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ジャスミン茶および烏龍茶の香気前駆体の化学的研究

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Academic year: 2021

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Title

ジャスミン茶および烏龍茶の香気前駆体の化学的研究( 内容

の要旨 )

Author(s)

文, 齊鶴

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第036号

Issue Date

1995-03-14

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2377

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(国籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及 び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 文 秀 頼 (大韓民国) 博士(農学) 農博甲第36号 平成7年3月14日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 静岡大学 ジャスミン茶および烏龍茶の香気前駆体の化学 的研究 主査 静 岡 大 学 教 授 副査 静 岡 大 学 助教授 副査 信 州 大 学 教 授 副査 岐 阜 大 学 教 授 副査 静 岡 大 学 教 授 夫 治 夫 治 三 和 修 久 宏 完 奈 蓮 田 藤 田 伊 波 柴 加 坂 論 文 の 内 容 の 要 旨 中国茶には、特定の花を着香の目的で混入した花茶と呼ばれる茶があるが、その約 85%がマツリカ(力ぷm血〃爪鎚皿わacAit.)を加えたもので、一般的に中国で花茶といえば ジャスミン茶を意味するほどよく知られている。そのジャスミン茶の香気はジャスミ ンの花に由来する香が重要な役割を果たしている。そこで、マツリカのつぽみに存在 する香気成分前駆体を明らかにするために、マツリカとジャスミン茶のいずれでも重 要な香気成分であるJinalool,benzylalcoholおよび2十PhenyJethanolに着目し、マツリ カの開花直前のつぽみからこれらの香気前駆体の精製・単離および構造決定を試みた。 さらに、各種茶の中でも特に香気がその品質に一番大きな影響を与える烏龍茶を対 象に香気生成機構を明らかにすることを試みた。烏龍茶の香気成分は、アルコール系 香気成分がほとんどを占める。その中のgeraniol,(S)-1inalool,benzylalcoholおよび 2-Phenylethanolの香気前駆体はそれぞれ6-aβ-D-XylopyranosylサD-glucopyranosidesと

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ー75-して存在していることが本研究室で明らかにされている。しかし、その他の1inalool oxide類、metl-ylsalicylateおよび(み3-hexenol等の主要なアルコール系香気前駆体は 明らかでない。そこで、本研究では、烏龍茶の重要なこれらアルコール系香気成分の 前駆体を明らかにし、さらに、これらのアルコール系香気前駆体の茶葉における葉位 別分布、および香気前駆体の加水分解酵素活性の違いについて調べ、烏龍茶における アルコール系香気生成機構を明らかにすることを試みた。 本研究では、アルコール系香気前駆体を簡便かつ再現性良く検出・確認しうる粗酵 素試験法を確立し、これを利用して上記香気前駆体の精製・単離を試みた。 香気前駆体の抽出・分離を行うため、マツリカ(力皿血爪粛m由cAit・)の開花直前の っぽみのMeOH抽出液、および烏龍茶の茶葉(ChmeLLk・Sinensisvar・Sb7eL7SiscvMaoxie) の熱水抽出液をそれぞれ活性炭カラムクロマトグラフィーP20-MeOH),Amtxrlite XAD-2カラムクロマトグラフィーP20-MeOH),PolyclarÅT(H20)処理、Sephadex LH-20カラムクロマトグラフィー(50%MeOH),ODSカラムクロマトグラフィー (40∼100%MeO=),HPLC(ODS,H20-MeCN・H20-MeOH)等により精製し、最終的にマ ッリカのつぽみからは、(S)-1inalylβ一D-glucopyranoside(1,2・5mg)と新規物質である (S)-1inaly16・-amalonylβ-DTghcopyranoside(2,3・1mg)を分離同定した0これらの中で、 malonyl基は容易に加水分解されることから、マツリカの中の1inaloolの香気前駆体 は2と考えた。また、芳香族アルコールであるbenzylalcoholの香気前駆体として 6-aβD-XylopyranosylサD-glucopyranoside(β-primeveroside;3,3mg)・2-phenylethanol の香気前駆体としてβ-Primeveroside(4,2mg)およびrutinoside(5,3mg)をそれぞれ 単離・同定した。 烏龍茶からはlinalooloxidesI・Ⅲおよびmethylsalisylateの香気前駆体、さらに 8-hydro又ygeraniolの配糖体がいずれもP-Primeverosideと結合した新規配糖体であるこ とを明らかにした。しかし、(み3-hexenolの香気前駆体は、ヤプキク種と同様の β-glucosideであり、1inalooloxideⅣはapioseを含む2糖‥6一叩-D-apiofuranosyト βD-glucopyranoseと結合した新規配糖体であることを明らかにした0 さらに、これらのアルコール系香気前駆体の茶葉における葉位別分布、および香気

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威儀構を明らかにすることを試みたい烏龍茶用の茶生薬の入手が日本では困難なため、

予備検討としてヤプキク種を原料とした。新鮮葉を一芯一葉、二葉、三乗、四葉、茎、

および古葉に分け、それぞれの粗酵素および香気前駆体を調製し、上記の粗酵素試験

法を用い検討した。Glycosidase活性は、-芯一葉、二葉の若い菓および茎で高く、三

葉、四葉の成熟した葉では低いことが明らかになった。他方、香気前駆体の量は、一

芯一葉、二葉のような若い菓に多く、茎ではその量は最も少なかった。製茶では-か

ら三業が用いられていることは香気生成の面からも極めて妥当なものであることが明 らかとなった。 以上述べたように、マツリカの花および烏龍茶のアルコール系香気前駆体は、これ までに花や茶の香気前駆体として報告されたものとは異なっており、単なる

glucosidaseによる加水分解で生成されるだけではなく、glycosidaseあるいは他の酵素

の関与により遊離され発現されることが示唆された。しかし、同一植物体内でも

a由y00nの違いにより糖部分が異なったり、同一agly00nでも植物によって異なる前駆 体として存在していること等から、今後これらの香気生成に関わる酵素系に大変興味 が持たれる。 審 査 結 果 の 要 旨

本論文は,ジャスミン茶の着香に用いられるマツリカとジャスミン茶および

烏龍茶の香気成分である各種アルコール系香気成分の生成機構を明らかにする

ため行われたものである.

香気前駆体の抽出・分離を行うため.マツリカ(力皿血m彪皿ぬcAit.)の開花

直前のつぽみのMeOH抽出液,および烏龍茶の茶菓(ameLua血eL7血var.sk7eL7Sis

αMaoxie)の熱水抽出液をそれぞれ各種カラムクロマトグラフィーおよび

HPLCにより精製し,最終的にマツリカのつぽみからは.(S)-1inalylβTD-

glucopyranoside(1,2・5mg)と新規物質である(S)-1inaly16r.amalonylβTD-gluco-pyranoside(2,3・1mg)を分離同定した.これらの中で,Malonyl基は容易に加水

分解されることから.マツリカの中の1iml001の香気前駆体は2と考えた.また,

芳香族アルコールであるbenzylalcoho)の香気前駆体として6-aβ一D-Xylopyrano-

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ー77-SylサD一glucopyranoside(帥rimeveroside;3,3mg),2-Phenylethanolの香気前駆体と

してβ-Primeveroside(4,2mg)およびrutinoside(5,3mg)をそれぞれ単離・同

定した.

烏龍茶からは1inalooloxidesI・Ilおよびmethylsalisylateの香気前駆体,さら

に8-hydroxygeraniolの配糖体がいずれもβ-Primeverosideと結合した新規配糖体

であることを明らかにした.しかし.(み3-hexenolの香気前駆体は.ヤプキタ種

と同様のβ-glucosideであり.1inalooloxideⅣはapioseを含む2糖‥6-aβ一D-apio-furanosyl-β-D-glucopyranoseと結合した新規配糖体であることを明らかにした.

また.ヤプキタ種におけるアルコール系香気前駆体の葉位別分布と酵素活性

の違いを上記の粗酵素試験法を用い検討した.Glycosidase括牲は.一芯一葉,

二葉の若い葉および茎で高く.三乗.四葉の成熟した葉では低いことが明らかに

なった.他方.香気前駆体の量は,一芯一葉.二葉のような衰い葉に多く,茎

ではその量は最も少なかった.製茶では一から三業が用いられていることは香気

生成の面からも極めて妥当なものであることが明らかとなった.

以上述べたように.マツリカの花および烏龍茶のアルコール系香気前駆体は,

これまでに花や茶の香気前駆体として報告されているものとは異なり.単なる

glucosidaseによる加水分解で生成されるのみではなく.glycosidaseあるいは他

の酵素の関与により配糖体から遊離され発現されることが示唆され,今後これら

の香気生成に関わる酵素系に興味が持たれる.

このようにマツリカとジャスミン茶および烏龍茶の各種アルコール系香気成

分の生成機構が明らかにされたものであり,これらの結果は.香気生成に対す

る有機化学・生化学的分野に大きく貢献するものである.

以上の要旨は審査員全員から提出された審査結果をもとに記されたものであ

り.本論文は学位論文として適切なものであるとの審査員全員の判定であった.

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