新しい技術や情報を導入し,それを全国に波及. 体制」への移行が正式に決定された.また,引. する効果を果たすこととされたのである.この. き続いて改革・開放を推進していく姿勢を国際. ような開発政策の下で,この時期のインフラ整. 社会に強くアピールするために,中央政府は,. 備は,電力・交通・通信セクターを中心に,さ. 「上海浦東新区」の開発を国家プロジェクトに. らに推進された3).. 格上げして実施した.さらに,改革・開放の加. 電力セクターについては,主要石炭生産地お. 速と地方分権の進展に伴って,内陸にある多く. よび沿海地域・電力消費中心都市において多数. の長江沿岸都市や辺境都市も開放都市に指定さ. の 火力発電所 が 実施 さ れ た と 同時 に,黄河上. れた4).. 流,長江中上流,紅水河流域における大型水力. 改革・開放の大きな前進と空前の投資ブーム. 発電プロジェクト,および東北・華北地域にお. に伴い,この時期の電力・交通・通信セクター. ける若干の中型水力発電プロジェクトが推進さ. のインフラ整備は大規模に行われた.電力セク. れた.交通セクターについては,主に三大需要. ターに つ い て は,水力発電 と 火力発電 が と も. (石炭輸送 の 需要,対外開放 の 需要,旅客輸送. に推進され,水力発電が特に重視された.1993. の需要)の急増に対応し,中西部と沿海地域間. 年 1 月に,洪水防止と水力発電の機能を兼有す. の鉄道線および沿海開放都市の港湾整備・空港. る巨大プロジェクト「長江三峡ダムプロジェク. 建設を中心に,交通ネットワークの整備が行わ. ト」(総工期:約 18 年)の 第一期工事 は 着工. れた.通信セクターについては,主要都市を中. された.交通セクターについては,鉄道の輸送. 心に,長距離電話・国際電話・国際郵送の関連. 能力の向上を重点にしながら,道路,港湾,空. システムの整備が計画・実施された.. 港,パイプ輸送など多様な輸送インフラの整備. 2―3.第 8 次 5 ヵ年計画(1991―1995 年). が計画・推進された.通信セクターについては,. 第 7 次 5 ヵ年計画時期後半 の 投資過熱 に よ. 長距離電話の自動化の加速と家庭電話の普及率. . . 3)国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委 員会(編)「我国国民経済和社会発展第七個五年計 画(1986─1990)」. 4)国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委 員会(編) 「中華人民共和国国民経済和社会発展十 年規画和第八個五年計画綱要(1991─1995) 」.

(4) 横浜国際社会科学研究 第 15 巻第 6 号(2011 年 2 月). 154 (862). 表 1 沿海地域と内陸地域の基本建設投資配分(1953―90 年) 沿海地域. 内陸地域. 未区分地域. 沿海:内陸. 第 1 次 5 ヵ年計画期(1953─57 年). 時 期. 36.9. 46.8. 16.3. 1:1.27. 第 2 次 5 ヵ年計画期(1958─62 年). 38.4. 56.0. 5.6. 1:1.46. 調 整 期(1963─65 年). 34.9. 58.3. 6.8. 1:1.67. 第 3 次 5 ヵ年計画期(1966─70 年). 26.9. 64.7. 8.4. 1:2.41. 第 4 次 5 ヵ年計画期(1971─75 年). 35.5. 54.4. 10.1. 1:1.53. 第 5 次 5 ヵ年計画期(1976─80 年). 42.2. 50.0. 7.8. 1:1.18. 第 6 次 5 ヵ年計画期(1981─85 年). 47.7. 46.5. 5.8. 1:0.97. 第 7 次 5 ヵ年計画期(1986─90 年). 51.7. 39.9. 8.4. 1:0.78. 注:⑴ 基本建設投資は,固定資産の新規建設に用いられる資金である. ⑵ 未  区分地域の投資は,省を超えた鉄道,郵便,電力などのプロジェクトや航空機,船舶,列車などの 統一購入などに用いられる資金である. 出所:張兵『中国の地域政策の課題と日本の経験』(2007). の上昇を促進するために,通信システムの改造. コントロールの強化,中央と地方の権限区分の. が行われた.. 明確化などを提案した.1996 年 3 月の全国人. 1980 年代からの急速な経済発展に伴う環境. 民代表大会で採択された「国民経済と社会発展. 汚染問題の深刻化を背景に,環境保護関連のイ. 第 9 次 5 ヵ年計画 と 2010 年長期目標要綱」に. ンフラ整備も重視されはじめた.. は,地域間の成長格差及び社会階層間の所得格. 2―4.沿海開発への傾斜投資. 差が歴然としていることが指摘されている.ま. 表 1 は 国 の 沿海部と内陸部への投資の配分. た今後は,地域経済の協調発展を導き,それぞ. を示したものである.1970 年代末まで,内陸. れ特色のある経済圏を形成し,全国経済分布の. 部への投資は一貫して沿海部を大幅に上回っ. 合理化,地域発展格差の縮小,全国の共同富裕. ていたが,第 6 次 5 ヵ年計画期から状況が一変. と社会安定の実現を図る,という方針を決定し. し,沿海部への投資が内陸部を超え,さらに第. た.. 7 次 5 ヵ年計画期に,沿海部への投資は全体の. 3―2.地域均衡発展の主要政策措置. 51.7% を占めた.. 地域経済の協調的な発展を実現するための具 体的な政策として,以下の 6 つの項目が示され. 3.1996 年以後の開発政策. た5).. 3―1.沿海地域開発政策 か ら 地域均衡発展政策. ①中西部地域での資源開発とインフラ建設を. への転換. 優先的に実施する.全国的基地となる資源. 中国政府は,地域格差の拡大と地域保護主義. 開発プロジェクトに対して,国家による傾. の台頭を背景として,1990 年代半ば頃に,地. 斜的投資を実行する.地域間に跨るエネル. 域政策 の 転換 を 志向することになった.1995. ギー,交通,通信などの重要インフラプロ. 年 9 月 の 中国共産党第 14 回 5 中全会 で 江沢民. ジェクトにおいては,国家投資を主体とし. は東部地域と中西部地域,市場と計画,中央と. た建設を進める.. 地方の関係に関して,今後の地域経済発展のた めの戦略的任務として,合理的な地方間分業の 促進を含む協調発展,格差解消のためのマクロ. . 5)張兵『中国の地域政策の課題と日本の経験』 晃洋書房 2007 年 pp. 26─27.

(5) 中国の開発政策と日中円借款の変化(王). (863) 155. ②資源関連製品価格の歪みを是正し,中西部. 部地域に対し,優先的に資源開発・大型インフ. 地域の自立的発展能力を強化する.中西部. ラ建設プロジェクトを推進するとともに,中西. 地域 に お け る 鉱産資源探査能力 を 強化 す. 部における貧困地域と少数民族地域への財政支. る.. 援を拡大した.また,国際金融機関と外国によ. ③中央財政からの中西部への支援政策を実行. る ODA について,第 9 次 5 ヵ年計画では,「そ. し,全国経済の発展と中央財政力の強化に. の 60% 以上を中西部に配分する」と明確に定. 伴って,中央財政からの中西部地域支援の. めている.上述した産業政策・地域開発政策の. 比重を次第に増加する.. 下で,この時期のインフラ整備はさらに大規模. ④中西部地域の改革開放を進め,外国直接投. で行われ,重点プロジェクトの分野別・地域別. 資を中西部地域に向けて多く誘導する.国. 構造には変化も現れた.地域別では主に西部・. 家の中西部地域向け政策的融資の比重を高. 中部地域を中心に行われた.また,セクター別. め,国際金融機関と外国政府からの借款の. では,「5 縦 7 横」(「5 つの南北線,7 つの東西. 60% 以上を中西部地域に振り向ける.. 線」を 重点 と す る 道路整備,「8 縦 8 横」(8 つ. ⑤貧困地域への支援を強化し,少数民族地区. の南北線,8 つの東西線)を重点とする鉄道網. の経済発展を支援する.. 整備,上海港をはじめとする港湾整備,および. ⑥東部沿海地域と中西部内陸地域の経済連携. いくつかの全国情報通信システム(ブロードバ. と技術協力を強化する.東沿海地域の中西. ンド情報ネットワーク,移動通信網,インター. 部地域への投資を奨励し,中西部地域の東. ネット 情報 セ キュリ ティシ ス テ ム,公共情報. 部地域 へ の 労働力移動をよりよく組織す. サービスセンター,地理情報システム)整備が. る.中西部地域の豊富な労働力資源を利用. 重点として推進されているが,水利・環境(社. して,労働集約型産業を発展させる.. 会サービス)分野のインフラ整備もさらに重視. これらの政策は,これまでに行われた東部沿. されるようになった6).. 海地域中心の地域発展戦略を,東部と中西部を. 「西部大開発」戦略は 1999 年にすでに打ち出. ともに重視するような発展戦略に転換させるも. され,第 10 次 5 ヵ年計画の重点国家プロジェ. のと位置付けられる.政策の重点は,国家から. クトとして継続された.その対象地域は,重慶,. の強力な支援,外国投資の促進及び東部地域の. 四川,貴州,雲南,チベット,陜西,甘粛,青. 経済技術協力に依拠しながら,中西部地域の資. 海,寧夏,新疆,内蒙古,広西 の 12 省 レ ベ ル. 源賦存の優位性と後発性利益を発揮させ,資源. 地域 で あ り,「西気東輸」,「西電東送」,「青蔵. 加工型産業と労働集約型産業を育成させ,それ. 鉄道」,西部地域鉄道網・道路網 の 拡大,など. によって中西部地域の経済発展を促し,東部地. の大型インフラ整備プロジェクトを中心に西部. 域との格差縮小を目指すことにある.. 地域の経済振興を図る内容となっている.. 3―3.第 9 次 5 ヵ年 計 画( 1996― 2000 年) と. 電力セクターについては,「水力と火力発電. 第 10 次 5 ヵ年計画(2001―2005 年). をともに発展させる.また,原子力発電も適度. こ の 時期 の 産業政策 に お い て は,交通運輸. に発展させる」という方針は前時期と変わらな. 業・通信産業・エ ネ ル ギー産業・原材料工業. かったが,環境保護のため,新規小型火力発電. など「基礎産業」の発展は引き続き重視され. 所の建設に対する規制は厳しくなった.更に,. た.もうひとつ注目すべきことは,環境保護意 識の高まりである.この時期から,すべての建 設プロジェクトに対して,環境保護計画の作成 が要求されるようになった.中央政府は,中西. . 6)国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委 員会(編) 「中華人民共和国国民経済和社会発展 “九五” 計画和 2010 年遠景目標綱要」.

(6) 156 (864). 横浜国際社会科学研究 第 15 巻第 6 号(2011 年 2 月). 内陸の石炭生産基地(山西,陕西,内モンゴル). 民の飲用水の質と衛生条件の改善がひとつの重. において石炭洗浄技術や脱硫技術を導入しやす. 点とされた.さらに,長江上流・黄河上中流・. い大型発電所の建設,そして超高圧送電技術を. 東北・内モンゴルなど地域の天然林保護プロ. 用いて中西部の電力を東部へ輸送する「西電東. ジェクト,及び農地から森林・草原への回復プ. 送」プロジェクトが推進された.. ロジェクトや北京・天津地域の「風砂」 (「黄砂」). 交通セクターについては,全国鉄道幹線網に. 発生源と水源の環境保護を重点とする環首都生. おけるボトルネックとなっている場所および内. 態圏建設プロジェクト,など重要な環境保護プ. 陸の西南通路,石炭輸送通路(神木─黄骅二期. ロジェクトが推進されている7).. など)などのプロジェクトが推進され,同時に,. 3―4.第 11 次 5 ヵ年計画(2006 ~ 2010 年). 道路・港湾・空港の整備はこれまで以上に重視. 第 11 次 5 ヵ年計画 に お い て は,「西部大開. された.特に道路網の整備は,4 大国道幹線(北. 発を推進する;東北地方など昔からの工業地域. 京~広州,北京~上海,北京~ハルピン,徐州. を振興する;中部地域の勃興を促進する;東部. ~蘭州)を中心に積極的に行われた.ほかに,. 地域の先行発展を支持する;革命老区・少数民. 港湾整備については,石炭,石油,鉄鉱石,コ. 族地域と辺境地域の発展を援助する」と述べら. ンテナー輸送システムを強化するために,秦皇. れている.その中に,「中部勃興」と「東北振. 島,天津,黄骅の石炭専用港,大連・青島・上. 興」は,「西部大開発」と並ぶ国家プロジェク. 海・寧波などのコンテナー港の建設・強化が行. トとして構想されており,経済発展の遅れてい. われた.空港整備は,北京空港の拡大,広州白. る地域の開発問題に対する中央政府の重視ぶり. 雲空港の移転,上海浦東空港の新規建設,など. は明らかである.上述した開発戦略の反映とし. 三大空港プロジェクトを中心に推進された.. て,「第 11 次 5 カ年計画」においては,内陸地. 通信セクターのインフラ整備は,IT 産業の. 域や環境保護関連のインフラ整備に対する重視. 急成長とともに急速に重視された.長距離電話. は目立っている8).. 幹線網の強化と全国光電纜網の建設が推進され. 電力セクターについては,「高効率・低汚染. る と と も に,移動通信網・衛星通信網・データ. の大型火力発電所の建設を重点に推進するとと. 通信網などについての計画と建設も加速された.. もに,生態環境の保護を前提として水力発電を. 経済インフラの建設が推進されるとともに,. 推進する.そして,「西電東送」プロジェクト. 水利と環境(社会サービス)関連のインフラ建. の地域間送配電システムを建設し,東西間・南. 設も以前より重視された.水利については,内. 北間の電力協力を促進する.また,(環境汚染. 陸において長江三峡ダム,黄河小浪底,四川二. の少ない)原子力発電を積極的に推進する」と. 灘など大型プロジェクトが引き続き実施され. 計画されている.. た.同時に,北部地区の水不足の問題を解決す. 交通セクターについては,「快速,効率,安. るために,2002 年 12 月に, 「南水北調」 (南部. 全 な 総合輸送 ネット ワーク の 形成 を 目標 と し. の長江流域の水を北部へ引く)という巨大プロ. て,旅客輸送専用線・主要都市間軌道交通・石. ジェクトの東線工事が着工された.. 炭輸送専用ルートを重点とする鉄道整備,高速. 環境関連については,都市環境の改善,農村 地域の郷鎮企業の汚染処理,重要水源地域・酸 性雨発生地域・SO2 大量発生地域 の 汚染処理, 生態環境が悪化している地域の森林回復,など の課題を中心に,関連プロジェクトが推進され た.また,上下水道の整備については,農村住. . 7)国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委 員会(編) 「中華人民共和国国民経済和社会発展第 十個五年計画綱要」 8)国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委 員会(編) 「中華人民共和国国民経済和社会発展第 十一個五年計画綱要」.

(7) 中国の開発政策と日中円借款の変化(王). (865) 157. 表 2 過去 5 ヵ年計画と地域政策の変化 5 ヵ年計画. 地域政策の要点. 第 1 次 5 ヵ年計画(1953─57 年). 工業重視,内陸重視,大型プロジェクトの内陸立地. 第 2 次 5 ヵ年計画(1958─62 年). 重工業を中心とした内陸重視の継続,後進地域開発の促進. 調   整   期(1963─65 年). 非効率なプロジェクトの調整. 第 3 次 5 ヵ年計画(1966─70 年) 第 4 次 5 ヵ年計画(1971─75 年). 一,二,三線という地域区分,三線建設の実施, 内陸部への傾斜投資と産業移転. 第 5 次 5 ヵ年計画(1976─80 年). 工業システムと国民経済システムの建設,「調整,改革,整頓,向上」の方針. 第 6 次 5 ヵ年計画(1981─85 年). 沿海重視への転換,沿海地域の優先発展,経済貿易の発展. 第 7 次 5 ヵ年計画(1986─90 年). 改革優先,東・中・西という地域区分,沿海地域経済発展戦略. 第 8 次 5 ヵ年計画(1991─95 年). 改革開放と現代化建設,沿海から内陸への発展の波及. 第 9 次 5 ヵ年計画(1996─00 年). 社会主義市場経済制度をおおむね設立,地域均衡発展. 第 10 次 5 ヵ年計画(2001─05 年). 産業構造の調整,国際競争力の強化,西部の大開発. 第 11 次 5 ヵ年計画(2005─10 年). 地域の協調発展,東部の発展快速,西部大開発,東北振興,中部崛起. 出所:各年の「中国統計年鑑」より作成. 道路の建設を中心とする道路整備,港湾分布の. 3―5.過去 5 ヵ年計画の特徴. 空間構造の改善およびコンテナー・石炭・輸入. 上述したように,過去数十年間の中国の開発. 原油・天然ガス・鉄鉱石などを対象とする輸送. 政策には,かなり大きな変化があった.表 2 は. 能力の拡大を重点とする港湾整備,大型空港の. 過去 5 ヵ年計画のポイントをまとめる.. 改造・中型空港の施設条件の改善・中西部と東 北地域の空港の増設などを中心とする空港整備. 三.日本の対中円借款. を,それぞれ推進する」と計画されている.. 1.対中 ODA の開始. 通信セクターについては, 「安全・便利な情. 対中 ODA の供与が表明されたのは,日中平. 報ネットワークとオンラインサービスプレート. 和友好条約が締結された翌年,つまり 1979 年. フォームを構築し,電子商務,電子政務を積極. のことであった.1979 年 12 月に訪中したの大. 的に推進する」と計画されている.. 平正芳首相 は,「より豊かな中国の出現が,よ. 環境(社会サービス)関連インフラの整備計. りよき世界に繋がる」と中国の改革・開放政策. 画については, 「資源の循環利用を推進する;. を積極的に支援していく用意があることを表. 長江上流・黄河上中流など土砂流失地域および. 明 し た9).あ わ せ て,欧米諸国 や ASEAN(東. 北部の黄砂発生源地域において,天然林保護プ. 南アジア諸国連合)が,中国を ODA 対象国に. ロジェクトおよび森林・草原への回復プロジェ. 加えることに難色を示していたことを踏まえ,. クトなど生態保護重点プロジェクトを引き続き. 「対中経済協力三原則」(軍事面 で の 協力 は 行. 実施する;また,都市部・農村部の汚水処理施. わ な い こ と,対中経済協力 は ASEAN 諸国 と. 設,石炭発電所の脱硫施設,危険廃棄物・生活. の協力関係を犠牲にする形では行われないこ. ご み な ど 固体廃棄物処置施設 の 建設 を 強化 す. と,対中経済協力は日本の中国市場独占につな. る;すでに汚染状況が深刻になっている三大河 (淮河,海河,遼河) ・三大湖(太湖など)地域 の水汚染処理プロジェクトを継続する」となっ ている.. . 9) 「大平正芳内閣総理大臣の中国訪問の際の政 協礼堂における公開演説」外交青書 24 号,1979 年 pp. 378─382.

(8) 158 (866). 横浜国際社会科学研究 第 15 巻第 6 号(2011 年 2 月). 表 3 第 1 次-第 4 次の円借款 第 1 次円借款. 1979 ─ 84 年度. 3300 億円. 第 2 次円借款. 1984 ─ 89 年度. 5400 億円. 第 3 次円借款. 1990 ─ 95 年度. 8100 億円. 第 4 次円借款. 1996 ─ 00 年度. 3900 億円. 出所:外務所ホームーページより著者作成. がるものでないこと)を打ち出した.中国にお. いることにより,開発途上国の経済発展のた. ける改革・開放政策が本格的にスタートした年. めに,低金利かつ長期の資金を提供すること. に,日本は,中国の借款要請に応える形で対中. が 可能 と なって い る.対中国円借款事業 で は. ODA を開始し,これが西側先進諸国による対. 1980 年 4 月に開始されてから 2007 年 3 月末ま. 中 ODA 供与の出発点となった.. での間に計 363 件,累計総額 3 兆 3134 億円の. 対中 ODA との関連で触れられることの多い. 支援が行われており,この金額は円借款事業. 賠償について,大平首相は,国会で次のように. を行っている 100 カ国のなかでも第 2 位の位. 答弁している. 「賠償につきまして,中国は賠. 置 を 占 め て い る10).開始当初 の 事業内容 は 経. 償を請求しないということが決められたわけで. 済的基盤建設への支援が主であったが,90 年. ございます.したがって,賠償とか賠償にかか. 代からは環境保護や水資源管理などの分野ま. わるものとか,そういう考え方に立脚して日中. で 援助範囲 が 拡大 さ れ た.現在 の 円借款事業. 関係を考えることは正しくない,また中国の意. は,中国のなかでも内陸部の環境保護や人材. 図でもないと私は考えておりました. 」確かに,. 育成などの分野に重点を置き,中国政府によ. 1972 年 9 月の日中共同声明の第 5 項は, 「中華. る持続的な発展と,貧富の差を縮小するため. 人民共和国政府は,中日両国国民の友好のため. の政策を支援している.. に,日本国に対する戦争賠償の請求を放棄する ことを宣言する. 」となっている.ただ,中国. 2.円借款の主なインフラへの配分. 側は,対中 ODA は請求を放棄した戦後賠償の. 対中円借款 に お い て は,中国 の 国家開発 5. 代替の意味合いがあるとの認識を持っている.. ヶ年計画の中で重点事業とされているものの中. 日本 の 対中 ODA は,他 の 途上国 の 場合 と. から,運輸,電力関係の事業が円借款候補案件. 同様,無償資金協力,技術協力,円借款 の 3. として選定され,約 5 年間を一つのラウンドと. つの形態からなるが,中国に対しては円借款. して借款の供与が行われるという多年度コミッ. の占める割合が大きいことが特徴である.円. ト方式が定着した.この円借款はインフラ整備. 借款 と は,開発途上国に対して開発資金を低. を中心に支援された.. 金利・長期という緩やかな条件で開発途上国. 2―1.鉄 道. 政府または政府機関に融資する援助で,経済. 1981 年から 1995 年の開発政策は,第 6 次 5. 協力開発機構(OECF)並 び に 国際協力銀行. カ年計画(1981─85),第 7 次 5 カ年計画(1986. (JBIC)が担当し,現在は国際協力機構(JICA). ─90),第 8 次 5 カ年計画(1991─96)によって,. が引き継いでいる.この財源は「一般会計(税. 明らかにされているが,インフラの中では,い. 金や国債等)からの出資金」「財政投融資資金. ずれも鉄道を最優先としている.特に,西部地. 特別会計からの借入金」「自己資金」から構成 され て い る が,一般会計予算が財源となって. . 10)外務省ホームページ.

(9) 中国の開発政策と日中円借款の変化(王). (867) 159. 表 4 円借款の鉄道への配分 項 目. 借款年間. 金額(百万円). 北京~秦皇島間鉄道拡充事業(1─5). 1980─1983 年. 広州~衡陽鉄道拡充事業(大瑤山トンネル). 1980 年. 87,000. エン州~石臼所間鉄道建設事業(1─5). 1980─1993 年. 39,710. 鄭州~宝鶏間鉄道電化事業(1─5). 1984─1988 年. 69,191. 衡陽~広州間鉄道輸送力拡充事業(1─4). 1984─1987 年. 70,294. 北京市地下鉄建設事業(1 期,2 期). 1988─1995 年. 19,678. 大同~秦皇島間鉄道建設事業(1─2). 1988─1989 年. 18,410. 神木~朔県鉄道建設事業(1─4). 1991─1993 年. 27,012. 宝鶏~中衛鉄道建設事業(1─4). 1991─1993 年. 29,800. 衡水~商丘鉄道建設事業(1─4). 1991─1993 年. 23,603. 南寧~昆明鉄道建設事業(1─4). 1991─1995 年. 57,696. 福建省ショウ泉鉄道建設事業. 1993 年. 西安~安康鉄道建設事業(1─3). 1995─1997 年. 35,000. 朔県~黄カ港鉄道建設事業(1─4). 1995─2001 年. 72,001. 貴陽~婁底鉄道建設事業(1─2). 1996─1997 年. 29,960. 北京都市鉄道建設事業. 2000 年. 14,111. 武漢都市鉄道建設事業. 2001 年. 2,894. 重慶モノレール建設事業. 2001 年. 27,108. 3,320. 6,720. 出所:外務省,JICA のデータより著者作成. 域の石炭を東部地域に輸送するインフラを増強. 2―4.発電所,多目的ダム. することに優先順位がおかれている.表 4 は円. 中国政府の開発政策では,90 年代を含めて,. 借款による鉄道への融資配分の経緯を示してい. 水力発電を重視していた.90 年代に出現した火. る.. 力発電は,日本側の政策を反映していると考え. 2―2.港 湾. るべきであろう.この時期は,水力発電のため. 1979 年の円借款の開始以来,中国各地の港湾. のダムの建設について,環境配慮の必要性が大. 建設も進んだ.特に,表 5 に示すように 1980 年. きく叫ばれた時期であり,日本のみならず,援. から 1990 年代後半までの間に港湾建設に重点投. 助社会全体が,ダムの建設に消極的になった時. 資が行われた.. 期である.特に,ダム建設に伴う住民移転問題. 2―3.空港,道路,橋梁,通信. については,手厚い配慮が必要となり,その結. 第 9 次 5 ヵ年計画では,「鉄道の輸送能力の向. 果,ダムの建設には,相当の準備期間が必要と. 上を重点にしながらも,道路,空運,通信など. なった.そのため,援助資金によるダムの建設. 多様な方面の優位性を生かし,総合交通運輸シ. は,大幅に減少している.中国では,経済成長. ステムの建設を加速する」として,道路セクター. が高水準で継続する中で,電力需要への対応が. に優先順位を与えている.特に,1995 年以後,. 要求され,その結果,円借款の火力発電への導. 鉄道に代わって,道路建設が急増していること. 入が図られたものと考えてよいだろう.. がわかる.. 上述のような,円借款のプロジェクトを選択 することは,開発効果に大きな影響を与える重.

(10) 横浜国際社会科学研究 第 15 巻第 6 号(2011 年 2 月). 160 (868). 表 5 円借款の港湾への配分 項 目. 借款年間. 金額(百万円). 石臼所港建設事業(1─5). 1980─1983 年. 42,945. 秦皇島港拡充事業(1─3). 1980─1982 年. 27,785. 連雲港拡充事業(1─6). 1984─1989 年. 47,000. 青島港拡充事業(1─6). 1984─1989 年. 57,000. 秦皇島港丙丁バース建設事業(1─5). 1984─1988 年. 22,000. 深セン大鵬湾塩田港第I期建設事業(1─3). 1991─1992 年. 14,681. 石臼港第二期建設事業(1─2). 1991─1992 年. 6,089. 海南島開発計画(海口港,洋浦港). 1991─1995 年. 6,889. 連雲港墟溝港区第一期建設事業. 1992 年. 秦皇島港戊己バース建設事業(1─4). 1992─1995 年. 大連大窯湾第一期建設事業. 1995 年. 青島港前湾第 2 期建設事業. 1996 年. 2,700. 河北黄カ港建設事業. 1997 年. 15,400. 5,900 111,22 6,655. 出所:外務省,JICA のデータより著者作成. 表 6 円借款の空港への配分 項 目. 借款年間. 金額(百万円). 民用航空管制システム近代化事業(1─3). 1991─1992 年. 武漢天河空港建設事業. 1991 年. 21,003. 北京首都空港整備事業(1─3). 1993─1996 年. 蘭州中川空港拡張事業. 1996 年. ウルムチ空港拡張事業. 1996 年. 4,890. 上海浦東国際空港建設事業. 1997 年. 40,000. 西安咸陽空港拡張事業. 2000 年. 3,091. 6,279 30,000 6,338. 出所:外務省,JICA のデータより著者作成. 表 7 円借款の道路への配分 項 目. 借款年間. 金額(百万円). 海南島開発計画(道路)(1─2). 1991 年. 青島開発計画(道路). 1991 年. 8,800. 貴陽~新寨道路建設事業. 1996 年. 14,968. 万県~梁平高速道路建設事業. 1998 年. 20,000. 杭州~衢州高速道路建設事業. 1998 年. 30,000. 河南新郷~鄭州高速道路建設事業. 2000 年. 23,491. 海南(東線)高速道路拡張事業. 2000 年. 5,274. 梁平~長寿高速道路建設事業. 2000 年. 24,000. 黒龍江省黒河~北安道路建設事業. 2001 年. 12,608. 湖南省道路建設事業. 2002 年. 23,000. 甘粛省道路建設事業. 2002 年. 20,013. 出所:外務省,JICA のデータより著者作成 . 12,955.

(11) 中国の開発政策と日中円借款の変化(王). (869) 161. 表 8 円借款の橋梁への配分 借款年間. 金額(百万円). 武漢長江第 2 大橋建設事業. 項 目. 1990 年. 4,760. 黄石長江大橋建設事業. 1990 年. 3,700. 重慶長江第二大橋建設事業. 1991 年. 4,764. 合肥~銅陵道路大橋建設事業(1─2). 1991 年. 8,603. チチハル嫩江道路橋建設事業. 1992 年. 2,100. 出所:外務省,JICA のデータより著者作成. 表 9 円借款の通信への配分 借款年間. 金額(百万円). 天津~上海~広州電話網拡充事業(1─5). 項 目. 1984─1988 年. 35,000. 九省市電話網拡充事業(1─3). 1991─1992 年. 43,734. 海南島開発計画(通信)(1─2). 1991 年. 3,583. 青島開発計画(通信). 1991 年. 4,043. 北京~瀋陽~ハルピン長距離電話網建設事業(1─2). 1992─1993 年. 7,200. 蘭州~西寧~ラサ光ケーブル建設事業. 1996 年. 3,046. 内陸部電話網拡充事業. 1996 年. 15,003. 広州~昆明~成都光ケーブル建設事業. 1996 年. 5,349. 出所:外務省,JICA のデータより著者作成. 表 10 円借款の発電所への配分 項 目. 借款年間. 金額(百万円). 五強溪水力発電所建設事業. 1980 年. 天生橋水力発電事業(1─6). 1984─1989 年. 77,375. 五強渓水力発電事業(1─5). 1988─1992 年. 25,090. 北京十三陵揚水発電所建設事業. 1991 年. 13,000. 天生橋第一水力発電事業(1─4). 1991─1995 年. 40,600. 湖北鄂州火力発電所建設事業(1─3). 1992─1995 年. 31,891. 山西河津火力発電所建設事業(1─2). 1995 年. 24,600. 三河火力発電所建設事業(1─2). 1995 年. 24,600. 江西九江火力発電所建設事業(1─2). 1995 年. 29,600. 陝西省韓城第 2 火力発電所建設事業(1─2). 1997─1998 年. 57,970. 山西省王曲火力発電所建設事業(1─2). 1997─1998 年. 57,082. 湖南省ゲン水流域水力発電事業. 1998 年. 17,664. 甘粛省小水力発電所建設事業. 2001 年. 6,543. 湖北省小水力発電所建設事業. 2001 年. 9,152. 山東省泰安揚水発電所建設事業. 2001 年. 18,000. 山西省西龍池揚水発電所建設事業. 2002 年. 23,241. 出所:外務省,JICA のデータより著者作成. 140.

(12) 横浜国際社会科学研究 第 15 巻第 6 号(2011 年 2 月). 162 (870). 表 11 円借款のダムへの配分 借款年間. 金額(百万円). 観音閣多目的ダム建設事業(1─3). 項 目. 1988─1990 年. 18,225. 四川省紫坪鋪水資源開発事業. 2001 年. 32,199. 出所:外務省,JICA のデータより著者作成. インフラへ配分された円借款(単位:百万円) ダム 3% 鉄道 34%. 発電所. 1鉄 道:633,508. 25%. 2港 湾:255,044 3空 港:111,601 4道 路:195,109 5橋 梁:23,927 通信 6%. 6通 信:116,958 7発電所:456,548. 橋梁 1%. 道路 11%. 空港 6%. 港湾 14%. 8ダ ム:50,424. 出所:表 5 ─表 11 より著者作成. 図 1 主なインフラへの配分状況. 要な決定である.対中円借款に関する両国政府. は大規模に行われた.交通セクターについては,. 間で,もっとも力を入れて協議される分野が,. 鉄道の輸送能力の向上に重点を移しながら,道. セクター配分であった.図 1 は,表 5 から表 11. 路,港湾,空港,パイプ輸送など多様な輸送イ. までの主なインフラ円借款についてセクター別. ンフラの整備が計画・推進された.この状況の. 配分を示したものである.. 下で,日本政府は中国インフラ建設への援助に. 図 1 に示したように,特に鉄道と港湾がイン. 力を入れて,多額な円借款を導入した.80 年. フラの中の最優先に位置づけられており,両者. 代から 90 年代にかけて,交通インフラの未整. あわせて主なインフラ建設円借款の約半分を占. 備 は 中国経済発展 の ボ ト ル ネック で あ り,鉄. めている.この状況は当時の中国の開発政策に. 道,港湾,道路,航空などの交通インフラの整. 大きく影響されていた.第 7 次 5 ヵ年計画以後. 備については円借款が大きく貢献してきたとい. は,改革・開放の大きな前進と空前の投資ブー. える.. ムに伴い,この時期の電力・交通インフラ整備.

(13) 中国の開発政策と日中円借款の変化(王). (871) 163. (2008 年 1 人当たり GDP) (元) 80000 70000 60000 50000. 平均 34154 元. 40000 30000. 平均 16086 元. 20000. 平均 14185 元. 10000. 山西 黒龍 湖北 河南 湖南 江西 安徽 吉林. 内モンゴル 青海 陜西 新疆 寧夏 重慶 広西 チベット 雲南 甘粛 四川 貴州. 上海 北京 天津 浙江 広東 江蘇 山東 福建 遼寧 河北 海南. 0. 中部. 西部. 東部 出所:中国国家統計局より作成. 図 2 中国における地域間の所得格差. 3.円借款の地域への配分. において,地域格差の是正の観点から用いられ. 中国では過去の地域開発政策, 市場の未発達,. てきた.新中国の誕生以来,この 3 大地帯の間. 地域間の交通,通信網の未発達によって,長期. での経済発展における格差は大きく,また縮小. にわたって地域経済の細分化が起こり,各省の. に向かうのではなく,むしろ拡大したと言われ. 分離化と省ごとの自給自足経済が支配的となっ. る.現在までに最も発展した沿海地域に比べて,. て,地域間,省間の商品・生産要素・情報の移. 中部地域は遅れをとり,内陸地域は最も低開発. 動は極めて限られていた.この状況は経済体制. の状態に置かれている(図 2).. 改革以降大きく変化し,中央から地方の末端単. この三区分にしたがって,円借款の地域配分. 位への垂直的・指令経済的な連関は,地域内の. を示したものが,図 3 である.ここでは,傾向. 水平的・市場経済的な連関に代替されたが,そ. を見るために,5 年毎の期間で区切ってある.. の変化は緩慢なものであった.. また,プロジェクトについては,全て最初のプ. 計画経済期には,中央政府によっていくつか. ロジェクトの借款契約締結時にそろえる調整を. の地域区分が提唱された.各省を,経済的に一. 行っている.. 定のまとまりのである 「近隣地域」あるいは 「地. 地域配分の第 1 の特徴は,複数地域にまたが. 域市場」に分類する作業は容易ではなく,地域. る プ ロ ジェク ト は,1991 年以降減少 し,1995. の定義や分類の仕方が分析の結果を大きく左右. 年以降は全くなくなっていることである.これ. する可能性があることを留保しながら,ここで. は,中国における地方分権化の動きに対応して. は中国の「地域」を沿東部,中部,西部の 3 大. いると考えられる.中国では,1994 年 1 月か. 地帯に区分した.この区分は過去の 5 ヵ年計画. ら,分税制が導入された.分税制とは,マクロ.

(14) 横浜国際社会科学研究 第 15 巻第 6 号(2011 年 2 月). 164 (872). 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 0. 1980 85. 1986 90. 1991 95 東部. 中部. 1996 2000 西部. 2001 05. 2006 07. 複数. 出所:国際東アジア研究センター Working Paper Series Vol. 2008─10 March 2008. 図 3 円借款の地域への配分. 経済政策,外交 ・ 国防政策などは中央政府が担. 振興」など,地域格差を是正する方策に積極的. 当し,地方経済に関連する政策は地方が担当す. に取り組むようになった.その一環として,沿. るよう明確化するものである.これに伴い,中. 海地域から内陸部への産業移転を進めてきた.. 央と地方の行政権限を明確にし,関税 ・ 消費税. 2007 年以降,その効果はようやく現れ始め,経. のように中央政府が管理する税,営業税,地方. 済成長率が従来の東高西低型から西高東低型に. 企業上納利潤,個人所得税などの地方が管理す. 転じている.今後,中西部が東部を追い上げる. る税,付加価値税のように中央 ・ 地方の共有と. 形で,地域格差が縮小に向かう可能性が出てき. なる税の 3 区分を明らかにした11).. た.. また,1990 年代半ばに,中国政府は地域政策 の転換を志向することになった.地域経済の協. 4.円借款の転換. 調発展を導き,それぞれ特色のある経済圏の形. 2001 年 10 月,日本政府 は 中国 の 経済発展 に. 成,全国経済分布 の 合理化,地域発展格差 の 縮. 伴う開発課題の変化などの事情を踏まえ,対中. 小,全国の共同富裕と社会安定の実現,という. ODA の 見直 し の 一環 と し て「対中国経済協力. 方針を決定した.さらに,2002 年に誕生した胡. 計画」を発表した.これは中国の急速な経済発. 錦涛政権は,「調和の取れた社会」の実現を目指. 展に伴い,経済協力の効果やその効率性の向上. す べ く,「西部大開発」や「中部勃興」,「東北. が求められる中で,従来型の沿海部中心のイン. . 11)牧野松代 『開発途上国 中国 の 地域開発 ─経済成長・地域格差・貧困─』大学教育出版 2001 年 pp. 45─46. フラ整備に集中した協力から,開発が乏しい分 野への協力を重視した ODA 政策への転換を示 した計画である.また,同計画の中では,中国 における環境問題を第一に掲げ,今後の対中協.

(15) 中国の開発政策と日中円借款の変化(王). (873) 165. 力を行う際の重点分野のひとつとして位置づけ. とのバランスを考慮,③軍事面での協力は不実. ている12). . 行を提示した.具体的には,1979 年に開始さ. 日本の対中 ODA 案件における環境分野の割. れた第一次対中円借款は,当時,中国経済のボ. 合 は 90 年代 の 後半 か ら 増加傾向 に あった が,. トルネックとされていたエネルギー,運輸の分. 先述の対中国経済協力計画の策定後,対中円借. 野に投入され,また,同時に開始された旧日本. 款における環境分野が占める割合は急速な高ま. 輸出入銀行のアンタイドローンは,エネルギー. りを見せた.特に 2004 年と 2005 年では,環境. 分野を対象としていた.. 案件に占める円借款の割合が 80% から 90% と. 中国の経済開発に貢献するとともに,中国と. なり,従来から対中 ODA の大部分を占めてい. 日本との関係を重視し,石炭を山西から,鉄道,. た円借款が環境協力にあてられるようになっ. 港湾を通じて,日本へ輸出することに資するた. た.また,対中 ODA 資金から構成されるプロ. めに,日本が総合的に資金的支援を行ったもの. ジェクトの総数から見ても,2006 年度におけ. である.続く第 2 次円借款でも,引き続き交通. る円借款の全 8 件のプロジェクトのうち,7 件. インフラ及び電力,通信の強化を通じて,中国. が環境問題への取り組みに特化した案件となっ. 経済のボトルネック解消という支援目的は貫か. ており,日本政府の環境分野に対する関心の高. れていた.. さがうかがえる.. 80 年代後半 に な る と,中国政府内 の 中央政. これは,一方において,中国側の開発政策が. 府から地方政府への分権化,更にそれが政府か. 環境を重要視するように変化したことの反映で. ら企業への制度に基づかない権限委譲となり経. ある.第 9 次 5 ヵ年計画以後では,中国政府は. 済過熱を伴う投資ブームを引き起こした.工場. 経済インフラ発展とともに,環境汚染対策に力. の近代設備導入など「目にみえる近代化」の推. を入れて多額な投資を環境対策へ投入した.こ. 進と,規制を外すだけの自由化は,一旦は社会. の時期の円借款の供与はすでに中国の開発政策. の著しい歪みを生じ,天安門事件の一因とも. と合致していた.. なった が,80 年代初 め よ り「経済特区」に お 四.結 論. いて市場経済とそのための制度構築の実験を進 め,92 年鄧小平 が 南巡講話 に よ り 経済特区 の. 対中 ODA は,中国政府 が 1978 年 の 共産党. 実績を承認するや,市場経済への本格的な動き. 第 11 期三中全会において,対外開放政策を採. が全国へと拡大した.社会主義市場経済の概念. 択したことに発し,自力更生路線を転換,近代. が確立し,外資の投資ブームが起り,中国は,. 化のために,海外資金,海外技術の活用を決め,. 外資導入を目標として,分権化,企業ガバナン. 日本政府に対して支援を求めたことによって開. スの確立,取り引きの安定のための法制度,な. 始された.日本政府は,対中 ODA を開始する. ど市場経済を支える制度構築に向けた政策を進. にあたり,中国が対外開放政策の下で経済発展. めて行った.. を遂げ, 国際社会の安定的な一員となることが,. こ の 時期 の 円借款 は,88 年度 に 第 2 次円借. アジアの安定と繁栄に貢献する日本の政策と一. 款に追加分として,9 事業が加わった.更に,. 致するとの判断に立ち, 対中経済協力 3 原則 (大. 竹下首相は,90 年からの第 3 次円借款として,. 平原則ともいわれる)として,①西側諸国との. 8100 億円 の 多額 の 約束 を す る こ と に なった.. 協調,②他 の ア ジ ア 諸国,特 に ASEAN 諸国. 88 年度から 95 年度までの円借款は,投資環境. . 12)外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/ oda/seisaku/enjyo/china._h.html. を整備するためのインフラ整備に集中して投入 されており,この時期の中国政府の政策とは同 じ方向を向いている.対象事業は沿海地域を中.

(16) 166 (874). 横浜国際社会科学研究 第 15 巻第 6 号(2011 年 2 月). 心としながらも全国に及び,分野も外資導入に 直接貢献する交通,電力,通信に加え,水,ガ スなど都市インフラへと拡大発展した. 90 年代半ば,民間の対中直接投資が拡大し, かつ中国の国内改革も本格化すると,ODA の 役割は,市場経済との関係で見直されること と な る.96 年度以降 の 第 4 次対中円借款 の 協 議では,社会主義市場経済体制下で,一定の発 展を遂げた中国に対して日本政府のなすべき ODA を通じた協力の対象は何かが問われるこ ととなり,協議・検討の過程では,日本側も資 金供与自体によってのみならず,政策として中 国にインパクトを与えることを意識し,環境対 策が適切に行われるような仕組みが検討され, 沿海地方と内陸部の格差が拡大していく中での 中央政府が地方政府の開発政策を適切に誘導し ていくような仕組み等を作る事が検討され,円 借款が支援すべき対象として,環境,農業,地 域間格差是正に絞り込まれた. 1979 年度から 2007 年度まで,中国に対する 円借款が供与された.2008 年の北京オリンピッ クを前に対中国円借款が終了し,日中の経済援 助の関係は新たな段階に入った.中国の目覚ま しい経済発展などによって中国自身の資金調達 能力が飛躍的に向上したため,円借款のような 大規模資金協力はその歴史的な役割を終えたと いって よ い.こ の間,中国は,改革・開放政策 を実施し,大きな変化を遂げた.日本の円借款 は,開発を目的として供与され,その時々の中 国側の変化に合わせて,大きく変化してきた. 日本の対中円借款に対して,さまざまな批判の 声が絶えない一方で,当時資金が欠乏していた 中国の開発と経済発展に重要な役割を果たした と考えられている.中国が円借款から「卒業」 したことは,日中関係がかつての政府主導から 民間主導の「深層的な相互依存関係」に転換す べき時が到来したと筆者は考える.. 参考文献 日本語 張兵『中国の地域政策の課題と日本の経験』晃洋 書房 2007 年 関志雄,朱建栄『中国 は 先進国 か』勁草書房 2008 年 牧野松代『開発途上国 中国の地域開発─経済成 長・地域格差・貧困─』大学教育出版 2001 年 古森義久『 「ODA」再考』PHP 研究所 2002 年 関山健『日中の経済関係はこう変わった─対中円 借款 30 年の軌跡─』高文研 2003 年 岡田実『日中関係と ODA ─対中 ODA をめぐる 政治外交史入門』日本僑報社 2008 年 後藤一美,大野泉,渡辺利夫『日本の国際開発協 力』日本評論社 2005 年 宮下明聡,佐藤洋一郎『現代日本 の ア ジ ア 外交』 ミネルヴァ書房 2004 年 渡辺利夫,三浦有史『ODA(政府開発援助)日 本に何ができるか』中央公論新社 2004 年 国際協力推進協会『ODA 民間 モ ニ ター報告書─ 中国シリーズ』2005 年 国際開発 ジャーナ ル 編集部取材班「20 年間 の 対中円借款 の 総括評価」9 月号『国際開発 ジャーナル』 2004 年 中国語 国家統計局 各年『中国統計年鑑』中国統計出版 社 国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委員会 (編) 「中華人民共和国国民経済和社会発展第 六個五年計画(1981─1985) 」 『中国経済年鑑 1983』経済管理出版社 1983 年 国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委員会 (編) 「我国国民経済和社会発展第七個五年計 画(1986─1990) 」 『中国経済年鑑 1986』経済 管理出版社 1986 年 国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委員会 (編) 「中華人民共和国国民経済和社会発展十 年規画和第八個五年計画綱要」 『中国経済年 鑑 1991』経済管理出版社 1991 年 国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委員会 (編) 「中共中央関於建立社会主義市場経済体 制若干問題的決定」 『中国経済年鑑 1994』中 国経済年鑑出版社 1994 年 国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委員会 (編) 「中華人民共和国国民経済和社会発展 “九五” 計画和 2010 年遠景目標綱要」 『中国 経済年鑑 1996』中国経済年鑑出版社 1996 年.

(17) 中国の開発政策と日中円借款の変化(王). 国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委員会 (編)「中華人民共和国国民経済和社会発展第 十個五年計画綱要」『中国経済年鑑 2001』中 国経済年鑑出版社 2001 年 国務院発展研究中心・中国経済年鑑編輯委員会 (編)「中華人民共和国国民経済和社会発展第 十一個五年計画綱要」『中国経済年鑑 2006』 中国経済年鑑出版社 2006 年 ホームページ 外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/. (875) 167. index.html 在中国日本大使館 http://www.cn.emb-japan.go.jp/ oda_j.htm 国際協力機構 http://www.jica.go.jp/ JICA http://www.jica.go.jp/activities/schemes/ finance_co/index.html [オ ウ ヘ イ 横浜国立大学大学院国際社会科学 研究科博士課程後期].

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表 5 円借款の港湾への配分 項 目 借款年間 金額(百万円) 石臼所港建設事業(1─5) 1980─1983 年 42,945 秦皇島港拡充事業(1─3) 1980─1982 年 27,785 連雲港拡充事業(1─6) 1984─1989 年 47,000 青島港拡充事業(1─6) 1984─1989 年 57,000 秦皇島港丙丁バース建設事業(1─5) 1984─1988 年 22,000 深セン大鵬湾塩田港第I期建設事業(1─3) 1991─1992 年 14,681 石臼港第二期建設事業(1─2)
表 8 円借款の橋梁への配分 項 目 借款年間 金額(百万円) 武漢長江第 2 大橋建設事業 1990 年 4,760 黄石長江大橋建設事業 1990 年 3,700 重慶長江第二大橋建設事業 1991 年 4,764 合肥~銅陵道路大橋建設事業(1─2) 1991 年 8,603 チチハル嫩江道路橋建設事業 1992 年 2,100  出所:外務省,JICA のデータより著者作成 表 9 円借款の通信への配分 項 目 借款年間 金額(百万円) 天津~上海~広州電話網拡充事業(1─5) 1984─1988

参照

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