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河口湖の水質汚濁について

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Academic year: 2021

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(1)

河 口湖 の水 質 汚濁 につ い て

高 橋

1.は じ め に 湖沼 の富 栄 養 化 は位 置,成 因,形,水 質,生 物群 集 と その 生態 な ど によ っ て ちが い が あ るが,貧 栄 養 湖 が しだ い に富 栄養 化 現 象 を急 速 にた どりつ つ あ る傾 向 は近 年 と くにい ち ぢる しい 。富 栄養 化 は,湖 に ち っ素 と りん の化 合 物 が流 れ込 み,そ れ に よっ て生物 生 産 が行 われ 水 質汚 、 濁 の 原 因 とな る。 昔 は,山 林 や 農地 か ら流 入 す る表 面水 とい う自然 的 な 水 が湖 へ流 入 し,つ ね に栄養 物 質 と水 中 の微 生 物 の働 き との 調和 が とれ て い て,水 質 の汚濁 は ほ とん ど考 え られ な か った。 ところ が終 戦後 か ら現 在 に いた る,わ ず か30数 年 の間 に,わ が国 の湖 沼 の富栄 養 化 現 象 は 全国 的 な 問題 とな っ て来 た。 琵 琶湖,霞 ヶ浦,手 賀沼,諏 訪湖 をは じめ か って は素 朴 で 美 し く透 明 度 は 日本 一 とい わ れた摩 周湖 で さえ も 41,6m(1931年 調査)か ら27m(1952年)へ,田 沢湖 は 33m(1931年 調査)か ら6∼7m(1970年)へ と透 明低 下 し汚 濁 は進 ん で い る。何 れ も汚 濁 に よ る透 明低 下 の 原 因 は養 魚 や観 光 排 水 によ る もの で あ る。 この よ うに湖 の富 栄養 化 の現状 は琵 琶湖,霞 ヶ浦 をはじ め ほとんどの湖 に対 して猶 予 ので きない状 態 になってい る。 本 調査 に あた っ た,河 口湖 は腐 士 山 の眺望 は も っ とも 美 しい と され,古 くか ら親 しまれ た風 光 明媚 の湖 で あ る。 それ が 故 に,観 光地 と して栄 えて富 士 五湖 の 中で も一 番 観 光客 を受 入 れ て い る。 この よ うな状 況 か ら,汚 染 の 進行 が どの よ うに進行 し てい るか を調査 す るの を 目的 と した 。

2.河

口湖 の 現状

河 口 湖 は,河 口 湖 町,勝 山 村,足 和 田 村 に ま た が っ て い て,水 面 海 抜 高 度822.4m,面 積6.1㎞f,平 均 深 度 9.8mの 湖 で,周 囲 の 山 は 高 く,と く に 北 岸 は 三 ッ峠 か か 御 坂 峠,東 面 は 黒 岳 や 御 坂 塊 が 屏 風 の よ う に つ ら な っ て い る湖 で あ る。 水 面 の変 化 が激 し くて,そ の年 較 差 は 5∼8mも あ る。 周 囲 の 人 口は15,000人 程 度 で あ るが,船 津,小 立 の勝 山地 区 に人 が密集 して い る。 浅 川 か ら船津 に かけ て,ホ テル,旅 館,休 憩所 を かね た みや げ物 屋 が軒 を な らべ,ま た湖 岸 周 囲 には60軒 以 上 の民 宿 もあ る。 観 光 客 は,3月 の閑 散 と した 時 季 で さ え23万 人,賑 う 8月 に は75万 人 の人 が訪 れ る。 年 合計 で470万 人 程 が レ ジ ャー を求 め て来訪 して い る。 また,わ か さ ぎ,こ い,ふ な,う な ぎの放流 養殖 が行 わ れ てい て,そ の 水揚 量 も可 成 りの 数 で あ って,た と えば わ か さ ぎ47,000kg,ふ な22,111,う な ぎ3,700kgに も 達 して い る。 これ も湖 水 の汚濁 の 一原 因 と なっ て い る。 そこ で,本 調 査 で は,観 光地 の 中心 で あ りホ テル,旅 館,み や げ もの屋 な どが軒 を な らべ,観 光 船 や モー ター ボ ー トの発 着 所 の 多い 船津 地 区 と河 口湖 大橋 の範 囲 が汚 染 度 が高 い と想 定 し調査 の対 象 と した。 3.調 査 採 水 場所 の選択 につ い て は,図1の よ うに船津 地 区 と 河 口湖 大橋 の間 で,観 光 客 の 出 入 の は げ しい場 所 を選 ん だ。 調 査 の 第1回 は観 光 シー ズ ンの終 り頃 と湖 水 の循 環 期 か ら考 えて昭 和54年10月16日(快 晴),第2回 は シー ズ ン 直 前 の 昭和55年7月26日(快 晴),第3回 は シー ズ ン時季 のや や 過 ぎた9月4日(快 晴)に 行 い,何 れ も午 前9時 30分 か ら午後3時30分 の 間 に,水 深2mで 採 水 した 。 こ の理 由 は 大型 の遊 覧 船や モ ー ター ボ ー トが激 し く往 来 す る ので,表 面 水 が攪 拌 され て場 所 によ っ てはDOな どの 値 に影 響 が出 るの を懸 念 したた め で あ る。 調 査 の対 象 は,湖 水 中 の植 物 プ ラ ンク トン,水 草,付 着 生 物 の 生産 分解 に よっ て影 響 をお よ ぼす溶 存 酸 素(D O),水 素 イ オ ン(PH),汚 濁 に直接 関 係 の深 い ア ンモ ニ ア(NH4)と そ の酸 化 に よ って生 ず る亜 硝 酸(NO2), と くに濃 度 の 増加 が心配 され て い る リン酸(PO4),汚

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濁 の程 度 の 指標 とな って い る化 学的 酸 素 要求 量(COD), これ ま た人 為 的 には こ び こ ま れ る塩 素 イ オ ン(cl-) につ い て調 査 を行 っ た 方法 と して は,水 温,PH,DOに つ い て は ただ ちに その場(ボ ー ト上)で 計測 し,そ の他 は500m2の ポ リタ ン に移 しと り,ア イ スバ ッ クに入 れ て5℃ の温 度 に保 ち 翌 日本学 研 究 室 にて検 水 した。 と くに,7月27日 の調査 の際,一 住 民 か ら遊 覧 船 や モ ー ター ボ ー トの発 着 用 機橋 の支柱 や桁 に寒天 状 の群体 が び っ し りと可 成 りの厚 さで付 着 してい るの を示 され,直 径 が20cmぐ らい の球 塊 状 の物 質 を採 取 して み た。 ク ラゲ と よ くに て い る生物 で早速 研 究 室 に持 ち帰 っ た。 調査 結 果 は次 の 通 りで あっ た。 、 表1調 査1 昭 和54年10月16日 項 目 採 水 場 所No. 水 温 (°c> CO PPM PH ア ンモ ニ ア ーN mg/1 リ ン酸 m g/1 COP PPM 1 19 6.5 7.2 0.4 0.02 2.0 2 19 7.3 7.3 0.32 0.02 2.0 3 19 7.6 7.3 0.29 0..02 1.5 5 19 8.2 7.4 0.28 0.02 L3 6 18 8.0 7.4 0.28 0.02 1.6 7 18 8.0 7.4 0.20 0.02 1.6

8 1$ "/.'/ 与A/. U.3G U.UG 1.:i

9 18.5 7.0 7.2 0.30 0.02 1.4 10 19 7.0 7.3 0.30 0.02 1.4 表2調 査2 昭 和55年7月26日 項 目 採 水 場 所No, 水 温(°c) DO PPM PH ア ン モ ニ ア ーN mg/1 亜 硝 酸 mg/1 リ ン 酸 一P mg/1 塩 素 イ オ ン mg/1 COD PPM 1° 24.2 $.6 8.8 0.15 0.05 0.01 13 1.70 2° 24 8.4 8.8 1 0.05 0 12 2.52 3° 24 8.6 8.8 0.16 0.05 0.02 11 2.22 4 23.5 8.3 8.7 0.16 0.05 0.02 10 1.85 5 23.5 8.2 8.7 0.16 0.04 o.ol 12 2.15 6° 23.9 8.3 8.8 0.16 0.05 0 11 2.0 7 23.2 8.1 8.8 0.15 0.03 0.02 10 2.42 8°X 15 8.2 7.1 0.15 0.01 0.02 11 1.4 9 23.1 8.1 8.8 0.17 0.03 o.ol 13 1.8 10° 22.6 8.2 8.7 1 0.03 o.ol 11 1.5 ※7° と 同 一 場 所 で 湖 底8m 表3調 査3 昭 和55年9月4日 項 目 採 水 場 所No. 水 温 (°c> DO PPM PH ア ン モ ニ アーN mg/1 亜 硝 酸 mg/1 リ ン 酸P mg/1 塩 素 イ オ ン mg/1 COD PPM 1 22.9 9.6 8.9 11' 0.02 o.ol 9.0 2.5 2 23 9.4 8.9 0.06 0.02 0.05 8.5 2.7 3°、 23 9.8 8.9 11: o.ol 0.04 7.5 2.3 4 23 10.0 8.9 0.07 0.02 0.03 12 2.4 5 冑 23 9.7 8.9 0.07 o.of 0.03 11.5 2.4 6 23 9.1 8.9 o.07 0.02 0.01 11.5 1.6 7'X1 14 X 7.8 1 0.01 0.03 10 1.9 8 23 9.6 9.0 0.07 0.01 o.ol 9.5 2.3 9'X2 19.3 X 7.4 0.54 o.of 0.09 10 1.7 10' 22 10.2 8.9 0.06 0.02 o.oi 10 2.4 11'X3 13.5 X 7.1 3.4 o.of 0 9.5 1.6 くらげ こけむし 1 15 0.2 0.20 ※16° と同 一 場 所 で 湖 底8m ※28° と同 一 場 所 で 湖 底6m ※310° と同 一 場 所 で 湖 底8m 測 定 器 具 は,PH,ア ンモ ニ ア,亜 硝 酸,リ ン 酸 に つ い て は,HachchemicalCompany製 の 直 読 式 分 折 器 を, DOに つ い て は 電 気 化 学 計 量KKのDO-3S型 を,C

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研 究 紀

第24集

ODは セ ン ト ラ ル科 学KKCOD-HC207型 をcl一 は 同 社cl12S型 を使 用 した 。 4.考 察 (A)DO(溶 存 酸 素) 水 中 に溶 解 して い る酸 素 の量 で,DOの い ち じ る しい 減 少 が い わゆ る湖 の死 で あ っ て水 中 の生物 は生 育 が で き な くな る。 表4か ら調 査3の9月 初 旬の測 定 では 最底 最 高値 は他 の2回 に比 べ て 高 い値 で あっ た。植 物 プ ラ ンク トンの 光合 成 作 用 によ って 生産 さ れ る酸 素,と くに湖 水 共 通 の 現象 と して 光合 成 の 酸 素生 産 ピー クは よ く晴 れ た 日の 正 午 か ら午 後4時 まで に お こ るの で,時 季 と天 候 か らみ て この よ うな結 果 が 得 られた と考 え られ る。 表4 最 底値PPM 最 高値PPM 調 査1 6.5 8.2 2 8.1 8.6 3 9.1 10.2 (B)PH(水 素 イオ ン濃 度) 湖 水 のPHは 生物 作 用 の 影響 を受 け て大 き く変 化 す る。 光合 成 で植物 が 水 中 の炭 酸 を消 費 す る と,重 炭 酸塩(H CO3)が 平 衡 を保 つ た め に一 部 が分 解 して炭 酸 を補 充 す る。 この 際 生 ず る水 酸 イ オ ン(OH-)の た め に水 は ア ルカ リ性 とな る。水 草 や植 物 プ ラ ン ク トンが豊 富 な湖 水 の上 層 部 の 水 は夜 間 は中性 で あ って も,日 射 の強 い晴 天 の 日中 と くに午後 に はPHが10∼11程 度 に もな る。天 然 の湖 沼 につ い て のPHは ふ つ う6∼8程 度 で あ る。 調査 結 果 の(1)を除 い ては 何 れ もPHの 高 い値 を示 し, その平 均 値 は(2)と(3)では それ ぞ れPH8.8,8.9の アル カ リ性 で あ った 。 これ は時 季 的 に藍 藻 の ア オ コが 表層 に相 当量 み られた り,珪 藻 の ホ シダ カケ イソ ウ,メ ロ シ ラな どの 活動 が活 発 に行 わ れて い て,あ き らか に湖 の栄 養 化 を物 語 っ てい る。 また,湖 底 よ り採 水 した ※印 の4検 水 につ い て は透 明 度 も1.5m程 度 なの で,光 の影響 が少 な く光 合 成作 用 が ほ とん ど行 わ れ ない た め中性 附近 のPHを 示 して い た。 (c)ア ンモ ニ ア と リ ン酸 この2つ の 物 質 は た ん 白質 の構 成 成 分 で あ って,自 然 界 よ り流 入 す る量 は ご く少 量 で,人 や 家蓄 の排 泄 物,そ の他 生 活排 水 が湖 に流 入 した り,畑 や 田 に使 用 された堆 肥 や 化 学肥 料 の一 部 が流 入 し,栄 養 塩 と して 水 中 の プ ラ ンク トンや 他 の水 中 生物 の 生産 を多 く し富 栄 養 化 現 象 を 促 進 す る代 表物 質で ある。 ふ つ う,貧 栄養 湖 と富 栄 養 湖 の ちっ素 の境 界 は0.15P PMで あ るが,調 査(1)では どの場 所 で も ちっ 素 の濃 度 は 2倍 以 上 で あ った が調査(2)と(3)につ い ては 境 界 限 度 か ま た は そ れ以下 で あっ た。 この ことにつ い て は,人 為 的活 動 が一 番 は げ し く行 れ る7月,8月 に当 然湖 水 の汚 濁 が高 い こと と考 え られ る が,調 査(1)の10月中 旬 は,湖 の水 の 対流 作 用 に よ って上 下 の 水 が い ち よ うな性 質 とな るた めで あ り,調 査(2),(3) につ い て は7月,9月 は水温 が 高 く,ま た 日謝 も強 い の で微 生物 や植 物 プ ラ ン ク トンの 活動 が きわ め て盛 んで, そ の ため 表面 に近 い水 は か え って無 機 栄 養塩 類 の減 少 を きたす ため で あ る。 リ ン酸 につ いて は,リ ンは動 物 の骨 の成 分 で あ るリ ン 酸 カ ル シ ウムや 筋 肉や神 経 な ど にふ くま れて い る レシチ ンの 中 に存 在 して い るの で,人 が摂 取 す る こ と によ って ふ くま れて い た り,農 家 の リ ン酸肥 料 の使 用 に よっ て リ ン成分 が湖 中 に流 入 す る。 ま た,最 近 と くに社 会 問題 と な って い る リ ンをふ くむ洗浄 能 力の 高 い化 学 合 成洗 剤 が 普 及 し,ABS洗 剤 な どの 界 面 活 性剤 の洗 浄 効 果 を さ ら に高 め る目的 で ビル ダー(補 助剤)と して トリポ リ リ ン 酸 ナ トリウ ムや ケ イ酸 ナ トリ ウム,増 白剤 な どが添 加 さ れ て い る。 しか も,こ の よ うな リ ン含 有洗 剤 は ホ テル, 旅 館 な どで は一般 の家庭 とは くらべ もの に な らな いほ ど の 多量 の洗 剤 がつ か われ て い たた め,リ ン酸 がに わか に 増加 しは じめ た。 リ ン酸 の貧 栄 養湖 との境 界 は リ ンと して0.02PPMと され て いて,一 般 の湖 水 の可溶 性 リンの濃 度 は0・010∼ 0.030PPM程 度 で あ る。 本 調査 では,調 査(1)∼(2)にお い て何 れ も0.02PPMか そ れ以下 で あ っ た。 調査(3)での平 均 濃 度 は0.03PPM, 湖 底 か らの 水 には0.09PPM,境 界 の4.5倍,と い う 高 濃 度 の リ ンが検 出 され た。 調査(3)では植 物 性 プ ラ ンク トンの 増殖 期 で無 機塩 類 は消 費 され て い る にも か かわ ら ず この よ うな値 を得 た こ とは,部 分 的 にか な り多 量 の リ ン酸 が 溶 け てい るこ と と思 われ る。 (D)cl-(塩 素 イ オ ン) 河 口 湖 へ 流 入 し た り,湧 出 した り す る天 然 の 水 にCI や 塩 素 化 合 物 が ふ く ま れ て い る と は 考 え ら れ な い 。cl

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はす べ て人 為 的 活動 の結 果,湖 水 に搬 入 され た もので あ る。 当 然人 口密 度 の高 い場 所 を指 定 して検 水 した。 調査(2)の平 均 は11PPM,調 査(3)の平 均 は10PPM で あ った。 調査(3)で低 い値 で あ っ たの は,ア ンモ ニァ や リ ン酸 と同様 な理 由 と思 われ る,ま た7月 中 旬 か ら8月 下 旬 まで の天 候 は 雨天 の 日が 多か っ たた め,雨 水 の流 入 も若 干 関 係 が あ るので は な い か と考 え られ る が今 後 な お 検 討 を要 す る課 題 で あ る。 (E)COD(化 学的 酸 素 要求 量) 有機 物 汚 染 の程 度 を示 す1つ の単 位(PPM)で,湖 や 海 に お け る水 質汚 濁 の尺 度 を あ らわす た め に使 用 され る。BOD(生 物 化 学 的酸 素 要 求量)と こ とな り測 定 が 短 時 間で す む便 利 さが ある。 また生 活環 境 に係 る湖 水 の 環 境 基 準 の1項 目 で あ って,こ の値 が少 な け れば 少 な い 程 よ い こ と に な る。 本 調 査 で は,調 査(1)ではCOD1.3∼2.OPPM調 査,(2) で は1.4∼2.5,(3)で は1.6∼2.7PPMの 値 で あ った。 現 状 では環 境基 準A類 型,COD3PPM以 下 に あて は ま っ て い る が,調 査(3)にお いて2.5PPM以 上 の場 所 はホ テ ルや旅 館 の処 理 排 水 が直 接流 入 す る場 所 に近 い の で高 濃 度 を示 し,近 い将 来 に於 て は3PPM以 上 にな るので は ない か と懸 念 さ れ る。 (F)ク ラ ゲ コ ケ ム シPectinatellamagnifica(Leidy) 7月26日 採 水 の 際,船 津 湖 畔 の ボ ー ト桟 橋 の 柱 や 桁 の 浸 水 部 を カ バ ー す る か の 如 く厚 さ10cm∼15cm程 で 一 面 に 付 着 し て い る寒 天 状 群 体 を住 民 に 示 さ れ て,早 速 研 究 室 に 持 ち帰 り,ワ レ カ ラ の 研 究 を さ れ て い る 本 学 の 有 元 教 授 に お 尋 ね し た と こ ろ,コ ケ ム シ の 一 種 と 判 明,さ ら に 先 生 を通 じ て コ ケ ム シ の 権 威 者 馬 渡 静 夫 先 生 に 照 介 し た と こ ろ,北 ア メ リ カ 産 のPectinatellamagnifica(Leidy) で あ る こ と が わ か っ た 。 ま た 馬 渡 先 生 に よ っ て,日 本 語 で 「ク ラ ゲ コ ケ ム シ」 と命 名 さ れ て い る こ と も わ か っ た 。 こ の 生 物 は,河 口 湖 で は1972年10月 に確 認 さ れ て い る 。 くらげ 最初 は 「淡 水 水母 」 と誤 認 されて い た が,本 種 は 日本産 の カ ンテ ンコ ケ ム シ に群 体 が似 て い るが,そ の体 芽 の周 辺 に碇 型 の 棘 を10数 本 もっ て い る ことで 区別 さ れ る。 北 アメ リカ東 部 の特 産 で あ る。 現 在 は柴 山潟,河 口湖,精 進湖,印 幡沼 で発 見 され て い る。 本種 の 体腔 液 は人 体 には直 接 影響 は ない が,魚 介 類 に は か な り強 い 毒性 が あ り,北 アメ リカで は同 様 の コ ケ ム シの ため に養魚 池 の魚 が い っせ い に死 ん だ り,コ ケ ム シ の群 体 と と もに網 にか か っ た魚 がす べ て死 ぬ ほ どの被 害 が報 告 され て い る。 本 調 査 で は,コ ケ ム シ を採取 し5分 程放 置 して よ く水 を きつ た後,両 手 で しぼ り,そ の しぼ り水 を検 水 と した。 手 はべ とつ くほ どの 粘 液性 を感 じ,淡 水魚 特 有 の 強 い魚 臭 が した。 ア ンモ ニ ァ は15PPMで 当 日 の水 の ほ ぼ160倍 の濃 度 を示 し,亜 硝 酸 は0.2PPMで 水 の12倍,リ ン酸 は0.77 PPMで16倍 の 高濃 度 の 結 果 を得 た 。 5.ま と め 表5 年度 項 目 47 48 49 50 PH 7.5 7.6 7.6 レ 7.7

DO(PPM)

9.3 9.6 9.9 9.4

COO(PPM)

2.3 2.5 2.3 2.4 表6貧 栄 養湖 と富 栄養 湖 の相 違 点(吉 村,1939)

栄 養 型

養 型

監 ま たは緑 緑 ∼黄,水 の華 の た め と きに い ち じ る し く着 色

明 度

大(>5m) 小(<5m)

中性付近

夏 の 日中表 層 は強 ア ル カ リ性 窒 素,PPM 少 量(N<0.15) 多 量(N>0.15) リ ン酸,〃 少 量(P<0.02) 多 量(P>0.02)

けん濁物 質 少量

プ ラ ンク トン とそ の屍 体 多 量

溶 存 酸 素

全 層 を通 じて飽 和 に 近 い 表水 層 は飽 和 または過 飽和,深 水 層 は欠 乏

沿 岸 植 物

少,深 所 まで生 え る 多,浅 所 に のみ 繁 茂

底 生 動 物

種 類 多 く,量 も比較 的 多 い,標 兆 種 は タ ニ タ ルス ス ま たは セ ル ゲ ンチ ア 種 類 は 少 い が量 は 多 い。標 兆種 は キ ロ ノム ス ・プ ルモ ス ス 植 物 プ ラ ン ク トン 貧 弱,主 に ケ イ藻 よりな る 豊 富,夏 は ラ ン藻の 水 の華,こ の外 ケ イ藻,虫 藻 も多 い 動物 プ ラ ン ク トン

豊富,ワ ム シ類 多 し 遊 水 動 物 貧 弱,マ ス,ウ グ イ 多 し 豊 富,コウ ナ ギ,ワイ,フカ サ ギナ, 多 し 湖 底 堆積 物 有機 物 に乏 しい,ケ イ藻 骸 泥 卓越

骸泥 または腐泥

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研 究

紀 要

第24集

表5は 山 梨 県 に おい て昭 和47年 ∼50年 に河 口湖 の水 質 調 査 を した と きの年 平均 の測 定 結果 で あ る。 また 表6は 貧 栄 養湖 と富 栄 養湖 の相 違 点(吉 村,1939)で あ る。 DOに つ いて は,調 査(1×2×3)の順 序 で溶 存 酸 素 は増 加 してい る。 調 査(2)では飽 和付 近,(3)で は あ きら かに どの デ ー ター も過 飽和 の状 態 で あ っ た。 これは水 草 や植 物 プ ラ ンク トンの光 合 成作 用 が きわ めて盛 んで,生 産 され る 酸 素 と空 気 か ら溶 け こん だ もの と合 わさ って,飽和 度100 %以 上 にな っ た もの と考 え られ る。 PHは 貧栄 養 湖 で は 中性付 近 のば あい が多 い いが富 栄 養湖 で は上 層 水 中の植 物 プ ラ ンク トンが光 合成 作 用 の た め水 中 のCO2を と るの で 日射 の 強 い昼 間で は ど うして も ア ル カ リ性 に な りや す い ので,表(2×3)で はPH8.9以 上 の ア ル カ リ性 を示 して い た。 こ こで,湖 底 の水 のPHが きわ め て小 さ な値 で あ るの は,湖 底 の動 物 のい とな む呼吸 作 用 と微 生 物 に よ る有機 物 の分 解作 用 は と も に酸 素 を吸 収 して炭 酸 を遊 りす るの 、で酸性 化 してPHは 小 さい値 を とっ てい る。 いつ れ に して も,水 の 中 に新陳 代 謝 の 自由 に で きる物 質 が存 在 して い る こ とは あ ま り好 ま しい こ とで は ない 。 山梨 県 調査 の表5と は条 件 が ちが うの で比 べ るこ とは で きな い が,そ れ に して も か な り高 い値 を示 して い る。 ま た湖沼 の環 境 基準 のAAAよ びA類 型 のPHは6.5 ∼8.5と 定 め られ て い る。 栄 養塩 類 の 中 にふ くま れ る ちっ素 と リ ン酸 は 表6か ら ちっ素 で0.15PPM以 下,リ ン酸 は0.02PPM以 下 が富 栄養 他 現象 を進 行 させ な い 目安 とさ れて い る。 ふ つ う,河 口湖 の よ うな温 帯 湖 は,春 季,秋 季 の2回 湖 水 の 対流 に よ って,水 温 や化 学組 成 が上 下 い ちよ うに なる循環 期 が あ る。循 環 期 の 最後 に あた る時期 は,上 層 にお いて栄 養 塩 の 濃度 が最 大 の と きにな る。 この頃 か ら 植 物 プ ラ ンク トンの 増殖 は さか ん に な り,や が て は無機 栄養 塩 類 は減 少 して植 物 プ ラ ン ク トンが死 ねば 深層 へ と 沈 下 す る。 夏 の 最 中 に栄 養塩 類 を測 定 す れば,富 栄 養 湖 で はゼ ロに近 いば あ い が あ る。 表(3)でア ンモ ニ ア の ち っ 素分 が と くに少 ない の は,こ の よ うな現 象 と思 わ れ るが 表(1×2)では ちっ素 が 多 く溶 けて い る こ とは富 栄養 化 が あ らわれ て い る こ と と推 察 され る。 リ ン酸中 の リ ンにつ い てデ ー ター を示 した が,0.02P PMを 中心 に ば らつ きの あ る結 果 が得 られ た。 貧富 栄 養 湖 の 限 界 に あ る こ とは た しか で あ る。当 然栄 養塩 類 の減 少 す るは ずの 調査(3)の9°で異 常 に多 い値 を示 した こ とに つ い て は湖 底 の沈 殿 物 や底 泥 の 今後 の 調査 に よ ら なけ れ ば な らない こ と と思 わ れ る。 コ ケ ム シにつ いて の わ が国 に搬 入 され た径 路 もそ の生 態 の文 献 も乏 しいの で,詳 しい こ とは 不 明で あ る。 シ ョ ッキ ングで厄 介 な生物 で あ る。 しか も この生 物 は住 民の 話 しに よ る と毎 年 増加 しつ つ あ ると聞 く。 コ ケ ム シ をつ つ む ゼ リー状 の物 質 には ちっ素 や リ ンが 大量 にふ くま れて い るこ とか ら,プ ラ ンク トン と同 じよ うに富 栄 養化 を促 進 す る生物 で あ る こ とを認 め ざ るを得 ない。 また この 生物 に対 す る影響 や 処置 な ど も早急 な課 題 で は ない だ ろ うか。 最近 の報導 に よ る と,全 国 の湖 沼 にお い てCODの 環 境 基 準 の 達 成 率 をみ る と,51年 度 は40.7%だ っ たが53 年 度 は37.6%と 低 下 し,逆 に栄養 塩 が増加 して プ ラ ンク トンが異 常繁 殖 し,赤 潮 や アオ コ の発 生 によ っ て,異 臭, 自然景 観 の破 壊,漁 業被 害 の ほ か,飲 料 水 に い た るま で 影 響 をお よぼ す よ うなっ た とい わ れ る。 この よ うな現 象 は お もに ち っ素 と リ ン酸 が原 因 で あ る こ とは早 くか らわ か って い るが,赤 潮 や ア オ コ の発生 に つ い て の メ カニ ズ ム には未 解 明 の部 分 が多 く残 っ ては い るが,ち っ素 や リ ンの環 境 基 準 値 を定 め るよ う,早 急 な 抜 本 的 な防 止策 を決 め るこ とが 必要 で あ る。 参 考 文 献 1)小 泉 清 明:昭 和56年 川 と湖 の生 態P.20∼40共 立 出 版KK. 2)鈴 木 静 夫:昭 和50年 日本 の湖 沼P.29内 田 老 鶴 剛 新 社 3)津 田 松 苗:昭 和50年 日本 湖 沼 の 診 断P.104,P.137∼ 138共 立 出 版KK. 4)富 士 急 行KK.;昭 和47年 創 立45周 年 記 念 誌,富 士 山周 辺 の 湖 沼P.191∼192富 士 急 行KK. 5)馬 渡 静 夫:昭 和48年Proe.Jap。Soc.Syst.Zool. N・.9動 物 分 類 学 会 6)山 梨 県:昭 和45年 富 士 五 湖 の 水 質 調 査 報 告 書P.13 ・)轗 灘 ・昭 和 ・・年 河 ・ 湖 水 汚 染 環 」ul,PlaJ査報 告 書 書P.3

参照

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