Author(s)
中村, 和雄; 嵩原, 建二
Citation
地域研究 = Regional Studies(4): 35-42
Issue Date
2008-03-31
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/5568
中村和雄 ・嵩原建二 :沖縄島西方諸島の留鳥種数と留鳥相
沖縄 島西方諸島の留鳥種数 と留鳥相
中村
和雄*・高原
建二**
NumberofSpeciesandFaunaofResidentBirdsinIsln dsofa f theWestem CoastofOkinawaIsland
KazuoNakamuraandKenjiTakehara
沖縄島西海岸の沖 に位置する慶良問諸島,久米島,東国島,伊是名島,伊平屋 島における留鳥の鳥類相の特徴 を知 る ため,これ らの島の面積 と種数 との関係 を求めた。得 られた回帰直線 に基づ く種数の期待値 と観測値 とを比べ た ところ, 渡寅敷島 と久米島での種数は期待値 よ りも小 さかった。渡嘉敷島での観測値が少 ない理由は,観察が十分 なされていな いことによるほか,森林の樹種の単純 さなどによるため と考 えられる。逆 に,伊是名島 と粟国島では.種数の実測値 は 期待値 よりも多かった。 これ らの鳥には,他の島には生息 していない種が1-3種見 られたが,それ らの中でコウライキ ジphasL'anuscoIchL'CuskarpowL'(伊是名島)や シロガシラFycnoEWEussL'neL7SJ'S(莱国鳥)など導入.侵入種の存在が大 きな役 割 を果た していた。 慶良問諸島とそれ以外の島との留鳥相 を比較 したところ,慶良問諸島ではバ ンGallJ'nuJachJoropusLndjcaなどの沼沢地 を 生息場所 とする種が欠けていたO これは,慶良問諸島では島の大部分が森林で穫われていて川や池がほ とん どないため である。 このことは,環境の多様性が鳥類相の豊富 さをもたらしていることを示 している。 キーワー ド :留鳥相,面積 一種数関係.慶良問諸島,久米島,粟国島,伊是名島,伊平屋島
lnordertoknowthecharacteristicsorresidentbirdfaunainfiveislandsfrom KeramaIslandsandinfわurof Kume,Aguni,IzenaandlheyaIslandsoffthewestem coastofOkinawaIsland,Wecouldobtainalinearrelationship betweenthenumberofbirdspeciesintheislandsandtheareaoftheseislands.Comparisonoftheactualnumberof specieswiththeexpectednumberbasedonthespecies-arearelationshipshowedthatthenumbersofspeciesin TokashikiIs・,KeramaIslandsandKumeJlmals,weresmallerthantheexpectedone.SmallernumberinTokashikils.
wasthoughttobeduetothescarcesurveyfrequenciesandtoasimplefloraofforestsatthisisland・Onthecontrary,
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henumbersofspecleSinIzenals・andAgunils.Werelargerthantheexpected.Intheseislandstheintroducedor invadedspecies,suchas(hepheasant.PhasLranuscolchL'cuskaIPOW1-(inlzenaIs.)orthelight-ventedbulbul,
PycnonoEuSSinensI'S(inAguniIs・),increasedtheactualnumberofspecies.
ComparisonofbirdfaunabetweentheislandsinKeramaIslandsandtheotherislandsshowedthatbirdspecleS inhabitingnvers,pondsandswampswerefewinthefom er.ThisisbecausetheislandsinKeramahavea)argearea oftheforestbutfewofriversandswamps,Showlngthatdiversifiedtopographyandlanduseresultinthediversified birdfauna.
Keywords:Residembirdfauna,thespecies-arearelationship,Keram aIslands,KumeIsland,AguniIsland,Izena IslaT)d,meyaIs一and 1.はじめに 琉球列島は,大小 さまざまな多 くの島か らなる。 こ れらの島の標高はそれほど高 くはないが,大部分が山 地からなる島 と広い低地 とか らなる島 とがある。 この 地形の違いは,それぞれの島の植生や土地利用の差 を もた らしている。 この環境の違いは,当然のことなが らそこに生息する動物相 に影響 を与 え,種数 を規制す ると予想 される。 沖縄 島西方の東 シナ海には,大小い くつかの島が浮 かぶ。 これらの島は,比較的狭い範囲に位置するから,
気候 にはそれ ほ ど変化 が ない と考 え られ る。 そ こで, これ らの島々にお ける鳥類相 を比較 し,それぞれの島 における鳥類相 に関与 してい る地形や植生 の影響 を知 ろ うと した。 ただ しここでは,鳥類 の うち留 鳥のみ を 対象 に した。 これは,島の鳥類相 を考 える場合,冬鳥 や夏鳥の ように特定の季節 だけ島を訪 れる もの よ りは, 一年 を通 してそれぞれの生息地 (ニ ッチ)を占める留 鳥 の方が,その島 に特有 な生息地 を反映 しているであろ うか ら,島の特徴 を表 しやすい と考 えたか らである。 ここで は,各島 にお ける留 鳥の種数 の比較 を行 った が,鳥類群集 の構造 を考 えるため には,種数 とともに 各種 の個体数 も重要 なパ ラメー タとなる。個体数 も含 めた鳥類相 の比較 は,別途取 りまとめる予定である。 この研究 は,平成15-17年度科学研 究費補助金 「過 疎化 ・超高齢化 に直面す る沖縄 F近海離 島』 における持 続 的発展 モデルの構 築」 中の環境保全班 で行 った もの の一部である。
2.
方法 ここで比較分析 の対象 と した畠は,沖縄 島の西方 に 位置す る島の うち,沖縄 島か ら20km以上隔離 されてい て,鳥類相 が調べ られ てい る もの と した。す なわ ち, 慶 良問諸 島 に属す る渡嘉敷 島,座 間味 島,阿嘉 島,慶 留 間島,屋嘉比 島の5
島 と久米島,粟国畠,伊是名島, 伊平屋 島を加 えた計9
島である (図 1)。これ らの畠は, 北緯250 10′(慶留 間島)-27031′(伊平屋 島),東経 126043′(久米 島)-128003′(伊平屋 島)の狭い範囲に 位置 している。各島の面積 と沖縄 島か らの最短距離 は 表 1の通 りで,面積 は1.15 (慶留 間島)-59.11km2 (久 米島)の範囲に,沖縄 島か らの最短距離 は22.1(伊是名 良)-82.1km (久米島)の範囲にある。 これ らの島間の 距離 は,慶良問諸 島に属す る5島では3.2km以内,伊是 名島-伊平屋 島間が4.5kmであるが,粟国島一久米島間 は最短距離の島 まで20km以上離れている。 ここで用 いた各 島 にお ける鳥類種数 は,嵩原 らによ って ま とめ られてい る生息種 の リス トを基 に したが, 一部 は筆者 らが行 った調査 によって修正 した ものであ る。す なわち,慶 良問諸 島 (渡嘉敷 島,座 間味 島,阿 嘉 島,慶留 間島,屋嘉比 島) は嵩原 ら (1995) によっ て記録 された生息種 に筆者 らが2003-05年 に行 った調 査 結 果 に基 づ い て修 正 を加 え もの, 久米 島 は嵩原 ら (200 1) による もの,粟国島は筆者 らが2005年 に行 った もの (嵩原 ら,未発表),伊平屋 島 と伊是名島は嵩原 ら (2004)による ものである。 節 平屋 島 0 伊是名島 Q 久米\4
慶 良問諸 島 図1 鳥類相の解析 を行 った慶良問諸 島 (5島) と久米島,粟国島,伊是名島,伊平屋島3
6
中村和雄 ・嵩原建二 :沖縄島西方諸島の留鳥種数と留鳥相 ここでは, これ らの リス トで 「留鳥」 とされている もの を対象 としたが,観察が年 間 を通 してな されてい な くて も,繁殖確認が な されてい る もの,他 の島や沖 縄島での生息状況か ら留鳥 と判断 される もの を含めた。 嵩原 ら (1995)による慶 良問諸 島の鳥類相 の リス トで は,アカヒゲEn'Lhacuskomadon'namjyeJ'が阿嘉島 と慶留 間島に生息す る とされてい るが,筆者 らの調査 やその 他 の知見か ら,現在 は慶 良問諸 島での生息が確 認 され なかったため, この種 は除いた。 (ここでは,種の学名 は亜種名 まで表示す るが,和名は種名で表す。) メインラン ドか らの距離が等 しい場合,島の面積 が 大 き くなる と,そ こに生息す る生物 の種 数 も増加す る 表1 対象とした島の沖縄島からの最短距離と面積 島 名 距離(km) 面積(km2) 慶良問諸島渡嘉敷島 25.7 15.29 座間味島 31.1 6.66 阿嘉島島 34.7 3.82 慶留間島 34.7 1.15 屋嘉比島 38.3 1.26 粟国島 49.5 7.63 久米島 82.8 59.ll 伊是名島 22.1 14.14 伊平屋島 32.0 20.59 こ とが一般 に認 め られ てい るか ら (Darlington,1957; Williamson,1981),島ご との種数 を比較す る際,島の面 積 の違 い を考慮 す る必 要が ある。 ここでの 目的が,各 島の留鳥相 に関与 してい る地形 や植生 の影響 を知 る こ とであ るため, メイ ンラ ン ドであ る沖縄 島か らの距離 (9島の範 囲 は26-82km ;表1) は無視 して,島の面 積 の違 い (9島の範 囲は約1-60km2;表 1) だけ を考 慮 す るこ とに した。 また, アカヒゲの ようにかつ ては 生息 していたが,現在 は絶滅 してい る種 は除 き,逆 に 侵 入 ・導 入種 を加 えた。 そ こで,それぞれの島の面積 (対数値) を独立変数 とし,種数(対数値)を従属変数 と して回帰分析 を行 い,島面積 一種数関係 を求めた。 次 に,各 島の鳥類相 の特徴 を見 るため,回帰直線 に よって期待 され るその島の種数 (期待値 ) と実際の種 敬(観測値)との差 を基 に して,各 島の鳥類相 を比較 し た。 このため,面積 の大 きさを基準化 して求めた期待 値 と観測値 との差 (標準化誤差)が大 きか った島 につ いて,その差 を生 じさせ てい る と考 え られ る鳥種 を求 め,その種 が生息す る,あ るい は生息 しない原 因 を生 息地 の環境 に求めた。期待値 と観測値 との差 を生 じさ せ てい る鳥種 は,それぞれの種 が ここで対象 に した9 島の うち何箇所 の島 に生息す るか (ここで はそれ を生 息島数 と呼ぶ) を指標 として求めた。 各 島 にお け る土 地 利 用 の状 況 は , 沖 縄 県 企 画 部 表2 生息島数が 9お よび 8島の留鳥 種 生息域** 9 クロサギEgrettasacm sacra キジバ トstreptopelL-aon'entall'sstI'mpsonJ' リュウキュウツバメmnLndotahJ'tL'canamL'yeL' ヒヨドリHypsL'petesamaurotfspL・yen' イソヒヨドリMontL'colasolJ'tan'usphL'1LIppensL'S セ ッカ CLSlJ'CoIaJUnCL'dL'sbTunt7)'ceps
メジロZosleTOPSjaPOnLIcusIoochooensJ'S
ハ シブ トガ ラス CotvusmacTOL:hyTZChosconnectens
本州南部一琉球列島 琉球列島 琉球列島 ・大東諸島 沖縄 ・宮古諸島 本州一琉球列島 ・大東諸島 本州中南部一琉球列島 琉球列島 奄美 ・沖縄諸島
8 ウグイスCettJ'adJ'phonen-ukl'uensL'S (粟国島)
*
琉球列島スズメPasseTmOntanuSSatUraEus(屋嘉比島) 北海道一琉球列島 ・大東諸島
*生息島数が8の ( )内は,生息 していない島名。 **生息域はその亜種の 日本における生息域。
(2005)によ り, また,耕地の区分状況 は,沖縄県農林 水産部 (2004)によった。鳥の種 の生息地 は
,
『日本鳥 類 目録』(日本鳥学会,2000)を基 に した。3.
結果 と考察 ここで対 象 に した9島で生息 が確 認 された留 鳥 は, 10(慶留 間島)か ら23種 (伊是名島)まで変動 した(付表)。 9島の全部 に生息す る留鳥 は 8種 , 8島に生息す る留 鳥 は2
種 であ った (表2
)。 これ らの種 は,琉球列 島で は どこにで も見 られ る最 も一般 的 な種 と言 うこ とがで きる。 しか し, これ ら10種 の うち, クロサ ギ EgTettaSaCTa sacLla, イソヒヨ ドリMont1-colasoIL'tan'usphilL'ppensIs,ス
ズメPasseTmOntat7uSSatumtuSの3
種 を除 く7
種 は,い ずれ も琉球列 島 ない しは沖縄諸 島周辺 の固有亜種 であ るか ら,地域個体群 としては貴重 な ものである。 (ただ し, リュウキュウツバ メHiLⅧdotahL'tl'canaLmL'yejは,疏 球列島お よび台湾 に生息す る。) ここで対 象 と した9
島の うち,8
島 に生息す る種 は2
種であった (表2
)。 この うち,スズ メは屋嘉比 島で のみ生息が確認 されていない。 この島は無 人島である ため, ト分 な調査 が な された とはいえないが,スズ メ の生息 は人 間の居住 と深 く係 わ ってい る といわれてい るか ら (佐野, 1982), この島が無人島であることが大 きく関係 している と考 え られる。 A●
Ⅰ
●
1 5 10 50 100 面 積 (km 2) 図 2 沖縄 島西方の 9島の島の面積 と留 鳥の種数 との関係 A :粟 国島, Ⅰ:伊是名島,T:渡嘉敷 島,K:
久米 島。 粟国島ではウグイスGett1-adLbhoneは冬期の観察はあ る ものの, 1
年 を通 しての生息 は確認 されていないの で,九州以北か らのC.d.cantansの飛来の可能性が考え られる。図2
は, ここで対 象 に した9
島の留鳥 についての面 積 一種数関係 である。得 られた回帰直線の係数 (定数 項 と勾配) は,表3
の ようであった。 回帰係数 は,蛋 差5%水準 で有意であったか ら,島ごとの留鳥数 と島の 面積 との間には,一定 の関係が認 め られる。 また,図2
に よる と,観測値 の直線 か らの隔た りはそれほ ど大 きくない といえる。 9島の うち4島では,種数の期待値 と実測値 との標 準化誤差 の絶対値が1.0以上であ った (表4-5)。 この うち渡嘉敷 島 と久米島での実測値 は期待値 よ りも大 き く下方 にずれてお り,粟国島 と伊是名島では,逆 に実 測値 の方が期待値 よ り大 きかった (図2)。 今 ,渡嘉敷 島の留 鳥相 で欠落 している種 を知 るため に,渡嘉敷 島が属 す る慶 良問諸 島の他 の畠のいずれか に生息 していて,渡嘉敷 島 には生息 していない種 を表 4に挙 げた。渡嘉敷 島は,慶 良問諸 島の中で最大の面 表 3 図 2で得 られた回帰直線 の係数 と 定 数 項 勾配 T2 1.061** 0.171* 0.546 **:α<0.01で有 意,辛:α<0.05で有 意 。 0 2,000 4,000 6,000 ha 面 積 図3 各町村 にお ける森林 ,耕地,宅地,その他 の面積 (2004年 1月現在) (沖縄県企画部,2(X叫) 座 間味付以外 で は,町村 名はほぼ島名 に対応す るが,座 間 味村 には ここで対象 に した座 間味 ,阿嘉,慶留 間,屋嘉比島, その他が含 まれ る。(図4も同 じo)38
中村和雄 ・嵩原建二 :沖縄島西方諸島の留鳥種数と留鳥相
積 を持つ島で (表 1),地形 も土地利用の状況 もほぼ似 通 っている (図
3
) にもかかわ らず,この島に欠落 し ていると考えられる種が6種 にのぼった。この
6
種のうちカイツブリTachybapus'ufico)LispqggeL'を除 くと,すべて森林性の鳥である。慶良問諸島に属 する渡嘉敷島 も座 間味村 の島々 (座 間味 島,阿嘉 島, 慶留間島,屋嘉比島) も島の大部分が森林で占め られ ているか ら (図3),渡嘉敷島における鳥類相の貧弱 さ の原因を森林面積の大小 に求めることはで きない。考 えられることは,渡嘉敷 島での鳥類調査が他 の島に比 べて十分 にな されていない ことであるが,それだけで 欠落種の存在 を説明で きる とは思 えない。恐 らく,蘇 林 を構成する樹種の違いや単純化,地形の違いなどに よるところが大 きいのであろ う。慶 良問諸 島の森林の 多 くの部分は リュウキュウマ ツが占めるが,渡嘉敷島 と座間味 ・阿嘉島で樹種構成が異 なるのか もしれない。 樹種の違い と種数 との関係 を分析す ることは,今後 に 残 された課題である。 面積一種数関係 か らの期待種数 よ り観測値が大 きく 下方にずれていた もう一つの島である久米 島に対 して ち,慶良問諸島以外の3島 (粟国島,伊是名島,伊平屋 良)のいずれかに生息 していて,久米島には生息 して いない種 を表 4に挙 げた。久米島は, これ らの島の中 では最大の面積 を持つが (表1), この島に欠落 してい る種 として4種が数えられた (表4)。 これ らの種の う ち, ツミAcclかtergulan'sguh17'以外の種は,いずれ も水 田や湿 った草地 に生息す る種であるが,久米島には伊 是名島,伊平屋 島に比べ る と水 田がわずか しか存在 し ない (図
4)
。 これ らの湿地性の鳥の欠落が,久米島の 鳥類相 を貧弱に しているといえる。 一方,粟国島 と伊是名 島では,実測値が面積 一種数 関係 か ら期待 される もの よ り上回った (図2,表5)。 これ らの島の種数の多 きを特徴づ ける もの として, こ れ らの島にのみ生息する種 を見てみると(表 5),粟国島 には3種 (タマ シギRostratulabenghalensL'sbenghalensL'S, ズアカアオバ トsphenumslom70SaeFN3'777anuS, シロガシ 久米 渡嘉敷 座間味 粟国
伊是名 伊平屋 l ^ A+WBQr++1+1m+%n+++++i+1++++++Mi+(a+)++++++i+++i+++1ン;′:ろ+1 [二二====コ E■lZ≡ZZZZlllllllllZ:llll:l:lI 水田盟llll畑牧場W
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面 積 図4 各島における耕地の細区分の面積 (対数表示)(2001年8月現 在)(沖縄県農林水産部,2∝叫)) 表4 面積 -種数関係か ら期待 されるよりも観測値が大 きく下方 にずれていた島とそれ らの島に欠落 している と思われる種 烏 鷺 ヒ 種 生息地 渡嘉敷島 -1.348 カイツブリTachybapusnLficoJJL'spqggeL' ツミAccJ'pLteL・gu]ansguJan' オ オ コノハ ズ クOtusIempJj,'pven' アオバ ズ クNL-Boxscut711atatoEogo 川,池 森林 森林 森林 サンショウクイpen-cLlDCOlusdJ'yar7'calustegL'mae 森林 シジュウカラPanLSmajoTOkiE7aWae 森林 久米島 -1.248 リュウキュウヨシゴイIxobrychusc''L7L7amOmeuS 水田,草原 ツミAccL'pJtet・gulansguLan 森林ヒクイナPozanafuscaphaeopyga 水田,草地 シロハラタイナAmauTOmL-5phoenL'cuTuSChjnensJ' 水田,草地
渡嘉敷鳥に対 して挙げた種は,慶良問諸島に属する他の島のいずれかに生息 していて,渡嘉敷島には生息 して いない種。久米島に対するものは,粟国島,伊是名島,伊平屋 島のいずれかに生息 していて,久米島に生息 し ていない種。
ラfyc170nOlussit7enSjs(1))が存在 し,伊是名島には
1
種 (コウライキジ用 asL'anuscolchL-cuskaL7X'Wj),が存在す る。 この うち, コウライキ ジは人為 的 に持 ち込 まれた もの であ り (嵩原 ら,2(伽 ), シロガシラは1997年 まで に沖 縄 島か ら侵入 した種 である (金城,1998)。 これ らの導 入種 や侵 入種 が これ らの島におけ る留鳥種 数の増加 に 関与 している といえる。 侵 入種 であ るシロガ シラは,耕地や林綾部 な どの開 けた環境 を好 む (金城 ら,1987)。粟国島は慶 良問諸 島 と違 って山地が な く,低 地が大部分 を占め るため,森 林の面積が少 な く,畑が多い (図3,4
)。 こうした多 様性 の高 い生息環境 が シロガシラをは じめ とす る留鳥 の種数 を増加 させ ている と思われる。 今,慶良問諸島の島(5島)とそれ以外の島 (粟国島, 久米 島,伊平屋 島,伊是名 島)との違 い を見 るため に, それぞれの グループに しか生息 しない種 を比べ てみ た (表6
)。 ただ し, ここで は,それぞれ2
島以上 に生息 す る種 を対象 と した。 その結果,慶 良問諸 島だけに生 息 す る種 は 0であ ったが ,慶 良 問諸 島以外 の 島では, 6種 もの 生 息 が 認 め られ た 。 この うち, ア ミハ ラ LonchuTaLMnCtulataEopelaは侵入種 で,農耕地 に生息す る。残 りの うち, アオバズ クNinoxscutulatatotogoを除 く4
種 は川や沼沢地 を生息場所 にす る種 である。慶 良 問諸島の島々が山地 (森林)を主 として,平坦地 (耕地) が乏 しく,川や沼沢地 は渡嘉敷 島の一部 を除 くとほ と ん ど発達 してい ない。 それ に対 して,他 の島々は平坦 地が多 く,水 田や沼沢地が存在す る (図4)。 この地形 と土地利用の違いが,生息種 の違 い を もた らしてい る と考 え られる。 以上 ,島の面積 一種 数関係 を基 に留鳥の種数の多少 か ら,各島の鳥類相 の特徴 を島 における生息地の観点 か ら分析 して きた。島の面積 と留鳥の種数 との間には, 直線 関係が認め られたか ら (図2),島の面積が増加す るに伴 って留鳥種 数 も増加す る とい える。 しか し, こ の関係 か らの偏 差 を もた ら している要因 と して,調査 の粗密 さ以外 に,森林 を構成す る樹種 の違 いな どが予 想 され る。 1970年代 に阿嘉 島 と慶留 間島で生息が確認 されていたアカ ヒゲ は,それ以降,現在 に至 るまで生 息が見 られていない。恐 ら く,本種 は慶 良問諸 島か ら 絶滅 して しまった もの と思 われるが,それには,元 々 面積 の小 さなこれ らの島での道路 の建設や木材 の伐採 に伴 う樹 種 の変換 な どが関与 してい る可能性が高い も の と考 え られる。 さらに さかのぼる と, 1904年以前 に この 地 域 に生 息 して い た リュ ウキ ュ ウ カ ラス バ ト coLumbajouyl'は,現在 は絶滅 して しまった (日本鳥学 会,2
(X氾)o絶滅 まで至 らな くて も,個体数 を減少 させ ている種 は多 く存在す るであろう。 一方,面積 一種数 関係 か ら期待 され る以上の種数 を 持つ 島では,島外 か らの導 入 ・侵 入種がそれに大 きく 関与 していた。 これ らの種 は,種数 を増加 には寄与 し て も,鳥類相 や ひいては生物相 の混乱 を起 こさせ る可 能性 が強い。特 に, シロガ シラ (金城 ら,1987)や コ ウライキジ(2)では,農作物 の加害が発生す るほど,価 体数が増加 している。 これ ら鳥の種種数の増減 は,森林伐採 やそれに伴 う 耕地の拡大化 な どの人間活動が もた ら した結果である とい える。面積 一種数関係 は,鳥が生息 しうる面積 に 対す る種数の関係 を表す もの と考 える と,時代 の変遷 表5 面積 一種数関係 か ら期待 されるよりも観測値が大 きく上方にずれていた島とそれ らの島にのみ生息 して いる種 烏 鷺 ヒ 種 生息地 粟 国島 1.252 タマ シギRosETalulabeL)ghaJensJ'sbenghaJensJ'S 湿地ズアカアオバ トsphenurusFoTmOSaePeTmanuS 森林
シロガシラ*PycnonoEuSSinensJ'S 農耕地
伊是名 島 1.180 コウライキジ*phas1-atMSCOJchicuskaTPOW'' 草地 導入種あるいは侵入種。
中村 和雄 ・嵩 原建 二 :沖 縄島 西方 諸 島 の留 鳥種数 と留 鳥相
表6 慶 良問諸 島以外 の島に特有 な留鳥
種 生息地
カイツブ リTachybapusrutlcoJLL'spogge 川,池 リュウキュウヨシゴイIxobTyChusc''nnamomeus 沼沢地 ヒクイナPozanafuscaphaeopyga 沼沢地 シロハラクイナAmautDmL'sphoe')JcuTuSChL'net7SL'S 沼沢地 アオバズクNL'noxsculuJa
E
atoEogo 森林 ア ミハ ラ*LonchurapuncluJatatopeJa 農耕地 *侵入種。 に伴 っ て鳥 の 生 息 地 の 面 積 は大 き く変 動 して きた 。 ま た , 島外 か らの侵 入種 や 導 入 種 に よ っ て , 新 た な ニ ッ チ が 開発 され た り, ニ ッチ の細 分 化 が 起 こ っ て きた で あ ろ う。 琉 球 列 島 の 島 々 に生 息 す る鳥 種 の 記 載 が ほ ぼ 完 了 した1920-30年代 か ら現 在 まで の 各 島 にお け る留 鳥相 の 変 遷 を, こ う した観 点 か ら分 析 す る こ とが , 今 後 の重 要 な課 題 で あ る と考 え られ る。 一 方 で ,慶 良 問諸 島 の 島 々 とそ の 他 の 島 々 で は , 坐 息種 に明瞭 な違 いが 見 られ た (表6
)。 この こ とは, 良 の面 積 の違 い も さる こ となが ら, い わ ゆ る "高 島 " と "低 島" が 生 息 環 境 の違 い を もた ら し,生 息 種 の違 い を もた らす 大 きな要 因 で あ る こ と を示 して い る。 島 の面 積 の 増 大 に伴 っ て 生 息 種 数 が 増 加 す る一 つ の 理 由 は , 面 積 の増 加 に伴 っ て 環 境 の 多 様 性 が 増 加 す る た め で あ る と考 え られ るが , こ こで扱 っ た程 度 の 面 積 の偏 差 範 囲 で , 気 候 の 違 い が ほ とん ど見 られ な い 条 件 下 で は , 生 息 環 境 に大 き く関係 す る の は 島 の 地 形 で あ る こ と を 示 して い る とい え よ う。 謝辞 この調 査 を行 う にあ た り, 渡 嘉 敷 村 ,座 間味 村 , 莱 国村 の役 場 お よび教 育 委 員 会 の 皆 さん に は , 車 の 手 配 そ の他 で 大変 お 世 話 に な った。厚 くお礼 申 し上 げ る。 注 (1)沖縄島とその周辺の島に生息するシロガシラの亜種は, タイ ワンシロガシラPycnonoEussLnenSIsFon770Saeである可能性の 高いことが,形態の比較からも (中村 ・花輪,1987),音声 の比較からも (中村,未発表)示唆 されているが,いまだ断 定はされていないため,ここでは亜種名は表示 しないことに した。 (2)伊是名村では,コウライキジによってジャガイモ,タマネギ, カボチャ (果実),イネ (苗の引き抜 き)などの被害が報告 さ れている (沖縄県北部農林水産センター (2007)r
沖縄県北 部地区鳥獣被害対策会議資料J)0 引用文献Darlington,P・J・,1957,ZoogeogTaPhy,Wiley,NewYork.
金城常雄,1998
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付表 対象 とした各島において生息が確認 された留鳥 と島ごとの生恵種数
種 名 渡嘉敷 座 間味 阿嘉 慶留間 屋嘉比 粟 国 久米 伊是名 伊平屋
カイ ツブ リリユ ウキユ ウヨシゴイruIxofbl'IC.yCO11hu1sposcTaclJ'bDgygeDabamOIpumesuS ○ ○○ (⊃ 〇〇〇〇 ○○ ○ 〇〇〇〇〇 ○○ ○○
クロサ ギEgTettaSaCraSaCra ○○ ○ ○ ○
ツ ミミフ ウズラコウライ キジヒクイナAcPocsuosczclaclpltlDafuhl'tatcueTguOskrOsTcuaapJmamlrkllpowaDaVI'5Xs-ae1l'Sgu'1aoeDuDSlpySgal'SaI.1'S ○○ ○○ ○○ 〇〇〇〇 〇〇〇
シ ロハ ラクイナpJ70enlcuI.uSChlAmaunensrolr'Snls ○ ○ ○
バ ンキジバ トタマ シギIbeoIDd-D1gelGDtcha1aala11eStRo111'7Du'SSStrestll'SbeptrataclompeuhlDpslga1ohoI1D1ale'.aOPUnsSl'S 〇〇〇〇〇 ○○ ○○
カ ラスバ トjaDtju'najCaontlujmbu'Daa ズアカアオバ トオオ コノハ ズ クリユ ウキ ユ ウコノ- ズ クfOtOtom1utslu0seSaePeemlplegajlPImlnsaSDupjeyel7SeeIganL.1'tDSruS 〇〇〇 ○○ 〇〇〇〇 〇〇〇 ○○ ○○ ○○ アオバ ズ クscutulata tNlot'DOoXgo ○ ○ ○ (⊃ ○ カ ワセ ミbeノブgaleDSAll'ceSdoattjuls ○ (⊃ ○ ○ (⊃ リユ ウキ ユ ウツバ メtahl'tl'CaDaml'YelHl'rundo ○○ ○ ○ ○○ ○○ ○○ サ ンシ ヨウクイd1'Varl'CatuS tePeglI'mae.1'CrOCOtuS
シ ロガシ ラヒヨ ドリPamaLycDOlI.DOtOtlH'uSPIySpsSlyelpet'DerlDSle.ss ○○ ○○ 〇〇〇
イ ソヒヨ ドリsoll'taI-1LTSPhlMont'11lp'CpeOlnsla'S ○ (⊃ ○ ○ ○ 〇〇〇 ○ ○ (⊃ ウグイ スI-eSI-1ctaCettladl'PhoDe ○ (⊃ (⊃ (⊃ ○ ○ (⊃ ○ セ ツカメジ ロシジユ ウカ ラPajajuporuncsmanlldZoC'lC1sbu'stStSljoleIruIc-Oo-OonoPSlnlkIcahoDaWceopseBeDSls ○○ 〇〇〇 ○○ ○○ 〇〇〇〇 ○○ ○○ ○○ スズメssatuParatsseusI.mODtaDu ○ ○ ○ ○ (⊃ (⊃ (⊃ ○ ハ シブ トガ ラスmacI-OrJZYnCノ70SCOCorvnneusCteDs ○ (⊃ ○ ○ ○ (⊃ ○ ○ ア ミハ ラpuDCtulatLoa tDCjoTuperala ○ (⊃ ○