通級指導教室 自立活動学習指導案
指導者 ○○ ○○ 1 題材名 「ルールを作って、ゲームをしよう」 2 指導観 ○ 通級による指導を受けているA児は、ADHD 傾向のある4年生男子児童である。A児は、体験を通して 自分の中でパターン化された活動であれば安心して取り組むことができる。しかし、パターンが少し変 化した活動や新しい学習に対しては、既習の知識を活用して解決しようとしたり、自分から新しいやり 方を考えようとしたりする姿はあまり見られない。集団におけるA児は、みんなで活動するときに自分 の考えを述べることは少ないが、みんなが決めたやり方で活動することができる。しかし、やり方が分 からないときに、友達や周りの人に尋ねたり、一緒に話し合って取り組もうとしたりすることは少なく、 自分の考えや思いを人に伝えて人と関わりながら活動することが苦手である。 そこで、A児が新しいことに対するやり方を見いだしたり、相手との関わり方を考えたりすることが できるような活動に取り組み、その中で周りの状況の変化に対応して行動できる力を身に付けさせてい きたい。 ○ 本題材は、状況の変化に対応することが難しいA児が、ゲームのルール作りを通して、条件(活動の 場と活動する相手の変化)に合わせて新しいルールを考えていくことで、自分から変化に合わせたやり 方を見いだし、相手意識をもって活動できるようになることをねらいとしている。ゲームは、勝敗を決 めるなどのルールや他者との関わりがある遊びであり、楽しむことを目的とした活動である。その中で、 集団活動場面における適切な行動の仕方を、楽しみながら身に付けることができる。しかし、ADHD 傾向 のある児童にとって、ゲームとは、自分の中にある勝敗や技能面に対する感情の高ぶり、相手に対して 心に生じる葛藤が表出されやすい活動であるといえる。そこで、意図的に変化を付けたゲームを題材と して設定することで、いろいろな相手と楽しみながら自分の課題と向きあい、負けた時やうまくできな かった時などに自分の気持ちを調整する力を身に付けさせていきたいと考える。また、ゲームとは一緒 に活動する相手との関わりがある活動である。そこで、相手意識をもち、相手のことを考えたり相手の 意見を聞き入れたりしながら一緒に活動できることもねらいとする。パターン化すると活動に取り組み やすくなるというA児の特性を生かしながらパターンを基にルールを作り、少しずつ変化を加えたゲー ムを楽しむことで、場や相手が変わってもその変化を受け入れ活動できるようになると考える。 ○ 本題材の指導に当たっては、段階的に活動の場と相手を変化させたゲームのルール作りを行うことで、 変化に合わせたやり方を見いだし、相手と一緒に楽しく活動することができるようにする。具体的には、 気付く段階では、ゲームの場が変化してもパターンに沿ってルールを作り、活動の場に合わせたやり方 に気付き、自分から活動に取り組むことができるようにする。そのために、場を変化させ、それぞれの ゲームに合ったルール作りを行わせる。その際、言葉カードなどをルールを考える支援ツールとして使 用させる。使う段階では、相手の気持ちや自分の行動を考えて付加修正したルールに沿って、相手に合 わせたやり方を見いだし、積極的に相手と関わって一緒に楽しく活動することができるようにする。そ のために、ゲームをする相手の人数を増やしたり、日頃A児と接する機会の少ない教師をゲームに加え たりして、自分が身に付けた方法を使って相手の変化に対応したルール作りを行わせる。その際、吹き 出しカードなどで相手の気持ちを捉えさせる支援を行う。生かす段階では、今までの学習で学んだこと を生かして、友達と一緒に楽しく活動することができるようにする。そのために、通級指導教室に通う 同じ学級の友達も相手に加えて、今までに作ったルールを友達に合わせて付加・変更したり、友達の意 見を取り入れてルール作りを行ったりさせる。その際、前時に準備の時間を設定し、今までの学びを振 り返らせたり友達のことを意識したルール作りを行わせたりして、友達との活動につなげる支援を行う。 3 目 標 ○ 初めての活動でも自分から取り組み、積極的に相手と関わって活動することができる。 ○ 体験したことや自分の中でパターン化されたことなど、自分の身に付けている方法を生かして、場や 相手に合わせたやり方を見いだすことができる。 ○ 状況や相手に応じた適切な行動を自分で選択できたことや、相手と一緒に活動できたことに満足する ことができる。4 題材指導計画(8時間) 段階 学 習 活 動 と 内 容 主 な 支 援 気 付 く 3 1 ルール作りのパターンを基にして、活動の場に合った ルールを作り、ゲームをする。(A児+教師①) (1) 教師と二人でストラックアウトゲームをする。 ○ 四つのパターンを基にして、ルール作りをする見通 しをもつこと (2) 教師と二人でボウリングゲームをする。 ○ ルールの作り方が分かり、一度作ったルールでうま くいかないときには、相手と話し合ってルールを変更 すればよいことが分かること (3) 教師と二人で玉入れゲームをする。 ○ もっと楽しくゲームを行うために、相手の意見を取 り入れ、新しいルールを作ればよいことが分かること ※学習の見通しをもたせるための、活 動カードの提示 ※ルール作りのパターンに気付かせる ための、キーワード化した言葉カー ドの提示 ※活動の場に合ったルールを作るため の、選択できる言葉カードの提示 ※満足感をもたせるための、振り返り カード(できるようになったこと) の提示 ※自分の気持ちを表現させるための、 感情絵カードの提示 使 う 3 本 時 1 / 3 2 ゲームのルールを見直し、相手に合わせてルールを付 加したり変更したりして、新しい教師を加えてゲームを する。 (1) 教師と三人でストラックアウトゲームをする。 (A児+教師①+教師②) ○ 気付く段階で身に付けたルールの作り方を生かし て、みんなが楽しく活動するために、相手の気持ちを 聞いて、ルールのどこを変更したり付け加えたりすれ ばよいかが分かること (2) 教師と四人でボウリングゲームをする。 (A児+教師①+教師②+教師③) ○ みんなが楽しく活動するために、優しい言葉遣いや 自分がとるべき言動に気付き、状況に応じた言動を身 に付けること (3) 教師と四人でチームを作って玉入れゲームをする。 (A児+教師①+教師②+教師④) ○ みんなが楽しく活動するために、お互いに声を掛け 合ったり、自分の気持ちを落ち着かせたりするなど、 状況に応じた行動を身に付けること ※学習の見通しをもたせるための、活 動カードの提示 ※パターンを基にして作ったルールを 思い出させるための、ルールの提示 ※相手と自分の考えを比較させたり自 分の考えを整理させたりするため の、吹き出しカードの提示 ※相手の気持ちを理解させたり自分の 気持ちを表現させたりするための、 感情絵カードの提示 ※自分の行動を比較させ望ましい行動 やより良いやり方に気付かせるため の、写真カードの提示 ※楽しく活動できたことに満足感をも たせるための、振り返りカードの提 示(できるようになったこと) 生 か す 2 3 友達としたいゲームを選んで準備をし、友達や教師と 一緒にゲームをする。 (1) ルールを見直し、相手に合わせてルールを変更したり 付け加えたりする。 ○ 今まで作ったルールや写真カードを基に、相手のこ とを考えたり自分の行動を振り返ったりして、みんな が楽しめるルール作りに生かすこと (2) 友達や教師にルールの説明をし、一緒にゲームをする。 ○ 自分が作ったルールで、みんなと一緒に楽しくゲー ムをすることができたことや友達が喜んでくれたこと に成就感をもつこと ※ゲームを選ばせるための、今までの ゲームの様子や作ったルールを可視 化した写真カードの提示 ※相手の気持ちを理解させたり自分の 気持ちを表現したりするための、感 情絵カードや吹き出しカードの提示 ※自分の行動を比較させ望ましい行動 やより良いやり方に気付かせるため の、写真カードの提示 ※成就感をもたせるための、先生や友 達からのメッセージカードの提示 ( )
5 本時 平成○○年○月○日(○曜日) 第○校時 於 通級指導教室 (1) 本時の目標 ○ 相手に合わせたルールを作ろうとする意欲をもち、自分から進んで相手に関わることができる。 ◎ パターンを基にして作ったルールを、相手の様子に応じて変えることができる。 ○ 相手に合わせて作ったルールを守って一緒に楽しく活動し、満足感をもつことができる。 (2) 本時指導の考え方 ○ 本時指導にあたっては、前回のルール作りを生かして教師と一緒にみんなが楽しめるルール作りを行い、ルー ルを守ってゲームをすることができるようにする。ルールを変更・付加するときには、場の状況に応じて選択し、 自分の考えをまとめることができる言葉カードを使用する。自分では気付かない状況(相手が上手に当たらなく て楽しくない気持ち)に気付かせたいときには、吹き出しカードを提示する。終末段階において、できるように なったことや感想を発表させることで、みんなが楽しめるルールを作り活動できたことに満足感をもたせる。 (3) 準備 ストラックアウトボード、ボール、ホワイトボード(大・小)、ホワイトボード用ペン、活動カード、 言葉カード、写真カード、吹き出しカード、得点表、振り返りカード、感情絵カード (4) 学習指導の過程 過程 学 習 活 動 と 内 容 主 な 支 援(※) と 評 価(★) 導 入 5 / 展 開 35 / 終 末 5 1 ストラックアウトゲームでのルール作 りを思い出し、どのようなことに気を付 けてルールを作ればよいかを話し合う。 ○ 本時学習への意欲をもち、相手も楽 しめるルールを作ってゲームをすると いう見通しをもつこと 2 教師と一緒にルールを作って、ゲーム をする。 (1) 前回のルールを見直し、ルールを変 えたり新しいルールを付け加えたりし て三人でゲームをする。 ○ ルールを変えたり付け加えたりす るときに、気付く段階で身に付けた ルール作りの方法を生かすこと (2) ルールの確かめをし、みんなが楽し めるルールを作って2回目のゲームを する。 ○ 相手の気持ちに応じたルール作り の方法を身に付けること 3 学習を振り返って振り返りカードを書 き、自分のできるようになったことや感 想を発表する。 ○ みんなが楽しめるルールを作って、 一緒に楽しくゲームができたことに満 足感をもつこと 1 本時の学習のめあてをつかませ、活動の見通しを もたせるための支援 ※第1時のルール作りを想起させるための写真カード (学習の足あと)の提示 ※活動の見通しと活動に対する意欲をもたせるための 活動カードの提示 2 みんなが楽しく活動できるルールを作らせるため の支援 ※ルール作りで気を付けることの提示 ※前回のルール作りを基にしてルールを作らせるため の、言葉カード・写真カード(ルール)の提示 ※相手の人数の変化に伴う新しいルール作りの考えを 見いださせるための言葉カードの提示 ★ 教師と一緒に言葉カードを並べながら人数の変化 に合わせてルールを変更・付加することができたか。 ※うまく当たらなくて楽しくない気持ちを表現した吹 き出しカードと感情絵カードの提示 ★ 吹き出しカードを使って、相手に対応したルール を、教師と作ることができたか。 3 満足感をもたせるための支援 ※学習を振り返り、できるようになったことに気付か せるための振り返りカードの使用 ※みんなが楽しめたかどうかを確認させるための感情 絵カードの提示 ★ 自分ができるようになったことや頑張ったことを 言葉で表現することができたか。 ○月○日 ○曜日【今日すること】 みんなでストラックアウトゲームをしよう 順番 ☞1.ルールを作る 2.相手といっしょにゲームをする 3.ルールのたしかめ 4.ふりかえり みんなが楽しめるルールを作って、 ストラックアウトゲームをしよう。 回数 一人 5回ずつ 投げます 相手ルール 大きなボールで 投げることができます 順番・役割 じゃんけんで 順番と役わりを 決めます 点数 ボールが 当たったカードの数字を たします