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新古今和歌集 二冊 (調査報告10)   

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(1)

と縦一七・一センチ、横二・四センチの極札が外題様に添付され、﹁琴山﹂の墨印が捺される。極札の裏書はなされていない。第 三葉の表も空白になり、第三葉裏面より墨付となる。第二折十枚、第三折十枚。第四折も十枚あるべき処、九枚しかなく、綴じ糸 が切れている。そして九枚目、すなわち第九葉及び第十二葉が、糸の切れた折剥離してしまい、紛失したものと考えられる。或は 茶掛などに用いる目的で九枚目を切離そうとした際、糸も切れてしまったものかもしれない。 この脱落の一枚︵三楽、四面︶は国歌大観番号︵旧編のもの︶で剛番歌本文より郡番詞書まで、及び邪番作者︵詞書は剛番から かかってくるのでもともとない︶から邪番詞書まで、の部分である。これは秋下後半より冬の冒頭付近に該当し、晩秋から初冬に かけての山河を描く作が多い。想像を暹しくすれば、或は茶掛に用いるに相応しいと目されたかもしれない。 第五折十枚、第六折十枚。第七折は六枚で第六葉より五葉遊紙となる。第九葉はていねいに切り取られ、第十二葉は表紙と見返 本書は本学常磐松文庫所蔵本である。室町時代写本、斐紙列帖装。原装のままと思われ虫損も殆どなく保存は良好であるが、綴 じ糸の弛みや切れの為、後述の如く一枚紛失しているのが誠に惜しまれる。 縦一三・五センチ、横一七・○センチ。表紙は沈んだ黄色地に紺や薄青色があしらわれた綴子︵唐物か︶で、格子に花菱、雲形 紋、唐獅子︵かと思われるが或は龍か︶、唐菊、卍、如意宝珠などが織り出されている。見返しは金地に銀が散らされる。

調査報告十

、唐獅子︵かと思われる巫 題叢、外題、内題はない。 上冊七折、下冊八折で、︲ 上冊七折、下冊八折 伏見殿邦高親王御筆

新古今和歌集二冊

上冊第一折は十一枚あるが第一葉は表紙と見返しとの間に組拳込まれている。第二葉は遊紙で、左上に

西澤美仁

(2)

下冊は、第一折十枚、内第一葉は上冊の場合同様に表紙と見返しとの間にはさぷ込まれ、第二葉も遊紙になる。従って第三葉か ら墨付となる。第二折十枚、第三折二枚、第四折八枚、第五折十枚、第六折十枚。第七折も十枚であるが、第二十葉が切り離され ている。この切離された一葉は、続く第八折が二枚で、隠岐本敬書写のための承にあてられており、その肱が本書では二面と四行 分を使用されている点から、想像ではあるが、第七折の最終葉に隠岐本肱を書写し始めた処、書き切れないことを知って、筆者自 身が切り捨てた、その痕跡とも解されなくはない。後掲のように隠岐本肱には他に比して他本との異同や誤脱が目についたりす る。或は本文と賊文との間ではあるが、奥書が記されていたとも考えられなくはない。 第八折は前述の如く二枚で、最終葉は表紙と見返しの間にはさゑこまれる。 一面十一行、和歌一首一行書きで、詞害は三字下げ、作者名は上を揃えて約十二字分下げて書写されている。 上冊は﹁新古今和歌集序﹂として真名序、次いで一葉の遊紙のあと仮名序、﹁新古今和歌集巻第この順に書かれ、巻十までが 書写される。奥書等はなし。下冊は巻十一より始まり巻二十本文のあとに、所謂隠岐本賊が付される。奥書等はない。撰者名注 記、隠岐本合点、切出し歌に対する注記もない。 又、本書は二重に箱に入れられており、内箱は真塗りで、蓋には中央に﹁新古今集﹂と銀泥文字がある。内のりが縦二三・七セ ンチ、横一八・二センチ。外のりは縦二四・五センチ、横一八・九センチ、高さ三・四センチである。身には底の中央に最大縦 二・五センチ、横一・六センチの瓢箪形のくりぬきがあり、左上に しの間にはさ象込まれる 下冊は、第一折十枚、 と二行に打付害されており、蓋︵ ンチ、横一九・四センチである。 二三・五センチ、横一七・九センチ、高さ三・二センチである。 と記された縦一三・二センチ、横二・二センチの極札が貼付されている。内のり縦二二・九センチ、横一七・三センチ。外のり縦 外箱は桐で、蓋の中央部に 伏見殿邦高親王御筆 小堀権十郎殿新古今集箱書 ・五センチ、横一・六セー 新古今集 蓋の外のりは縦二七・五センチ、横一二・三センチ、高さ七・四センチ。身の内のりは縦二六・三セ − 9 1 −

(3)

蔵書印は上下冊とも墨付第一丁の右下隅に﹁実践女子大学図書館印﹂の朱印、墨付最終丁左下隅に﹁常磐松文庫印/七九八九 二﹂及び巻末遊紙最終丁左上に﹁妬/教育研究﹂︵横書︶の印がある他には、旧蔵者を知る手がかりとなりそうな印も害付けも残 されていない。外箱蓋裏に古書犀のラベルがあるの象である。 本書筆者は琴山の極札、及び外箱箱書に見られる通り、邦高親王であろう。邦高親王については、井上宗雄﹃中世歌壇史の研究 室町前期﹄︵昭和鏥年哩月。同弱年6月に改訂版が出されている。︶に詳しいので参照されたい。康正二年︵一四五六︶生、享疎五 年︵一五三二︶没。父式部卿貞常親王。父の没後文明六年︵一四七四︶に伏見宮四代を嗣ぎ、そのころより歌壇的活動を開始、文 明期の有力歌人に数えられ、一歳年長の三条西実隆との交友も知られる。家集に﹁安養院御歌﹂﹁邦高親王集﹂﹁邦高親王御百 首﹂などが知られ、伊達文庫蔵の私撰集﹁邦高集﹂の編者である可能性もあるという。 新古今和歌集については改めて書くまでもあるまい。その諸伝本は、集の成立事情に即応させて五系統に分類することが行なわ となる。伝本の大部分は第二類に属しているが、本書も又、第二類の切り継ぎ時代に成立した本の流れを汲むと解される。 久松潜一・山崎敏夫・後藤重郎校注﹃新古今和歌集﹄︵﹁日本古典文学大系﹂昭和調年2月︶が﹁異本所載歌﹂として整理する弱 首の内、本書はⅣ首を本文中に持っている。その数は比較的多い方である。 以下に、国歌大観番号︵旧編のもの︶と共に示す。

仙太神宮に百首歌たてまつりし中に太上天皇

いかにせむ世にふるながめしばの戸にうつるふ花の春の暮がた︵巻二、川の次︶

②︵詞書欠。作者からみて前歌の﹁延喜十三年亭子院歌合歌﹂がかかるとは思われない。︶山辺赤人

恋しくは形見にせんと我宿にうへし藤波今さかり也︵巻二、脱の次︶

れている。今簡略にそれを示すと 第一類 第二類 第三類 第四類 第五類 元久二年寛宴時の成立 切り継ぎ段階での成立 切り継ぎ完了時の成立 所謂﹁隠岐本﹂所謂﹁ その他

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③︵郭一公の心をよみ侍ける︶ 郭公昔をかけて忍べとや老のね覚にひと声ぞする

四題しらず

五月雨の空だにすめる月影に涙の雨ははる坐まもなし ⑤太神宮にたてまつりし秋歌の中に 朝露の岡のかや原山風に象だれて物は秋ぞかなしき ⑥宇治前関白太政大臣の家に七夕の心をょ象侍けるに 契けむ程はしらねど七夕のたえせぬけふの天の河かぜ 、︵題しらず︶ 高砂の尾上にたてる鹿の音にことの外にもぬるL袖哉

⑧題しらず

誰なりとをくれさきだつ程あらば形見に忍べ水くきの跡 ⑨醍醐の御門かくれ給ての比、人のもとにつかはしける 世中のはかなきことをぷる比はねなくに夢の心ちこそすれ ⑩延喜御時屏風歌 波の上にほのに象えつ典ゆく舟はうら吹風のしるべなりけり ⑪除目の坐ち雁のなきけるをき具てよめる 都にて春をだにやはすぐしえぬいづちか雁のなきてゆく覧

⑫題しらず

幾世へしいそくの松ぞ昔より立よる波や数は知らん ⑬太神宮歌合に 大空にちぎる思ひの年もへぬ月日もうけよゆく末の空

⑭題しらず

顕昭法師 ︵巻三、皿の次︶ 赤染衛門 ︵巻三、激の次︶ 太上天皇 ︵巻四、棚の次︶ ︵作者名欠︶ ︵巻四、洲の次︶ 恵慶法師 ︵巻五、州の次︶ 和泉式部 ︵巻八、叩の次︶ 盛明親王 ︵巻八、肌の次︶ 躬恒 ︵巻十、州の次︶ 躬恒 ︵巻十六、皿の次︶ 貫之 ︵巻十七、繩の次︶ 太上天皇 ︵巻十八、畑︶ 能宣朝臣 − 9 3 −

(5)

水くきの跡に残れるたまのこゑいと翼もさむき秋の風哉︵巻十八、伽︶

⑮題しらず西行法師

ねがはくは花のもとにて春しなむそのきさらぎの望月の比︵巻十八、恥の次︶

︵ママ︶

⑩奉弊使にて住吉にまいりて、昔住ける所の荒たりけるを見てよ染侍ける津守有基

住吉と思ひし宿はあれにけり神のしるしを待とせしまに︵巻十九、哩

㈹依釈迦遺教念弥陀といふこ上ろを肥後

をしへ置て入にし月のなかりせば西に心をいかでかけまし ︵巻二十、恥の次︶ この内、若干問題のあるのは⑥として掲出した﹁契けむ・⋮:﹂の歌である。 本書はこの歌の作者を欠いている。前歌の﹁赤人﹂がかかることはありえない。そして次の﹁権大納言長家﹂の歌 年をへて住べき宿の池水は星合の影もおもなれやせん に詞書が付されないため、当該歌の﹁宇治前関白太政大臣の家に七夕の心をよみ侍けるに﹂がかかる形をとっている。 これを他伝本と比較して承ると、例えば烏丸本︵﹁天理図書館善本叢書﹂による︶では、﹁契けむ⋮⋮﹂の歌の作者を﹁宇治前 関白太政大臣﹂とし、公夏本︵久保田淳著﹃新古今和歌集全評釈﹂による︶では、やはり﹁宇治前関白太政大臣﹂の作者名を持つ が、詞書は﹁家に七夕の心をよみ侍けるに﹂となり、次の長家歌で改めて﹁宇治前関白太政大臣家にて、七夕の心をよみ侍ける﹂ いずれが本来の形であったのか定かではないが、少なくとも本書は脱落を生じていることにはなって、その原因は詞書に﹁宇治 前関白太政大臣﹂の名を掲げた処に求められるであろう。 但、その脱落は本書の書写時点での不注意に生じたものではない。この歌の上に、本文と同筆の付菱があり、そこに次のように この﹁契けむ:.⋮﹂﹁年をへて⋮⋮﹂両首の歌順は逆転する伝本もいくつか見られて、例えば東京大学国文研究室本︵久保田淳 編﹃新古今和歌集I改訂版l﹄桜楓社刊、による︶では﹁年をへて・⋮:﹂歌に詞書﹁宇治前関白太政大臣家に、七夕の心をよ み侍けるに﹂作者﹁権大納言長家﹂、続く﹁契けむ⋮。:﹂歌には作者﹁宇治前関白太政大臣﹂のみ付されて、詞書がかかる形を採 但、その脱落は本書の圭晨 注記されているからである。 っている。 と雪調聿冒している。 が、詞書は﹁家伝

(6)

本書が諸伝本間に占める位置を見定める手段としては、奥書などを持たないため、歌の出入りと本文異同とに頼ることになる。 歌の出入りで最も著しいのは、先に一覧した切出し歌である。前掲﹁日本古典文学大系﹂の﹁異本所載歌﹂の項、及び後藤重郎 ﹁新古今和歌集の基礎的研究﹂︵昭和粥年3月︶の﹁異本所収歌一覧表﹂の項を参照して、本書との異同を検するに、最も近いと思 われるものは、名古屋大学国文学研究室蔵本︵二八二七五八︶である。後藤氏著書では﹁名国1﹂の略称が与えられているが、本

玉依姫三統理平

とびかけるあまの岩舟尋てぞ秋津島には︵宮はじめける︶︵巻十九、棚︶

の二個所に及ぶ空白個所がある。空白部分を︵︶に入れて右には掲出したが、後日補なうこともできるよう配慮された空白であ り、もし、上冊巻四の付塗より知られる姿勢が終始貫かれていたのなら、ここにも何らかの注記があってしかるべきであろう。或 は下冊第七折最終葉の切り取られていることと無縁ではないかもしれない。ともあれ、本書は書写に際し、親本以外は用いていな いようである。又、本書には数個所異本校合の跡が認められるが、以上よりすると、その校合は親本に書入れられていたものを転 相手に委ねている。下冊巻十九には 延喜六年日本︵紀寛宴 このさくしや、こなたのぼんおぽつかなき事候程に、わざとまづかき候はず候、そなたにてよきほんに御らんじあはせ候て あそばし候べく候、こなたにてもくちのほんにて見いだし候ば、かさねて申候べく候 この付菱同筆であるが、本書書写時点で加えられた注記か、親本に既にあってその忠実な転写なのかは確定できない。おそらく は前者であろう。付菱の記入者にとっての親本︵﹁こなたのぼん﹂︶は、この歌の作者名に関して﹁おぼっきなき事﹂が存在した。 そのために﹁わざとまづかき候はず候﹂というのであろう。作者名を欠いている︵というより、欠落させることにした︶理由をこ のように説明する以上は、﹁こなたのほん﹂には作者名が、おそらくは烏丸本に見られたように﹁宇治前関白太政大臣﹂とでもあ 写したにすぎない可能性が高くなる。 及び ったのであろう。 付菱はそうした事情を心覚えとしてではなく、贈呈を前提として注記している。他本校合による本文校訂を他日に、というより 延喜六年日本︵紀寛宴に、神日本磐余彦天皇︶ 白浪に玉より姫のこしことはなぎさやつゐにとまり成けん 大江千古 ︵巻十九、恥︶ Pヘリ ︿u︶

(7)

稿では他と紛れる可能性はないので、仮に名大本と称ぶことにする。この名大本は巻十までの零本ではあるが、伝存部分に9首の ﹁異本所収歌﹂を有し、その全てが本書に一致する。ただ、本書が有する⑤の﹁朝露の..⋮・﹂の歌は後藤氏著書によれば名大本に 見えないことになるが、どうやら後藤氏前掲書︵P奎巴に誤植があるようで、巻十までは名大本と本書とは全ての歌が一致する。 その名大本は、後藤重郎氏及び名古屋大学国文学研究室の御厚意により調査を行なった処、本書の転写本と判明した。以下に理 ミ を ⑤Ⅷ詞耆l身まかりにける。’身まかりにけるを が主なものだが、仙叫⑤のように、本書が書入れを忠実に書写しているのに対し、名大本はその結果生じる完成本文のみを持ち、 側側のような本書に誤写誤脱が想定できる個所でも正しい本文の象持つ。︵側は後述のように諸本は﹁基俊がもとへ﹂︶但、哩詞 書﹁十五首﹂︵諸本﹁五十首﹂が正しい︶のようなものは誤りと気づかなかったようである。 以上よりすれば、本書と名大本との関係は親子とも姉妹とも決しかねるようではあるが、前に触れた﹁契けむ・・:..﹂の歌の作者 名を、名大本はやはり欠き、しかも本書のようには付菱を持たないことから、様々な可能性の内で、本書を転写して名大本が成っ た、と見るのが最も妥当と思われる。名大本の書写姿勢からすれば、その親本に作者名があれば書かないはずはなく、付菱があっ ても︵なくても︶書かないであろうから、本書と親本を共有するとは考え難く、且、本書を親本とすることに矛盾は生じない。 因みに本書の一枚の欠落した本文は、名大本により補なうことが可能である。 集イ 川真名序l先抽万葉之内︵本書︶l先抽万葉集之内︵名大本︶ 面は皿行に書写して、都合一 又、本文異同に関しても、 その名大本は、 由を述べておく。 ③棚第五句l夜の夜の月l秋の夜の月 倒剛詞書I基俊がもとへl基俊もとへ

②醜第五句I五月の空l五月雨の空

名大本も本書同様、七折であるが、第七折の八枚︵但、最後の一葉が切り取られて咄番歌本文以下、一面分を欠く︶は料紙が異 なり、第六折の巻八までは行の配りや字母に至るまで本書と殆ど一致していたのであるが、本書が巻八巻末歌以下九行分を余白と し、巻九より改面するのに対し、名大本は四行分程空けてすぐその面に巻九を続けている。そして、第七折の第二面は追行、第三 面は皿行に書写して、都合一面分の節約を果している。

(8)

と表示しうる共有と異同を有することが知られる。︵︶の内に入れたのは巻十までの数値である。但、御室本は巻末に一括され 但、烏丸本・御室本・大夫本・信量本のいずれもが、本書の持たない

︵題しらず︶中納言家持

ふる里に花は散つ上桑吉野の山のさくらはまだ盛なり︵巻二、川の次︶

を持ち、代わりに側の﹁恋しくは⋮.:﹂歌は持たない。烏丸本は㈹’㈹を持たず

︵だいしらず︶増基法師

ほと異ぎす花たち花のかばかりになくやむかしの名残成らん︵巻三、州の次︶

を持っている。この歌は信量本にも見える。その信量本は本書の持たない歌を前掲両首を含めて5首持ち、逆に本書の持つ伽②⑧ 側⑩⑫⑬⑯の8首を持たない。すなわち﹁異本所収歌﹂の本書との共有数こそ9首にのぼるものの、過首の出入りを見ることにな るのである。などなど同様の数え方を施していくと、前掲諸伝本は本書に対し、 ているものを便宜上省いた。 さて、本書との間に﹁異本所収歌﹂共有歌数を9首、又は8首をもつ伝本に、烏丸本︵天理図書館蔵。書陵部蔵烏丸光栄書写 本も同じ︶、久曽神昇氏蔵御室本︵﹁御室本﹂と略称する︶、武田祐吉氏旧蔵大夫阿闇梨円嘉本︵﹁大夫本﹂と略称する︶、後藤重郎 氏蔵大炊御門信量奥書本︵﹁信量本﹂と略称する︶等がある。これらは皆、前掲⑥の﹁契けむ・・::﹂の歌の位置を本書と同じくす る ○ ︵名大本︶ 烏丸本 御室本 大夫本 信量本 異本所収歌数 m︵皿︶ 、︵、︶ 蛆︵4︶ 9︵7︶ 皿︵8︶ 異本所収歌共有数 m︵皿︶ 9︵9︶ 9︵3︶ 8︵6︶ 9︵5︶ 出入り歌数 0︵0︶ 皿︵3︶ 9︵8︶ 皿︵5︶ B︵5︶ − 9 7 −

(9)

但、歌順異同で諸伝本間に最も揺れの大きい部分とされる

元暦元年大営会主基歌、青羽山式部大輔光範

立よれば涼しかりけり水鳥の青羽の山の松の夕かぜ︵巻七、商︶

同大営会主基方稲舂歌、丹波国長田村をよめる権中納言兼光

神代よりけふのためとややつかほになが田のいねのしなひそめけん︵巻七、耐︶

の歌順、及び詞書が本書︵右掲の通り︶に一致するのは、前掲諸本の内では、大夫本・信量本に限られる。 以上、本書を従来紹介された新古今和歌集諸伝本の中に位置づけてゑた。 次に、主要な本文異同を列挙しておく。掲出にあたっては、主に久保田淳﹃新古今和歌集全評釈﹄の﹁校異﹂を参照し、本書に 異文が注記されるものはその全てを掲げたが、他は重要と思われるものに限った。異同個所、本書の本文、︵︶内に本書と同一 の本文を持つ諸本の略称、他本の本文、︵︶内にその本文を持つ諸本の略称の順に記した。諸本略称は以下の通り。公夏本I← キ。烏丸本l←力。伝為氏本l←氏。尊経閣本l←ソ。小宮本l←.・柳瀬本l←ャ。縢司本l←司。東大本l←卜。慶祐本l← ヶ。大夫本l←大。伝親元本l←チ。諸本の過半が一致する場合l←諸。 集イ 真名序I先抽万葉之内I先抽万葉集之内︵諸︶。 7第五句lぷちもとむなり︵ヤチ︶Iもとむらん︵キカ氏ソコト大︶もとむ也︵ヶ司︶ らん 別初句Iこぬ人に︵.︶I見ぬ人に︵諸︶ 棚第五句l袖かふれけん︵チ︶lふれつる︵諸︶ふれける︵キ︶ 川第五句I花や散らん口花ぞちりける︵諸︶

ねイれイ

刷第四句lたえてつれなき︵氏ソ司チ︶Iたえてつれなき︵キカコヶ大︶つれなき︵ャ︶つれなき︵卜︶ さきイ 脱第三句lさきにけりlちりにけり︵諸︶散りにけり︵卜︶ Ⅷ第四句Iをのが時とぞIおのが比とぞ︵諸︶

つイきイ

加第五句lまっぞわびしきl待ちぞわびにし︵諸︶まちぞわびにし︵卜︶まちぞわびまし︵チ︶ るだろう。 但、歌帽 一応の目安として、上冊は烏丸本に︵9首一致、3首の出入り︶、下冊は御室本に︵6首一致、1首の承の出入り︶近いといえ

(10)

をイ 加第五句l草の枕をl草のまくらに︵諸︶草のまくらに︵ャ︶ 鯛第四句lいづれかさきに︵キチ︶lいづれかまづは︵諸︶ くイ 池第二句l降くる雨は︵キ司ヶ大チ︶lふりつる雨は︵氏ソコャ︶ふりつる雨は︵カト︶ をのユイ 謝第二句l朝たつをの聖l朝たつのべの︵諸︶朝たつ野べの︵卜︶ てイ 測第三句lほに出ば︵氏︶lほに出て︵キソャ司ヶ大︶ほにいで聖は︵カコチ︶ほにいでぱ︵卜︶ 瀬第五句l夜の夜の月l秋の夜の月︵諸︶ 池作者l家隆朝臣︵ソコ︶l藤原家隆朝臣︵キ氏司トヶ大︶藤原家隆︵チ︶﹁藤原﹂補入︵力︶﹁藤原﹂ミセヶチ︵ャ︶ 卿詞書l田家月を︵カ氏コャ︶l田家月といふ事を︵キ司トヶ大チ︶田家月︵ソ︶

哉イけ

蝿第五句l月哉︵カ氏ソコ︶l月影︵キヶ大チ︶月影︵トャ︶月かな︵司︶ 蠅詞書l心をよめる︵カ氏ソ31心を︵諸︶﹁よめる﹂朱︵ャ︶ 細第四五句l鹿のひとり’ひとり鹿の︵諸︶ 羽風 棚第二句l雁の翅に︵カ氏司︶I雁のは風に︵諸︶雁のっぱさに︵ト︶ とイ 伽第二句lみ山の庵の︵ヤチ︶lね山のいほの︵諸︶﹁ね﹂ミセヶチー←ゑやま︵司︶深山︵ト︶ りイ るイ 池第五句’したふ也︵司︶’したふなる︵諸︶したふなる︵ト︶したふなり︵ャ︶ のイ 獅第四句l夜なノー虫の︵キ氏ャ︶lょなj、むしは︵諸︶虫は︵ト︶ 剛詞書lょませ侍けるに︵キ︶lよみ侍けるに︵諸︶ 加詞書lとびのぽるを承てつ ぶて︵司︶のぽるをぶて︵ヤ︶

鯉第四句I快にか上るl快にあまる

剛初句I三島江やl三島江の︵諸︶

醜第五句五月の空l五月雨の空︵

鯉第四句I快にか上るl快にあまる︵諸︶ 川第二句I思ひもあへぬ下思ひぞあへぬ︵諸︶ 郡初句l暗くもるIはれくもり︵諸︶ 型剛の空︵諸︶五月雨のころ ︵カ氏ソチ︶lとびけるを ︵卜︶ わたるイ ︵キヶ大︶とびわたるをゑて︵.︶とびのぽるを見て︵卜︶とびたるを − 9 9 −

(11)

肌作者l右衛門督通光l右衛門督通具︵諸︶左衛門督通具︵司︶ にイ 剛第四句l槙のした葉もlまきの下ぱに︵諸︶下葉も︵ャ︶ 藤原イ 脱作者l雅経︵ソゴ︶l藤原雅経︵諸︶・雅経︵ヵ︶ 剛詞書l基俊がもとへl基俊がもとへ︵諸︶ ミ かたしきイ 脱初句lかたしきの︵チ︶lさむしろの︵諸︶さむしろや︵大︶さむしろの︵ト︶ どイ 剛第三句lながむれど︵カ氏ソヶ︶lながむれば︵キコ司大チ︶ながむれば︵ャ︶ 両本無性 剛作者l定家朝臣︵ソャ︶l藤原定家朝臣︵諸︶定家朝臣︵ヵ︶藤原定家︵チ︶ 藤原 剛作者l有家朝臣︵ソコャ︶l藤原有家朝臣︵諸︶・有家朝臣︵ヵ︶ ふるイ 棚第五句1世にも有哉︵カ氏コャ司チ︶1世にもふるかな︵キソヶ大︶有哉︵ト︶ 剛第四句l煙もさむし︵キヵソ︶lけぶりもさびし︵諸︶ Ⅷ作者l有家朝臣︵カソコ︶I藤原有家朝臣︵諸︶ 胴作者l土御門右大臣師房l土御門右大臣︵諸︶土御門左大臣︵キ︶ 剛第三句lわたらへやlわたらひや︵諸︶ 剛作者I定家朝臣︵カソコ︶l藤原定家朝臣︵諸︶﹁藤原﹂ミセヶチ︵ャ︶ あまるイ 伽第三句1つAむ覧︵カ氏ソコ司チ︶Iあまるらん︵キヶ大︶っ坐むらん︵ヤト︶ 剛詞書l入道前太政大臣l入道前関白太政大臣︵諸︶ 耐詞書l悠紀︵氏ソ司ト︶l悠紀方︵キヵコヶ大チ︶﹁方﹂ミセヶチ︵ャ︶ 耐詞書l悠紀︵氏ソコ︶l悠紀方︵諸︶﹁方﹂ミセヶチ︵ヵ︶ 噸詞書lさきたるl花さきたる︵茜花のさきたる︵卜︶花のさきける民︶ 剛詞書l申っかはしける︵カャチ︶1つかはしける︵諸︶ を 剛詞書I身まかりにける。’身まかりにけるを︵諸︶ 同lさがの辺に︵氏ソコざlさがの臆とりに︵キヶ大︶嵯峨野のほとりに?︶きが野の櫃どに︵司︶きが?辺に︵ヵ 剛詞書l承暦四年l承暦二年︵諸︶ ぱイ ながむれど︵卜︶

(12)

伽作者l久我太政大臣雅実I久我太政大臣︵諸︶ 剛詞書l又の年の月を見てl又のとし月を見て︵諸︶又の年の秋月を見て︵キ︶ 催イ 朏第三句’しぐる覧︵カチ︶’しほるらん︵諸︶しぐるらん︵ャ︶ に︵朱︶ 師第四句lながき形見と︵キヵコ大チ︶lながきかたみに︵氏ソ司トヶ︶かた承と︵ャ︶ 川詞書l斎宮女御のもとに︵司︶l斎宮女御のもとにて︵諸︶

つLイも︵朱︶

Ⅷ初句l尋っ上l尋ねても︵諸︶尋ても︵卜︶尋ての︵ャ︶ 心 剛第二句l心のやゑに︵司︶I衣のや承に︵諸︶衣のやみに︵ャ︶ 肥作者l女御藤原生子大二条関白女︵コチ︶l女御藤原生子︵諸︶女御藤原生子大二条関白女ィ︵ャ︶ 肥詞書lおさなきIをさなかりける︵諸︶ 剛詞書l見侍て︵カ氏ソコャ司︶l見て︵キトヶ大チ︶ 朏詞書l身まかりにける︵カ氏ソャ司チ︶I身まかりける︵キヶ大チ︶身まかりぬる︵卜︶象かりにける︵己 をイ 測詞書l承かどを︵カ氏ソコャ可チ︶l御かど︵キヶ大︶象かど︵ト︶ 細イ 剛作者l藤原季綱︵カ氏可︶l藤原季繩︵キソコヶチ︶藤原季綱︵ャ︶藤原季綱朝臣︵卜︶藤原秀繩︵大︶ 脱詞書l関のちかき︵カソ︶l関ちかき︵諸︶ を︵朱︶ 胴第四句lたつ日もしらずlたっ日をしらず︵諸︶たつ日も︵ャ︶ 畑作者’一条右大臣恒佐︵カ氏ソヶ大︶’一条左大臣︵キ司卜︶一条左大臣恒佐︵コチ︶一条左大臣恒佐ィ︵ャ︶ 師詞書’七月計︵カ氏ソコャ可チ︶’七月ばかりに︵キトヶ大︶ 剛詞書1人ミにわかれおしみて1人ぐわかれおしみければ︵キヶ大︶人ぐわかれをしみて︵氏ソコャトチ︶人々わかれを堅し 剛第三句lなぐさまむlなぐさむと︵諸︶ よイ 抑第四句l明石のとまりI明石のとより︵諸︶あかしのとまり︵ャ︶ めイ 川第三句lゑだるめり︵チ︶iゑだるなり︵諸︶承だるなり︵卜︶﹁な﹂ミセヶチー←﹁み﹂︵司︶ 糸て︵力司︶ / kl﹂ − 1 0 1 −

(13)

卿第五句’すまゐ成けり︵ャ大︶’すさびなりけり︵諸︶﹁ゑ﹂ミセヶチー←﹁さ﹂︵司︶ ︵朱︶ 咄詞書lょゑ侍し︵カ氏ソコチ︶’よ承侍ける︵キトヶ大︶よ承侍し︵ャ︶読象侍りしに︵司︶ 哩詞書’ことを︵司︶’ことをよめる︵諸︶ ぬイ 蝿第四句l忘れね人を︵カコャ司チ︶Iわすれぬ人を︵キ氏ソヶ大︶忘れね人を︵卜︶ とイ 叩第三句l形見にて︵氏コャ司大︶l形糸とて︵キカソトチ︶かた象にて︵ヶ︶ にイ 川詞書lよぶ侍ける︵氏司チ︶Iょ承けるに︵キヶ大︶よゑ侍けるに︵カソコ︶よ承侍ける︵卜︶よ象侍ける中に︵ャ︶ Ⅷ第五句lもる人はなしlもる人もなし︵諸︶ 時 蛎詞書lたてまつりし︵氏コチ︶Iたてまつりし時︵キヵ司ヶ大︶たてまつりし。︵ソ︶たてまつりしに︵ヤト︶ とはイ︵朱︶ 川第五句l尋ねけるやと︵大︶l尋ねけりやと︵諸︶たづねけりやと︵司︶ 咽詞書l返事︵カ氏ソコャチ︶l返し︵キトヶ大︶返り事を︵司︶ 成 恥作者l法性寺入道前関白太政大臣l法成寺入道前摂政太政大臣︵諸︶法性寺入道前摂政太政大臣︵ャ︶法性寺入道前摂政太 政大臣︵司︶法成寺入道摂政太政大臣︵力︶ 咄第五句I影をゑてまし︵キ︶l影をゑせまし︵諸︶ ふ︵朱︶こと︵朱︶ 叩詞書lいふ心をlいへる心を︵諸︶いへるこLろを︵ャ︶ Ⅲ第三句l谷の水I谷水の︵諸︶苔水の︵ャ︶ 元姓字︵朱︶ 州作者l雅経︵ソコャ︶I藤原雅経︵諸︶藤原雅経︵力︶ 叩初句lながめわびぬIながめわび︵諸︶ のイ 叩詞書l雨ふり侍けるl雨ふる︵諸︶あめのふる︵コチ︶雨ふる︵ャ︶雨ふりける︵卜︶雨ふりたる︵司︶ か上へるべき︵ソ︶いつごろに︽ 蠅詞書’十五首’五十首︵諸︶ ぞイ Ⅷ第五句l西にぞ有らし’西にあるらし︵諸︶西にあるらし︵卜︶ Ⅷ詞書lいつ程にか帰るべきと︵氏コチ︶lいつほどに帰るべきと︵キ司トヶ大︶いっのほどにか帰べきと︵力︶いつほどに ほどイ か上へるべき︵ソ︶いつごろにか帰べきと︵ヤ︶

(14)

測詞書I寄風恋をlナシ︵諸︶ 剛第五句l哀ともゑむ︵キヶ大︶ 獅詞書l冬恋をlナシ︵諸︶ l

剛詞書l寄雨恋をlナシ金

川第二句l山下風吹てl山おろし吹て︵諸︶ 川第五句l恋っ奥ぞぬるl恋っ上ぞふる︵諸︶ かイ 加第五句l君しとはずはI君しとかずは︵諸︶君しとはずは︵ソ︶ 鯛第五句l影は象えねど︵キ氏司ヶ大チ︶I影はみねども︵カソコャ、、︶ 剛第五句lやどる月かげIのこる月影︵諸︶ l 池作者l藤原定家朝臣︵氏チ︶l定家朝臣︵諸︶ 魏詞書l関路恋をlナシ︵諸︶ 剛詞書l寄雨恋をlナシ︵諸︶ 唖第三句l思ひしにI思ひしを︵諸︶ なら︵朱︶ 皿第五句l心まどひに︵カ氏ソコ司大チ︶I心まよひに︵キトヶ︶こ上ろまどひに︵ャ︶ 川詞書lよみける︵氏ソコチ︶lよみ侍ける︵キカヶ大︶よめる︵司卜︶﹁侍﹂ミセヶチー←よ象ける l 宗﹂ 刑詞書l帰り侍にける︵ソコャ︶I帰侍ける︵キ氏司トヶ大︶かへり侍・ける︵力︶帰侍けるに︵チ︶ 伽作者’九条入道前右大臣’九条入道右大臣︵諸︶九条入道左大臣︵ャ︶九条右大臣︵卜︶ 捌詞書l小一条のl小八条の︵諸︶一条の︵力︶

哩第三句l思ひしにI思ひしを

l 恋︵朱︶ 皿詞書l忍恋のこ上ろを︵キヶ大︶l忍恋︵カ氏司ト︶しのぶるこひ︵己忍ぶる恋︵ャ︶しのぶこひ︵ソチ︶ 川詞書lたてまつりし︵氏︶lたてまつりける︵諸︶ 咽作者l藤原元輔朝臣I藤原基輔朝臣︵諸︶ て︵朱︶ 剛詞書lまかりてlまかりて帰りて︵諸︶まかり帰りて︵ャ︶

捌詞書l小一条のl小八条の︵諸当

l 皿第三句I露けさはI露けきは︵諸︶ lあはれとは見む︵諸︶ ︵ヤ︶ − 1 0 3 −

(15)

脚ィ作者l源重之︵氏チ︶重之︵諸︶﹁源﹂ミセヶチ︵ャ︶ 師第四句lもろこし舟も︵キヶ︶Iもろこし舟の︵諸︶ 卵第四句1つらきかたにはIつらきがためは︵諸︶つらき人には︵ヵ︶ 卵第四句l忘れずぞ思ふ︵ヵ司︶I忘れず思ふ︵キソヶ︶忘れずおもへ︵氏コト大チ︶わすれずぞ思ふ︵ャ︶ 恥第二句l夢にありつと︵氏ソコ︶I夢にあひつと︵キヵャ司ヶ大︶夢にぁふっと︵卜︶夢にありつと︵チ︶ 恥詞書lわたるなど︵キヵコヶ大︶lわたると︵氏ソャ司トチ︶ Ⅷ第二句l思ひなはてそ︵氏︶l思ひなたえそ︵諸︶ 蠅詞書l朱雀院御時l朱雀院︵諸︶朱雀︵ヵ︶ 同lあくる年の︵キカ氏ヶ大︶lあくるとし︵ソコャ司トチ︶ 藤原︵朱︶二字蕪之︵朱︶ 岬作者l藤原雅経︵ソ司︶l藤原雅経朝臣︵キ氏コトヶ大チ︶雅経朝臣︵ヵ︶﹁朝臣﹂朱補︵ャ︶ 壺 蠅詞書lさかりになりけるlさかりなりける︵諸︶ どイ 螂第三句lこと聖へど︵キ氏ソコヶ大︶’ことLへぱ︵ヤトチ︶こと聖へぱ︵ヵ︶﹁は﹂朱ミセヶチー←﹁と﹂︵司︶ はイ 螂第三句l秋風に︵カ氏ソコトチ︶l秋風は︵キャヶ大︶秋風に︵司︶ や︵朱︶ 繩第五句l凉しからなむ︵氏ソコ大チ︶I涼しかるらん︵キカャトヶ︶す聖しかりけり︵司︶ 剛作者l藤原為時朝臣︵ヵ司︶I藤原為時︵諸︶ Ⅷ詞書lたてまつりて侍けるを︵カ氏ソコャチ︶Iたてまつりけるを︵キヶ大︶奉り侍けるを︵ト︶たてまつりたりけるを 蝿第四句l松のひまもるl松のくまもる︵諸︶松の木まもる︵ヶ︶ 壺 螂詞書lさかりになりけるlさかりない 感イ 蜘詞書l翫新成桜花I翫新成桜花︵諸︶ 時︵朱︶ “詞書lよぶ侍ける時︵氏ソコ︶lょ承侍けるに︵諸︶よ承侍けるに︵ャ︶ 池第五句I袖の上の露︵キ︶I袖のうは露︵諸︶

“第五句I袖の上の露︵キ︶I袖の2

とけイ “初句lうちはへてlうちはへて︵諸︶ / 、 司 、 ノ

(16)

”作者l壬生忠峯︵チ︶l忠岑︵諸︶ 剛第四句l芦のうれはにl芦の枯はに︵諸︶ けイ 刷第五句l宿をかりつる︵ヶ︶I宿をかりける︵諸︶宿をかりつる︵ャ︶ 雌詞書lおろして侍にけるにlおろし侍にけるに︵キヵソャヶ大チ︶おろし侍けるに︵氏.司卜︶ 脚初句lか坐る世も︵ヶ︶lか皇るせも︵諸︶ 波イ 睡第四句I跡なき道をlあとなき水を︵諸︶あとなき水を︵ャ︶ “第五旬l心からかも︵刀氏ソコ司︶l所がらかも︵キャトヶ大チ︶

のはイは腫

珈第三句l山風に︵カ氏ソコャ司大︶I山のはに︵キト︶山風に︵チ︶山のかぜに︵ヶ︶ ”詞書’九月十日あまり︵ヵ司︶’九月十余日︵氏ソコャトチ︶九月十日余日︵キヶ大︶ 糊第四句lわれ身はlわれぷば︵キカソコヶ大︶わがみは︵氏︶﹁か身﹂朱ミセヶチー←われぷぱ︵司︶我見ば︵ヤトチ︶ 鯉第二句l我世の影を卑大︶lわが身のかげを︵葱わが身のかげ︵.︶

ににイ

剛初句l身のうさに︵キヵ司ヶ大︶l身のうさを︵氏ソコト︶身のうさを︵ャ︶身のうさを︵チ︶ “詞書lをくりける︵キ可︶lおくれりける藷︶ ぬらイ 螂第五句l深ぬらん︵キ司ヶ大︶lふけにけむ︵カ氏ソコトチ︶深にけん︵ャ︶ 刷詞書l遍照寺︵氏ソ司︶I遍照寺の︵キヶ大チ︶遍照寺に︵カコ︶遍照寺にて︵ヤト︶ は 蜘詞言Iその人。’其人︵諸︶その人は︵.︶

堀第二句1月の出し侭1月の出し峰の享トヶさ月ぬいでし侭の民ソコさ月のでし橇の分司︶﹁とミセ主人芯

蠅詞耆lナシー題しらず︵諸︶ 性イ 肺詞書l法成寺入道前摂政太政大臣i法成寺入道前太政大臣︵諸︶法成寺入道前関白太政大臣︵キ︶法成寺入道前太政大臣 わすれぬるイ 畑第四句lおりを忘れぬl折をわすれぬ︵諸︶ 卿作者l紀貫之︵チ︶l貫之︵諸︶ ヘ ヤ 、 = − 1 0 5 −

(17)

剛第四句l夢をうっ入とI夢をうっLに︵諸︶ ”詞書l入道前関白太政大臣家I入道前関白家︵諸︶ ”詞書l返しに︵キヶ大︶I返事に︵諸︶返ごとに︵ト︶ 叩作者’八条院高倉︵カャト︶lナシ︵諸︶譲鶏薙正 Ⅷ詞耆l前大僧都全真︵キ氏︶I前僧都全真︵諸︶ 伽第二句lさびしくぞ世をI久しくぞ世を︵諸︶ひさしくよにぞ︵力︶ 叩第五句1つもりぬる伐1つもるころかな︵諸︶ も 剛第五句l物もこそ思へ︵己Iものをこそ思へ︵諸︶物をこそ思へ︵ャ︶ 鵬第五句l苔のいし橋︵カ氏ソコ司︶l 海イ 剛第四句l西の浦にもl西のうらにも Ⅲ第三句1世をすぐす︵氏︶1世をっ 叩初句lなれて見しIなれて見てし︵ Ⅷ詞書l出家の聖ちI出家の時︵諸︶ 伽詞書lよみける︵ソコャチ︶Iよみ ”詞書l忠峯が歌などI忠岑がなど︵ 醜詞書l又の日っかはしける︵.︶l 税作者l右大将済時︵キ︶I左大将済 噸第五句l我も成なむI我もなるらむ 脱第二句l涙に月はI涙に月も︵諸︶ 1 棚初句l陰よとてI陰にとて︵諸︶

11にイ

棚第二句I昔住こしI昔すみけん

1 剛詞書lナシ︵氏ソゴ司トチ︶l題しらず︵キヵヶ大︶朱補︵ャ︶ チ︶lよみ侍ける︵キヵ氏トヶ大︶よめる︵司︶ 忠岑がなど︵諸︶ る︵.︶I又の日︵諸︶・ I左大将済時︵諸︶ 我もなるらむ︵諸︶ 四石イ ソコ司︶lこけの岩橋︵キトヶ大チ︶こけの石はし︵ャ︶ 空イ のうらにも︵諸︶西の空にも︵キトヶ︶西の浦にも︵ヤ︶ す 1世をつくす︵諸︶世をつくす︵ソ︶世をすごす︵ヶ︶ て見てし︵諸︶なれきてし︵氏︶ へ 諸 曾

(18)

胴詞書l申をくり侍ける︵川︶l申をくりける︵諸︶ 剛詞書1月よぷのもりに︵ソ︶1月読社に︵諸︶ 搬詞書I入道前関白右大臣家l入道前関白家︵諸︶ l 棚詞耆lよめる︵キ司ヶ大︶lよぶ侍ける︵諸︶ 肋第二句lすごくふけども︵カソャ︶lすごくふくとも︵諸︶すごく吹とも︵チ︶ も︵朱︶ 剛第三句1世をすて︲聖1世をも捨て︵諸︶よを捨て︵司︶ 皿詞書lかけ聖るを︵力︶lかけ坐るに︵諸︶ 川詞書l熊野へ︵キ︶I熊野に︵諸︶熊野︵氏︶ 川作者l徳大寺左大臣実能l徳大寺左大臣︵諸︶後徳大寺左大臣︵卜大︶ Ⅷ詞書lみつの寺︵キャヶ大︶Iみってら︵諸︶ ナカメイ 蠅第五句I風にまかせて︵氏︶I風にながめて︵諸︶風にまかせて︵司︶

洲詞書lさか木の枝にI榊に

1 棚詞耆lよめる︵キ司ヶ大︶1

柵詞書l稲田彦l猿田彦

剛初句l秋風のl秋風に

郷作者l皇太后宮大夫俊成lナシ︵著蕊整籍頃

剛詞書lたてまつりけるに︵チ︶lたてまつりける︵諸︶たてまつりける時︵力︶ 棚第四句l昔をこふるl昔をおもふ︵諸︶ 朏詞書l俊成に’三位俊成に︵諸︶三位入道俊成に︵氏︶三位俊成︵司︶ 雌詞害l寂蓮法師︵氏︶I寂蓮︵諸︶ l 開第三句lこりつめる︵キ司︶Iこ、蹴第三句lこりつめる︵キ司︶Iこりつむる︵諸︶ l 咄第三句1人もあらば︵氏ソコャ司チ︶1人あらぱ︵キトヶ大︶人のあらぱ︵力︶ Ⅷ初句lなにゅへに︲なにごとに︵諸︶

卿第三句1世をすて聖1世をも捨て金

/ ヘ 〆 へ 諸 諸 ゞ 、 _ ノ 〆 、 諸 、 ノ 申︵朱︶ をくりける︵ヤ︶ 1 0 7

(19)

-以上、異同の親疎に偏向は認められないようであるが、すなわち諸本の存在を群雄割拠に職えるならその一員でもありうること になって、今後の研究の進展に一つの資料を提供することにはなるであろう。 猶、本書の独自異文として注目すべきものとして、巻十四恋四巻末から巻十五恋五巻頭にかけて連続入集する﹁水無瀬恋十五首 歌合﹂の6首に対し、歌題を書き添えていることが掲げられる。但、最初の4首︵恥1脚︶については問題がないが、残る2首には 題が書かれず、師の題がかかる形になっている。両首とも﹁こがらしの風﹂﹁荻の上かぜ﹂と風を詠ゑ入れて恥の﹁寄風恋﹂題で も通用しそうではあるが、実際には﹁秋恋﹂のため、誤りを冒したことになってしまう。従って原本の段階から題が存在した可能 性は低くなろうが、不徹底ながらも、書写時点で他言を参看しつつ本文に手を入れていく一例ではある。 同1千歌も奥ち’千歌むも上ち︵諸︶ 同Iさま人、lのl巻きの︵諸︶さき人、の︵力︶ 同Iしかるにあらずlしかるをこれを抄せしめばもとの序をかょはしもちゐべきにぁらず︵諸︶熱霧垢 同l集撰するl集を抄する︵諸︶ 同IやはらかなりしI風やはらかなりし︵諸︶ 同I和歌のl和歌所の︵諸︶

隠岐本政lいにしへ︵ャ己︲

隠岐本政lいにしへ︵ヤゴ︶lいにし︵諸︶故︵力︶ 叩詞書l身まかりてのちI身まかりにける後︵諸︶ 椰詞書lあか上りける夜lあか皇りけるに︵諸︶ 川第二句I君がり出る︵ヶ︶l君がりいつか︵諸︶君がりいつ︵卜︶ “初句Iさらずともlさらずとて︵諸︶ 1 咄第四句l山のおくにもIやどるおくにも︵諸︶

(20)

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