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【資料】ダウン症の児の家族と専門職が育児について語り合う 山梨ダウン症フオーラム 利用統計を見る

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【資 料 】

ダウ ン症 の児 の家 族 と専 門職 が育 児 につ い て語り合う

      山梨 ダ ウ ン症 フオ ー ラム

  独立行政法人国立病院機構甲府病院

山梨大学大学院医工農学総合教育部博士課程

        石橋みちる

    山梨大学大学院総合研究部

        中込 さと子

Yamanashi Down Syndrome Forum as a Place where Families of Children with Down's Syndrome Talk about their Child-Rearing with its Specialists

National  Hospital  Organization  Kofu  National  Hospital

Department  of  Education  Interdisciplinary  Graduate  School  of  Medicine,  Engineering, and  Agricultural  Sciences,  University  of  Yamanashi

Michiru  Ishibashi

Division  of  Nursing  Science,  Faculty  of  Madicine,  Graduate  Faculty  of  Interdisciplinary  Research, University  of  Yamanashi

Satoko  Nakagomi 抄 録   『山 梨 ダ ウ ン症 フ ォ ー ラ ム』 は 、 山 梨 県 に お い て ダ ウ ン症 の 児 ・者 と家 族 が 豊 か に生 き て い く地 域 社 会 の 基 盤 を 作 る こ と を 目 的 と し、 ダ ウ ン症 の 児 ・者 と 家 族 、 医 療 、 保 健 、 教 育 、 福 祉 の 専 門 職 が 集 ま り、2014年 よ り毎 年1回 開 催 して い る。 家 族 と地 域 で 関 わ る 専 門 職 が 、 相 互 理 解 ・交 流 ・協 働 し て い く場 と して 機 能 す る こ と が 目 的 で あ る。   フ ォ ー ラ ム 実 行 委 員 会 は 、 日本 ダ ウ ン症 協 会 山 梨 県 支 部 の 芝 草 の 会 の 数 名 の 母 親 ・父 親 で 組 織 し 、 ダ ウ ン症 の 児 の 出 生 以 降 、 子 育 て で 困 っ た こ と か ら テ ー マ や プ ロ グ ラ ム を 作 成 した 。 参 加 者 は 、 毎 回100名 程 度 で様 々 な 職 種 の 専 門 職6∼7割 、 芝 草 の 会 を 含 む 家 族3∼4割 で あ っ た 。   フ ォ ー ラ ム は 、  「親 が 子 育 て の 際 に 実 際 に 困 る こ と を 知 り た い 」 専 門 職 と 「こ れ か ら の 子 育 て に 役 立 て た い 」 親 が 学 び あ う場 と な っ て い た 。 ま た 、 双 方 の 相 互 理 解 の 一 助 と な る だ け で は な く、 主 体 的 に 育 児 を 行 う母 親 の エ ンパ ワ ー メ ン トも 高 め て い た 。 今 後 も家 族 と と もに フ ォ ー ラ ム 開 催 と ダ ウ ン症 の 児 の 適 切 な 育 児 情 報 の 提 供 を継 続 して い き た い 。   Key Words:ダ ウ ン症 の 児 、 育 児 支 援 、 親 仲 間 、 協 働 、 啓 発 活 動 1.緒 言   ダ ウ ン症 候 群(以 下 ダ ウ ン 症 と す る)は 、 社 会 的 に 最 も 知 ら れ て い る 染 色 体 異 常 で 凌 る 。 ダ ウ ン症 の あ る 児(以 下 ダ ウ ン症 の 児 と す る)の 出 生 頻 度 は 、 お よ そ800人 に1人 であ

る1)

。周産 期の医療機 関は、 児に必要 な治療 を

行 いなが ら、家族 が授 か った大切 な生命 を迎

え入 れ、新 たな一 歩 を踏 み出す ため の支 援 を

担 ってい る。

 家族 へ の支援 の輪 は、児 の成 長 と共 に広 が

(2)

−17-る 。 地 域 の 小 児 医 療 、 保 健 、 福 祉 、 教 育 な ど 様 々 な 専 門 職 者 が 、 児 の 成 長 に 応 じて 家 族 を 支 え る 。 専 門 職 者 に は 、 ダ ウ ン 症 の 児 を 地 域 社 会 で い か に 健 や か に 育 て て い く か を 家 族 と 共 に考 え歩 ん で 行 く こ と が 求 め ら れ て い る2)。 一 方 で 、 上 記 の フ ォ ー マ ル な 専 門 的 支 援 と 両 輪 を 担 う と さ れ る の が 、 家 族 や 友 人 、 子 育 て 仲 間 や 親 の 会 か らの イ ン フ ォ ー マ ル な 支 援 で あ る3)。 ど ち ら も 地 域 で の 育 児 支 援 と し て 欠 く こ と が 出 来 な い 大 切 な 資 源 で あ り 、 ダ ウ ン 症 の あ る 人 、 家 族 が 豊 か な 地 域 生 活 を 営 む た め に 家 族 を 支 え る ネ ッ トワ ー ク と し て 連 携 が 重 要 で あ る。 我 々 は 、 ダ ウ ン症 の 児 を 育 て て い る 家 族 と 専 門 職 が 共 に 考 え 、 協 働 し て い く た め の 一 つ の 場 と し て 山 梨 ダ ウ ン 症 フ ォ ー ラ ム を 開 催 し て き た 。 本 稿 で は 、 そ の 経 緯 と概 要 、 フ ォ ー ラ ム参 加 者 の ア ン ケ ー ト結 果 等 を 報 告 す る 。 ま た 、 山 梨 県 で ダ ウ ン 症 の 児 を 育 て る 母 親 達 の 育 児 環 境 や 育 児 支 援 に つ い て 考 察 す る 。

. 日本 ダ ウ ン症 協 会 山 梨 県 支 部 の 芝 草

の 会 との協 働 の経 緯

1.芝 草 の会 とは

芝草 の会 は、全 国組織 の公 益財 団法 人 日本

ダウン症協会 似 下JDSと す る)の 山梨 県支部

で あ る。 ダ ウン症 の あ る人 た ち とその家族 、

支援者 でつ くる参加人数120名 余の規模 の会員

組織 で あ り、40年 の歴 史 を有 す る。 ダ ウ ン症

の児 の年 齢別 に、 あゆみ会(0歳

∼就学前)、

夢 ク ラブ(小 学 生 ・中学生)、

い い じゃんク

ラブ(高 校生 以上 〉の3部 会 に分 かれ る。全体

での交流会 、部会 毎 の レク リエ ーシ ョン会 、

講 師 を招 いて の講演会 ・勉 強会 、就 学相談 会

な どを開催 し、子 供 た ちが多方 面 に活躍 で き

る可 能性 を育 て なが ら、生活 の質 の 向上 を 目

指 して様 々 な活 動 を して い る。

県 内全域 に在住 してい る家 族会 員 は、各 地

域 に おい て 新規 会 員 の 家族 に対 して ピア サ

ポー ターの役 割 を担 うこと もあ り、会 で の関

わ りは イ ンフォーマル な相 互 支援 とな って い

る。

2.小 冊子 『

大切 な命 を産 み育 む ために』 が繋

い だ 縁 小 冊 子 『大 切 な 命 を 産 み 育 む た め に 』 は 、 2008年 にJDSと 日 本 遺 伝 看 護 学 会 が 協 力 して 作 成 し た 。 児 に ダ ウ ン 症 が あ る こ と を 知 ら さ れ た 母 親 、 父 親 の 「して ほ し い こ と 、 し な い で ほ し い こ と 」 が 明 確 に 記 さ れ て い る 。 我 々 は 、 こ の 冊 子 を 妊 娠 ・出 産 に 携 わ る 看 護 職 に 活 用 し て 貰 うべ く 、2012年 、 日本 遺 伝 看 護 学 会 とJDSの 協 力 の 元 、 都 内 に て 公 開 学 習 会 を 開 催 した 。 多 くの 看 護 職 とJDS会 員 が 参 加 し、 親 の 体 験 や 行 わ れ る べ き ケ ア に 関 し て 意 見 を 交 換 し合 っ た4)。 そ の 後 、 学 習 会 の 開 催 を 知 っ た 数 人 の 芝 草 の 会 会 員 か ら 、 「ぜ ひ 地 元 山 梨 で も こ の 冊 子 を 活 用 して 、 同 様 な 学 習 会 を 行 い た い 」 と の 声 が 届 い た 。 芝 草 の 会 の 会 員 と の 話 し 合 い か ら 、 ダ ウ ン 症 の あ る 児 の 子 育 て で 困 っ て い る 点 が 次 第 に 明 確 化 し て き た 。 そ こ で 我 々 は 、 広 く 山 梨 県 内 に ネ ッ トワ ー ク を 持 つ 芝 草 の 会 の 会 員 と、 山 梨 の ロ ー カ ル に 根 差 し た フ ォ ー ラ ム の あ り 方 を 検 討 し た 。 半 年 間 の 準 備 の 末 、2014年 に 第1回 を 開 催 す る に 至 っ た 。 Ⅲ . 山 梨 ダ ウ ン 症 フ ォ ー ラ ム の 概 要 1,世 界 ダ ウ ン症 の 日の 関 連 事 業 と して の 山 梨 ダ ウ ン症 フ オ ー ラ ム ダ ウ ン 症 の 児 へ の 適 切 な 医 療 ケ ア ・早 期 の 対 応 計 画 お よ び 包 括 的 な 教 育 、 福 祉 の 重 要 性 の 認 識 は 、 世 界 的 に も 高 ま り、 生 ま れ な が ら の 尊 厳 と個 人 の 自 律 性 と 独 立 の 重 要 性 が 確 認 され て きて い る 。2012年 、 国 際 連 合 に よ り3月 21日 が 世 界 ダ ウ ン症 の 日 と して 制 定 され た5)。 本 フ ォ ー ラ ム は 、JDSに よ り世 界 ダ ウ ン症 の 日 の 関 連 事 業 と し て 位 置 付 け ら れ 、 地 域 社 会 で の ダ ウ ン症 の 啓 発 活 動 の 一 端 も 担 っ て い る 。 ロ ー カ ル な 取 り組 み で は あ る が 、JDSを 通 じ 日 本 全 国 に 情 報 発 信 さ れ て い る 。 2. 目 的 山 梨 県 の 医 療 、 保 健 、 教 育 、 福 祉 、 就 労 な ど の 専 門 職 が 集 ま り 、 相 互 理 解 ・交 流 ・協 働 して い く 場 と して 機 能 し 、 顔 の 見 え る 繋 が り を 作 り、 ダ ウ ン 症 の あ る 人 、 家 族 が 暮 ら し や す い 地 域 を作 る一 助 と す る こ と 。 −18−

(3)

3. 実 行 委 員 会 に よ る フ ォ ー ラ ム企 画 と運 営 第1回 、 第2回 の フ ォ ー ラ ム で は 、 我 々 と 乳 幼 児 の 部 会 ・あ ゆ み 会 の 有 志 の 母 親 数 名 で 山 梨 ダ ウ ン症 フ ォ ー ラ ム 実 行 委 員 会 を 構 成 し た 。 第3回 以 降 は 芝 草 の 会 の 各 世 代 の 部 会 よ り2∼3名 ず つ の メ ン バ ー に て 結 成 し 、 企 画 運 営 会 議 と し て 月 例 ミ ー テ ィ ン グ を 持 っ た 。 ミ ー テ ィ ン グ で は 、 自 由 に 「子 育 て で 困 っ た こ と 、 情 報 が 不 足 し て い た こ と 、 今 一 つ 理 解 で き な い こ と 」 に つ い て 話 し合 っ た 。 そ の 中 で 、 な る べ く 母 親 た ち が 専 門 職 か ら 知 り た い こ と、 専 門 職 に 伝 え た い こ と を 明 確 化 して フ オ ー ラ ム の テ ー マ を抽 出 した 。 第1回 の テ ー マ は 出 生 に つ い て で あ り 、 第2 回 以 降 は 発 達 に 沿 っ て 子 育 て の 中 で 母 親 が 大 切 と感 じ る点 を テ ー マ を と し て き た 。 ま た 、 フ ォ ー ラ ム に 参 加 して も ら い た い 専 門 職 を 検 討 し、 そ れ ぞ れ の 全 関 連 施 設 に 対 して 案 内 と チ ラ シ を 発 送 し た 。 第2回 目 の 案 内 発 送 は 県 内 の 全 て の 医 療 機 関 、 保 育 園 、 幼 稚 園 等 に 送 付 した た め360件 に 上 っ た 。 当 日 の 運 営 に は 、 実 行 委 員 以 外 の 芝 草 の 会 の 会 員 も ボ ラ ン テ ィ ア 参 加 し た 。 参 加 者 に は ア ン ケ ー トと し て 、 「参 加 動 機 」 、 「困 っ て い る こ と 」 、 「フ ォ ー ラ ム か ら得 た 学 び 」 等 の 項 目 の 用 紙 を 配 布 、 デ ー タ 回 収 し た、 4.ダ ウ ン症 の 児 の 子 育 て ガ イ ド と し て の 小 冊 子 等 の 作 製 我 々 は 、 フ ォ ー ラ ム の 貴 重 な 講 演 内 容 を 一 過 性 に 終 わ らせ ず 、 こ れ か ら 生 ま れ て く る赤 ち ゃ ん と家 族 の た め に 形 と して 残 す べ く、 第 2・3回 の 講 師 と共 に 小 冊 子 を 作 製 し た 。 こ れ ら の 成 果 物 は 山 梨 大 学 成 育 看 護 学 講 座 の ホ ー ム ペ ー ジ よ り ダ ウ ン ロ ー ドが 可 能 で あ る6)。 ま た 、2017年9月 よ りJDSの ホ ー ム ペ ー ジ か ら も ダ ウ ン ロ ー ド可 能 に な り、 広 く全 国 の ダ ウ ン 症 の 児 の 家 族 に 届 く形 に な っ た 。 第4回 で は 、 家 庭 で 出 来 る 指 圧 の 実 演DVDを 講 師 が 作 成 し た 。

. 山梨 ダ ウ ン症 フ ォー ラ ム の 準備 の

た め の 事 前 調 査 結 果

フ ォー ラム開催 に あた り、我 々は実 行委 員

会 を1∼2か 月 に1回 開 催 し た 。 委 員 会 内 で は 、 ま ず 委 員 の フ リ ー トー ク で 育 児 で の 困 っ た こ と に 関 す る 発 言 を 拾 い 上 げ た 。 そ の 中 で 問 題 に 上 が る 点 に焦 点 を 当 て た 。 第2回 フ ォ ー ラ ム 以 降 は 、 芝 草 の 会 の 会 員 に 聞 き た い 項 目 を 作 成 し ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 した 。 1.実 行 委 員 会 で の フ リ ー トー ク 内 容 委 員 の フ リ ー トー ク で は 、 乳 幼 児 の 母 親 の 不 安 や 疑 問 に 対 し て 、 少 し 子 ど も の 年 齢 が 上 の 母 親 が ア ドバ イ ス す る 場 面 が 多 々 見 ら れ た 。 快 く 対 応 して も ら え る病 院 や 受 け 入 れ て く れ る幼 稚 園 や 活 動 、 有 用 な 育 児 グ ッ ズ な ど の 情 報 交 換 の 他 、 食 事 を 丸 呑 み して し ま う こ と 、 歯 科 医 師 か ら の 指 示 通 り に 進 め る の が 難 し い 離 乳 食 、 ず っ と 一 つ の こ と に こ だ わ っ て し ま う な ど 、 食 事 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 関 す る話 題 も上 が っ た 。 2.事 前 調 査 の 結 果 事 前 調 査 の 結 果 の 一 部 を 表1に 示 し た(表 1)。 第1回 フ ォ ー ラ ム で は 、 実 行 委 員 か らの 聴 き取 り を 行 っ た 。 第2回 フ ォ ー ラ ム で は 、 未 就 学 児 の ダ ウ ン症 の 児 の 親 で 構 成 さ れ る あ ゆ み 会 の メ ンバ ー に 対 し、 ア ン ケ ー ト調 査 を 行 っ た 。 第3回 、 第4回 フ ォ ー ラ ム で は 全 て の 部 会 ヘ ァ ン ケ ー ト調 査 を 行 っ た 。 ア ン ケ ー トの 項 目 は 、 属 性 、 い つ ど の 様 な 場 で 何 を 基 準 に し て 関 わ っ て き た か 、 支 援 し て き た 専 門 職 、 そ の 中 で 困 っ た こ と 、 相 談 す る相 手 な ど に つ い て で あ っ た 。 摂 食 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン、 身 体 発 達 に 関 し て 、 そ れ ぞ れ 異 な る 専 門 職 の 支 援 を 受 け て い た 親 が ほ と ん ど で あ っ た 。 そ の 契 機 や 時 期 は 小 児 科 医 師 の 判 断 や 、 育 児 の 中 で の つ ま ず き な ど 様 々 で あ っ た 。 ま た 、 例 え ば 摂 食 に 関 して は 歯 科 や 言 語 療 法 士 、 身 体 活 動 に 関 し て は 理 学 療 法 士 や ベ ビ ー マ ッ サ ー ジ の 先 生 、 保 育 士 、 教 諭 な ど 、 複 数 の 専 門 職 に 支 援 を 受 け る こ と が あ っ た 。 そ れ ぞ れ の 専 門 職 の 指 導 と 児 の 実 際 が す り合 わ な い こ と へ の ス トレ ス を 感 じ る 、 と 記 載 し て い た 親 も 少 な く な か っ た 。 −19−

(4)

表1. 山 梨 ダ ウ ン 症 フォ 一 ラ ム 準 備 の た め の 芝 草 会 員 へ の事 前 調査 結 果

開催回

部会

人 数 (回収 率) 育児の課題点(一 部) 第1回 あ ゆ み 実 行 委 員 か らの聴 き 取 り調 査 ・ダウン症の診断前、何かあるのでは?と不安だった時期に避けられている感 じだった ・医師 はダウン症だ と診断 を しただけで、その後、どう育てていくのか、先が見えなかった ・病院 から市の保健師 さんへの連絡が うまくいっていなかったのか、何の連絡もなかった 第2回 あ ゆみ 21名 (58%) ・子育ての分野で一番苦労 している(3歳) ・歯科医院か らゆっくり離乳食 をと言 われ たが、実際は普通食を食べられて、悩んだ(4歳) ・摂食の先生、言 語療 法士の先生と、指導 内容が正 反対 で不安 だった(5歳) 第3回 あ ゆみ 20名 (59%) ・言葉 が話せ ないので、 ものす ごくもどかし さを感 じる(4歳) 一 ・まず指示が通 らない。や りた くない。本当 に手のかかる子供、何 を考 えているのか (5歳) ゆ め (小中 高) 20名 (38%) ・言語が未発達な為、伝わらないもどかしさなどで、自傷行為を行ってしまう(小1) ・年齢が土が るにつれ、頑固になってきて、先生の言 う事 を聞かな くな りつつ ある(小5) い い じ ゃ ん (社会 人) 12名 (50%) 一一 ・言葉が不明瞭で聞 き取 りきれず、聞き返していくうちに本人があきらめてしまう(18歳) ・反抗期や病的なので、気持ちをス トレー トに表現してくれず、互いにス トレスを感 じる(28歳)

第4回

あ ゆみ 18名 (60%) ・まだ離乳食で、自力で動けずリハビリをしていて、何から始めたら良いのか(4歳) ・障害 を持 った子が取 り組め る地域の活動や スポーツ、レクリエーションの情報がない(6歳) ゆ め 15名 (38%) ・始めは親 と楽 しく運動 するが持続 しない(小 学生) ・学童期は定期 的に体 を動かすが、卒業後はなかなか体を動かす機会がない(中 学生) い い じ ゃ ん 14名 (33%) ・肥 満予防が大 きな課題 なので 日常生活の中でいかに工夫で きるか知 りたい(18歳 ) ・疲れやすいがどこまで させ て も大丈夫か見極 めの基準がわか らない(22歳) V.  第1回 ∼ 第4回 山 梨 ダ ウ ン 症 フ ォ ー ラ ム の 開 催 結 果 1.各 回 の テ ー マ と 講 師 各 回 の テ ー マ と 講 師 を 表2に 示 し た(表 2)。 2.参 加 者 の 背 景 第1回 は88名(専 門 職65名 、 芝 草 の 会 会 員14 名 、 会 員 以 外 の親9名)、 第2回 は142名(専 門 職104名 、 芝 草 の 会 会 員30名 、 会 員 以 外 の 親8 名)、 第3回 は121名(専 門 職80名 、 芝 草 の 会 会 員36名 、 会 員 以 外 の 親5名)、 第4回 は109名 (専 門 職72名 、 芝 草 の 会 会 員30名 、 会 員 以 外 の 親7名)で あ っ た 。 第1回 か ら 第4回 ま で を 通 し て 参 加 し た 専 門 職 の 職 種 は 非 常 に 多 岐 に 渡 っ た 。 地 域 で ダ ウ ン症 の 児 に 関 わ る 医 療 、 保 健 、 福 祉 、 教 育 の 多 種 の 専 門 職 の 参 加 が 見 ら れ た 。 特 に 顕 著 で あ っ た の は 第2回 フ ォ ー ラ ム で15職 種 以 上 の 専 門 職 の 参 加 が あ っ た 。 病 院 か ら は 、 小 児 科 医 師 、 看 護 師 、 助 産 師 、 作 業 療 法 士 、 言 語 療 法 表2.山 梨 ダ ウ ン症 フ ォ ー ラ ム の テ ー マ と講 師 、 プ ロ グ ラム の特 色

開催時期

テ ー マ

2014年 3月15日

出生か ら家庭で

育て始める頃

長谷川知子氏(小 児科医師)

中込 さと子氏(助 産師)

芝 草 会 員母 親 の 体験 の 語 り、 参 加 者 全 員 の グ ル ー プ討 議 2015年 2月7日 ダ ウ ン症 の あ る子 の 食 と言 葉 の 発 達

武田康夫氏(歯 科医師)

芝 草 会 員 母 親 の 体 験 の 語 り、 参 加 者 と講 師 との デ ィス カ ッ シ ョ ン 2016年 2月20日 接 し方 ・ か か わ り方

長谷川知子氏

石上志保氏(言 語療法士)

清野弘子氏(JDS会

員)

乳 幼 児 期 ・学 童 期 と 思 春 期 ・成 人 期 の テ ー マ 別 セ ッ シ ョ ン と デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 2017年 2月18日 か ら だ づ く り ・ 体 力 づ く り

神子島誠氏(理 学療法士)

村岡曜子氏(指 圧師)

講 演 後 の実 技 (講師 の体 調 不 良 の た め 中 断) 置

(5)

−20-士 、 歯 科 や 口 腔 保 健 セ ン タ ー か ら歯 科 医 師 、 歯 科 衛 生 士 、 行 政 か ら 保 健 師 、 保 育 士 、 幼 稚 園 や 保 育 園 か ら保 育 士 、 管 理 栄 養 士 、 教 諭 、 福 祉 施 設 か ら 児 童 指 導 員 、 保 育 士 、 調 理 師 、 そ の 他 職 員 な ど で あ っ た 。 3. 参 加 者 へ の 調 査 結 果 1)参 加 動 機 参 加 者 に 配 布 し た ア ン ケ ー ト結 果 よ り 、 参 加 動 機 を 表3に 示 し た(表3)。 芝 草 の 会 員 は 、 知 り た か っ た テ ー マ の 講 演 に 期 待 し、 参 加 す る 専 門 職 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 、 情 報 交 換 に も 関 心 を 寄 せ て 参 加 して い た 。 専 門 表3. 山 梨 ダ ウ ン 症 フ ォ ー ラ ム の 参 加 動 機

開催回

第1回

芝草の会

・各 関 係 機 関 の方 々 と情 報 共有 と情 報 交 換 が 出来 た らと思 っ て ・医 療 職 の 方 々 の 考 え方 、 思い、状 況 を知 りたい ・他 の 親 御 さん の 体験 談 を 聞 きた くて

専門職

・子と親 をサポー トする中で、疑問やこれでいいのかと不安だったので話の中からヒントを得たい(看 護師) ・地 域 の 保 健 師 と し て 私 に ど ん な サ ポ ー トが 出 来 る の か 学 び た い(保 健 師) ・周 産 期 の み な ら ず 、 その 後 の 療育 や 支 援 につ い て も情 報 を得 た い(助 産 師) 第2回

芝草の会

・離 乳 が進 ま な い・丸 飲 み が あ る の が 心 配 で 、食 につ いて知 りたい

専門職

・嚥 下 ・摂 食 相 談 が 難 しい(歯 科衛 生 士) ・親 へ の声 掛 け に 困 っ て い る(保 育 士) 第3回

芝草の会

・言 葉 が 聞 き取 りに く く コ ミュ ニ ケ ー シ ョン不 良 に な た め・これ か らの成 長 と子 ど もの 自立 に つ い て 知 りた くて ・成 人 期 の 問 題 行 動 が 気 に な る

専門職

・病 棟看 護 に活 かす た め、家族支援 を行う際に知識 を持って関わ りたいため(看 護師) ・第1回 に参 加 し勉 強 に な っ た。今 、 ダウン症の子 に関わ って いるため(教 諭) ・ダウン症の方 との関わ りは多いが、幼少期や多くの方の様子や関わり方に関心があった(指 導員) 第4回

芝草の会

・家 で ど うす る か・毎 回 本 当 に 役 に 立 つ 内 容 な の で、施 設 で ど う して も ら うか 、 子 ど もの体 の 動 か し方 につ い て 知 りた い 、 今 回 も 学 び た く て

専門職

・親 が 子 育 て の 際 に 困 る こ と 等 の 実 際 を 知 り た か っ た(看 護 師) ・昨年 も参加 し、ダウン症について知識を増やすことが出来たので、今年も是非参加したいと思った(保育士) 表4. 山 梨 ダ ウ ン症 フ ォー ラ ム か ら得 られ た 学 び

開催回

第1回

芝草の会

・必要 な時 に、 ケ アす る側 ・され る側 がつ なが ってい ることが大事 だ とわか った ・保健 師 さん が情報 を持 って、短期ではなく長いスパンで色々な事を一緒に考 えて貰えると良い ・病 院 → 地 域 の 保健 師 → 芝 草 の 会 へ の 連 携 が ス ム ー ズ に 密 にで き た ら良 い と感 じた

専門職

・最 初 に 関 わ る ス タ ッ フ と して、 何 が 出 来 る の か が 少 し見 え て き た(助 産 師) ・な るべ く早 い時期 に知 り合 いに な り、芝 草 の会 の ピアカ ウ ンセ リン グにつ な げてい きたい(保 健 師) 第2回

芝草の会

・初 め て 知 っ た 知 識 、 今 まで と違 っ て い た 知 識 が 多 く勉 強 に な っ た・ダ ウ ン症 の子 を持 つ 親 だ けで は な く、沢山の方達 がい ら して、幸せ だ なと感 じた

専門職

・情 報 の 少 な さ が 母 親 の 不 安 に 思 う原 因 だ と 知 っ た(助 産 師) ・ダ ウ ン症 の 子 ど も を も つ 母 親 の 気 持 ち が 聞 け た こ と が 印 象 的 。 ス トレ ー トな気 持 ち を 聞 くこ とが ほ とん ど無 い た め、 とて も意 味 の あ る もの に な った(看 護 師) ・摂食 に関 し、食習慣 ・生活 リズ ムを中心 とした、 トー タル的な取 り組みの重要性 を理解で きた(歯 科医師) 第3回

芝草の会

・子 ど もに ゆ っ く り、 み じか めに、は っき り話 しかけ る事 を意識 したい ・言 葉 が 不 明 瞭 、一文字違 うな どの理 由がは っ きりわか った ・長 男が健常者 だが、長男の教育のためにも役に立った。今までダウン症だと出来ないことばかり と思 って いた が、 今 後先 入観 を持 たず子 ど もの可能 性 を伸 ばす よ うな教育 を して い きた い

専門職

・具 体 的 な 場 面 で の 情 報 交 換 を して い るの を見 て 、 この よ うな機 会 が貴重 だ と思 った(看 護 師) ・言 葉 を育て るた めに、短 い言葉 で ゆっ くり、 は っ きり!保 育 の現場 で遊 びの中で 工夫 したい(保 育士) ・フォ ー ラ ムで得 た こ と、 感 じた事 、 今 後 の支 援 の在 り方 につ い て職 場 内 で話 し合 い たい(指 導 員) 第4回

芝草の会

・改 めて ダ ウ ン症 の体 の特 徴 を認 識 で き、今後の発達 の参考 に したい・便 秘 と下 痢 の繰 り返 しな ので 、 まず は腹部 マ ッサ ージを家で実行 してみ たい

専門職

・子どもが自分の意志で動 こうとすることが大切で・姿 勢 の ポ イ ン トを 理 解 し た の で 、 臨床 に直 接 活 か す こ と が 出来 そ う(作 業 療 法 士)、その気持ちを育てることが本人のためだと知 った(保 育教諭) −21−

(6)

職 は 、 ダ ウ ン 症 の 児 や 家 族 を ケ ア し て い る た め 、 目 的 を持 っ て 参 加 し て い た 。 リ ピ ー タ ー も 多 く 、 各 回 の テ ー マ を 中 心 と し た ダ ウ ン 症 の 児 の 子 育 て と 家 族 の 実 際 に つ い て 関 心 を 抱 い て い た 。 2)フ ォ ー ラ ム か ら得 られ た 学 び フ ォ ー ラ ム か ら 学 ん だ こ と に つ い て 表4に 示 し た(表4)。 芝 草 の 会 員 か ら は 、 日々 の 育 児 の 中 で の 疑 問 や 謎 が 解 決 し 、 今 後 の 育 児 の 方 向 性 を 定 め る の に 役 立 つ な ど 、 実 践 的 な 効 果 が 得 ら れ た と い う 意 見 が あ っ た 。 ま た 、 県 内 の 多 職 種 の 専 門 職 の 参 加 に 勇 気 づ け ら れ た と い う意 見 も あ っ た 。 専 門 職 か ら は 、 母 親 の 生 の 声 を 聴 く機 会 が あ っ て 勉 強 に な っ た と い う 意 見 が 多 く寄 せ られ た 。 ま た 、 具 体 的 な 育 児 手 技 や 良 く あ る 問 題 に 関 して の 対 処 方 法 を 学 ぶ こ と が 出 来 、 明 日 か ら の ケ ア に す ぐ活 か し た い と の 意 見 も 多 か っ た 。 3)芝 草 の 会 の 認 知 度(図1) 芝 草 の 会 の 認 知 度 は 、 第 ユ回 の 際 に は 参 加 者 の4割 程 度 で あ り、 活 動 内 容 を 知 っ て い る 人 は 1割 程 と低 か っ た 。 年 々 、 芝 草 の 会 の 認 知 度 は 上 が り、 第4回 で は 活 動 内 容 を 知 っ て い る 人 の 割 合 は5割 に な っ た 。 芝 草 の 会 が 県 内 で 名 実 と も に 認 知 さ れ て きつ つ あ る と言 え る。 4.実 行 委 員 を 経 験 し た 母 親 の 気 持 ち 実 行 委 員 を経 験 した 母 親 の 一 人 は 、 第1回 フ ォ ー ラ ム は 共 感 す る場 で あ つ だ が 、2回 目 の フ ォ ー ラ ム は 、 自 ら の 発 表 を 通 じ て 子 育 て 経 験 を 振 り 返 る 機 会 と な っ た と 語 っ た 。 「第 一 回 目 は 観 客 と して 参 加 し ま し た 。 出 生 直 後 の 親 の 気 持 ち を 聞 き 皆 さ ん 同 じ 気 持 ち を 経 験 し て い る と わ か り ま し た 。 自 分 の 体 験 を 発 表 す る 事 が 、 今 ま で の 育 児 の 振 り返 り に も な り 、 ゆ っ く り で す が 子 供 な り に 成 長 し て い る こ と が 実 感 で き ま した 」 。 ま た 、 自 分 自 身 の 子 育 て を 主 体 的 に 考 え 、 周 囲 に 発 信 す る こ と が 重 要 と 気 が 付 い た た め 、 「障 害 を 持 っ た 子 供 を 抱 え た か わ い そ う な 親 で は な く、 何 か 発 信 で き た ら 、 子 供 を取 り巻 く環 境 を 少 し で も い い 方 向 に で き た ら と 言 う 気 持 ち が 強 か っ た で す 。 私 個 人 の 変 化 は 『誰 か が し て く れ る の で は な く 、 自 分 が す る 』 と い う気 持 ち に な り ま し た 。 実 際 に 日 々 生 活 し て い る か ら わ か る 事 、 困 っ て い る こ と 、 不 安 に な る こ と な ど 、 み な さ ん と 共 有 す る こ と に よ り、 新 し い 提 案 や ネ ッ トワ ー ク を 広 げ る こ と が で き る場 に な れ れ ば と思 っ て い ま す 」 と語 っ て い た 。 Ⅵ . 考 察 本 稿 で は 、 山 梨 ダ ウ ン症 フ ォ ー ラ ム の4年 間 の 歩 み を 振 り返 っ た 。 毎 年 、 山 梨 ダ ウ ン 症 フ ォ ー ラ ム は 、 医 療 、 保 健 、 教 育 、 福 祉 、 就 労 な ど の 専 門 職 と 、 芝 草 の 会 の 会 員 が 出 会 い 、 交 流 の 場 に も な っ て い た 。 芝 草 の 会 の 認 知 度 は 上 が っ て き て お り、 世 界 ダ ウ ン 症 の 日 の 関 連 事 業 の 啓 発 活 動 と して の 意 義 も 果 た し て き て い る と考 え る 。 フ ォ ー ラ ム で は 、 育 児 の 様 々 な 側 面 を テ ー マ に 設 定 し た 。1)フ ォ ー ラ ム 準 備 の 主 要 な 取 り 組 み と して 、 育 児 環 境 な ど の 実 態 調 査 を行 っ 1.  名 称 第1回 第2回 第3回 第4回 O%  20%  40%  60%  80 %100% 知 っ て い た 知 らな か った 2. 活 動 内 容 第1回 第2回 第3回 第4回 O%  20%  40%  60%  80%  100% 知 っ て い た 知 らな か っ た 図1.  フ ォ ー ラ ム に 参 加 した専 門 職 の 芝 草 の 会 の認 知 度 -22−

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た 。2)講 師 ら が フ ォ ー ラ ム に て 提 示 し た 対 策 を 、 親 が 使 え る 子 育 て ガ イ ド と し て 作 成 し 、 育 児 支 援 を 行 っ た 。 さ ら に 、3)親 が 主 体 と な っ て 企 画 運 営 し て き た こ と で 、 専 門 職 と の パ ー トナ ー シ ッ プ が 育 っ て き た 。 こ れ ら の フ ォ ー ラ ム の 成 果 は 、 子 育 て し や す い 環 境 整 備 の 一 助 と な っ て い る と考 え る 。 以 下 の 考 察 で は 、 上 記 の3点 に つ い て 述 べ る。 1. フ ォ ー ラ ム 準 備 の 実 態 調 査 か ら見 え る母 親 達 の 育 児 環 境 我 々 は 、 フ ォ ー ラ ム 準 備 の 主 要 な 取 り組 み と し て テ ー マ に 関 す る 実 態 調 査 を 行 っ た 。 そ こ で 明 ら か に な っ た こ と は 、 親 た ち は 、 ダ ウ ン症 候 群 と い う診 断 は さ れ て い た が 、 ダ ウ ン 症 の 児 の 特 性 を 知 り、 そ れ を 踏 ま え た 育 児 が 十 分 に は 出 来 て い な か っ た こ と で あ っ た 。 例 え ば 、 知 的 障 害 が あ る か ら伝 え た い こ と の 理 解 が 出 来 な い 、 こ だ わ り が 強 く 頑 固 者 だ と レ ッ テ ル 付 け を し て 諦 め て し ま っ て い た が 、 聞 こ え 方 や 知 覚 の 特 徴 を 学 び 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン手 法 を 変 え る こ と で 、 ス ム ー ズ に 意 思 疎 通 を 図 る こ と が 出 来 る。 ダ ウ ン症 の 児 に は 、 一 般 化 さ れ た 育 児 方 法 の み な らず 、 ダ ウ ン 症 の 児 の 特 性 に 合 わ せ た 格 別 な 育 児 方 法 を実 践 的 に 獲 得 し て い く こ と が 重 要 と され て い る7)。 し か し 、 育 て る 親 が 、 「特 性 を 踏 ま え た 育 児 」 へ の 道 標 の 存 在 を 示 す こ と の 出 来 る 専 門 家 に 出 会 え る と は 限 ら ず 、 知 らず に 育 て る ケ ー ス も 多 い 。 先 行 研 究 で も 、 ダ ウ ン 症 の 児 を 育 て る 母 親 の 精 神 的 ス トレ ス は 強 く、 特 に 育 児 に 関 わ る こ と が5割 以 上 を示 す8)。 親 に と っ て ダ ウ ン症 の 児 の 成 長 は 未 知 で あ っ た 。 そ れ ゆ え 、 子 育 て が リ ハ ビ リや 治 療 に 、 個 性 が 症 状 に す り替 わ る 。 親 が 主 体 と な っ て 家 庭 で 子 育 て を す る こ と よ り、 毎 週 、 病 院 や 療 育 、 施 術 院 な ど に 通 い 、 専 門 家 の 指 示 を 受 け 、 そ の 指 示 に 従 う こ と が 重 要 視 され て き た 。 中 に は 、 次 第 に 子 ど も の ニ ー ズ と 不 一 致 が 生 じ て 疑 問 を 持 ち つ つ も続 け る 親 や 、 専 門 機 関 に 通 う の を や め 、 自 己 流 で 育 て 始 め る 親 が い た 。 様 々 な 支 援 者 の ア ドバ イ ス やSNS の 玉 石 混 交 の 情 報 が 飽 和 し て 、 自 分 の 子 育 て に 統 合 で き ず 、 混 乱 す る 親 も い た 。 ど の 親 も 悩 み 、 時 に は傷 付 く体 験 も経 て い た 。 2.ガ イ ド作 成 に よ る育 児 支 援 上 記 の 実 態 を 把 握 し た た め 、 我 々 は 、 講 師 ら に そ れ ぞ れ の 専 門 領 域 の 子 育 て の 道 標 と な る 講 演 を し て 欲 し い と 依 頼 し た 。 そ して 、 講 師 ら が フ ォ ー ラ ム で 提 示 し た 貴 重 な 対 策 を 、 新 た な 親 が 使 っ て い く こ と が 出 来 る ガ イ ドと して 形 に 残 そ う と 考 え た 。 講 師 ら の 情 報 は 、 的 確 で 効 果 的 で 根 拠 が 明 確 な 育 児 情 報 で あ っ た 。 親 自 身 が 道 標 を 持 つ こ と で 、 混 乱 を 避 け 、 振 り 回 さ れ ず 、 我 が 子 の 発 達 に 即 し た 現 実 的 な 育 児 を行 う こ と が 出 来 る 。 育 児 そ の も の に は 時 代 を 経 て も 大 き な 変 化 は な い 。 実 行 委 員 会 の 交 流 の 中 で は 、 数 年 先 輩 の 母 親 達 の 貴 重 な 育 児 経 験 、 い わ ゆ る 「蓄 積 され た 知 恵 」 が 乳 幼 児 の 母 親 に 伝 授 さ れ る こ と も あ っ た 。 今 後 我 々 は 、 作 成 し た ガ イ ド を 親 同 士 で 次 世 代 の 親 に 継 代 し て い き 、 更 に は 当 該 方 法 を取 り入 れ て 育 て る こ と に よ っ て ど の よ う に 変 化 す る か の 成 果 を 明 ら か に す る こ と を 目 指 して い る 。 3.親 が 支 援 者 や 専 門 家 と パ ー トナ ー シ ップ 関 係 を 築 く 実 態 調 査 で は 、 地 域 の 専 門 家 や 支 援 者 な ど の 資 源 を 知 り た い と い う意 見 も 多 く 出 た 。 そ こ で 親 か ら情 報 発 信 して い き た い ・繋 が り た い 支 援 者 の 全 機 関 を リ ス トア ッ プ し た 。 支 援 者 を 「見 え る化 」 し 、 案 内 を 作 成 ・配 布 し て 芝 草 の 会 を 知 っ て も ら う啓 発 の 機 会 と し た 。 芝 草 の 会 の 親 た ち に と っ て 、 毎 年 の フ ォ ー ラ ム を 経 て 、 会 の 認 知 度 が 次 第 に 高 ま っ て い る こ と 、 支 援 者 か ら の 声 掛 け は 、 喜 び に 繋 が っ て い た 。 フ ォ ー ラ ム 開 催 を 通 じ 、 親 自 身 の 自 己 肯 定 感 や エ ン パ ワ ー メ ン トを 高 め る 一 助 と な っ た と考 え る。 ダ ウ ン 症 の 児 の 家 族 が 、 保 健 医 療 や 福 祉 ・ 教 育 な ど の 専 門 職 とパ ー トナ ー シ ッ プ を 取 っ て 情 報 を 発 信 す る ム ー ブ メ ン トは 、 全 国 的 に 活 発 に み ら れ て き て い る9)10)。 家 族 と 専 門 職 が 顔 を 合 わ せ 、 地 域 で 子 育 て の 問 題 解 決 を 共 に 検 討 す る こ と に よ っ て 、 家 族 自 身 が 地 域 連 携 −23−

(8)

を 意 識 出 来 て 、 支 援 の ネ ッ トワ ー ク の 中 で 自 ら の 主 体 的 役 割 を実 感 で き る と 考 え る 。 一 方、 専 門 職 に と っ て の フ ォ ー ラ ム は 、 ダ ウ ン 症 の 児 、 人 と家 族 の 子 育 て 経 験 と そ の 気 持 ち を 知 る貴 重 な 学 び の 場 に な っ て い た 。 更 に 、 親 の 会 が ど の 様 な 人 達 で 構 成 さ れ 、 ど の 様 な 機 能 を持 つ の か を 学 び 、 親 の 会 に 共 助 の 期 待 を 持 つ こ と が 出 来 た 。 イ ン フ ォ ー マ ル な 地 域 支 援 の 資 源 を 再 発 見 す る こ と に な っ た と 言 え よ う。 ダ ウ ン 症 の 児 と 関 わ り を も っ て い る 県 内 の 様 々 な 機 関 の 専 門 職 が 、 目 的 意 識 を 持 ち フ ォ ー ラ ム に 参 加 して い た。 我 々 は 、 今 後 、 何 度 も 参 加 し て い る 意 識 の 高 い 専 門 職 と 協 働 し て い く こ と で 、 フ ォ ー ラ ム 後 の 地 域 で の 取 り組 み を検 討 す る機 会 も 持 っ て い き た い 。

.結

山梨 ダ ウン症 フォー ラムの開催 は、 根拠 の

明確 な ダウ ン症 の児の育 児 を家族 と専 門職 で

共 に考 える機 会 となって いた。更 に親 自身 の

自己効 力感 やエ ンパ ワー メ ン トに も影 響 して

い る と考 え られ た。今後 も啓 発活 動 と して、

子育て支援 として継続す る予 定で ある。

本報告 は、第18回 山梨県 母性衛 生学 会学術

集会 において発表 した。

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Nussbaum,R.L., Mclnnes,R.R., et a1. 福 嶋 義 光 監 訳.ト ン プ ソ ン&ト ン プ ソ ン 遺 伝 医 学.東 京,メ デ ィ カ ル ・サ イ エ ン ス ・ イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル,2009. 石 橋 み ち る,中 込 さ と 子.ダ ウ ン 症 候 群 の あ る 乳 幼 児 を 育 て る 母 親 が 親 仲 間 と の 経 験 を 生 か し 社 会 化 す る 過 程.日 本 遺 伝 看 護 学 会 誌.. 2014, 12(2), 18-32. 藤 井 達 也.社 会 福 祉 領 域 に お け る ソ ー シ ャ ル ・サ ポ ー ト研 究. 看 護 研 究 . 1987, 20(2), 210-218. 中 込 さ と 子,石 橋 み ち る,ダ ウ ン 症 の あ る 子 を 授 か っ た ご 家 族 に 何 を ど の よ う に 伝 え る か 『大 切 な 命 を 産 み 育 む た め に 』 の 活 用 に つ い て,い の ち の 誕 生 に 関 わ る 助 産 師 と し て. 助 産 雑 誌. 2012, 66(7),

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10)近 藤 寛 子. 587-590. 国 際 連 合 広 報 セ ン タ ー.国 連 総 会 第66会 期.総 会 採 択 決 議66/149.世 界 ダ ウ ン 症 の 日.http://www.unic.orjp/files/a _ res_66_149.pdf(ア ク セ ス:2017年11月 10日) 山 梨 大 学 医 学 部 看 護 学 科 成 育 看 護 学 講 座.ダ ウ ン 症 の あ る 子 ど も た ち と の 楽 し い コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の た め に − 今 、 わ た し た ち に で き る こ と −,ダ ウ ン 症 の あ る お 子 さ ん の た め の 〈 離 乳 に つ い て の す す め 〉. http://kango.yamanashi.ac.jp/seiiku/ kankeisha/bumon(ア ク セ ス:2017年11月 10日) 藤 田 弘 子.ダ ウ ン 症 乳 児 の 家 庭 保 育 − 県 立 病 院 で の 実 践 回 顧 −. 周 産 期 医 学. 1983, 13(7), 1063-1067. 渡 邉 タ ミ子.育 児 に お け る 精 神 的 負 担 と 対 処 行 動− ダ ウ ン 症 幼 児 の い る 母 親 の 調 査−,山 梨 医 大 紀 要. 1997, 14, 21-24. 公 益 財 団 法 人 日 本 ダ ウ ン 症 協 会.「 日 本 ダ ウ ン 症 会 議 」 の 発 足 に つ い て ∼ 新 し い ダ ウ ン 症 像 を 求 め 当 事 者 団 体 と 専 門 家 の 垣 根 を 越 え て ∼.http://jcds2017.sakura. ne.jp/pdf-dl/press20170126.pdf(ア ク セ ス :2017年11月16日) 〔シ ン ポ ジ ウ ム :遺 伝 看 護 の 専 門 性 と パ ー ト ナ ー シ ッ プ 〕 「出 産 ・育 児 に お け る 医 療 者 と 民 間 と の 新 た な 協 働 に つ い て 」-ダ ウ ン 症 候 群 の あ る 赤 ち ゃ ん の 出 産 ・育 児 を 応 援 す る 市 民 団 体 の 立 場 か ら-. 日 本 遺 伝 看 護 学 会 誌. 2017, 15(2), 36-39. −24−

参照

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