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運動部活動における二極化に関する一考察
ースポーツ特待生制度を中心に一
教科・領域教育専攻 生活・健康系コース(保健体育) 堀 江 修 平 1.はじめに 2016年、第93回箱根駅伝予選会で、過 去最多90回の本大会出場を誇る中央大学は、 本大会の出場権を得る 10位までに入ること ができずに予選落ちし、連続出場記録が 87回 で止まった。中央大学は、当時4
年生の部員 に退部を勧告し、意識改革を行い、新監督に マラソン世界選手権元代表で中央大学OBの 藤原正和氏を呼び寄せている。しかし、結果 は、伴わなかった。駅伝人気の高まりで激し さを増す選手獲得競争に藤原監督は、「実弾 (お金)なしでは厳しい。大学側にも働きか けは、しているがスポーツ推薦入学、学費優 指 導 教 員 木 原 資 裕 としで、教育課程との関連が図られるよう留 意すること。jと明記されている。これは、部 活動で競技性を高めるだけではなく、勉学に も進んで取り組まなければならないという 意味も含まれている。選手は、プロではなく、 あくまでも生徒・学生という考えがなければ、 このこ極化に歯止めをかけることはできな し、。 そこで本研究は、現在の運動部活動の競技 水準の二極化やビジネス化の実情を様々な 観点から調査し、将来の運動部活動を考える ための基礎的資料を提示すること目的とし 遇の拡大については崩せない。」と話してい た。 る。 また、早稲田大学は、創立 125周年までに 「全競技での優勝」を掲げ、全学部長が参加 して「スポーツ振興協議会jが発足した。新 たにスポーツ推薦入試では、筆記試験をなく し、各運動部活動部長が推薦する選手を書類 審査と面接だけで獲得できるようにした。ま た、これとは別に、トップアスリート入試で も選手を獲得し、野球、ラグピー、陸上の看 板競技には、約 1千万円超の強化費を出すな ど戦略に余念がない。この他にも、立命館大 学や日本体育大学なども独自の戦略でスポ ーツ強化を行っており、大学全入時代を生き 抜くために運動部活動というビジネス化に 拍車をかけている。 しかし、その一方で、特待生やスポーツ推 薦で選手を獲得できない高校や大学におけ る運動部活動の競技水準の差も大きく開い ている。 学習指導要領の第 1章総則には、 f生徒の 自主的、自発的な参加により行われる部活動 については、スポーツや文化及び科学等に親 しませ、学習意欲の向上や責任感,連帯感の 酒養等に資するものであり、学校教育の一環n
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方法 1調査方法 高校、大学時代に野球部に在籍し、特待生 制度に関係していたと思われる者 (40名) を対象にインタビュー調査とアンケート調 査を実施した。 2.調査内容 1)調査項目 (1)進学した高校等について(12項目) (2)特待生について (5項目) (3)特待生制度についてどう思うかE
結果と考察 1.特待生制度に関する要因 対象者の中には、他府県への野球留学者 も多くいた。また、中学時代に全国大会や 都道府県代表として、国際大会に出場し、 高校の監督等にスカウトされた者も数多 くいた。通常であれば通学可能な校区の高 校に進学するが、県を跨いで進学するとい うこともあり、近隣の公立高校から他県の 強豪私立高校への選手流失が運動部活動− 380 − におけるこ極化に拍車をかけている。 特待生制度を採用している高校では、入 学金・授業料免除で多くの選手を獲得し、 甲子園に出場する。甲子園は、全試合テレ ビ中継されるため、大きな影響力を持つ。 その結果、学校の知名度が向上することに 繋がる。そして、自ずと入学したい選手が 増えてくるという流れになる。このような 方法で選手を獲得することで安定した競 技成績を残すと同時に、県内の高校に差を つけることができるようになる。