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第5章
景観重要公共施設の整備に関する事項
1.景観に配慮した公共施設の整備方針
岡山市の景観を構成する様々な要素の中でも、道路、公園、河川などの公共施設は、景観形 成の核と軸となり、都市のイメージを創り上げる上で大きな役割を果たしています。「おかや まの原風景」を活かした景観を創生していくために、公共空間における景観形成を積極的に進 めることにより、行政が先導的な役割を担っていきます。
公共施設の整備にあたっては、「岡山市景観基本計画」及び「岡山市景観デザイン指針」な どに基づき、地域の景観特性を読み込みながら、周辺景観に調和した整備を進めます。
特に、岡山市の都市景観の骨格となる公共施設及び景観形成重点地区の主要な公共施設など は、「景観重要公共施設」に位置づけ、重点的に景観形成に取り組みます。
2.景観重要道路
(1)道路空間の整備
1)主要幹線道路
都市間をつなぐ広域的な幹線道路や市街地を取り囲む環状道路は、市内外の多くの人々 が利用する都市活動の軸であることから、市民が意識しやすい場所であり、岡山のイメー ジを創り上げる景観軸となっています。
道路の整備にあたっては、快適な走行性を確保しつつ、自然地形や土地利用などの周辺 環境に配慮した道路構造とします。また道路空間の緑化に努め、緑のネットワークづくり を推進します。
2)都心内主要道路
商業業務機能が集積する都心内の主要な道路は、都心内を回遊する歩行者軸として歩い て楽しい歩行空間を確保するとともに、都市景観の骨格となる景観軸として風格と賑わい にあふれた道路景観を形成します。
道路空間の整備にあたっては、次に掲げる点に配慮して、道路美装化や無電柱化などの 景観整備を進め、水と緑の都心回廊づくりを進めます。
・誰もが歩きやすい十分な幅員を有する歩道とし、ユニバーサルデザイン化を図り ます。
・街路樹については、道路を特徴づける彩り豊かな空間を創るとともに、その美し
い姿を保つため維持管理に努めます。
・落ち着いた色彩や統一感のある舗装材を使用し、洗練されたデザインの施設整備、 管理により都市の風格を高めます。
・ゴミや落書き、違法な屋外広告物、自転車等の違法駐車がない、快適な道路空間 を確保します。
3)無電柱化の推進
林立する電柱や空中に張り巡らされた電線は、景観を阻害する大きな要因となっており、 電柱や架空線を無くすことは、良好な景観を形成する上で、重要な課題です。
これまで、無電柱化推進計画に基づき、総延長にして約60kmを整備してきました。 今後とも、引き続き無電柱化推進計画に基づき、良好な都市景観の形成や歴史的街並みを 保全する上で、必要な道路について整備を進めます。
(2)路線別の整備方針
1)桃太郎大通り
〈整備の方針〉
桃太郎大通りは、岡山駅前広場から岡山カルチャーゾーンに至る、延長約1.1km、 幅員約50mの岡山を代表する目抜き通りです。沿道には、商業業務機能や都心居住機能 が集積し、沿道の高度利用化された姿は、堂々とした風格が漂う街路景観を形成していま
す。
平成3年に岡山県がシンボルロード整備事業を実施し、広場と形容される幅員10mの 歩道は、地場産の御影石で舗装され、街路樹や彫刻等で修景されており、この道路愛称も
あいまって岡山を印象づけるシンボルロードとなっています。
今後、歩行者の通行機能の向上を図るため、ユニバーサルデザイン化、サインの改善、 花や緑の充実及び自転車駐車対策等を実施します。
桃太郎大通り 標準断面図(現況)
図8 景観重要道路区域図
25 2)市役所筋
〈整備の方針〉
市役所筋は、岡山駅前広場から大供交差点を経て市役所及び水道局に至る延長約1.4 km、幅員約36mの都心を代表する道路です。
市役所筋は、無電柱化や歩道の美装化が行われ、沿道の緑化された公開空地と一体とな って、潤いのある歩道空間が確保されています。中央帯には豊かな植栽が施され、沿道の 高層建築物と一体感を醸し出し、風格と潤いのある街路景観を形成しています。
一方、岡山駅前広場は、平成11年に規模を24,700㎡に拡張して、機能性と拠点 性の向上を図りました。今後は、広場機能の再編と緑化などの取り組みや、駅中央玄関口 などの駅舎の整備により、「晴れの国おかやま」の玄関口にふさわしい魅力的な空間とし て生まれ変わります。
市役所筋は、岡山駅から南へ至る景観の軸となる道路であることから、現在の風格ある 街路景観を保全するとともに、岡山駅前広場との連続性に配慮しつつ、一層の緑のボリュ ームアップや自転車帯の設置、またユニバーサルデザインに配慮した歩道空間の整備など に努め、街路景観の向上と歩いて楽しい通りの形成を図ります。
標準断面図( 現況)
市役所筋 市役所筋沿道のゆとりある空間
3)西川緑道公園筋・枝川筋
〈整備の方針〉
西川・枝川緑道公園の両側市道は、東側幅員約10m、西側幅員約7m、延長約2. 4kmの道路であり、緑道公園とともに緑道公園筋と呼ばれています。
現状では、都心部の南北交通を受け持つ主要な道路として機能しているため、自動車 交通量が多く、特に西側市道において歩行者空間が不足していることから、自動車と歩 行者の錯綜などの問題が生じています。
今後、西川緑道公園及び枝川緑道公園をもっと市民に親しまれる憩いと賑わいの場に 再生するためには、公園、道路及び街並みを一体的に捉えて、総合的な再整備が必要で す。
このため、両側市道の無電柱化を推進するとともに、コミュニティ道路の手法を用い て、自動車の走行速度や通過交通の抑制を図り、歩行者や自動車の安全性を高めるよう な整備を進めます。
またカラー舗装など、道路自体の美装化を図るとともに、公園の再整備と連携して一 体的な歩行者空間を創出し、沿道から公園までの連続性に配慮した整備に努めます。
標準断面図(現況)
西川緑道公園筋
27 4)県庁通り
〈整備の方針〉
県庁通りは、市役所筋から旭川に至る、延長約1.6km、幅員約15mの道路です。 岡山駅前、西川緑道公園そして表町商店街などの賑わいの拠点を結ぶ歩行者軸として、 かつて歩道の美装化や無電柱化が実施され、また歩道にはハナミズキやヤマモモが植え られ、季節感を感じる快適な空間となっています。
近年、沿道では建物の更新に伴いショップや飲食店の立地が進みつつあり、徐々に賑 わいが創出されてきました。
今後は、歩道舗装や街路樹の適切な維持管理に努めるとともに、ゆったりと楽しく歩 け、賑わいあふれる道路景観の形成に努めます。
3.景観重要都市公園
(1)都市公園、緑地及び水辺の整備
1)都市公園、緑地
都市公園や緑地は、市民にとって快適な憩いの空間であり、生活環境に潤いを与える とともに、市街地に自然要素を持ち込んで市街地を修景するなど、景観形成の核として 重要な役割を果たしています。
公園、緑地は、水と緑のネットワークを形成するため、量的な拡大を図るとともに、 その整備にあたっては、街とのつながりや使われ方を考慮して質の高い空間を形成しま す。また、市民がいつでも安心して利用できるよう、市民協働で適正な維持管理に努 めます。
2)水辺
岡山市は南部の干拓地をはじめ数々の水路が張り巡らされ、要所には重厚な取水樋門 が築かれています。そこには、地場産の花崗岩が用いられ、岡山特有の水辺景観が広が
標準断面図(現況)
県庁通り
っています。今後、これらの水路は、西川緑道公園のように親水空間として活用すると ともに、一方では築造時の姿の保全に努めます。
(2)公園別の整備方針
1)西川・枝川緑道公園
〈整備の方針〉
西川・枝川緑道公園は、都心部を南北に約2.4kmにわたり、一部車道を廃止して、
昭和49年から9年の歳月をかけ完成しました。この公園は、西川・枝川用水を利用した 都心の水と緑のオアシスとして、市民に憩いと安らぎの空間を提供しています。このこと から、この公園は、水辺空間を利用したモデルとして全国から高い評価を受けてきました。
約30年を経た今日、緑道公園は水と緑の都心回廊づくりの基点という新しい役割を担 い、もっと市民に親しまれる憩いと賑わいの場とするため、再整備に着手します。再整備 にあたっては、緑道公園、道路及び街並みが一体となった、総合的な取り組みを行います。
緑道公園は、まちに開かれ、まちとつながった水と緑の空間とするため、植栽の整理、 散策路の整備、イベント空間の整備、照明の整備などの改良を加え、昼夜を問わず人々が くつろげる空間づくりを進めます。
また、緑道公園はいつでも管理が行き届き、そしてさまざまなイベントが楽しめる空間 とするため、官民が協働して、創意工夫を凝らしながら管理運営にあたります。
2)岡山後楽園
〈整備の方針〉
日本3名園の一つ、岡山後楽園(公園面積約13.3ha)は、岡山藩主池田綱政の 命によって築庭された、300年もの歴史を誇る回遊式の大名庭園で、江戸時代の姿 を大きく変えることなく現在に伝えられています。園内に配置された広大な芝生園地、 沢の池と曲水、周囲の茶畑と竹林、梅林、茶室などが心安らぐ空間を醸し出し、築山 「唯心山」からは園景が一望でき、「延養亭」から見る操山や芥子山の借景は江戸時代 からの景色を保っており、今後とも官民協働で景観の保全に取り組む必要があります。
昭和27年には文化財保護法による「特別名勝」に指定されており、後世に伝える 歴史的文化遺産として、今後策定する「後楽園保存管理計画(仮称)」に基づき適切に 管理運営等を行っていきます。
西川緑道公園
29 3)烏城公園
〈整備の方針〉
烏城公園は、岡山城の城郭を中心に、旭川及び石山公園を含む約20. 7haの区域です。 城下地下広場を抜け、岡山カルチャーゾーンのエントランスにあたる石山公園に入 ると、視界が開け、旭川のたおやかな流れの中に烏城と後楽園が絵のように目に映り、 岡山の歴史と文化のすばらしさを予感させます。
烏城公園は、岡山の歴史と文化の出発点であり、城郭等の史跡を整備するとともに、 内堀の水質浄化を図ります。また、岡山カルチャーゾーン一帯から烏城の雄姿が望見 できるよう、周辺の植栽等の維持管理に努めます。
石山公園は、人々を岡山カルチャーゾーンへと誘う落ち着いた空間であり、時には イベントが催され人々を楽しませる広場であるなど多様な顔を持つ公園として管理運 営します。
岡山後楽園
石山公園
岡山城(烏城)