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宅内機器向けサービス基盤システムへの取り組み

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Academic year: 2021

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NGN(次世代ネットワーク)では,便利なIPネットワークを利 用し,安心・安全な通信環境を実現できる。日立グループは, センサーや計測機器を含めた多様な宅内の機器を接続し, 多彩なサービスを実現する「安心安全接続プラットフォーム」 の提供をめざしている。 NTT(日本電信電話株式会社)により,2006年12月から約 1年間実施されたNGNフィールドトライアルでは,機能確認を 行い,サービス例としてヘルスケアとホームセキュリティ分野 のデモンストレーションや展示を行った。そして,今回,小型 化,省電力化,さらに無線LANへ対応したインテリジェント ホームゲートウェイを開発した。 1.はじめに

NGN(Next Generation Network:次世代ネットワーク)は, 従来の電話や映像配信,データ通信など多様な情報を同じ IPネットワークに統合して提供できるネットワークサービスであ り,多彩なアプリケーションサービスの提供ができるネットワー クとして注目されている。その特長は,高精細映像などリッチ

宅内機器向けサービス基盤システムへの取り組み

Service Platform for Home Network Appliance

北島 茂樹

Shigeki Kitajima

岩崎 健人

Takehito Iwasaki

インターネット インテリジェント ホームゲートウェイ IP電話 IPTV ホームサーバ サービスゲートウェイ 簡易SIPサーバ ・IP電話, ソフトフォン収容 アナログI/F ・既存電話機 ・既存FAX ギガビット対応BBルータ PPPoE(マルチセッション) IPv4/IPv6デュアルスタック 無線LAN OSGi*1フレームワーク ・情報家電 ・アプリケーション追加 知的音声合成エンジン ・内蔵スピーカ/外部端子 IPv6マルチキャスト ・MLDv2プロキシ ・IPTV用STB接続 (IP再送信受信) USB搭載 ・外部ストレージ ・ファイルサーバ

注:略語説明ほか SIP(Session Initiation Protocol),IP(Internet Protocol),I/F(Interface),BB(Broadband),PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet*2

),

IPv6(IP Version 6),LAN(Local Area Network),OSGi(Open Service Gateway Initiative),MLDv2(Multicast Listener Discovery Protocol Version 2),

USB(Universal Serial Bus),STB(Set Top Box)

*1 OSGiは,米国OSGi Allianceの登録商標である。 *2 Ethernetは,米国Xerox Corp.の登録商標である。 図1 NGN(次世代ネットワーク)に宅内機器を接続した「インテリジェントホームゲートウェイ」 トリプルプレイと呼ばれるインターネット,IP電話,IPTVの機能はもちろんのこと,宅内の情報や機器を管理するホームサーバや,接続されたネットワーク家電製品・セ ンサー・住宅設備機器などを連携させたサービスを管理するサービスゲートウェイ機能を備えている。これにより,ヘルスケア,ホームセキュリティなど複数のサービスを同 時に提供することができる。 46 Vol.90 No.06 510-511 2008.06 つながる,広がる―NGN時代のネットワークソリューション

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47 なコンテンツを途切れることなく配信できるような高い通信品質 と,回線認証機能などを活用して「成り済まし対策」ができる 安心・安全なネットワークを提供することにある。 日立グループは,センターサーバと宅内のホームゲートウェ イをNGNによって接続し,宅内機器向けのサービス基盤シス テムの開発を推進してきた。 ここでは,NTT(日本電信電話株式会社)のNGNフィール ドトライアルでの実証実験を通して開発してきたホームゲート ウェイと今回開発した「インテリジェントホームゲートウェイ」につ いて述べる(図1参照)。 2.NGNを用いたサービス基盤の実証実験 2.1 サービス基盤システムを用いたデモンストレーション システム 日立グループが取り組んでいるサービス基盤システムでは, サービス事業者と生活者を安心・安全・確実につなげる「安心 安全接続プラットフォーム」を提供することをめざしている。 その特徴は以下のとおりである。 (1)多様な端末・機器のネット接続を容易にするホームゲート ウェイを中心とした宅内システム基盤の実現

(2)サービス事業者に対し,SOA(Service Oriented Archi-tecture)/Webサービスに基づいてサービス共通機能(サービ スイネーブラ)を提供するセンターシステム基盤の実現 (3)センターシステムから宅内システムへのセキュアなアクセ スを可能とするNGNとの接続インタフェースの具備(図2参照) 日立グループは,NGNフィールドトライアルにおける実験の ために,ヘルスケアサービスとホームセキュリティサービスを模 擬して展示した。 今回,展示したシステムは以下のとおりである。 (1)ヘルスケアサービス 体 重 計 ,血 圧 計 ,無 拘 束 睡 眠 時 測 定マットを接 続し, NGNを介してデータを共有できるシステム (2)ホームセキュリティサービス 侵入する不審者をセンサーで検知し,照明を遠隔制御に よって点灯し,カメラ映像で状況を確認できるシステム 2.2 デモンストレーションシステムの評価結果 実証実験では,NGNにおいて,測定データや映像など多 様なデータを確実に送達できることを確認した。また,組み込 んだ次の二つの機能は好評を得た。

(1)OSGi(Open Service Gateway Initiative)フレームワーク 一つの基盤上で多様なプロトコルに対応しつつ,複数の サービスを同時に提供したり,アプリケーションソフトを更新し たりするためにOSGiを採用した。提供中の複数のサービスか ら更新すべきサービスを一つだけ選択して停止,更新,再起 動を可能にした。 (2)テキスト自動読み上げ機能 ユーザーフレンドリーなインタフェースとしての音声ガイドを, テキスト指定で簡単に実現できる環境を実現した。 これらの機能を継承しつつ,小型化,省電力化を図って開 発した「インテリジェントホームゲートウェイ」について次に述べる。 3.インテリジェントホームゲートウェイ 3.1 開発背景 NGNでは,これまで以上にネットワークとアプリケーションの 連携が自由に行えるようになる。この特徴を生かし,各種アプ feature article 宅内 PC AV機器 照明 エアコン センサー 監視カメラ 健康機器 AV 機器 監視 カメラ 照明 宅内基盤 センター基盤 SDP アプリケーション アプリケーション 配布管理 リモート管理 OSGiフレームワーク OSGiフレームワーク JavaVM*(仮想マシン) リモート管理 ダウンロード NGN SDP サービス 提供者 管理センター 家電制御 映像・音楽 センサー 監視 ホーム セキュリティ ヘルスケア

注:略語説明ほか AV(Audio Visual),SDP(Service Delivery Platform),NGN(Next Generation Network)

* JavaおよびすべてのJava関連の商標およびロゴは,米国およびその他の国における米国Sun Microsystems,Inc.の商標または登録商標である。

図2 NGNホームゲートウェイを活用した宅内機器サービス

OSGiフレームワークを採用し,アプリケーションソフトのダウンロード配布や,ソフトウェア更新のためのアプリケーション停止,更新,再起動などをリモート管理できる サービス基盤を,宅内基盤とセンター基盤の連携により実現した。

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48 Vol.90 No.06 512-513 2008.06 つながる,広がる―NGN時代のネットワークソリューション リケーションサービスのプラットフォームとしてトータルソリュー ションを提案できるホームゲートウェイを開発し,NGNフィール ドトライアルではヘルスケアやホームセキュリティのデモンスト レーションアプリケーションを実現した。 そして今回,小型化,省電力化,さらに無線LAN(Local Area Network)へ対応した新型ホームゲートウェイである「イン テリジェントホームゲートウェイ」の開発を行った(表1参照)。 3.2 インテリジェントホームゲートウェイの特徴 (1)次世代ホームネットワーク機能を集約 インターネット接続,IP電話,IPTVが利用可能であり,セッ ション制御プロトコルとしてSIP(Session Initiation Protocol)を実 装,QoS(Quality of Service)制御や帯域制御による,安定し た通話・通信環境を提供する。また,無線LANインタフェース を搭載し,PCだけでなく一般家庭用のゲーム機など,既存機 器も容易に収容可能である。 有線LAN部分は全ポートでギガビットインタフェースに対応 しており,将 来に向けた高 速 化 へ 対 応した。また,U S B (Universal Serial Bus)インタフェースを搭載し,外部ストレージ

やカメラなどへの拡張が可能な構成となっている(図3参照)。 (2)OSGiフレームワーク搭載 汎用性の高いJava言語に基づくOSGiフレームワークは,前 述のサービス基盤システムとの密な連携を可能にする。各ア プリケーションバンドルはリモートで容易に追加,更新,削除が 可能であり,これまでの組込み通信機器とは一線を画した サービス提供プラットフォームである。 高品質・高信頼性のNGNとの組み合わせにより,ベストエ フォートでは実現が憂慮されるようなサービスでも安心・安全に 提供することが可能となる。 (3)次世代アーキテクチャの採用 デュアルコアの次世代アーキテクチャを採用し,高性能な データ転送とともに,安定したアプリケーション動作を実現した。 また,高度なQoS機能はNGNの性能を十分に引き出すこと が可能である。 (4)内蔵スピーカ,知的音声合成エンジンを搭載 「今も昔も音声は最強のコミュニケーションツールである。」と いう考えから,ユーザーに優しいインタフェースを追求し, 日立製作所中央研究所で開発した「知的音声合成エンジン」 を搭載した。テキストファイルに書かれた文章を,人が話すよ うな滑らかな音声で読み上げることが可能であり,最小の データ投入でユーザーが親しみやすい音声による通知を可能 とした。OSGiフレームワークと連携することで,高度なコミュニ ケーションの実現も可能である。

注:略語説明ほか MDI(Medium Dependent Interface),WAN(Wide Area Network),DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol),

DHCPv6(Dynamic Host Configuration Protocol Version 6),DNS(Domain Name System),QoS(Quality of Service),

IGD(Internet Gateway Device),W(Width),H(Height),D(Depth)

*1 ナンバー・ディスプレイ,キャッチホンは,日本電信電話株式会社の登録商標である。 *2 UPnPは,UPnP Implementers Corporationの商標である。

表1 インテリジェントホームゲートウェイの仕様概要 トリプルプレイサービスへの対応に加え,全ポートにおけるギガビットインタフェースに対応するとともに,さまざまな拡張が可能なUSBインタフェースを搭載することで,よ り柔軟なサービスへの対応が可能である。また,スピーカを内蔵し,音声によるユーザー通知も可能である。 ポート RJ-45,4ポート サポート規格 10BASE-T/100BASE-TX/ LANインタフェース 1000BASE-T 機能 オートネゴシエーション MDI/MDI-X Auto-MDI/MDI-X ポート RJ-45,1ポート サポート規格 10BASE-T/100BASE-TX/ WANインタフェース 1000BASE-T 機能 オートネゴシエーション MDI/MDI-X Auto-MDI/MDI-X 無線LANインタフェース IEEE802.11a/b/g(内蔵型) USBインタフェース USB2.0,2ポート 音声出力インタフェース 内蔵スピーカ/ボリューム調整 外部スピーカ用端子 ポート RJ11,2ポート アナログ FAX機能 音声みなし 電話機能 ナンバー・ディスプレイ*1 電話 付加機能 キャッチホン*1 内線転送 サポートCODEC G.711μ-law その他 SIPサーバ機能搭載 IP電話機収容 アプリケーション機能 Java仮想マシン (情報家電制御対応) OSGiフレームワーク搭載 音声合成エンジン マルチキャスト MLDv2-Proxy,MLDv2スヌーピング DHCP DHCPv4サーバ/クライアント, DHCPv6サーバ/クライアント DNS DNS-Proxy,DNSルーティング セキュリティ パスワード設定,各種フィルタリング機能, ステートフルパケットインスペクション機能 QoS 4段階優先制御 UPnP*2 UPnP-IGD IPスタック IPv4/IPv6デュアル インターネット接続 PPPoE(同時2セッション),PPPoEブリッジ 設定 Webブラウザ 動作環境条件  温度 0 ℃∼40 ℃ 湿度 20%∼85%(ただし,結露なきこと) 電源電圧 AC100V±10% 外形寸法(W×H×D) 約40×約190×約210(mm)(突起除く) 質量(予定) 約1.0 kg

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49 4.おわりに ここでは,NGNフィールドトライアルでの実証実験を通して 開発してきたインテリジェントホームゲートウェイについて述べた。 2008年にサービスが始まったNGNの特徴は,多様なコンテ ンツを安心・安全・便利に,しかも高品質に通信できることに ある。日立グループは,NGNの特徴を生かし,多様なサービ スを実現できる基盤を実現するため,ホームゲートウェイの開 発をはじめとし,プラットフォームの高機能化・高信頼化,顧客 とのサービス協創などをさらに進めていく考えである。 1)北島,外:サービス事業者向けのソリューション技術,日立評論,89,6, 476∼479(2007.6) 2)濱田,外:ホームネットワークの技術開発,日立評論,89,6,488∼491 (2007.6) 参考文献 執筆者紹介 北島 茂樹 1988年日立製作所入社,情報・通信グループ ネットワー クソリューション事業部 ネットワーク統括本部 放送通信融 合事業センタ 所属 現在,次世代ネットワークを利用した情報家電サービス基 盤の設計・開発に従事 電子情報通信学会会員 feature article 岩崎 健人 1984年日豊通信工業株式会社入社,株式会社日立コミュ ニケーションテクノロジー 企業ネットワーク事業部 IPター ミナル開発部 所属 現在,次世代ネットワーク関連通信端末の設計・開発に 従事 保守関連 OS関連 SGW機能関連 SIP/電話関連 ルータ関連 スピーカ制御バンドル SIP連携バンドル OSGiフレームワーク Java仮想マシン ファームウェアアップデート ロギング CGI(GUI) HTTPサーバ SNTP TCP/IPプロトコルスタック(IPv4/IPv6) 各種ハードウェアドライバ 知的音声合成エンジン UPnP-IGD DSP制御 アナログ端末制御 IP電話端末制御 SIPサーバ SIPスタック SIP制御

DNS DNS-Proxy DHCP DHCPv6 NAPT/静的NAPT

パケットフィルタ MLDv2-Proxy

マルチキャストルーティング PPPoE

注:略語説明 SGW(Service Gateway),CGI(Common Gateway Interface),GUI(Graphical User Interface),HTTP(Hyper Text Transfer Protocol),

SNTP(Simple Network Time Protocol),DSP(Digital Signal Processor),NAPT(Network Address Port Translation),

TCP/IP(Transmission Control Protocol/IP)

図3 インテリジェントホームゲートウェイ機能ブロック

Java仮想マシンとOSGiフレームワークを搭載することで,従来機器とは一線を画したサービス提供プラットフォームとしての特徴を有する。また,知的音声合成エンジン によりテキストファイルを人が話すような音声へ変換できる。

参照

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