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高校生の問題対応能力を高める集団指導について相互理解的な人間関係の構築を目指す取組としての高等学校におけるクラスワイドSSTの実践研究

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Academic year: 2021

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(1)高校生の問題対応能力を高める集団指導について   相互理解的な人問関係の構築を目指す取組としての.   高等学校におけるクラスワイドSSTの実践研究. 専  攻:教育実践高度化専攻. コース:心の教育実践コース. 学籍番号:P11039G 氏  名:奥村雅之.  筆者の勤務する高等学校の生徒の現状を考. している問題や、感じている生き辛さの聞き取. える時、単に問題行動などに目を向けるだけで. り調査を実施した。. はなく、将来、社会で自立し、正しく生きてい.  悩みや問題として高校生が認識している内. くための資質や能力が、個々の生徒の発達段階. 容について分析してみると、r本人」の項目が. に応じて身に付いているかどうかということ. 他の項目に比べて多い。小・中学生とは違って. が重要な観点になる。適切な判断・行動選択を. 自分自身を省察できており、高校生という発達. 行う上で負の作用として働くであろう社会性. 段階における生き辛さが語られる内容であっ. の不足、自己肯定感や自尊感情、責任感や規範. た。また、「家族」、「同級生」、「友達」、「教師」. 意識、また、粘り強く行動するための耐性の低. といった人間関係に関する内容は、数字として. 下などが現状における問題として挙げられる。. は現れてはいないが、相談時間の長さや思いの.  本研究では、高校生が学校生活や家庭生活に. 強さとして、彼らの悩みや生き辛さとして大き. おいて直面している問題や、感じている生き辛. なウェイトを占めていると感じられた。生徒た. さに焦点を当て、そのことに向き合うための能. ちが人間関係に係わる課題や、社会性に関する. 力について検討を行う。特別支援教育の手法を. 問題を抱えていることが見えてきた。. 用いた授業や学級経営が、発達障害の生徒や未.  生徒たちが人間関係について学ぶ機会が減. だに発達障害の診断の出ていない生徒のみな. 少し、人間関係を築くことが難しい現状が生じ. らず、自分自身で進路を切り開き自己理解を進. てきている。このような状況から、ソーシャル. めることができる生徒にとっても、進路指導や. スキル・トレーニングの実践は、人間関係や社. 自己理解において有効であろうという仮説を. 会性を学ぶ機会として、学校内外の良好な人間. 立て、その検証を行う。. 関係の形成や、進路指導の学習として有効であ. ○教育相談の実施と高校生が直面している問題. ると考えられる。.  に関する調査研究. ○高等学校におけるクラスワイドSSTの実践研究.  実践プランを計画するに当たり、できるだけ.  ソーシャルスキル・トレーニング(Socia1. 多くの生徒が納得しながら学習に向き合って. Sh1s Training:SST)は、認知行動療法の1. いける内容にする必要があると考えた。そのた. っとして位置づけられ、困難を抱える状況の総. め、実地研究IIの前半において教育相談を設定. 体をソーシャルスキルと呼ばれるコミュニケ. し、高校生が学校生活や家庭生活において直面. ーション技術の側面からとらえ、その技術を向.

(2) 上させることによって困難さを解決しようと. する問題を抱えていることから、思いを伝える. する技法である。統合失調症の治療から学校教. スキルの内容についての授業を、1年生の2ク. 育にまで幅広く利用されている。. ラスで4回実施した。生徒たちがイメージを働.  教育の現場では、特別支援学校の自立活動の. かせながら、モデリング役を買って出てくれた. 領域で取り入れられており、その後、発達障害. ことで、教師がモデリングを行う場合よりも現. の概念等が明らかになってきてから、特別支援. 実味が出てきて、リハーサル時に再現性が高ま. 教育として小・中学校の小グループや通常学級. ったようである。. において試みられるようになり、最近では高等.  質問紙の集計結果においては、A組とB組で. 学校においても個人を対象とした研究事例と. 大きな違いが出てきた。ソーシャルスキル獲得. して実施されるなど、広く認識されるようにな. 状況の「⑦あたたかい言葉かけ」について確認. っている。一般に、①インストラクション、②. してみると、A組は授業の前後でスキルの獲得. モデリング、③リハーサル、④フィードバック、. がなされたことが確認できたが、B組では、ソ. ⑤定着化、の手順で行われる。. ーシャルスキル獲得状況の分析にまでは至ら.  クラスワイドのソーシャルスキル・トレーニ. なかった。また、高度なレベルの資格取得を目. ング(以下、クラスワイドSST)を行うに当た. 指す生徒たちが、SSTに対してどれほどの興味. り、次の各項目について配慮した。①人づきあ. と関心を示してくれるのだろうか、いくらか不. いの楽しみ方を学ぶ内容とする。②教え込むと. 安な気持ちを持って今回のプランを設定した。. いう雰囲気ではなく、楽しい雰囲気を演出する。. しかしながら、生徒たちの感想を読んでみると、. ③生徒たちが楽しめるイベントを組み込み、工. 社会性の学習の必要性を認識しているなど、概. 夫を凝らす。④クラスメイトと共に活動する喜. ね好意的な感想が書かれていた。. びを味わえるものにする。.  SSTが自立活動から発展したものであった.  校種による担任の役割の違いが、高等学校で. としても、特別支援教育の延長と捉えさせず、. のクラスワイドSSTの実施を困難にしている. 今後のキャリア教育、生き方教育として学校教. ように思われる。また、特定の生徒へのラベリ. 育課程に不可欠であるという認識を広めてい. ングが、いじめにつながる可能性を教員が懸念. くことが、現任校における特別支援教育やイン. しているのではないかとも予想される。高等学. クルーシブ教育システムの意識の浸透に繋が. 校におけるクラスワイドSSTを行うに当たり、. っていくと思われる。. 次の各項目について考慮していきたい。①友達.  今後、全教員がインクルーシブな教育環境を. との関わりを実施者も一緒に考えるという姿. 目指した特別支援教育を受け入れ、意識的に取. 勢で行う。②感情に流されず行動をコントロー. り組んでいくことが望まれる。その上において、. ルすることを意識させる。③生徒の肯定的な自. 教員と生徒の信頼関係を基盤にした、生徒たち. 己評価に向けて言語的にほめてやる気にさせ. にr心の力」をつける教育を実践する教師集団. る指導を心がける。④資料やワークシートを効. の形成が必要である。. 果的に使う。.          修学指導教員 安原一樹.  先の調査より、生徒が人間関係や社会性に関.          指導教員   安原一樹.

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