204 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(86) コ イズミ小泉ひろみ(昭和3
博士(医学) 乙第1432号平成6年1月21日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
髄液中のガングリオテトラオースシリーズ・ガンダリオシドの発達性変化第1報在胎29週の未熟児から20歳の青年期まで
第II報 満期産低出生体重児における検討 (主査)教授 福山 幸夫 (副査)教授 武田 佳彦,羽生富士夫論 文 内 容 の 要 旨
目的 ガンダリオシド(GS)は神経系の分化,成熟に重要 な役割を果たし,脳内GSの構成は年齢と共に一定の 変化を示すことが知られている.本研究は高感度微量 定量法により響く少量の髄液を用いてそのGS濃度を 測定し,加齢に伴う変化を検討し(第1報),また神経 系の成熟障害が予想される満期産SFD(small-for- dates)児における髄液GSプロフィールを検討した (第II幸艮). 対象と方法 第1報の対象は神経学的異常のない新生児65例,乳 児期以後青年期に至る40例の計105例.新生児はAFD’ (appropriate-for-dates)児で素胎29~32週,33~36週, 満期産の3群に分類.第II報の対象は満期産SFD児 11例で,第1報の新生児3群を対照とした.GS濃度測』 定は薄層クロマトグラフィー・免疫酵素法によった. 髄液1m1を遠沈,上清から糖脂質を抽出,蒸発乾固しア ルカリ水解,透析,凍結乾燥した.これをプレート上 に展開し,抗GA1抗体,二次抗体を添加後,ペルオキ シダーゼ反応を施し,デンシトメーターで各GS濃渡 を測定した. 結果 GMI, GDIa, GT、a, GDlb, GT、b, GQIbの6分画が 検出された.GMIは在胎30週頃から出現,満期までに 急増し,その後5歳まで漸増した後,やや減少.GD1、 は在胎29週頃から生後1歳まで急増し,さらに5歳ま で漸増の後,やや減少.GTIbは在野30週頃から, GQ、b は満期頃からそれぞれ出現,GD、b, GT、b, GQ、bは5歳 頃まで急増した.満期産SFD児の各GS濃度は対照に 比し低値を示し,%分布型は不定で,GS濃度,%分布 型が早産AFD所見と類似している例と,AFD児には ない特異なパターンを示した例があった. 考察 正常の未熟児および満期産新生児ではa一経路ガン ダリオシドであるGM1, GD1。が主要成分で,各々 20%,50%であった.小児・青年期はb一経路のGD、b, GTlb, GQ、bの割合が増し,50%以上を占めた.本研究 で明らかにした髄液GSの発達性プロフィールは,文 献上の脳GS発達パターンとほぼ同様であり,年齢依 存性神経疾患や脳成熟障害の病態生理を検討する上で有用と考えられた.その1例としてSFD児では正常
と異なるパターンを示し,その脳成熟障害の多様性を 示唆する所見を得た. 結語 髄液GSを高感度微量定量法を用いて測定し,その 正常発達曲線を得た.これは脳成熟障害の研究上重要 な基礎資料となるであろう. 一810一205