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地域の企業におけるエネルギー調査 : 上田市周辺の企業を中心として

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(1)

地域 の企業 におけるエネルギー調査

―上田市周辺の企業を中心として―

は じめ に わ が 国 は, エ ネル ギ ー資源 の大 部分 を海外 に 依存 してお り, エネルギー価格の変動 は経済 に大 きな影響を与 える

。1

9

7

3

年 の第

1

次石油危機 に よ り,多 くの国 々において深刻 な経済問題が噴出 し た。わが国 において も物価 の高騰、企業経営の悪 化,失業の増 大,経済成長 の停滞 な どにみ まわれ た。 その反面 , エネルギ ー価格 の上昇は,長期的 観点 か らみれ ば,わが国 の経済体質 を強化 したD す なわ ち,石 油が安価であ った高度成長期 におい ては,家計や企業の生活様式や生産様式 が石油浪 費型 であったが,高 エネルギ-価格の下 では, そ の よ うな様式 は許 され な くな り, そのためにエネ ルギー効率 の良い生活様式や生産様式-の転換 が ほか られたのである。

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年末か ら

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年 にか けての第

2

次石油危機 に よ り,石油価 格 は再 び高騰 したが,第1次石油危 機 の場合 とは異 な り,わが国経済 はそれほ ど混乱 しなか った。 む しろ この過程 において,わが国の 国際競争 の強 さを認識 させ られた といえる。海外 へ のエネルギ ー依存度が先進 国中で最 も高 く,石 油 に弱い といわれ るわが国経済が,国際的 にみ て どうして力強 さを発揮す るのであろ うか。 その要因 として,わが国がエネルギー的 に無資 源国であるがゆ えに,技術革新やエネルギー効率 の改善が行 なわれ,省 エネルギー的 な生活様式や 生産様式へ の転換に成功 した ことに求め られ る。 この様子 は最近 のエネルギー弾性値 の変化 か らも 知 ることがで きる

。1

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0

年代 の高度成長期 におい ては, エネル ギー弾性値 は

1

以上 であ ったが,良 近 においては非常 に小 さ くなってお り,わが国経 済 にお け る省 エ ネル ギーに は驚 くべ き ものが あ る。

具体的 な産業 をみ ると,た とえは, 粗鋼1トン 当た りのエネルギ ー原単位 は,わが国の場合 はア メ リカに比較 して

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-3

0

%

,西 ドイツに比較 して も約

1

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%

低 く,その ことがわが国の鉄鋼業 の国際 競争力優位の一 因 になっている(㌘ 1) 周知の ように,わが国の産業 は二重構造 を看 し, 生産活動 の多 くの部分 は,鉄鋼業 の よ うな寡 占的 大企業 とい うよ り,む しろ中小零細企業 に依存 し ている。 とすれ ば,石油危機 を乗 り越 えた原動力 は,単 に大企業 の省エネルギー努力だけで な く, 地方 の中小企業 の努力 によってい るであろ うo L たが って,何 らかの形 で地方 の中小企業 のエネル ギー実態 も把握 す る必要 が あ るので はなか ろ う か。 本稿 は, この よ うな視点 に基づいて,上 田市周 辺 の企業 のエネルギー実態 を調査 し,若干の考察 を加 えた ものであ る。調査対象 は約

6

0

社であ り, その うち回答 のあ った ものは約半数 であ った。 こ の点,サ ンプル数 は十分 で な く, エネルギー調査 としては必ず しも満足で きるもので はない。 それ に もかかわ らず, この調査 によって,地方 の企業 におけるエネルギ-対策 の実態が, かな りの程度 まで明 らかに し うると期待 してい る。

I

マ ク ロ的 エネル ギ ー動 向 Ⅰ- Ⅰ 経済活動 とエネル ギー消費 第

2

次石油危機 以後 のエネルギー消費の低迷 に 対応 して,エネルギー輸入 も停滞 した。エネルギー 輸入を総 カロ リーでみ る と,昭和55年 には,前年 に比較 して

4.

8

%

の減少 となった (図 1)。 その内 訳 をみ ると,原油価格の高騰 に相当 して,原粗油 の輸入数量が大 き く減少 している反面,石炭 や

L

NGが増加 してお り,石油 エネルギ-か ら石炭 や LNGェネルギーへの代替 が進 んでい ることがわ

ー3

1

(2)

-か る。 図 1 エ ネル ギ ー輸 入 の動 き (1012Ihl) ① エネル ギー輸 入の推 移 号 7 1P 壬 乍 7 1.0 壬 (刀 ) 546」 し 12′ L 655と-」ム J 56(午 ) (備考 )1. 大蔵省 「外国貿易概況」に よ り作成。 2・ 石油製品は

、LP

G

を含む。 経済的視点か ら石油価格の高騰 をみ るとき,わ が国 は トリレンマ的影響 を受 ける といわれ 岩t

o

t2

なわも,石油赤字,石油 イソフレ,石油 デ フレの 三重苦 であ る。 この点 を若干論及す ることは,わ が国の経済のマ クロ的 な面だけでな く,地方の中 小企業 のエネルギー動態 を分析す る うえで も重要 であ る。 石油価格の高騰 に伴 う石油赤字 は,わが国の国 際収支 の悪化 の主要因になるO石油輸 入金紋/棉 入総敏 とい う指標 を用いて,わが国の石油赤字 の 状態 をみ ると,表

1

か らわか るよ うに,昭和

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年 の

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か ら

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年 には

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倍 になってお り,いかに石油代金の負担 が大 き くなってい るか がわか る。 石油 インフレの状況 は, 石油輸入金筋/名 目総 需要の指標によ り表わされ る。とい うのは,この比率 が石油 コス トの上昇による コス ト・プ ッシュの動向 を反映 しているか らであ る。石油 インフレの状況 か らみて も,表 1か ら昭和

4

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年 には,

1.

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であ っ た ものが

,5

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年 には

4.

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%

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倍 になっている。た だ し, この数字 は,石油赤 字 の影響のそれ よ り約

1

桁小 さい もの となってい る。 石油代金 を産油国に支 払 うことによ り,わが国 の所 得 が海外へ移 転す る影 響 が石 油 デ フレで あ る。 この影響 は石油輸入金 額/名 目GNPに よ り 指標化 され る。この指標 も,石油 インフレと同様, 石油危機以後急速 に上昇 してい る。 表1

リレンマ的影響度の推 移 (単位 :% ) ①石油赤字 ②石油インフレ ③石油

フ レ 71J油輸入金官庁 Ti地相入金首長 石油

入金顎 昭

輸入絵街 名u総

U

GN

P

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0年

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4

5.

1

(備考)経

企画庁「国民経折 計算

報」

,大蔵省 「外

貿易

況」による。 この よ うに,石油価格 の高騰 は,わが国経済に 複雑 な影響 を与 え,そのた びに影響の度合 いは大 き くなってい る。経済水準 の低下 な しに この悪循 環 か ら逃れ るためには,第

1

に石油 に代わ るエネ ルギーない し新 エネルギ ーを求め ること,第

2

に 経済活動 において石油使用 の効率化を進 め ること -

(3)

32-であ る。第1の点については,すでに述べたよ う に,石油か ら石炭やLNG-のエネルギー転換が 急速 に進んでい る。 もっとも,将来石炭やLNG の価格 も上昇す れば,問題の解決 にはならない。 第2の点は,次 に述べ る石油生産性 (実質GNP /石油消費量) に関連 している。 過去15年間 の石油生産性の推移 をみ ると,石油 危機以前の高度成長期 においては,石油消費量 は GNPとほぼ比例的ない し若干高い比率で増加 し た。す なわち, この時期 において,低価格の石油 が湯水のよ うに使用 され,わが国の高度成長 を支 えたのであ る。 ところが,石油危機以後の石油の 高価格 に対応 して,GNPの伸 びに対 して石油消 費量 は大幅 に低下 し,石油生産性 は著 しく増加 し たの であ農 3岳近 におけるわが国の省エネルギー 化 は驚異的であ るといえる。そのため,通産省 に おいて も,わが国の石油消費予測を再三 にわた り 下方修正 してい る三江4' 一般論をい えば,経済水準の上昇はエネルギー (注5) の増加 を必要 とす る。 しか し,エネルギー消費を 増加す るこ とな しに経済水準 を引 き上 げ る こと は,短期的 には比較的容易である。その理 由 とし て,一つは, エネルギー価格が安価 なときは,坐 活様式や生産過程に過剰なェネルギーが存在 して お り, このゼ イ肉 とい うべ き過剰エネルギーは, 比較的簡単 な工夫 によ り除去で きる。他 には,省 エネルギー技術や省エネルギー製品の開発 は,初 期 において ほ容 易 にな され,そのため にエ ネル ギー消費の増加 な しに経済水準を高めることがで きるのであ る。 問題 は, この数年間にわが国で生 じた よ うな省 エネルギー化が,今後 とも可能であるか どうかで ある。 この点 については,見解が分れるところで あ る。悲観的 な見方をすれば,生活様式や生産過 程 の省エネルギー化 は,短期的 には効果 をあげ る けれ ど,あ る一定限度以上の省エネルギー化 にな ると壁にぶつか り,長期的にはエネルギー弾性値 は上昇せ ざるをえない。逆 に楽観的な見方 をすれ ば、省エネルギーへの絶 えざる努力 と技術革新 は, 今後 とも社会の省エネルギー化 を促進 させ, エネ ルギー弾性値 は小 さいままで推移す る。 どちらの見方 が正 しいかを予測す ることは容易 ではないが,地方の企業 における調査の感触か ら す ると, この2- 3年間に生 じたGNPのエネル ギー弾性値0.2とい うよ うな省 エネルギー化 は困 難であろ う。大 まかな推測をすれば,わが国の今 後 の10年間 く・らいのエネルギー弾性値 は0.5前後 となるのではなかろ うか。

Ⅰ-2

産業におけるエネルギー動向 とコス ト 石油価格の上昇 に伴 う消費量の減少 は,省エネ ルギー化 とい う観 点 か ら論 じられ る ことが多 い が,消費量を減少 させ る要因は,実際 にはそ う単 純ではない。通産省はGNPと石油消費量 につい てある試算を している。その結果が表

2

である。 ここで,石油消費量 は石油の相対価格 の変化,荏 済活動水準の変化,企業の稼働率の変化に よ り決 定 され るとして分析 されている。 表 2 石油消 費量 の変動要因 石油消費 EJ) (ロ) H 量の前年 相対価格 最終需要 稼働率の 交絡項 及 同期比増 の変化に の変化に 変化によ び残業 減率 よる寄与 よる寄与 る寄与 44年 20.5 3.3 15.1△ 0.8 2.9 45* 21.7 2.8 12.1 3.3 3.4 46年 9.9 △ 1.5 5.8 7.5 △ 1.8 47年 6.8 △ 1.2 11.0 △ 0.8 △2.3 48年 15.9 0.8 10.9 △ 5.1 9.3 49年 △ 2.7 △

3

3.4 △ 1.5 11.1 21.1 50年 △ 6.5 △18.6 3.0 19.3 △ 10.2 51年 5.0 △ 0.3 6.5 △10.9 9.6 52年 4.6 2.0 6.5 1.0 △4.9 53年 0.8 6.0 6.3 △ 4.0 △7.5 54年 0.3 △ 0.6 6.9 △ 9.5 3.5 55年 △10.2 △25.3 5.2 △ 0.9 10.8 (備考) 通商産業省「ェネルギー統

」「通産 統 計」,経済企画庁 「国民経済計

」,大蔵 省 「外国貿易概況」

どに

り作

成。

表2か ら,石油 の相対価格 の上 昇 が省 エネル ギー的効果を与 え,石油消費量 に影響 を及はすの には,約

1

年 の時間的ずれが生 じてい る。 また, 相対価格が1%上昇す ると,石油消費量 は0.3%減 少す ると推定 され る。 次に,石油節約の要因を分析す ると,第

1

に産 業構造要因,第2にエネルギー原単位 の低下要因, 第3に石油か ら他のエネルギー資源- の代替要因 に区分 され る禁6'

(4)

1

の要因 は,エネルギー多消費産業の衰退を 意味 し,石油価格の高騰の中で,セメン ト, アル ミ,紙′1ルプ,按経,化学 などの産業 は相対的 に 縮少 した。 よ り広い視点か らみれば,エネルギー 多消費によ り支 えられている製造業の比重が低下 した ともいえる。第2の要因は,多 くの産業 にお いてみ られ るが,特 に鉄鋼 などの素材産業での寄 与が大 きい。第3の要因は,素材産業や装置産業 といわれ る分野で顕著に生 じてい る。た とえは, セメソ トの生産工程において,石油か ら石炭-の エネルギー転換が急速 に進んでいる。 この ような エネルギー転換 は,後 に述べ るように,地方 の企 業 においてもか な り観察 され る。 省エネルギーやエネルギー転換 に対応 して,各 企業で省エネルギー投資が行われ

7

与 なわち, 生産過程におけるエネルギーか ら資本への代替で あ り, この現象 は装置産業 といわれ る窯業 ・土石, 鉄鋼,非鉄金属,紙 ・/ミルプなどにおいて顕著 に 生 じている。省 エネルギー投資 と同時に,運転や 作業方法の変更 ・改善,管理方法の改善,従業員 の省エネルギ ー意識の向上が図 られた。 企業 のエネル ギー調査 に関係 して重要 な こ と は,企業の産 出額 (売 り上げ額) に占め るエネル ギーコス トであ る。今回の調査で感 じた ことであ るが, エネルギ ーコス トは,特別 な業種 を除いて 紘,通常予想 される数字 よりかな り小 さい。 この 点は,すでに述べた総輸入額 の30%以上が石油代 金であ ることに比較 して,際立 った対照 をなして いるO-国におけるマクロ的指標 と個 々の企業で の ミクロ的指標 には,かな りのギ ャップが存在す ることに注意すべ きであろ う。 わが国において産出祝 に占め るエネルギ-コス トの比率を,産業別 に示 した ものが図

2

である。 この比率は,製造業の平均で3- 4%となってお り,表 1に示 した石油輸入額/名 目総需要 の数字 に近い ものであ る。 問題 は,石油価格の高騰が産業間に興 った影響 を与 えることであ り,そのために産業構造の転換 ない し摩擦が生ず ることである。図

2

か らわか る ように,エネルギーコス トの比率が高い産業 は, 窯業 ・土石,鉄鋼,紙 ・/1ルプ,非鉄金属 などで あ り,すでに述べた装置産業 といわれ る分野であ る。 これ らの産業では, アル ミ精練の ように電力 図 2 生産部に占めるエネルギーコスト比率 (注)昭和56年度版 『経済 白書 』より。 を多消費す る非鉄金属を除いては,燃料 コス トの 割合が大 きい ことが特徴である。一方,精密塩晩 電気機械などの産業におけるエネルギーコス トの 比率 はかな り低い. これ には二つの理 由が考 えら れ る。一つ は,それ らにおける製品は高付加価値 の ものが多 く, エネルギーコス トは相対的 に小 さ くなる.他 は,エネルギーの使用形態が加工用動 力 (モーター)であ り,それほどェネルギ-を要 しない ことによる。そのために,われわれの調査 においても, この ような産業に属す る企業では, エネルギー問題 の意識が希薄であ り,む しろエネ ルギーの高価格が及ぼす間接的効果を恐れていた ようである。

企業 におけ る省 エネルギーの実態

ⅠⅠ- 1 調査対象 と調査方法 長 野県上 田市 は人 口約11万人 の地方都市 で あ る。産業 として,かつては蚕業が盛んであったが, 現在ではこれ とい った特徴 はな く,地方 における 平均的産業形態であるといえる。特 に大 きな企業 が存在せず,下請 け企業 も多 く,規模 としてはす べて従業員1000人以下である。 調査にあた っては,原則 として従業員

5

0

人以上 の企業 を選定 したO対象 とす る業種 は製造業が主 であ り,具体的 には,食品,按経,琉械 ・金属 ・ 電枚,運輸,その他であるo付言すれば,上 田市 134

(5)

-周辺 には,装 置産業 といわれ る窯業 ・土石,鉄鋼, 非鉄, パル プな どの産業 はほ とん どない。対象 と なった企業数 は

6

1

社であ り,その うち何 らかの回 答 を寄せた ものが30社であ る。 その内訳を業種別 に分類 して示 す と蓑 3となる。 表3 調査対象企業 とその分類 業 種 対象企業数 業数回答企 協 力 企 業 名 l分 食 品 ll 6 莱飯 島商 店 長 野 味噌武田味噌 エスビー食品 信州-ム 明治乳 A 織 維

5

3 笠原工業 鐘絹ペニー塩田毛糸紡績 B 機 械 金 属電 機 33

1

5

.

工 業 信 州 --ネ ス鐘通工業 長野計器製属工業 川西製針工業松尾工業城南製作所 信濃合金所多摩電捺 三業製作所作所 昭栄 宮野鉄工ヒラ工業アカネ工業アー ト金属サソタ軽金コトC 運 輸

5

3 上 田交 通 上 田観光東特運輸 D 調査方法 であ るが,調査 は面接調査法 で行 った。 調査員 は本研究室 のゼ ミの学 生であ り, 2人1組 とな って業 種別 に担当 した。 調査項 目は,① ェネルギ ー消費実態 の推移 (昭 和

4

6

∼5

5

年 の

1

0

年間) を電力,石油類, ガス, その他 に分 類 した もの,(卦その間の企業 の産 出高, ③過去

1

0

年 間 において行われた省 エネルギ ー策, ⑥現在行われ てい る対策 と将来 の対策,⑤ 今後 エ ネルギー価 格 が大幅 (た とえば50%)上昇 した と き,企業 にお けるエネルギー状態 と経営状態,で あ る。 なお,回答率 は約半分であ り,面接調査法 とし ては必ず しもよ くない。ただ し, これ は調査員が 不熱心であ ったわ けで はない。調査員 は同一企業

2度 以上訪問す るとい うよ うに,か な り精力的 に動いて くれた。 回答 が得 られなか った理 由 とし ては,三つ ぐらいになる。第1は,回答拒否 ない し非協力,第 2は, エネルギ-コス トの比率が低 い とい うことか らの無感心,第3は, エネルギー 管理 の不十分 さか らくる資料 の不備, による無回 答であ る。今回の調査 を通 じ,回答率 を高め るよ うな調査 の企画 の必要性 を痛感 した。 II- 2 調査の結果及び若干の考察 各企業 におけるエネルギー消費量 の推移 を表3 のA, B,C,D群 について, それぞれ図 3-(a) (b),図4-(aXb),図5-(aXbXc),図6-(aXb)に示 す。ただ し,すべての推移 は昭和

5

1

年 基準

(

1.

0

)

とす る相対表示で表わ してあ る。また,企業 に よっ てはデ-タ-の不備や不整合がみ られたので,伝 頼性があ ると思われ る資料 に限定 した. エネルギーの利用形態 として,電力,石油類 (ガ ソ リン,軽油,重油 な ど), ガス(プ ロパ ン

,LP

Gな ど) に分類 し,調査対象が多いC群 を除いて は,石油類 とガスを一括 して図示 したo 曲線 の脇 にあるa, b, Cな どのアル ファベ ッ トは,各群 におけ る企業 を表示 してい る。 エネルギー消費量 に対応す る産 出額 の推移 を同 様 に図3-(p),図4-(p),図5-(p), 図6-(p)に 示す。 曲線の脇 のアル ファベ ッ トは, それぞれエ ネルギ ーの消費の曲線 に対応 してい る。 図をみ てわか ることは,全体的 にみ るとエネル ギー消費量 は増加傾 向にあ るが,各企業 のエネル ギ-消費動 向には相当のバ ラツキがあ り,前述 し た マク ロ的指標 の よ うに平準的 な動 向にはなって いない。部分的 にはエネルギー消費量 がかな り減 少 してい る企業 があ り, この傾 向は産 出額 が減少 してい る時期 に著 しい。 この現象 は,すでに述べ た稼働率の低下 に関連 してい ることは明 らかであ る。 ェネルギー消費 において,電力消費量 は比較的 安定的 に推移 している。 その理 由 として,罵力 は 石油や ガスでは代替で きない高級 なエ ネルギー形 態 であ り,工作機械等 の動力用のエネルギー源 と しては不可欠であ ることに よる。 それ に反 し,石 油類 は多 くの場合火力用, エンジ ン用,暖房用 に

(6)

-3 6 -図5 C群 におけ るエネルギー産 出額 の推移 16 14 12 I0 O8 06

(7)
(8)

利用 されてお り,それはガスや石炭 に代替可能で ある.た とえば,図

6

-(b)において

,D

b

企業 のガソリンと軽油の消費動向をみ ると, ガソリン は石油危機以後 減少 し,代わ りに軽油が増加 して いる。貨物 自動車運送事業であ るb企業では, こ の

1

0

年間にガソ リンエソジン串か らジーゼルエン ジン車への転換が行われた ことを示す。 このよ う なエネルギー転換は,後 に述べ るように,多 くの 企業において程度の差 こそあれ実行 されてお り, その全国的集積が図

1

のよ うなマクロ的動向にな るのである。 エネルギー価格の急騰期には,若干の時間的遅 れを伴いなが ら,エネルギー消費量 は減少す る傾 向がある。 もちろん, この減少傾 向は単なる省エ ネルギーのためではない。すでに述べた よ うに, 生産活動や設備 の稼働率の低下 によるところも大 きい。 グラフ全体をみて もわか ることは,第

1

次 石油危機当時 はほ とんどの企業の産 出額 は減少 し てお り,石油価格の高騰の企業の生産活動に与 え た影響 は甚大であった。 ところが

,5

3

年度末か ら の第

2

次石油危機の際 には,企業の産出額 は必ず しも減少傾向を示 してお らず,逆 に大幅に産出額 を伸 ばした企業 もみ うけ られ る。 とくに,機械 ・ 金属 な どの加工部門で この憤 向が取著 にみ られ る。 第

2

次石油危機を比較的スムーズに乗 り切 った 要因 としては,各企業 における省エネルギー努力, 省エネルギ-投資の積極化 と技術革新に求め られ るが, この他第

1

次石油危機か らの 「学習効果」 もあった といわれてい

a

(

.

E

E

8

)

総費用に占め るエネルギーコス トの比率 は,全 平均では図 2の ようになるけれ ど,個 々の企業を み ると,同業種 で もかな りの′ミラツキがある。 こ こに示 してないが,その コス ト比率の低い ものは 機械加工や精密機械の分野であ り,約

1%

である。 逆 に,エネルギーコス トの比率の高い ものは,本 調査においては タクシー会社であ り,約

1

1

%

であ る。後 に述べ るよ うに,各企業 における省エネル ギー意識の強弱 は,多分にエネルギーコス トの比 率の大小に依存す る。 もちろん,エネルギーコス ト比率の高い企業 ほ ど省 エネルギー対策 に熱心で ある。 付言すれば, エネルギ ー調査 とは直接関連 しな いが,地方 の企業 の産出額 は年 々大幅 に変動す る。 この点 は,わが国を代表 す るよ うな寡 占 ・独占企 業の生産額がかな り安定的であることと対照的で あるO産 出額が不安定であ ることは,下請 け企業 の多い地方 の中小企業の宿命であろ うが, このよ うな ことが地方経済が不況 の波 にもろい主要因 と なってい る。 次に,企業が石油危機 にいかに対処 してきたか を考察す る。 企業のエネルギー対策 の実態を表3 の分類別 に まとめ ると,表

4

となる。個 々の企業 におけるエ ネルギー用途 は種 々であるが,大別す ると,第1に熱利用,第2に動力利用,第3に照 明利用 にな る。 エネルギーを最 も多消費す るのは,第

1

の熱利 用であ り,本調査 においては,ボイラー,電熱, 金属の溶解 ・焼鈍,乾燥 な どの利用形態である。 この利用形態の比重が高い業種 として,食品 (味 噌, ジャム,乳製品などの製造),繊維(加工,染 色 など),金属 (合金,鋳造 など)があ り, これ ら の企業 は,省エネルギーに非常に熱心であ る。た とえば,従来の大型 ボイラーから効率の高い小型 ボイラ-などの転換は, ボイラーを使用す るほと ん どの企業で行われてい る。金属の溶解炉 な ども 効率の高い新型 に転換され てお り,将来の技術革 新 にも熱心である。 第

2

に動力利用であるが, これは電気的 動力と 内燃機関を利用 した動力 に大別 され る。電気的動 力は,工作機械な どにおけるモ-クー使用が主で あ り,機械 ・精密産業では この利用形態の比重が 高いOただ し,この利用に よるエネルギー消費 は, 熟利用な どに比較 して小 さ く,_その ような利用形 態のみである企業の省エネルギー意識 は必ず しも 高 くない。た とえは,機械部品を製造 しているあ る企業では,エネルギーコス トの比率が低いため, 省エネルギ-対策はほとん ど行 ってお らず,せい ぜい暖房設備の改善をした ぐらいである, と回答 している。次に,内燃故閑用動力を主たる利用形 態 を している産業 は,バ ス, タクシー,貨物 自動 車などの運輸業であ り, これ は電気的動力 とは異 な りかな りエネルギーを多消費す る。したがって, エネルギーコス トの比率 も高 く,省エネルギーに 熱心である。 ところが, 内燃機関の技術革新 はほ ぼ頭打ちの状態 なので, この分野でのエネルギー -3

(9)

8-表

4

企業のエネルギー対策の実態

群 エネルギ-の主 な用途 過去10年間のエネルギ十職 現在行われ ている対策 将来のエネルギー対策 芸三芸芸:'諾 警 の大幅 ○蒸気発生 ボイラー ○動力 ○生産設備の改善 ○廃熱の回収 ○焼却炉の廃熱利用 ○石油株か らガカスへの転 ○相乗的資材 の値上 が ○冷凍機 ○熱風発生炉 ○生産工程 におけるムダの排除 ○ボイラーの効率 ア ップ 換 りが心配

A

○暖房 ○照明 ○省エネに対す る意識向上 ○省エネルギー設備の投入 ○価格への転嫁 ○グルーブによる省 エネ活動 ○経営 の悪化 (価格転 嫁 は不可能) ○ボイラー ○動力 ○暖房 ○ボイラ-の交換 ○暖房温度の ○ボイラーの効率 ア ップ ○効率の良い小型 ボイラー ○価格への転嫁 B O湯浴 ○照 明 制限 ○隔壁 の設置 の設置 .○経営 の悪化 ○作業用火力 (バ ーナー等) ○不必要 な照 明の除去 ○加工賃 の抑制 警 三喜実写買蕃 葦 許 警 賛 ≡械 敷

C

○新型ⅠC炉 の採用 ○建物 の改 ○特 にな し 抄一 諜三 ○残業 の規則 ○節iiZ(電燈 の削 減等) ○廃油 リサ イクル化 ○作業方法 の変更 ○バス .タクシ-川燃料 ○i.-ii車 ○ガソ リンをLPGや軽油 に転換 ○軽立小型化 ○特 にな し ○価格への転嫁 D ○芸霊力 ○捌 ○輸送棚 (営 三笠監禁 違憲 警 慧芸蒜窪寺 ○省エネ運転の指導 ○経営 の悪化 業IEli)用燃料 ○ラジ7ル タイヤの装着 ○動力 ○加熱 ○ 自動 IE17: ○生産工程の合理化 ○間接加熱 ○省エネ意識の向上 ○原料転換 (加工時 に-ネ ○経営 の悪化 ○冷暖房

○乾燥用 か ら直接加熱へ ○暖房温度の ル ギー消 rrが 少 な い も ○価格-の伝嫁

E

○照明 制限 の-) ○入手資材の値上が り ○省エネ機器の導入 ○空運転の

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対策 は,すで に述べた よ うに,省 エネルギーよ り もエネルギー転換 に重点がおかれて きた。す なわ ち,価格の高 い ガ ソ リンか ら価格の低 い軽油や ガ スへの転換が行われ,エネルギ- コス トの上昇 を くい止めて きたo Lか し, エネルギー転換が一段 落 してい る今 日, この分野での将来 のエネルギー 対策 の決め手 はほ とん どな く, エネルギー価格の 上昇 は運輸業 にかな りの打撃 を与 えそ うであ る。 第3の照 明用 の エ ネル ギーの利 用形 態 で あ る が, この比重 は各企業 においてそれ ほ ど高 くはな く,平均的 には全体 の10-20%であ る。ただ し, この利用形態 は,すべ ての企業 に不可避的 に生 じ, 電力以外 に代替す るものがない。最近 における電 力価格 の上昇 は, この コス トを押 し上 げ, そのた め に各企業 において

,

「電燈 はこまめ に消す

,

「ム ダな電燈 は削去す る」

,

「作業 においてはなるべ く 光源 を近づけ る」 とい うように,かな り節電 に努 めてい る。 また,冷暖房,炊事用火力 などの 日常的 エネル ギー利用 も, かつての よ うに無制限的使用ではな く,暖房温度 の制限 な ど,その使用がかな りシ ビ ア一にな りつつ ある。 次 に,過去10年間 におけるエネルギ ー対策 をみ ると,表

4

か らわか るよ うに,各企業 で非常 に多 くの ことがな されている。それを大別す ると,第 1に生産設備 ・工程 の改善,第 2にエネルギー転 換,第

3

に 日常的 なムダなェネルギーの削減,第

4

に省 エネルギ ー意識 の向上, となるだろ う。 第1の生産設備 ・工程 の改善 は,製造業 のほ と ん どの企業で な されてい る。 とくに,新型 のボイ ラ-や溶解炉 な どは大 きな成果 をあげてい るよ う であ る.工作機械 は効率の良いNCZ作楼枕 にな りつつあ る。 ボ イラーや焼結炉 の廃熱 は, かつて はそのまま捨 て られていたが,今 日では回収す る よ うに努めてい る企業が多い。注 目すべ きことは, この種 の省エネルギ ーに対す る従業員の貢献であ る。 あ る企業 の担当者の話 であ るが,専門家に頼 めば,30%の省 エネルギーの方法 を教 えて くれ る けれ ど, それ以上 はで きない。 しか し,従業員の なかには,エネルギー消費量を1/5く・らいに工夫す るものがいる とい う。 この話 を聞いた とき,高い 教育 に支 えられた 「草の根技術革新」 の強 さを感 (江 9) じた。 この よ うな従業員の努力の積み重ねが,わ ー40 -が 国の国際競争 力 の根源 に な ってい る と思わ れ る。 第

2

のエネルギー転換 は,す で に述べた よ うに, エネルギ-コス トの比率 の高 い企業 で積極的 にな されてい る。 この よ うなェネルギ ー転換が全国規 模 で生 じたか らこそ,図

1

に示 した よ うに,石油, 石炭, LNGの輸入動向の変化 となって現われ る のであ る。 第3の 日常的 なムダなエネルギーの削除であ る が, これ もすでに触れた よ うをこ,冷暖房 の温度制 限,節電,炊事用 な ど日常的 なエネルギー使用の 制 限な どであ る。ただ し,これに よる省エネルギー の絶対値 はさほ ど大 き くはない。む しろ,あ る企 業経営者 も指摘 してい るよ うに,第

4

の省エネル ギー意識 の向上, とい う精神的 なものに関連 して い る。 それ によると,省 エネルギー意識 の向上 と 紘,単 にエネルギーの節約 とい うことではな く, もっと広 い意味で ムダの排除の運動 であ る。す な わ ち,省 エネルギ-意識 の向上 とい う運動 を通 じ て,生産 におけ るムダの排除 と合理化 を徹底 しよ うとしてお り,企業 に よっては グループに よる省 エネルギー運動 を奨励 してい る。 さらに,現在行われている対策 と将来 のエネル ギ-対策 をみてみ よ う。現在進 行中の対策 は, ほ とん どが過去 に行われ ていた対策 の延長線上 の も のであ る.機械関係の企業 で最近 目立つ ことは, ロボ ッ トな どの先端技術 の導入 を考 えている企業 が多い. これ は単 に省 エネルギ -とい うよ りも, 人件費 も含めた合理化 の一環 として捉 えるべ きで あろ うが,地方 の中小企業 において も今後 ロボ ッ ト化が進行す ることを示 唆 してい る。多 くの企業 において,今後 も積極的 に省エネルギーに取 り組 んでい く姿勢 をみせ てい るが, なかには これ以上 の省 エネルギーを放棄 してい る と思われ る企業 が ある。 た とえば,バスや タクシー会社で は, も う 打つべ きェネルギー対策 はほ とん どない としてい る。 この分野で さらに省 エネルギー化が進むため には, 内燃機関の新たな技術革新が必要 になるで あろ う。 最後 に, エネルギー価格が今後大幅 に上昇す る と想定 した場合,経営 に対す る影響であ るが, こ れは第 1に製品価格への転嫁,第

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に経営の悪化, 第3に納入資材 の値上が り, に大別 され る。

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第1の製品価格への転嫁であ るが,多 くの企業 は価格転嫁 を望 んでい るが,実際にはそ う簡単 に はで きそ うもない と回答 してい る。 ここに,下請 け企業が多い地方の中小企業の苦 しさがある。価 格へ転嫁で きない ときは,す ぐに第2の経営の悪 化 につなが る。 エネルギーコス トの比率が高い企 業では, どうして も価格転嫁が必要である。 しか し,価 格転 嫁 が全 部 で きる よ うな企業 は,特別 な企業 を除い てはあま りない。その必然的帰結 と して,企業経営 の悪化である。た とえ,エネルギー コス トの比率 が小 さ くとも,地方企業の低い収益 力か らみ ると,経営は徐 々に悪化す る。 エネルギー価格の上昇において,多 くの企業が 恐れ ていることは,エネルギー価格の上昇その も のよ りも,す でに触れた間接的影響であ る。た と えば,納入資材の価格上昇であ り,それが コス ト をプ ッシュして経営を悪化 させ る。 したが って, 厳 しい合理化 を余儀 な くされ ると予想 している。 全般的にい えは

,2

度のエネルギー危機 に際 し て大 いに健闘 した。 しか し,今後 ともェネルギ-価格が上昇す るとなると

,

「強気」と 「弱気」の経 営観が対立す る。強気 の見方 をすれば, 2度の石 油危機 を何 とか乗 り切 った実績があ り,石油危機 を経験す るた びに,企業体質 はます ます強化 され てい く。一方,弱気の見方 は,企業における省 エ ネルギー化 もすでに限界であ り,今後 は有効な手 段がない, とい うものであ る。事実,すでに触れ た よ うに,あ る企業 においては省エネルギー化 は 限界であ り, そのよ うな企業での事態 は深刻であ る。

む す

無資源国 といわれ るわが国にとって,資源の価 格変動 は,経済全体 に大 きな影響を与 える。 2度 にわたる石油危機 によ り,物価,雇用,賃金,経 済成長 などはさまざまな影響を受けたけれ ど,現 荏では,先進 国中で最 も優等生 といわれている。 見方 によっては,無資源国であるがゆえに,不断 の技術革新が行われ,経営者 も労働者 も懸命 に努 力 した といえるのであ る。 マクロ的指標においてほ,わが国は過去10年 の エネルギー変動によ く対応 して きたが,個 々の企 業や産業 とい うミクロ的面か らみ ると,必ず しも うま くいったわけではない。石油危機のさなか多 くの弱小企業 が消滅 していった ことも事実 であ る。この ような観 点 か らす る と,石 油 危機 に対 す る地方 の企業の対応 を考察す ることは, それな りに意義があ り,中小企業の行動様式を知 る うえ で も重要で ある。 本稿 においては,上 田市周辺の中堅企業 を中心 に,それ らが2度 にわた る石油危機 にいかに対応 したか,を調査考察 した ものである。サンプル数 も十分でな く, また企業における統計資料 も必ず しも整備 された ものではなかった。 それにもかか わ らず,地方の企業が,発展や生 き残 りのために, 懸命に健闘 した軌跡 を知 るのには十分であ る。 地方の企業 においても,寡 占的 ・独 占的大企業 に負けない-ネ/レギー対策 としてお り, この よう な努力の集積がわが国のエネルギー弾性値 を低め ている, といって も過言ではない。そ こでの省エ ネルギーの主役 は,何 もエネルギ-の専門家では ない。わが国のエネルギ-危機を吸収 した原動力 は,労使一体 となった省エネルギー活動であ り, 従業員一人一人の努力の結晶である.そ こには, 良 きにつけ悪 しきにつけ,企業が労使一体 の共同 体 として機能 している姿があ り,草の根技術革新 の強 さが兄 い出され る。 わが国の旺盛 な生産活動の源泉 は優れた技術力 であ り,それは結局の ところ優秀 な人材に帰着す る。この意味で,国民 の教育水準が高 く維持 され 技術革新が絶 えず生起す るならは,外生的 な衝撃 は何 らかの方法で吸収 されて しま うであろ う。エ ネルギー危機 はこの典型的事例であ り, このよ う な状態が保持 され る限 り,必ずや第三,第四のエ ネルギー危機 も乗 り切 って い くに相違 ない。 〔付記〕 本研究は,昭和55年度における長野大学の地域研究助成 金により行われた。また,調査に協力したゼ ミの学生は, 中西仁,木洞健司,古川孝,佐藤俊光,吉江勤,田村新吾, 米沢浩次である。心から感謝したい。 注および参照資料 注1 国際鉄鋼連盟調べ(1978年)による。なお,昭和 56年度版 F経済白割,P234参照。 注2 以下の議論について,昭和56年度版 F経済日割

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節Il部, 第1毒,約3節 を参照。 注3 通商産業省 Fエ ネルギ ー統計J,経折企画庁 F国民 経済計算」参照。 注4 ェネルギ ーの将 来予 測 につ いて は,紺 エ ネル ギー 結合工学研 究所 rエネルギー レポ ー ト'82J(数育祉 編) を参照 され たい。 注5 エネルギ ー消穀 と国民所得 の理論的 分析 につ いて は,拙著 F市場価値 分析の再杭築j (学 文社),節 8章 を参照 された い。 注6 以下の議論 につ いて, 昭和56年度版 F経 折 日割 第 II部

,

範 1章,窮3節 を参照。 注7 日本開発銀行 F設備投資計画調査J な どの資料 よ りO 注8 窮 2次石油危故 を乗 り切 った原 田 として, よ くこ の効果 が引用 され るが

,

「学 習効果」な るものを過 大視 しす ぎてい るか もしれ ないoこの点 につ いて, 赤羽隆夫 著 Ftt非"常 識 の 日本経済論) (日本経済 新聞社), P164に面 白い見 解があ る。 注9 この点 につ いて,週刊 F東洋経済」,近経 シ リーズ Na59(石井威 望 「今や 日本の世紀が始 まった」)を 参照 され たい。 -

表 4 企業のエネルギー対策の実態 群 エネルギ‑の主 な用途 過去 1 0 年間のエネルギ十職 現在行われ ている対策 将来のエネルギー対策 芸三芸芸 : ' 諾 警 の大幅 ○蒸気発生 ボイラー ○動力 ○生産設備の改善 ○廃熱の回収 ○焼却炉の廃熱利用 ○石油株か らガカスへの転 ○相乗的資材 の値上 が ○冷凍機 ○熱風発生炉 ○生産工程 におけるムダの排除 ○ボイラーの効率 ア ップ 換 りが心配 A ○暖房 ○照明 ○省エネに対す る意識向上 ○省エネルギー設備の投入 ○価格への転嫁 ○グルーブ

参照

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