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日本型経営と経営者教育 (経営力創成研究グループ) 利用統計を見る

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日本型経営と経営者教育 (経営力創成研究グループ

)

著者

小椋 康宏

雑誌名

経営力創成研究

9

ページ

5-16

発行年

2013-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00007555/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

日本型経営と経営者教育

Japanese Way of Management and Management Development 東洋大学経営力創成研究センター セ ン タ ー 長 小 椋 康 宏 要旨 本論文の目的は、日本型経営の構築のなかで、経営者教育の本質が何であるの かを問うものである。経営者教育は、経営者育成であり経営者開発であるといえ る。日本型経営のモテ、ルは、経営のグローノ勺レ化のなかで、経営実践論として成立 するものであり、20世紀の経営学のなかでとりあげられた日本的経営の展開とし て生き残ったものである。本論文では、第 1に、日本型経営の経営実践の意味を 明らかにする。第 2に、経営実践論として生き残る経営者教育を明らかにする。 第3に、経営機能のなかで企業家精神の意味と、それに基づいた経営意思決定力 を検討する。最後に、日本型経営を経営実践する主体者としての経営者を育成す る経営者教育を提示したい。

キーワード (Ke戸lVords):日本型経営 (JapaneseWay ofManagement)、経営 者教育 (ManagementDevelopment)、経営実践論 (百ePrinciples ofManagement Practice)、企業家 精 神 (Entrepreneurship) 、 経 営 意 思 決 定 (Management Decision)、経営理念 (Management Idea) Abstract The purpose of this paper is加 review theessenceof management development tobuildthe仕ameworkofJapanese Way of Management. Management development is the management cultivating and the management developing.The Model on Japanese Way ofManagement is established asthe principles of management practiceand issurvived asthe development ofJapanese Way of Management in the 20th century's management theoη. Firstly we clari命themeaning about management practice of Japanese Way of Management. Secondlywe clarify the management developmentsurvived asthe principles of management practice. Thirdly we clarif

シt

hemeaning ofentrepreneurshipin the management function and the capability of management decision based on the entrepreneurship. Finally we suggest the management development system that professional managers in Japanese Corporationdevelop the professional managers actedindependently.

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1.はじめに

21世紀における経営学は、 20世紀において生成した 「実践経営学」から 「経 営実践学」として展開する必要性を考えてきた。とくに、この十数年来の経営環 境の変化は、経営体における経営実践論を必然的に大きく変革させられてきてい るといえる。 ここにしづ経営環境の変化は、①福島原発事故の影響、②非正規雇用に代表さ れる雇用問題、③経営のグローノ勺レイ七における市場の拡大、 ④金融・為替等にお ける変動などにみられる。これらの経営環境に対応するためには、筆者は、 「日本 的経営」から「日本型経営」 への転換の必要性を考えてきた。また、日本型経営 の確立のためには、そのなかに経営者教育すなわち経営者育成が必要であること を主張してきた。ここで指摘した経営環境における4つの変化は、 21世紀の経営 学を考えるうえで重要なものであると考える。 そこで本稿では、日本型経営と経営者教育を日本型経営の構築の過程のなかで 議論を進めることにする 1)。

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日本型経営の経営実践 日本型経営の経営実践を考える場合、 2008年に(社団法人)経済同友会企業経 営委員会(長谷川閑史委員長)が提言した『新日本流経営』 における日本企業経 営者の考え方を再度検討してみよう 2)。ただし、ここでは、日本型経営と経営者 教育に関連する指摘を中心にみてみる。以下2に示す IJは経済同友会 (2008) からの引用である。

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日本の国家および日本企業のあるべき姿 (1)東アジアにおけるリーダーシップ 「そういった中で、日本の目指すべき道は、中国やインドとの友好関係を確かな ものにし、共同してリーダーシップをとりつつ、とりわけ

ASEAN

諸国と協力し て東アジアにおける経済共同体の実現を図ることこそが、日本の持続的成長を可 能とする優先戦略と言える。」 経営のグローパノレ化のなかで、 21世紀の前半では、アジア化での経営、とりわ け日本企業のリーダーシップが問われることになると考える。 (2)米欧と新興国の間で独自のポジショニングを 「日本がとるべきポジショニングとして自ずから到達する答えは、地道なイノ ベーションの積み重ねや創意・工夫、更には愚直な取組みで勝負してして製造業 的な分野ということになる。」 日材虫自と経営上の位置が必要であるということである。 (3)環境分野でのリーダーシップ 「環境分野における日本企業の技術は世界の最高レベノレにあると言える。 日本が築いてきた環境分野における高い技術は、自然との共生という特性に根 ざした日本企業の競争力の源泉のーっとなるのみならず、途上国への技術支援・ 移転等を通じて、途上国経済の発展と環境対応の両立への貢献、更には地球全体 の環境問題対応への貢献を可能にするものである。」 『経営力創成研究』第9号, 2013

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筆者は、経営実践面では、環境経営のなかに環境問題を組み込んだシステムの 構築を考えたい。

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2

.国際競争力強化への取り組み (1)今後も強化すべき日本流経営 ①長期的視野に立った経営 「トップダウンによる意思決定と実行が基本的な経営スタイルとして定着して いる大多数の米欧企業は、大胆かつスピーデ?イーな意思決定と実行という点にお いて、我々よりも明らかに一日の長がある。 他方、大多数の日本の企業では、 トップダウンで強引に引っ張っていこうとして も、会社のカルチャーや従業員のメンタリティがそれを受け入れる体制になって いないため、必ずしもうまくし、かないことが多い。むしろ、じっくりと時間をか けて徴密な中・長期計画を練り上げ、その過程で企業内の多くの部門を巻き込んで 参画意識の醸成と周知徹底を図った上で実行に移していくことによって、 実行段 階における精度の高さを追求する方が一般的な日本企業の体質に合っているよう に思われる。J ここで、の長期的視野に立った経営があらためて日本企業の経営者に求められて いるといってよい。 ②経営陣と従業員の信頼関係 「労働組合の経営への影響が近年弱まってきているのは世界的傾向ではあるが、 アンケート結果によれば、多くの経営者は依然として経営の良きパートナーとし ての役割を労働組合に期待している。」 経営陣と従業員との信頼関係の維持が、新しい日本型経営を構築する鍵となる と考える。 ③集団主義・チームワーク 「これまで日本企業の強みといわれてきた集団主義・チームワークは、製造現 場等では特に有効に機能してきたと言える。プロセス・イノベーション、現場力、 高い生産性、決まったことを高い品質で実行していく力等々の原動力となってき た。これは、今後も原動力となり続けていくものと思われる。J 日本企業における集団主義 ・チームワークの中身は、日本型経営のアジアでの 現地化のキーポイントとなると考える。 (2)経営の意識改革 ①ク、口一バjレピ、ジョンの確立 「今日の企業経営で最も大切なことは、世界からできるだけ多くの優秀な人材 を惹きつけ、一人ひとりの社員の力を最大限に発揮させ、ベクトルを合せること によって、ベス トのパフォーマンスを持続して達成するための仕組みをつくりあ げることであろう。」 筆者は、21世紀の前半では、まず経営のグローパル化のなかで、アジアの企業 を取り込んだ 「日本型経営」を考えることを狙う必要があると考える。 ②経営者のグ、口一バlレマインドの醸成 「たとえ国内市場に特化している企業といえども、原材料の調達や人材の獲得、 ライセンス交渉等々でグローパル化の影響を免れ得ない。ましてや、既にオベレ 『経営力創成研究』第9号,2013

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ーションのグローノ勺レ化に踏み切った企業にとっては、グ、ローパルに事業運営で、 きる人材の育成は必歪である。」 「したがって、当面の対応としては、特にオベレーションを既にグローパル化 している企業の将来を担う可能性のある幹部候補生は、育成の過程で、少なくと も米欧それぞれで数年程度の実務経験を積むことが必須であろう。」 この問題については、経営者教育のなかで実践することが必要である。 ③多様性(ダイバーシティ)への脱皮 「これだけグローノ勺レ化が進み、企業も海外進出しているにもかかわらず、コ ミュニケーションツールとして国際ビジネス言語となっている英語を若年から本 格的に教えるということすら未だ実行できていない。」 ここでのコミュニケーションツールについては、管理者教育のなかで、行ってよ し、。 ④ビジネスプラクティスとしてのクリテイカル・シンキングの必要性 「日本人の弱みのひとつに挙げた「天佑願望」の対極にあるのが「クリテイカ ル・シンキング」というコンセプトと言えよう。例えば、どのような情報であれ 決して鵜呑みにせず、「すべては仮説」として捉え、反証してし、く姿勢を持ち、最 悪の事態や通常では起りえないような事態を想定した上での事業他慌計画の立案 や、経営計画には織り込んでいないような事態が発生した場合の対応策を予め考 えておくことである。」 ①から④で指摘される経営の意識改革は、経営のグローバル化のなかで解決し なければならない点であり、新しい経営者を創りあげるうえで重要なものである。

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製品・サービスの競争力強化 ①現場におけるプロセス・イノベーション 「製造業の現場で、磨き上げたフ。ロセス ・イノベーション力を、製造業に止める のではなく、相対的に生産性が低いといわれているサービス業を中心とする非製 造業にも普及させることによって、日本の非製造業の生産性を飛躍的に向上させ る可能性を秘めている。」 現場における 「生産性」の問題は、経営実践学の基礎理論をともなっていると 考える。 ②優れた擦り合わせ技術/現場力のネットワーキング/品質へのこだわり 「日本企業の競争力の源泉の一つに「現場力Jがしばしば取り上げられる。こ の背景にあるのは、日本人の特性・強みとして挙げられる集団主義・チームワー クや現場における創意・工夫、擦り合わせの伝統に負うところ大であろうが、 一 方で忘れてはならないのは、終身雇用制度に立脚する様々な特質もこれに寄与し ているということである。」 この点については、筆者は合理的視点からもう一度、見直す必要があると考え る。 ③徹底した生産性・効率性の追求 「多くの日本企業では、製造現場において磨き上げた徹底した生産性・効率性 向上の手法を、生産現場以外のあらゆる部門に応用している。」 ④技術力を生かした少子高齢化への取り組み 『経営力創成研究』第9号, 2013

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「少子高齢化対応の観点からの日本の技術革新の方向と活用は、大きく言って 二つの分野に分けられる。第ーには、ものづくり現場における自動化、ロボット 化の更なる進展であり、第二には、高齢者支援 ・介護の現場におけるロボットの 活用である。」 ①から④で指摘される製品 ・サービスの競争力強化は日本型経営の構築におい て基礎的条件を示している。 (4)競争力強化のための環境整備 ①官民一体護送船団方式との決別 「これからの官民一体のあり方は、護送船団方式ではなく、競争原理を働かせ る中でより成果をあげた企業が自由に伸びていけるように、規制緩和を促進した り、研究開発を促進するなど、個々の企業の国際競争力を高める方向に集中すべ きであろう。J 筆者は、官と民の関係は良好であることは好ましいが、通常、民である経営者 の主体的行動が必要であると考えている。 ②資源獲得競争への対応 「米欧の資源メジャーによる資源の寡占化と、資源保有国のナショナリズムの 台頭により、主要資源の寡占化が進んでいる。 これまで日本では、商社が天然資源や食糧の確保に実績をあげてきたが、日本 はこれからの資源獲得競争を如何に勝ち抜くかを真剣に考えなければならない。 まず第一にやるべきことは、日本の経済力を維持強化し続けることによって、少々 値段が上がっても購入できるだけの力を維持していくことであろう。J ③ベンチャービジネス等新規事業創造・立ち上げの促進 「出る杭は打つ」式の横並び意識が相変わらず

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齢、日本社会においては、ベン チャ一等による新規事業の立ち上げ企業数は、米欧に比べると格段に少ない。 日本でも起業を奨励するカルチャーの醸成に経済界挙げて取り組む必要がある。 ただ、新規事業立ち上げ数の少なさは、上記環境の未整備に加えて、日本人のリ スクをとることを好まない性格や、横並び意識の強し、ところも影響していると思 われるので、その意識改革に取り組んでし、かなければならない。j ① ③までの競争力強化のための環境整備については、日本企業自体の主体性 が求められていると考えられる。 2.3国際社会の信頼獲得と地球規模の貢献 (1)経営の信頼性の向上 ①経営者の倫理観 「現役経営者自らが襟を正した上で、コンブライアンス遵守の徹底を図ると共に、 自分が経営を預かる企業にコンブライアンス違反が本当にないのか徹底調査をす ることから始めることであろう」。 経営者の倫理観については、筆者は経営者教育の基本として考えておきたい。 ②株主の期待により応える経営 a.市場の論理に私情や感情で対抗しない 「経営者は、株式を上場することの意義と必然性について常日頃からよく考え 9 『経営力創成研究』第9号,2013

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ておき、求められたら説明できるようにしておかなければならない。これまでと は異なり、株式市場のグローノ'¥Jレ化が進み、多くの企業の株式のかなりの部分が 外国人株主に保有されることが当たり前になった今日では 経営者には論理的な 説明責任が不可欠となっている。」 b.投資効率重視の経富への転換 「日本企業は伝統的にP/Lを重視した経営が主流で、 B/Sに重きを置いた資本 効率の良い経営を行う という視点がどちらかというと弱かったと言える。それは、 戦後長期間にわたりメインパンク制のもとでの資金調達が主流であり、会社が自 ら新株や転換社債を発行して資本市場から資金を調達する必要'性や慣行がなかっ たことや、株式の持ち合いが一般的で、あったため株主からの資本効率を高める要 求も少なかったことなどの理由によるものと考えられる。」 C.ステークホルダーとの積極的なコミュニケーション 「日本においては伝統的に株式持合いがあり、また物言わぬ株主が大多数であ ったため、株主総会以外の場で株主と直接コミュニケーションを図る必要性は少 なかった。しかし時代は変わり、 IRは経営者の重要な責務のひとつであるとの認 識も高まってきている。J d.健全なM & Aを可能とする環境整備 「日本では、敵対的買収のアフ。ローチがあった場合、例えそれが長い目で見て 現状よりも株主価値を高める可能性が高いもので、あっても、経営陣と株主が感情 的に反発して防衛のため防衛策を講じ、また、裁判所もそれを支持するような判 断を下すなど、必ずしも市場の論理が通用しないようなケースが見受けられる。 したがって、本来であれば資本市場を活性化し、産業の効率化を促進するような 健全なM&Aまでもが排除されないようにすべきである。」 ここでのa、b、c、dにわたる問題は、筆者としては、対境関係にある金融・資 本市場とどのように対応していくかの実践的課題であると考えている。 ③ガバナンスの透明化 ここでは、コーポレート ・ガパナンスに対する日本企業経営者の見解の集約が 行われている。本稿では、問題点の指摘だけにとどめておきたい。 a.経営者の交代ルールの透明化 b. 経営者OBから現役経営者への権限委譲 C. 責任と権限の明確化 d. 社外取締役の効果的な活用

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地球規模課題への貢献 ① ⑤の課題解決のために、現代の会社は以前にもまして多くの課題の問題解 決が求められている。 筆者は、地球規模課題への貢献については、 「日本型経営jの経営実践に有効な シグナルを与えることになると考える。 ①環境に優しい技術・製品 ・サービス研究 ・開発の最先端を行く ②環境技術支援 ・移転を通じて途上国の環境対応を改善 (CDM、ODA等) 『経営力創成研究』第9号.2013

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③炭酸ガス削減イニシアチブ ④貧困の撲滅 (ODA等) ⑤先進国の貢献が期待される熱帯病 ・風土病に対する薬剤の研究 ・開発 (3) CSR 「現代社会は様々な社会的課題に直面しており、これらに対して社会から求め られる企業の役割は格段に大きくなっている。企業には、法令遵守等による信頼 構築の 『守りのCSRjと、潜在的な社会的ニーズ、を先取りして価値創造を目指す 『攻めのCSRjを両輪とする『価値創造型CSRjの取り組みが求められる。J この点については、経済同友会のCSRに関する取り込み状況が参考となる。

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日本企業の進むべき方向 経済同友会は、 「新・日本流経営」を考えるにあたって、日本企業の進むべき方 向を次のように考える。 「歴史的な背景からくるものや、これまで、の企業努力で、培ってきた日本企業の 強みを今後も生かすべく、決して慢心することなく倦まず弛まず磨き続けて行く ことが何よりも大切であることを再認識する。 さて、日本企業の進むべき方向については、それぞれの業種 ・業態等の状況に応 じて、また、各企業のグローパル市場および国内市場における位置付け等によっ て、その課題も異なると考えられるため、ここでは、グローパル企業(オベレー ションを既にグローノ勺レイヒしている企業)とドメスティック企業、および、製造 業型と非製造業型という切り口をマトリックス表にし、それぞれのカテゴリー別 に以下の表形式による対比を試みた。j これらの点は、図表1ク、、ローパル企業とドメスティック企業の進むべき方向で 説明される。この図表から説明される各カテゴリーの企業の経営実践が将来の日 本型経営の精織化につながるものと考える。 これらのカテゴリーl企業からカテゴリ-VI企業への経営実践原理は、今後の 経営実践データの積み上げによって原理化されるものとなろう。

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日本企業の経営理念と経営者教育

ここでは、 日本企業のなかから、 A社の2012年 『ク、、ルーフ。社会・環境報告書』 を通して、経営理念である CSR活動のなかから、人材育成である経営者育成の 実態を探ってみよう。 次に、 A社社長のメッセージが次のように示される。これは、われわれが主張 する「ビジョンJであるといってよい。 A社のCSR活動の目標と実績において、CSR基本マネジメントは、次のよう になっている。 (1)A社の CSR A社の事業は社会に貢献するために存在し、その 活動自体がCSRそのものです 「どんな素晴らしい企業で、あっても、「地球」が存在しなければビジネスを継続 することはできません。 CSRの本質は、美しい地球を次世代を担う子供たちに引 11 『経営力創成研究』第9号,2013

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き高齢、でし、くために、事業活動や周囲の環境を変革していくことであると考えま す。」 図 表1

グローパ

Jレ企業とドメスティック企業および製造業型と非製造業型との マトリックス表 製造業型 非製造業型 プロフェッショナル プロフェツショナルサ サービス、 ービス以外 金融、商社 グローバル企業 [カテゴリー I】

I

カテゴリ

-ml

【カテゴリーV】 ※今後もグローパ 織烈な国際大競 少数派。 M & Aなど 少数派。製造業の海外 /レ市場での競争を 争の中で独自の によりノウハウの拡 事業展開に合わせてチ 勝ち抜いていく道 モデルに磨きを 大および規模の拡大 ヤンスを探る。 を選んだ企業 かける。 を図る。 [カテゴリ-II】 [カテゴリー

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【カテゴリーVI】 ドメスティック企 体力、競争力を勘 顧客ニーズへの細や 一部業種のきめ細かい 業 案して今後グロ かな対応を強みに国 サービスは東アジアで ※未だグローパル ーパル化を目指 内でカをつけ、海外 受け入れられる可能性 化ができていない すか否かの見極 展開のチャンスをう あり。 企業 めをおこなう。 かがう。 出所

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社グループ社会環境報告書

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地球の持続可能性のために、社会を変革する

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の力を信じています A社は、「中期ビジョンとして、人が安心して暮らせる豊かな社会、 『ヒューマ ンセントリック・インンテリジェン トソサエティ

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の実現を目指しています。

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は、交通、金融、食、エネルギーなど、あらゆる場面で私たちの暮らしを支えて います。私は、社会を変革する

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の力を信じています。Jとしづ。 A社におけるグローパノレなビジネスリーダーの育成については、経営のグロー バル化のなかで、重要なもので、あり、

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世紀において、日本型経営を実践する経営 者の育成を可能にする手掛りを与えることになろう。 『経営力創成研究』第9号, 2013

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図表

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活動の目標と実 績 商 I)fl} と士 朗 b

出所

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社グループ社会環境報告 書 包 012 年 7 月) 河 T~O 司、司陸、 ιuιV~ 阻止 J LV 1 1" 全国主;JC_'平戸 LV ‘ ι , 最 . A 社ゲ j し プ被断的 l こ CSR マネジメントプロセスが確立されており、さら .I S026000 の 7 つの中核課題に基づき取り組み状況を確 . 未対応項目に関する対応検討と優先順位付け。 CSR 基本マネジメン ト 全ゲ j レプ績断的な CSR 活動の推進 にバリューチヱーンを吉めた範囲でグローパルスヲンゲードに沿った CSR 認 。 ワ クショップ l こて 252 項目にわたるチェックリストを策 . チ ェ ック対象範囲を海外を吉めたゲループ会社へと 活動を実施している . 定、富士通において 1 78 項目が対応済みであることを確認 。 拡大。 . CSR 基本方針 1= 基づいた中期目標_ 20 1 2 年の目標を策 . CSR 中期目標、および単年度目標の PDCA プロセス . CSR 活動の中期・短期目繍が 富 士通ゲル プ全体で設定共有され、 定 。 を確立 。 . 外部の有識者との対話を通じ 、 2020 年へ向けての取り組 . 2020 年へ向けて取り組むべき課題の具体的なプう ビジョンに基づく PDCA 実施評価サイヴル むべき課題と目標を明確化 。 ンを公表 。 (PDCA ) を回し 継 続的な活動の向上を行っている . 項 -組目織とし目ー 標策定において、社会、環境分野への配慮を必須 . 組結目標策定二若に手 おいて 、 プロセスの強化と具体的 て設定 コールの策定 l . CSR 基本方針を社内に 浸 透させるための仕組みと して 、 Web や社内報.イベントなどのツ ー ルの刷新 。 . CSR 基本方針を社肉 I ニ 浸 透させるための仕組みを楠築 。 -全 社 員が CSR 基本方針を自らの輩務に結びつけ 、 社内 浸 透 . A 社ゲ j レ プ全社員が、経済、環境、社会の側面を総合的に捉え、自 -経営トップ自らの CSR メッセ ー ジ配信を開始 。 自主的参加を促す制度を拡充 。 律的に CSR 活動を推進している 。 -CSR 社内勉強会の実施(のベ 4 1 2 名書加) CSR ^;lスウフォースの対車部門の拡大 。 -7 ンケ トや e -Leam i n g 、 社員向け座談会の実施 によ表る彰、制社度員導教入 育の鉱究 。 -グ ロ パ Jレなビジネスリザの育成 。 -ゲロ パ j レなピジ才、スリ ー ダーの育成 。 -海外拠点との連携強化による、次世代ビジネス -次世代ビジ ネ スリ ー ずー育成ブロゲラム ( 受講者 91 名 ) リ ーずーの多棟性の促進 。 -事業戦略の遂行と社会的価値の創造を両立させることができるゲ口 一 ー 海外槌点を対象とした ' ) -Ij ン y プ開発プ ロ グ ラ ム(受 -継続的な育成による、ビジネスリ ザ の質と規模 地 E草と社会に貢献す 「真由ゲロ -1 リレ I CT カンパニー」を主 パ j しなビジネスリーザーを育成することで.社会の発展に貢献している 。 講者 62 名) の拡充 。 . ベ ー ス ラ インの強化 。 る人材の育成 える人材の 育 成 . 社員一人ひとりが企韮理念を理解し理念に基づいて行動する こ とによ ー 日本国 向 の若手を対量としたゲ ロ バルコンビテンシ -社員一人ひとりが企輩理念を理解し、企業理念に り、社会に対して新たな価値を 111 出している . 養成プ ロ グラム ( 受講者 97 名 ) -共通善に基づいた事輩活動を実現する実践知研究セン 基づいた行動ができるためのベースライン教育の強 化。 世ーの設立 。 社会や市場の変化の中からビジネスを発想する研 修機会の増加 。 3 出 ζ £コ 』日 ND-一山

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経営機能における企業家精神

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経営者教育と企業家精神 経営者教育の基本原理は、何に求めるのか この問題に関する解決方法は、経 営者教育をどのようにとらえるかにかかっている。経営者教育は、 KAEの経営 原理を基本にした経営実践にある 3)。ここでの経営者教育は、自己啓発 (self-development) の方法によって展開する。経営者の能力を高めるつまり経 営者の経営能力の育成がその場合の基本原理である。経営者教育は、実際の会社 を経営することによって、その経営実践を経営者に身につけることができる。こ こに経営機能を遂行する経営者の位置づけをみることができる。経営機能は、最 高経営意思決定機能に集約されるが、そのうち、企業家精神を経営機能遂行の基 盤においておきたい 経営者教育の第一の基本は、企業家精神 (entrepreneurship) をどのように修 得するかの問題とその企業家精神を経営理念のなかにどのようにつなげるかの問 題が重要である。ここでは、まず企業家精神からこの問題にはいってみよう。 企業家精神は、ドラッカー (Drucker,P.F.)をはじめボーモル (Baumol.

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J.) の研究にみられるように企業家にとってもっとも大事なものであると考えられて きた。企業家精神は、企業を起こすことすなわち 「起業」にとって必要であり、 「企業」の変革と展開にとって必要なものである。経営者は少なくとも企業家で あり、この企業家精神を身につけることが経営者にとって必要である。また新事 業を起こすベンチャー企業経営者にとっても必要である。

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世紀における新事業 の創造のためには、この企業家精神が重要な要素となる。まず情報通信・インタ ーネット・バイオ・エネルギー・ロボット等に関するベンチャーの創造において も、こういった企業家が重要な役割を演じることになる。 経営者が修得する企業家精神の内容について、 ドーリンガー (Dolinger,M.J) は、企業家精神の定義に関し、次のような特徴をあげている。第 1に創造力とイ ノベーション、第 2に資源の収集と経済的高E織の建設、第 3にリスクと不確実性 のもとでの利得あるいは増大のための機会である。 企業家精神は、リスクと不確実性の条件のもとで存在するということである。 経営者は不確実性の世界で企業行動・経営行動をとるのであって、企業家精神が 経営者教育のなかでもっとも大事にされなければならないものの一つである。経 営者は新事業を創造する。新事業を発展させる経営能力が必要となる。これらの 能力育成は経営者教育の中核をなすものであり たとえ経営者がそれを達成でき たとしても、それは経営実践を通して修得できるものである。 4.2経営者育成とベンチャー企業家精神 ベンチャー企業家精神は経営者の能力開発に必要なものであることについては、 明らかである。しかし、経営者教育の経営実践にこの企業家精神をどのように組 み込むことができるかについてはきわめて困難である。なぜなら、企業家精神の 創造に関し、ベンチャー企業経営者の経営意識のなかにとりいれなければならな 『経営力創成研究』第9号, 2013

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し、からである。ベンチャー企業経営者の経営行動基準は、 21世紀企業像をベース に提起される経営基準であるといってよい。ベンチャー企業にとっての企業家精 神とは、新しい事業に向かつて経営行動を推進する精神である。ベンチャー企業 経営者は、この企業家精神をもって経営実践する。そこで清Ijられるベンチャー企 業経営者の経営力を経営教育システムの中に織り込むのである。 ベンチャー企業の創造において、経営者の役割はもっとも大事なものであり、 その経営者の成功のためには、経営教育が必要となる。ベンチャー起業家精神は 起業を創ることそのもののなかに生成するものであり、経営者の企業創造能力お よび企業創造への意欲といったものに展開している。経営者は、経営教育と経営 実践によって経営力をつけ、それによって新しい経営を創造する力となる。

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むすび

以上にわたって、日本型経営と経営者教育に関し、 21世紀における日本型経 営の構築の過程で、経営者教育と関連づけながら検討を加えてきた。 日本型経営は、日本の経営者が考え、実践する経営が経営実践とデータとして 積みあげられる。その経営実践で積み上げられた経営原理が日本型経営として構 築される。 経営者教育すなわち経営者育成は、日本型経営構築の基礎的部分をなしている といえる。 経営者教育すなわち経営者育成は、山城章の経営学方法論である KAEの原理 にもとづいて行われる実際の会社の経営実践が有効な働きをするのである。 日本型経営は、優れた日本流の経営を実践する経営者によって創造させる。経 営者は経営機能を遂行する主体者であり、経営体の企業価儲Ij造を遂行する経営 者である。したがって、日本型経営を経営実践する経営者は、経営者教育によっ てさらに経営の磨きがかるようになる。 【注】 1) 日本型経営とは、主としてアメリカで展開したマネジメント原理と「日本的経営jとい われる日本流の経営すなわち日本企業の経営実践を経営体・経営者主体の立場から統合した 経営実践原理のことである。 2) 東洋大学経営力創成研究センターでも、 2010年に、日本企業の経営者陣に、「日本発経営 力の創成と『新・日本流』経営者・管理者教育に関するアンケート調査jを実施した。その 調査結果は次を見よ。 東洋大学経営力創成研究センター編 (2010)~経営者と管理者の研究~ pp.191-231. 3) i自己啓発Jの方法による経営者教育は、中小規模の会社の経営実践によって開発される と考える。 【参考文献】 小椋康宏 (2003)í経営者育成に関する経営学的考察」日本経営教育学会『経営教育研究~,第 6 15 『経営力創成研究』第 9号, 2013

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富士通株式会社『アニュアルレポート 20l2J]

富士通株式会社『富士通グ、ループ社会・環境報告書2012]J

受付日:1月28日 受理日 :2月12S

参照

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