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マルチファクターモデルの実証的比較 ─自己資本コスト推定への応用上の諸問題─

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Academic year: 2021

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(1)マルチファクターモデルとバリュエーション. マルチファクターモデルの実証的比較 ―自己資本コスト推定への応用上の諸問題―. 竹 原 均 目 1.自己資本コストの推定上の留意事項 2.マルチファクターモデルの新展開 3.リスクファクターの計算. 次 4.モデル説明力の比較 5.ファクター構造の時間変化 6.結論と今後の課題. 本稿では、実証分析において主流となっているポートフォリオベースのマルチファクターモデル群について、 個別モデルの特徴を概観した後に、モデル説明力と妥当性について検証する。ハンセン-ジャガナサン距離を用 いた検証の結果からは、少なくとも日本市場において主要なマルチファクターモデルの全てが棄却されることが 示された。加えて、部分期間でのファーマ-マクベス回帰分析の結果からは、モデルの構造変化の存在も示唆さ れた。したがって、米国での実証分析において使用されているとの理由で、それらのモデルを日本市場において も無批判に使用することは危険であり、マルチファクターモデルの実務での利用に際しては、使用者によるモデ ルの特徴の理解が必須である。. 1.自己資本コストの推定上の留意事項 最初に言っておくが、既存のいかなる方法によ っても、個別銘柄の自己資本コストを適切に推定. このように書くと、一部の実証会計研究者はイ ンプライド資本コストの有用性を主張すると思わ れるが、それは株式価値評価を理解していないと 批判せざるを得ない。. することは不可能である。一方で、何らかの方法. 一例として、Frankel and Lee[1998]の株式. によって問題があるとしても推定を行わない限. 価値評価モデルを考えよう。同モデルでは来期以. り、株式価値評価への入力情報として使用するこ. 降の残余利益が固定額で永続することを仮定する. とはできないわけで、最終的には一番問題が少な. ため、この場合のインプライド資本コスト rEは、. いと考えられる推定方法を選択するしかない。. Earnings-to-Price Ratio(EPR)に一致する(注1)。. 竹原 均(たけはら ひとし) 早稲田大学大学院経営管理研究科教授。1989年筑波大学博士課程社会工学研究科単位取 得退学、同年4月㈱エムティービーインベストメントテクノロジー研究所(現三菱UFJト ラスト投資工学研究所)入社。93年博士(経営工学、筑波大学)。筑波大学社会工学系助 教授、早稲田大学ファイナンス研究科教授を経て16年4月より現職。主な著書にReform and Price Discovery at the Tokyo Stock Exchange from 1990 to 2012(Palgrave Macmillan、15 年、共著)がある。. 8. 証券アナリストジャーナル 2019. 3.

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