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UFT単独投与で縮小を認めた肺腺癌の一例 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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山梨肺癌研究会会誌 13巻2号 2000

UFT単独投与で縮小を認めた肺腺癌の一例

山梨厚生病院 呼吸器・心臓血管外科 窪田健司 福田尚司 有泉憲史 橋本良一 同 呼吸器内科 成宮賢行 要旨:症例は82歳女性。検診で右肺異常陰影を指摘されて当院を受診し    た。精査の結果、右下葉肺腺癌・c−T2N2MO/P−N3 Stage lllBと    診断し、本人及び家族の希望もありUFT300mg/日を単独経口投    与として外来で経過観察していた。14ヶ月後の検査で主腫瘍・リ    ンパ節共に縮小効果を認めた。 key words:UFr、化学療法、肺癌      症 例

患 者:82歳女性

既往歴:白内障手術 家族歴:特記すべきことなし

現病歴1平成10年10月の検診で右肺

異常陰影を指摘されて、同月当院を 受診した。 血液・生化学検査:CEAが5.6ng/ml と高値を示した以外は異常なかった。 胸部単純レントゲン検査:右下肺野 の心陰影に重なるように、腫瘤陰影

     緒言    

を認めた(図1)。  切除不能の肺腺癌に対する治療は、  胸部CT検査: 有効な抗癌剤の出現により進歩して   右肺S10に径3.5cmで辺縁不整・境 いると思われるが、ほとんどの症例   界不明瞭な陰影を認め、広範囲に で長期生存に至らないのが現状であ   胸膜に接していた。2群のリンパ 節る。今回我々はUFr単独経ロ投与に   腫大を認めた(図2左)。 より縮小効果を認めた肺腺癌の1例   気管支鏡検査:可視範囲内の気管 を経験したので報告する。       支には異常所見は認めなかった。        TBLB、擦過・洗浄細胞診では確        定診断が得られなかった。       CTガイド下肺生検:中分化腺癌を        認めた(図3)。        前斜角筋リンパ節生検:11個中       8個に腺癌の転移を認めた。 頭部・腹部CT検査:明らかな 転移を認めなかった。 以上から、右肺SlOの腺癌で c−T2N2MO/p・N3,Stage lllB と診断した。

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平成12年10月1日 本人及び家族の希望もあり、 UFT300mg/日を単独経ロ投与とし て外来で経過観察することとした。 経過中は特に副作用と思われる症状 もなく、順調であった。  外来通院14ヶ月目に感冒によると 思われる食欲不振などを主訴に入院 した際、CT検査を行ったところ主腫 瘍・リンパ節共に縮小効果を認め、 有効/PRと判断した(図2右)。治 療前に高値であった血清C巳Aは 2.3ng/mlと正常範囲内であった。        考 察  昨今Biochemical Modulationを利 用して、肺癌に対しても複数の抗癌 剤を組み合わせた投与が行われ、高       l,2い奏効率が報告されている。しかし ほとんどの症例で長期生存に至らな いのが現状であり、患者のQOLも考 慮に入れた最大効果の治療を行うこ とは容易なことではないと思われ る。  今回我々は、肺腺癌に対してUFr を単独投与し縮小効果を認めた1例を 経験した。細かい状況に差はみられ るがUFτ単独投与の治療効果につい て、松本は肺腺癌に対する奏効率0% 3、清水らは肺非小細胞癌に対する有 効率8.3%4、西岡らは肺癌に対する 有効率28.6%5と報告している。これ らを見る限りでは、その有効性は高 いとはいえないであろう。  しかし一方で、柳原らは経過から 対して、診断的治療として勧めた開 胸術を拒否されたため、UFr内服の みで経過観察していたところ5年1ヶ 月生存している症例を報告している 6。さらに新実らは一般的に予後不良 とされている、肺腺癌に続発した癌 性リンパ管症が、UFτ単独投与で著       ア明に改善した1例を報告している。  UFr単独投与の有効率は決して高 いとはいえないため、姑息的な治療 の域を出ないと考えるが、患者のコ ンプライアンスやQOLなどとの兼ね 合いで使用してみてもよいのではな いかと思われる。       参考文献 1.Ichinose Y, Yano T, Asoh H, et a1:UFT plus cisplatin with concurrent radiotherapy for locally advanced non−sma11−cell lung cancer. Oncology 13:98− 101,1999. 2.Ichinose Y, Yosimori K, Yoneda S, et a1:UFT plus cisplatin combination chemotherapy in the treatment of patients with advanced nonsma11 cell lung carcinoma. Can cer 88:318−323,2000. 3.松本忠雄:原発性肺癌に対する

UFrの臨床効果,診癖と新薬28:

117−119, 1991, 4.清水英治,木村公,曽根三郎, 他:肺小細胞癌に対するUFrの治療 効果,癌と化学療法 13:2970−

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山梨肺癌研究会会誌 13巻2号 2000 5.西岡紘一郎,野村紘一郎,橋本 修治,他:UFrの進行癌に対する臨床

効果,癌と化学療法8:294−

301,1981, 6.柳原一広,田中文啓,和田洋巳, 他:肺癌.癌治癖と宿主 8:13− 21, 1996, 7.新実彰男,小林秀机,杉田孝和, 他:UFT投与により癌性リンパ管症 が著明に改善した肺癌の1例.日胸 49:428−433, 1990, ACase Report of Successful UFT Therapy       for

     Pulmonary Adenocarcinoma

  Kenli KUBOTA, Shoji FUKUDA, Kenj i ARIIZUMI,    Ryoichi HASHIMOTO, Yasuyuki NARUMIYA* Department of Thoracic and Cardiovascular Surgery        Department of Internal Medicine*       Yamanashi Kosei Hospita1 A82−year−01d woman was admitted to our hospital because of abngrmal shadow of chest roentgenogram. As a result of the examinations, the patient was diagnosed as pulmonary adenocarcinoma of right lower lobe, and clinical stage was c− T2N2MO/p−N3(Stage皿B).In accordance with her favor, solitary UFT(300mg/day)was administered for 14 months after discharging the hospita1. The size of main tumor and lymph nodes decreased as a result of the administration.

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平成12年10月1El 灘彰 , ぷ m 慾 磁

鹸麟 磯謬

<      図1 入院時胸部X・p 右下肺野の心陰影に接して腫瘤陰影を認めた。

(5)

1[1梨肺癌]il1尤三ミ会‘、と. 1.3巻2り 2〔〕00

図2 入院時(左)及び14ヶ月後(右)胸部CT

  右肺Sloの主腫瘍、第2群のリンパ節共に

  縮小を認めた。

(6)

平成12年10月1日

図3 CTガイド下肺生検 中分化腺癌を認めた。

参照

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