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電磁軟鉄の磁性焼鈍(特に太物製品について)

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U.D.C.

電磁軟鉄の磁性焼鈍(特に太物製品について)

On the Magnetic Annealing of Magnetic PureIron

(Especially

on the Large

Materials)

る21.318.132

雄*

西

美**

Sadao Koshiba TerumiNishinuma

鉄の使用前に行う焼鈍を磁性焼鈍と称する。この焼鈍の目的は軽々考えられるが,脱択効果も主目的 の一つである。脱炭の 銑を使用したものは脱朕速度が いほど磁性がよくなるが, い。 解原材料によっても脱灰速度が異なる。鳥上木炭 脱炭によって磁・1Yヒが大きく左右されるので,太物製品の磁性を測定する場合採取した試験片で普通の磁性焼 鈍を行うと,脱炭が進行し太物製品自体の磁性とは異なった良好な値を示す。

磁軟鉄の加工後佐川前

に ′ず 焼鈍あるいは磁気測定前に行う焼 鈍を普通磁性焼鈍と称している。これほ磁気的性質をもたせるため の焼鈍と考えられるからで,8500Cで3∼4時間,酸化を防ぐため 箱焼鈍かH2焼鈍を行う。この磁性焼鈍は案外等閑視されているが, 磁性を大きく左右する重要な処理でいろいろの問題がある。 本報においてはまず磁性焼鈍によって磁性の向上する一原因であ る脱炭がどの程度進行するものであるかを述べる。そして特に太物 品の磁性がJIS(1〉(2)にて定められている小形N.S.導磁率計あるい は弾動検流計法によって測定する場合,試験片の形状またほ焼鈍の 方法によって著しく異なる偵を示すことについて報告する。

2.実験試料および実験方法

験に用いた試料の化学成分を弟】表に示す。 A討滞†は鳥上木炭銑を原料にして,B 原料にして熔解したもので脱灰 ような mmの鉄 料は普通の市販電気銑を 鹸に供した。脱炭実験は弟1図の 験片忙仕上げ,酸化を防止するため内径50mm,長さ500 パイプ中にいれ,ふたをして電気炉巾で加 CおよぴD に圧延されたC 保持した。 料ほ太物製品の磁性を求めた試料で,まず35mm¢ 料の中心より3∼9.5mm¢の棒状試験片ならびに 外径34mm,内径30mm,厚さ2mmの環状試験片を採取し,採取 試験片の形状の影響を求めた。次に26mm¢に圧延したD試料の中 心より11.1mm¢の棒状試験片を採取し焼鈍温度と磁性の関係を めた。 磁性焼鈍ほ普通同一成分の純鉄ダライ粉を充てんしたパイプ中で 8500Cに3.5時間保持後徐冷をして行った。また乾燥H2中焼鈍とは H2を白金アスベスト,シリカゲル,低温トラップ,五酸化燐を通し て,十分に水分を除去したH2中で8500Cに3.5時間加熱保持を行 ったものである。

3.実験結果とその茸察

3.1脱 炭 実 験 AおよびB試料の850度における保持時間別の表面よりの深さと C含有量の関係を弟2∼9図に示す。 一般に10mm¢のように細いものは35mm9らの太いものにくらべる と表面の脱灰ほ いが,内部でほ脱脱しにくい傾向になる。10mlll¢

の場合,鳥上木炭銑系のA試料i・ま12時間の保持で内部まで完全に脱

炭するが,市販電竃銑系のB試料でほ24時間の保持を要する。つま り鳥上木炭銑系は脱炭速度が * 口立金属二_Ⅰ_二業株式会社安来工場 「膵 ** 日立金属工業株式会社安来工場 73 第1表 試料の化学成分(%) J♂ ガ 宗G 囲

第1図 脱 炭 試 験 片 /、 ・-∴ 表面よりの深ミ=′玖汐ノ 第2図 A試料 6 時間保持 ・ ご-一 表面よりの深そ吻ノ 第3図 A試料12時間保持 、 、、 表面よりの深亨(勿牙) /? 第4図 A試料18時間保持 〟

(2)

274 l、、 √ ♂ 〟 表面よりの深さ「〝〝) 第5図 A 試料24時 保持 ・・● : 表面よりの深モ(ノ花伊) 第7図 B試料12時間保持 〃 〃 .へpミ\勺 J J ♂ 〝 〟 保持時間rカ) 第10図 磁性焼鈍の保持時間の影響 (AおよびB試料,85伊C箱焼鈍) ‥● 、-、、 表面よりの距斬r仰) 第8図 B試料18時間保持 へuき\句 10mm¢の同一試料の8500Cにおける保持時間と磁性の関係を弟 10図に示す。 保持時間が長く,脱炭量の多いと考えられるものほど磁性がよい 結果である。 35mm¢の場合も鳥上木炭銑系ほ市販の電気銑系試料より脱炭速 度が明らかに速いが,内部までの完全な脱炭は困難である。 3.2 試験片の形状の影響 C試料の中心より採取した3∼9.5mm¢の棒状試料および外径 34mmゥら,内径30mm¢,厚さ2mm¢の環状試料を同時に箱焼鈍を 行い磁性を測定した。なお参考のため棒状試料の焼鈍を乾燥H2中 でも行った。そ 箱焼鈍の場合 を弟11図に毒す。 料の直径の細いほど敵性がよいし.また 状試料の 磁性も良好であるが,直径の太いものほよい伯を示さない。 これは明らかに脱炭程度の差異によるもので,たとえ試料の太さ 第42巻 第2号 ・・一 JJ 表面よL」の深ぞr仇狩J 第6図 B試料6時間保持 っ∠ 甜 、、、、 -●■ 、ヽ 表面よりの距離r/訊伊J 第9図 B試料24時間保持 環試∫ 載料 ∫ 7 試演Fの直径〔ののJ 第11国 試 験 片 の 影 響 (C試料,8500Cx3.5時間箱焼鈍および乾煉ⅠⅠ2焼鈍,合環状試料による値) が なっても脱炭のほとんど進行しないと考えられる乾燥H2中焼 鈍でほ磁性がほとんど違わない。 3.3 焼鈍温度の影響 D試料の中心より11.1mm¢の試料を採取し600∼9000Cの各温 度に3.5時間保持の箱焼鈍を行った場合の磁性を弟12図に示す。 8500Cまでほ焼鈍温度が高くなると磁性は向上する傾向であるが 一般に悪い値である。この試料でも8500Cに10時間保持するとBl 約11,000ガウス,Hc約0.55エルステッドを示すので,磁性の悪い のは脱炭の進行しないためと考えられる。そして温度が高くなると 磁性のよくなるのほ,加工ひずみは600度でも大体除去されると考 えられるので,やはり脱灰が進行したものと考えられる。 3.4 実験結果の莞察 電磁軟鉄の磁気測定ほ板の場合は外径45mlTl,内径33mmの環

状試験片を作製し弾動検流計掛こよって,また

74

の場合は

準径の

(3)

性 焼 鈍

(玖7 焼鈍‡宗匠r℃ノ 第12岡 焼純温度の 影響 (D試料,各温度に3.5時間保持,締焼鈍〕 長さ250mmの 料を作製レト形N.S.導磁率計で測定することに

)

て ヽ lV つ に

′■\ 275 なっている。測定前には磁気的性質をもたせるための磁性焼鈍を行 うことになっている(l)。 磁性焼鈍によって磁性の軋ヒする理由は加工ひずみの除去とか, もし冷間加工を行ったものであれば再結晶を行わしめるとかいろい ろ考えられるが,脱炭の効果もきわめて重要である。もともと電磁軟 鉄のC含有量ほ0.03%程度以■ドであるので脱炭ほ案外等閑視されや すいが,周知のように微量のC含有量ほ磁性に しい形響を与える〔, 本実験の結果によれば焼鈍温度における保持時間の影響も,試験 片の形状の影響もすべて脱炭によって説明ができ,脱炭の多いほど 磁性が向上する。そして鳥上本炭銑を原材料にしたものほ市販の電 気銑を原材料にして熔解したものにくらべて脱炭速度が速い結果で ある。これほ電磁軟鉄の場合きわめて有利なことである。たとえば 弟13図は11.1mm¢の棒製品の旧鋼時C含有量と同一の磁性焼鈍 を行った場合のBlとの関係を示したものである。鳥上木炭銑系電 磁軟鉄は明らかに磁性がよく,かつH鋼時のC含有量が0・03%以下 でさえあれば普通の磁性焼鈍で一様に最高の値を示すようになる。 これなども鳥上木炭銑系の脱炭速度の速いことが一原内と考えられ る。もちろん磁性めすべてがC含有量によるものでないことも明確 で,電解鉄使用のものなどはC含有量ほ低いが磁性は必ずしもよく ない。製法の影響も大きい。また同一C含有量の場合は当然鳥上木 炭銑系は市販の電気銑あるいは銑板屑を使用したものより磁性焼鈍 が容易になる。 脱灰に関してほ焼鈍における保持時間を長くさえすれば進行す る。しかし焼鈍時間を長くすることはあらゆる点より好ましくな い。またたとえ焼鈍保持時間を長くしたとしても50mm¢あるいは それ以上のような太物の内部まで脱灰を行うことはきわめて困難な ことである。このような太物にも脱炭速度の速い鳥上木炭銑系電磁 軟鉄が適する。 最後に上述のように磁性が磁性焼鈍の脱炭効果によって大きく左 右されるとすると太物製品の磁気式放法が問題になる。小形N・S 導磁率計で測定できる試験片の径は15mm¢以 Fである。それで 15mm¢以上の太物の場合には15mm¢以 Fの試験片を採瀬する。 たとえ脱炭の最も少ない中心より試験片を採寂しても,その試験片 で普通の磁性焼鈍を行えば必ず脱炭が進行し,太物本体のC含有読 とは異なる。場合によってほ試験片の中心まで脱炭が進行し最高の 磁性を示すかも知れない。同一・の磁性 であればそれでもよいが,その値を設計の い磁性を比較するの 料などに用いることは 75 (咄kて℃ 〟/ β〝 β仇タ β含有量〔創 β〟 第13岡 出鋼時C含有旦と磁性焼鈍後の磁性の関係 し11.1mm¢,850ロCx3・5時間箱焼鈍) できない。 太物製品自体の磁性を知ろうとすれば試験片の脱炭が起らないよ うな焼鈍にしなければならない。たとえば加工によるひずみを除く だけの低温のひずみ取焼鈍とか,完全に水分を除去した乾燥H2中 焼鈍などを行わなければならない。

4.結

磁軟鉄の磁性焼鈍の脱炭効果と太物製品の磁性について述べ た。その糸占来を要約すると次のようである。 (1)磁性焼鈍によろて磁性の向上する主原因の一つほ脱炭であ る。そして10mm¢ 鹸片でほ12∼24時間の保持で中心まで脱 炭が進行する。 (2)鳥上木炭銑系の材料を用いたものが,市販の 気銑を使用 したものより本実験の10mm¢の場合で約2倍速く中心まで脱 灰する。 (3)同一磁性焼鈍を行った場合,脱灰のされやすい細い試料あ るいほ環状試料の磁性がよい。脱炭の起らない場合は差異がな い。 (4)焼鈍温度が850度までほ温度の高いほど磁性がよい。これ ほ脱灰のためと考えられ,脱炭のごく少ない600∼7000Cの焼鈍 では太物製品の磁性ほあまりよくない。しかしこれが太物製品自 休の磁性である。 参 薯 文 献 JIS C2503 電磁軟鉄棒(1954) JIS C2504 電磁軟鉄板(1954)

(4)

(昭和凱年7月受付分) 楼門雄正一雄児二哉勝男吉 工 右敏 良敏健精存敏武窮 威郎進宏次士宏 亮敬 善 田β↑本木 洋 々重 永阿木根佐八 太山関岩小杭 小須関渡横山渡 執筆者所属 所所所場 場所 究究究 研研研 央立央 所場所所 究工究究 研 研研 央賀立央 中多日中 Cr-1Mo鋼の怖(第1報)熱サイクルが熔接熱影響部に及 題能論計 る 子 性 の 器 断 遮 気 空 る す 対 に 路 回 数 波 周 網 路 回 送 伝 る テ ビ ヤ キ セ周受渉 中複送干 渦巻ポンプの 形状の影響 法グ 算ソ 計ミ 撃ラ 水グ の P 合プ 場勅 る・目 すの 動械 変機 ■、 F カ 〃■ 位工 水御 上 水 画 数 値 制 全会全会 学 学学学理 気気気物 用 電電電応 金全 学学 械械 機機 木本 里治士治一弘雄徹輔郎一淳望一雄郎保弥二望一雄斉守助明雄郎二郎平三三宏郎雄次樹雄男徳雄夫次作之郎傭 千昭知貞晃尚正 春次点 潤康一 滋 澗康

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Energy Loss of Electrons Passing Througha Grephite

Single Crystal わが国 の プ ラ ス ック 化粧板の動向について 常 識 転 開始さ る の の い コンディショナー) に つ F研研 村 礎礎 業品 形エア 電 気 冷 蔵 庫 750kW600Vシリ コ 整流∴舘 ′ト形 冷 凍 機 を 応 用 し た ′ト形冷凍機を応用した製品(ウインド nH ・¶〃 球る 」よ に 電盤 ス 制 値 新数 小 形 試 液 金 ディ ジタル計算機HIPAC MK-1の論坪設計について

Out-Of-FocusImage of an Edge of CrystalLattice

誘 導 電 動 機 の 保 守 取 扱 い 検 に つ い コソ応用シ′リーズ歯車の動荷重の計算への応用 の新 し い電気絶縁材料診断1マイ カ製.訂. 製 造 と 隔 膜 に つ 口 使 を ナ外水 ア海重 置御 装制 御動 制白 ス の 夕 べ レ エ の 式 方 御 制 理 管 群 て .■) つ に 題 問 の 近 最 機 速 調 ソ 盤置 装 ス影 撮 層 イ 断 転 76 道 フ軌 円 御形 式熱 電鋼 Ⅹ レ 立鍛 日鋳 全会 会 属 千 金 本分 日高 口本木材加工技術協会 全 会 全 会 全 会 会 会 会 文 化 業 調 査 日鉄家家家家工 会析 究 ∴\、-・ 御 制量 動 臼質 日本産業機械工業会 科学技術庁原子力局 科学技術庁原子力局 科学技術庁原子力局 科学技術庁原子力局 科学技術庁原子力局 小 峰 海 外 資 料 工 設社社社社 販 建ムム ム出 報 杜社 社線 射 Nature 大 成 オ ー 一一情 報 情 術 元力 術 大学医学部放 技燃 光電 技

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