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用語説明 WTO= 世界貿易機関 (World Trade Organization) 160 加盟国 地域で モノ サービスの貿易自由化や貿易関連のルール作り ( 知的財産のルール等 ) を行っている 1947 年 GATT として始まり 1995 年 WTO が設立 加盟国は他の全加盟国の同種の

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(1)

TPP協定交渉について

(2)

160加盟国・地域で、モノ・サービスの貿易自由化や貿易関連のルール作り(知的財産のルー

ル等)を行っている。1947年GATTとして始まり、1995年WTOが設立。

加盟国は他の全加盟国の同種の産品に対して同じ関税率を適用(=最恵国待遇)。また、自

国民と他の加盟国の国民,国内で生産されたものと海外で生産されたもの等を区別しない(=

内国民待遇)。

独自の強化された紛争処理システムを備える。

FTAで扱うモノ・サービスに加え、投資の自由化、規制の緩和、制度の調和等、幅広い分野の

一部の国・地域の間だけで、モノ・サービスの貿易をWTOの一般ルールよりも自由化する協定

(=WTOの「最恵国待遇」の例外)。

「実質上すべての貿易」について関税を撤廃する必要がある。(WTOのルール)

WTO=世界貿易機関

(World Trade Organization)

FTA=自由貿易協定

(Free Trade Agreement)

EPA=経済連携協定

(Economic Partnership Agreement)

用語説明

※2014年6月26日にイエメンが正式加盟 し、加盟国・地域は160に拡大。

(3)

「メガFTA」時代の到来

(JETRO「世界貿易投資報告2013」)

○世界のFTA数は2013年7月1日で252件。2000年以降,2001年を除いて毎年10件以上発効

○WTOの停滞を受けて,TPP,RCEP,日EU,TTIP(米EU)の4つのメガFTAが始動。

日本のTPP参加がメガ時代の引き金になる。

○TTIPが世界シェア45%。TPP,RCEP,日EUは各々世界の約3割。日本が参加する3メガFTA合

計で,GDPシェア79.4%,FTAカバー率も73.5%となり,FTAにおけるプレゼンスは一気に拡大。

(4)

PECC試算の概要

○ 経済連携は貿易自由化により、参加国の間では貿易拡大効果。

他方、経済連携協定の非参加国は、輸出市場の喪失やサプライ・チェーンから外れる危

険性。 (参加国と非参加国での「貿易転換効果」)

○ 最近、韓国等がTPPの参加について関心を表明。

(注)数字は、等価変分のGDP比(%)

(出典)経済産業研究所 川崎 研一氏

http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0390.html

経済連携は、非参加国にはマイナスの影響

(5)

オーストラリア

ニュージーランド

中国

韓国

日本

香港

チャイニーズ・タイペイ

パプアニューギニア

ロシア

米国

カナダ

メキシコ

ペルー

チリ

カンボジア

ラオス

ミャンマー

インドネシア

フィリピン

タイ

シンガポール

マレーシア

ベトナム

ブルネイ

インド

APEC

(21エコノミー)

ASEAN

(10カ国)

TPP

(12カ国)

RCEP

(16カ国)

日中韓

FTA

※ ◆ 印の国は、日・ASEAN、中・ASEAN などいわゆるASEAN+1のEPA/FTAを締結している。

※ RCEP: 東アジア地域包括的経済連携 (Regional Comprehensive Economic Partnership)

ASEAN: 東南アジア諸国連合 (Association of Southeast Asian Nations)

APEC: アジア太平洋経済協力 (Asia Pacific Economic Cooperation)

(6)

10,303  14,330  34,528  16,519  5,948  4,365  12,994  19,665  42,337  20,557  8,115  6,698  0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000

地域別1人当たりGDP

2011

2018

APEC only 4

4%

APEC, TPP 5

27%

APEC, TPP, 

RCEP 7

12%

APEC, 

RCEP 5

14%

RCEP only 4

3%

その他

41%

GDPシェア

世界計

=100%

APEC

56%

TPP

38%

RCEP

28%

(US$/人)

日米を除く

10か国平均

日本を除く

15か国平均

○ TPP交渉参加12か国の経済規模は、世界の約4割を占めている(2011年。名目GDPベース)。

(APEC全体では世界の約6割。RCEP交渉参加16か国では世界の約3割弱。)

○ 一人あたりのGDPで見ると、TPP交渉参加12か国平均は、世界平均の約3倍。日米を除く10か国

の平均で見ても約1.6倍となっている。

(RCEP交渉参加16か国平均は、世界平均の約6割。日本を除くと約4割。)

世界平均

TPP交渉参加国経済の特徴(大きくて豊かな経済圏)

(7)

45%

38%

(8)

韓国

交渉中断中

トルコ

交渉中

RCEP

(ASEAN10カ国+日中韓印豪NZ)

アセアン

( A

発効済 ( 0 8 年 1 2 月 )

カナダ

交渉中

コロンビア

交渉中

EU

交渉中

スイス

発効済(09年9月)

TPP

交渉中

マレーシア

発効済(06年7月)

タイ

発効済(07年11月)

シンガポール

発効済(02年11月) 改正(07年9月)

NZ

米国

チリ

発効済(07年9月)

メキシコ

発効済(05年4月) 改正(12年4月)

ペルー

発効済(12年3月)

モンゴル

大筋合意

日中韓

交渉中

インドネシア

発効済(08年7月)

ブルネイ

発効済(08年7月)

フィリピン

発効済(08年12月)

ベトナム

発効済(09年10月)

インド

発効済(11年8月)

GCC諸国

交渉延期 GCC(湾岸協力理事会): サウジアラビア、クウェート、 アラブ首長国連邦、 バーレーン、カタール、 オマーン

豪州

●発効済

(13カ国1地域)

:シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、ASEAN、

フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、豪州

●大筋合意

(1カ国)

モンゴル

●交渉中

(3カ国5地域)

:TPP、EU、RCEP、日中韓、AJCEPサービス・投資章

(実質合意)

カナダ、

コロンビア、トルコ

●その他

(1カ国1地域)

韓国

(交渉中断中)

GCC(湾岸協力理事会)

(交渉延期)

我が国のEPA取組状況

(9)

・日本の主要貿易相手国(米国、EU)とのEPA/FTAの取組が遅れているのに対し,韓国はこれらの国々とのEPA/FTAを積極的に推進。

・日本のFTA比率が23%であるのに対し,米韓は40%,EU30%。

注1:IMF Direction of Trade Statisticsにデータのない台湾は除外して算出。 注2:EPA/FTAの数及びFTA比率には関税同盟、欧州経済領域(EEA)を含む。EUとFTA/EPAを締結している国のうちIMF Direction of Trade Statistics(June 2013)にデータのないアンドラ,サンマリノ,モナコ,パレスチナ,リヒテンシュタインを除いて算出。

表中の注(A:二国間以外の協定,B:現状,C:対象国)

A1:日中韓FTA A2:RCEP A3:TPP A4:EFTA A5:NAFTA A6: 関税同盟

B1:延期 B2:大筋合意 B3:交渉の実質的妥結を宣言 B4:交渉妥結を宣言 B5:中断中 B6:交渉終結に合意 B7:中断中(非公式協議のみ継続中) C1:星・馬・タイ・尼・ブルネイ・比・越 C2:星(◎)・尼・越(△) C3:星 C4:星(◎)・馬(△) C5:星・タイ・越・馬 C6:バーレーン・オマーン(◎)・UAE(△)

各国のEPA/FTAの進捗状況

各国との 個別の取組 各国との 個別の取組

A1,A2 A1,A2 A3 C1 A2 A2,A3 A2,A3 A3 A3 A3 A3 B1 B2

A1,A2 B3 C2 A2 A2,B4 A4 注1 A1,A2 B3 C3 A3 C4 A3 A3 A3,A5 A3,A5 A3 A3 C6 注2 B5 C5 B6 B7 A6

-中国

◎△△

12

韓国 米国

14 40%

◎◎◎

◎◎

◎◎

-

-

△ △ △ ◎

12 40%

37

30

% (域内含 むと 75%)

-EU

△△

△△

-△

◎△

-

-24%

◎ ◎ ◎

◎ ◎

◎ △

◎ △

◎ ◎

日本 韓国 中国 米国 EU

◎ △

FTA比率 (2013年) EPA/ FTAの数 (発効済・ 署名済)

-日本

14 23%

トルコ チリ ペルー コロンビア スイス モンゴル ASEAN インド 豪 NZ カナダ メキシコ GCC

-◎◎

-

--

-◎

-◎

◎ △

-

-

--

◎ ◎

-

○ △

-△

◎ ◎

-

EPA/FTA取組状況:△(交渉中又は交渉入りを宣言),○(署名済),◎(発効済) FTA比率:FTA相手国(発効済国及び署名済国)との貿易額が貿易総額に占める割合。 (注)複数のEPA/FTA交渉に参加している場合は,最も進んでいる取組状況を記載。

(10)

注:自由化率とは、10年以内に関税撤廃するタリフラインの割合。

自由化率

米チリ

(2004年1月

発効)

米国側

97.6%

チリ側

97.7%

米豪

(2005年1月

発効)

米国側

96.0%

豪州側

99.9%

米ペルー

(2009年2月

発効)

米国側

98.2%

ペルー側

99.3%

米韓

(2007年6月

署名)

米国側

99.2%

韓国側

98.2%

米国の締結済FTAにおける自由化の状況

我が国と米国と自由化の状況

我が国の締結済FTAにおける自由化の状況

自由化率

日シンガポール

(2002年11月

発効)

日本側

84.4%

日マレーシア

(2004年7月

発効)

日本側

86.8%

日メキシコ

(2005年4月

発効)

日本側

86.0%

日チリ

(2007年9月

発効)

日本側

86.5%

日フィリピン

(2008年12月

発効)

日本側

88.4%

●米国のFTAの自由化率は、96%以上と我が国に比べ高い。

(11)

広域経済連携(メガFTA)の意義

○新たな国際通商秩序:

(例えれば・・・)

WTO=法令

FTA=契約

○広域経済連携(=まちづくり協定のように多様なルール)

通商協定を超えた包括的ルールの確立

○二国間FTAと違い、締約国の数と多様性(資源国から生産国、

消費国まで)からグローバル・サプライ(バリュー)チェーンに与え

る影響大。(原産地規則等)⇒「貿易創出効果」

○特に、基幹部品生産国、サービス供給国である我が国にとって

メリット大。

(12)

「日本再興戦略-未来への挑戦-」(2014年6月閣議決定)

≪成果目標≫

◆2018年までに、FTA比率70%(2012年:18.9%)を目指す

◆2020年までに中堅・中小企業等の輸出額2010年比2倍を目指す

○施策の主な進捗状況

(日豪EPAの大筋合意など、各国との経済連携交渉において前進)

・経済連携については、本年1月に日トルコ間でEPAの交渉開始につき合意、4月には日豪

EPAについて大筋合意に至った。また、4~5月の総理訪欧時には、日EU・EPAに関し、2015年

の大筋合意を目指したいとの考えを伝え、欧州各国及びEUの首脳との間で早期締結の重要

性につき一致した。TPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉については、4月に日米間で二

国間の重要な課題について前進する道筋を特定し、5月に開催されたTPP閣僚会合では、閣

僚間で交渉全体の進捗を評価するとともに、各国間の二国間交渉を加速した。

○新たに講ずべき具体的施策

経済連携交渉については、国益を最大化する形でのTPP交渉の早期 妥結に向けて引き続き

取り組むとともに、世界全体の貿易・投資ルールづくりの前進を通じて我が国の対外経済関

係の発展及び国内の構造改革の推進を図るべく、RCEP、日中韓FTA、日EU・EPAなどの経済連

携交渉を同時並行で戦略的かつスピード感を持って推進していく。また、締結された協定の活

用を促進し、企業の積極的な海外展開を促す。

(13)

2006年 シンガポール、NZ、チリ、ブルネイから成るP4協定が発効。 2008年 米国が交渉開始意図表明。 2009年 米国、TPP協定交渉への参加を議会通知。 2010年 (交渉会合を4回開催) 3月 第1回会合でP4協定加盟の4カ国に加え、米、豪、ペルー、ベトナムの8カ国で交渉開始。 10月 菅総理(当時)所信表明演説 「環太平洋パートナーシップ協定交渉等への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指します。」 第3回会合でマレーシアが交渉参加。計9カ国に。 11月 APEC首脳会議(於:横浜):菅総理(当時)記者会見、「関係国との協議を開始するその姿勢を明確にしたところ」 2011年 (交渉会合を6回開催) 11月 APEC首脳会議(於:ホノルル):野田総理(当時)、交渉参加に向けた関係各国との協議を開始する旨表明。 メキシコ、カナダ、交渉参加に向けた協議開始の意向表明。 2012年 (交渉会合を5回開催) 1-2月 交渉参加9カ国と協議⇒米、豪、NZを除く6カ国は我が国の 交渉参加を支持。 4月 日米首脳会談で、オバマ大統領から、自動車、保険、牛肉について関心の表明あり。 6月 交渉参加9カ国、メキシコ、カナダの交渉参加支持表明。 10月 両国の交渉参加に関する9カ国の国内手続が終了。計11カ国に。(※実際の交渉会合への参加は11月) 11月 オバマ大統領再選後、ASEAN関連首脳会議の際の日米首脳会談で、協議の加速化で一致。 東アジアサミットの折のTPP首脳会議で、参加7か国の首脳は2013年中の交渉妥結を目指すことに合意。 2013年 2月 日米首脳会談で、日米の共同声明を発出。 3月 第16回会合(於:シンガポール)、安倍総理「交渉参加」表明。 4月 日米協議合意、交渉参加11カ国が日本の交渉参加支持表明。 5月 第17回会合(於:ペルー) 7月 第18回会合(於:マレーシア) 7月23日、交渉参加11カ国の国内手続が終了し、日本が正式に交渉参加。 8月 TPP閣僚会合、第19回会合(於:ブルネイ) 10月 TPP首脳会合、閣僚会合(於:バリ) 12月 TPP閣僚会合(於:シンガポール) 2014年 2月 TPP閣僚会合(於:シンガポール) 4月 日米首脳会談、閣僚協議(於:東京) 5月 TPP閣僚会合(於:シンガポール) 7月 TPP首席交渉官会合(於:オタワ) 9月 TPP首席交渉官会合(於:ハノイ) 10月 TPP閣僚会合(於:シドニー) 11月 TPP首脳会合、閣僚会合(於:北京) 12月 TPP首席交渉官会合(於:ワシントン)

これまでのTPP関連の動き

(14)

TPPの意義

○世界のGDPの約40%、全貿易額の3分の1

(出典:2013年4月20日 TPP閣僚会合に関する共同声明)

○2013年4月21日甘利大臣声明

TPP交渉への参加は、アジア太平洋地域の成長を日本に取り込むことにつなが

るものであり、我が国の成長戦略の柱である。我が国が他のTPP参加国とつくって

いく新たな経済秩序は、単にTPPの中だけのルールにとどまらず、東アジア地域包

括的経済連携(RCEP)など他の地域経済連携と併せ、より大きな構想であるアジア

太平洋自由貿易圏(FTAAP)において、アジア太平洋地域の新たな貿易・経済活動

のルールの礎となる。

そして、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値観を共有す

る国々と共に、アジア太平洋地域における新たなルールをつくりあげていくことは、

日本の国益となるだけでなく、必ずや世界に繁栄をもたらすものと期待している。

世界第三位の経済大国である日本が一旦交渉に参加すれば、必ず重要なプレイ

ヤーとして、新たなルールづくりを主導していくことができると確信している。

(15)

TPPの特徴(21世紀型)

○包括的(Comprehensive)

物品だけではなく、投資・サービス・政府調達なども

含めた市場アクセス。ルールの分野も含め幅広い。

○WTOプラス

High Standard、野心的

○WTOの枠組みを超える

従来型の通商協定でカバーされていない政策分野

(環境、労働、 国有企業等)

(16)

グローバル・バリューチェーン(GVC)

○「第1のアンバンドリング」:産業単位の国際分業

(リカードゥ・モデル)

○「第2のアンバンドリング」:商品開発、生産工程、販売

等のすべてがクロスボーダー

→On the borderから Behind the border へ施策重点がシフト

Baldwinの「スマイルカーブ」(価値連鎖)

Source:

R. Baldwin

JETRO/WTO

2013.7

(17)

グローバル・バリューチェーンの展開に向けたTPPの効果

○市場アクセスの拡大

○貿易・投資ルールの明確化

→海外事業展開における不確実性の除去

○知的財産、金融、環境、労働に関するルールの明確化

→海外の事業パートナーとの信頼構築、リスク低減

○金融・情報(コンサルティング等)・流通関係企業等の

活動円滑化 →海外事業展開を支援

(18)

FTAの広域化:最適なサプライチェーンの構築

FTAの広域化:最適なサプライチェーンの構築

●生産工程の分業が進むと、1か国で原産地規則を満たすことが困難になる。

●広域FTAであるTPPにおいて、複数の締約国における付加価値・工程の足し上げを可能

にするルールが実現すれば(「累積ルール」)、より多様な生産ネットワークに対してFTAを

活用することが可能となり、日本企業の最適な生産配分・立地戦略の実現が可能になる。

広域FTA域内の

C国に輸出

(19)

GVCの展開促進による「バリュー」の増進:win-winの連携

世界の食の市場規模(加工+外食)

(20)

両政府は,日本が環太平洋パートナーシップ(TPP)交渉に参加する場合には,

全ての物品が交渉の対象とされること,及び,日本が他の交渉参加国ととも

に,2011 年11 月12 日にTPP首脳によって表明された「TPPの輪郭(アウトライ

ン)」において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことになること

を確認する。

日本には一定の農産品,米国には一定の工業製品というように,両国ともに二

国間貿易上のセンシティビティが存在することを認識しつつ,両政府は,最終的

な結果は交渉の中で決まっていくものであることから,TPP交渉参加に際し,

一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるも

のではないことを確認する。

両政府は,TPP参加への日本のあり得べき関心についての二国間協議を継続

する。これらの協議は進展を見せているが,自動車部門や保険部門に関する

残された懸案事項に対処し,その他の非関税措置に対処し,及びTPPの高い

水準を満たすことについて作業を完了することを含め,なされるべき更なる作

業が残されている。

平成25年2月22日

日米の共同声明(2103年2月22日)

(21)

安倍総理大臣スピーチ(2014年5月22日)

いまは、TPPに、大きな期待を託しています。

深くて広い市場、ルールと、法の支配を尊ぶダイ

ナミックなマーケットをこしらえることは、高度に発

達した民主主義と産業をもつ日本に課された、責

任でもあると思います。交渉には、いままでとは次

元の違う勢いを、もたらしたいと思っています。

TPPのさらにその先には、RCEPやFTAAPという課

題が控えています。

いまや、大きく踏み出す時が来たのだと思います。

それを私は、確固たる日本の進路だと信じて疑

いません。

(第20回国際交流会議「アジアの未来」)

(22)

TPP交渉で扱われる分野

(1)物品市場アクセス (作業部会としては、農業、 繊維・衣料品、工業) 物品の貿易に関して、関税の撤廃 や削減の方法等を定めるとともに、 内国民待遇など物品の貿易を行う 上での基本的なルールを定める。 (2)原産地規則 関税の減免の対象となる 「締約国の原産品(=締約国 で生産された産品)」として認 められる基準や証明制度等 について定める。 (3)貿易円滑化 貿易規則の透明性の向 上や貿易手続きの簡素 化等について定める。 (4)SPS(衛生植物検疫) 食品の安全を確保したり、 動物や植物が病気にかか らないようにするための措 置の実施に関するルール について定める。 (5)TBT(貿易の技術的障害) 安全や環境保全等の目的か ら製品の特質やその生産工程 等について「規格」が定められ ることがあるところ、これが貿 易の不必要な障害とならない ように、ルールを定める。 (6)貿易救済(セーフガード等) ある産品の輸入が急増し、国内 産業に被害が生じたり、そのおそ れがある場合、国内産業保護のた めに当該産品に対して、一時的に とることのできる緊急措置(セーフ ガード措置)について定める。 (7)政府調達 中央政府や地方政府等に よる物品・サービスの調達に 関して、内国民待遇の原則や 入札の手続等のルールにつ いて定める。 (8)知的財産 知的財産の十分で効果 的な保護、模倣品や海賊 版に対する取締り等につ いて定める。 (9)競争政策 貿易・投資の自由化で 得られる利益が、カルテル 等により害されるのを防ぐ ため、競争法・政策の強 化・改善、政府間の協力 等について定める。 サービス (1 0)越境サービス 国境を越えるサービスの提 供(サービス貿易)に対する無 差別待遇や数量規制等の貿 易制限的な措置に関するルー ルを定めるとともに、市場アク セスを改善する。 サービス (14)電子商取引 電子商取引のための環 境・ルールを整備する上 で必要となる原則等につ いて定める。 (15)投資 内外投資家の無差別原 則(内国民待遇、最恵国 待遇)、投資に関する紛争 解決手続等について定め る。 (16)環境 貿易や投資の促進のために 環境基準を緩和しないこと等を 定める。 (11)一時的入国 (12)金融サービス (13)電気通信 貿易・投資等のビジ ネスに従事する自然 人の入国及び一時的 な滞在の要件や手続 等に関するルールを 定める。 金融分野の国境 を越えるサービス の提供について、 金融サービス分野 に特有の定義や ルールを定める。 電気通信の分野に ついて、通信インフ ラを有する主要な サービス提供者の義 務等に関するルール を定める。 (17)労働 貿易や投資の促進のため に労働基準を緩和すべきで ないこと等について定める。 (18)制度的事項 協定の運用等について当事国間 で協議等を行う「合同委員会」の設 置やその権限等について定める。 (19)紛争解決 協定の解釈の不一致等 による締約国間の紛争を 解決する際の手続きにつ (20)協力 協定の合意事項を履行 するための国内体制が不 十分な国に、技術支援や (21)分野横断的事項 複数の分野にまたがる規制 や規則が、通商上の障害にな らないよう、規定を設ける。

1.高い水準の自由化が目標

アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に向けた道筋の中で実際に交渉が開始されており、アジア太平洋地域における高い水準の自由化が目標。

2.非関税分野や新しい分野を含む包括的な協定

FTAの基本的な構成要素である物品市場アクセス(物品の関税の撤廃・削減)やサービス貿易のみではなく、非関税分野(投資、競争、知的

財産、政府調達等)のルール作りのほか、新しい分野(環境、労働、「分野横断的事項」等)を含む包括的協定として交渉されている。

TPPの基本的考え方

(出典:2012年9月に発出された「TPP貿易閣僚による首脳への報告書」等)

(23)

分野別交渉の概要

<1.物品貿易(☆*1)>

○ 物品の貿易に関して、市場アクセスの改善に向けた関税等の取扱いについて

議論するとともに、内国民待遇など物品の貿易を行う上での基本的な規律につ

いて議論。

より自由で公正な貿易を行える環境を整えるため、関税等の取扱いや内国民

待遇等のルールについて議論を行っている。

4月の日米首脳会談において、日米間の重要な課題について解決の道筋が見

えたことで、TPP交渉全体に新たなモメンタムが生み出され、市場アクセスに関

する各国の交渉は加速している。

我が国からも各国の市場アクセスオファーに対する改善リクエストを出すととも

に、ルール面でも内国民待遇等の義務がより広範に適用されるべく議論を行って

いる。

<2.競争政策及び国有企業>

○ 競争法・競争政策の強化・改善、政府間協力、国有企業と民間企業との競争

条件等に関する規律について議論。

カルテル等が行われると、貿易・投資の自由化で得られる利益が害される恐れ

があるため、競争政策を強化、改善することが必要である。また、国有企業に対

して政府による過度のサポートがあると民間企業との間で対等な競争条件が確

保されなくなってしまう。とりわけ、途上国においては国有企業が経済活動の大き

な部分を占めており、国有企業に対して一定のルールを課すことが重要。

国有企業については、規律を課すべき国有企業の範囲(例外の範囲)、政府に

(24)

分野別交渉の概要

<3.知的財産>

○ 特許権や著作権等の保護、模倣品や海賊版に対する取締り等に関する規律

について議論。

知的財産が適切に保護されていなければ、安心して経済活動を行うことができず、

利益を適正に上げることもできなくなり、新たなイノベーションを生み出すインセンティ

ブが削がれることにもなりかねない。我が国は高い水準の知的財産保護制度を有し

ており、これをアジア太平洋地域に広げることの意義は非常に大きい。

著作権保護期間、医薬品のデータ保護期間、地理的表示(GI)等について議論を

行っている。

<4.環境>

○ 貿易・投資促進のために環境基準を緩和しないこと等に関する規律について

議論。

貿易や投資の促進と環境保全を両立させようという、21世紀型の分野。

国有企業、知的財産と並んでもっとも難航している分野の一つとされている。そもそ

も環境については、WTOの世界とは別に様々な国際条約が存在し、それも伝統的な

自然環境に関するものから、近年の新しい分野である生物多様性など、まさに多様な

条約があり、それらとの関係の整理などの論点が残っている。

(25)

分野別交渉の概要

<5.労働>

○ 貿易・投資促進のために労働基準を緩和しないこと、国際的に認められた労

働者の権利の保護等に向けた規律について議論。

不当な労働条件で労働者を雇用し経済活動をすることが認められれば、雇用

に係る厳しい規制を課せられている国の企業は対等な条件で競争することがで

きなくなってしまう。

国際労働機関(ILO)の労働基本権を遵守する、貿易・投資促進のために労働

基準を緩和しないといったルールについて議論を行っている。

<6.投資(☆*1)>

○ 内外投資家の無差別原則や投資家対国の紛争解決手続(ISDS)の扱い等に

関する規律と共に、市場アクセスの改善(*2)について議論。

投資家保護に係るルール等を定めるとともに、なるべく自由に投資活動ができ

るようにすることにより、TPP域内におけるグローバルバリューチェーンの構築が

より一層促されることとなる。

投資アクセスの自由化、内外投資家の無差別原則、違法な収用や特定履行要

求の禁止等について議論されている。ISDS は、投資家による予見可能性を確

保することで投資を促進すること、協定内容の履行を担保すること等の観点か

ら、これまで各国が締結した多くの投資関連協定においてこの条項が盛り込まれ

ている。国の主権を損なうような形でISDSが導入されるようなことがないよう留

意しつつ交渉に当たっている。

(26)

分野別交渉の概要

<7.サービス(越境サービス・金融サービス)(☆*1)>

○ サービスに係る規律と共に、市場アクセスの改善(*2)について議論。

自由で公正なサービス産業のマーケットを構築することは、我が国サービス産

業の海外展開を促進するとともに、途上国の国民の生活水準の向上にもつなが

るものである。

国境を越えるサービスの提供に対する無差別待遇や数量規制等の貿易制限

的な措置に関するルールを定めるための議論が行われている。

金融分野の国境を越えるサービスの提供については、金融サービス分野に特

有の定義やルールを定めることが必要であることから、独自に章立てして議論が

行われている。

<8.政府調達(☆*1)>

○ 政府による物品・サービスの調達に関する内国民待遇原則や入札手続等に

関する規律と共に、市場アクセスの改善について議論。

新興国の政府調達市場を開放することにより、新興国のインフラ市場等に我が

国企業が参入する機会が増えるものと期待される。

既存のWTOの政府調達協定(GPA)に入っている日本、アメリカ、カナダ、シン

ガポールの4ヶ国以外の国に政府調達市場を開放することを求めるという構図に

なっており、我が国がTPP参加によって大きなメリットを受ける分野の1つとなっ

ている。 我が国はこの分野では開放が進んでいる国であり、攻めの分野となっ

ている。

(27)

分野別交渉の概要

<9.一時的入国(☆*1)>

○ ビジネス関係者の入国、一時的な滞在の手続等に関する規律と共に、滞在

要件等の改善について議論。

一定の要件を満たせばビジネス関係者が入国、滞在できることが予め明らか

になっていれば、安心して貿易・投資等の経済活動を行うことができる。

各国はビジネスに従事する自然人の入国及び一時的滞在の要件等について

オファーを行い、それに対して追加、修正等をリクエストする形で交渉が進んで

いる。

<10.電子商取引>

○ デジタル・プロダクトに対する無差別待遇等、電子商取引の環境を整備する

ための規律について議論。

電子商取引市場は急成長しており、今後も市場の拡大が見込まれる分野であ

るとともに、中小企業が国際展開を図るに当たり有効に活用できるツールであ

る。電子商取引には通常のモノの取引とは違った特有の取引形態があるため、

同分野独自のルールを定めることによって、取引の円滑化を図る必要がある。

デジタル・プロダクトに対する関税の扱い、無差別待遇、自由な情報流通の確

保等の電子商取引の環境を整備するためのルールについて議論が行われてい

(28)

分野別交渉の概要

<11.SPS(衛生と植物防疫のための措置)>

○ 食品の安全を確保し、動植物の病害を防止するための措置の実施に関する

規律について議論。

SPSは、Sanitary and Phytosanitary Measures(衛生と植物防疫のための措

置)で、検疫だけでなく、最終製品の規格、生産方法、リスク評価方法など、食品

安全や、動植物の健康に関する措置(SPS措置)を対象としているもの。

WTO協定の附属書の1つとしてSPS協定が既にあり、大枠としてはそれを踏

まえた議論がなされている。食の安全に関する我が国の制度の変更を求められ

るような議論は行われていない。

<12.TBT(貿易の技術的障害)>

○ 安全や環境保全等の目的から定められる、製品の特質やその生産工程等に

ついての規格や基準に関する規律について議論。

本来安全や環境保全等の目的で定められる規格や基準が円滑な貿易を阻害

する効果をもたらすことがあるため、規格等が貿易の不必要な障害とならないよ

うにルールを定める必要がある。

WTO協定の付属書の1つとしてTBT協定というものが既にあり、大枠としては

それを踏まえた議論が行われている。

(29)

分野別交渉の概要

<13.原産地規則>

○ 累積のルールを含め、TPP協定上適用される関税率の対象となる「締約国で

生産された産品」として認められる基準や原産品であることを証明するための証

明制度等に関する規律について議論。

原産地=物品の「国籍」を決定するためのルールである。現在は、複数の国に

またがって生産が行われる物品が数多く存在することから、関税政策等の適用・

不適用が物品の原産地に依存する場合が多いので、ルールを決める必要があ

る。部品調達や生産ネットワークのグローバルサプライチェーンが進展する中で、

各国の原産地規則がバラバラであると、それ自体自由貿易の流れを阻害しかね

ない。たとえば同一物品の原産地が仕向け国によって異なるといった不合理な事

態が発生し、貿易活動の予見可能性を低下させる。したがって、TPPのような比

較的多くの国が参加する地域協定でこのルールを共通化することの意味は非常

に大きい。原産地規則の共通ルール化により、TPP参加国間で生産、サプライ

チェーンを促進し、大企業だけではなく中小企業もより活動しやすくなる。

原産地規則は、テキスト本文に記載される基本的ルールの部分とPSR

(Product Specific Rules)という個別品目毎のルール決めがあるが、PSRはまだ

相当数の品目について議論が残っている。

(30)

分野別交渉の概要

<14.電気通信サービス>

○ 通信インフラを有する主要な電気通信サービス提供者への義務等について議

論。

主要な電気通信サービス提供者の通信インフラへの接続ルール等を整備し、

新興国においても新規参入を容易とすることで、TPP域内において安価で質の

高い電気通信サービスの提供が可能となる。

相互接続、コロケーション(既存の電気通信設備への第三者による設備設置)

等のルールが議論の対象。

<15.中小企業>

○ 中小企業がTPPを活用するために必要な情報の提供や中小企業にとってのT

PPの有用性に係る定期的なレビュー等について議論。

TPPは中小企業の国際展開にも大いに貢献するツールであることから、中小

企業がTPPの恩恵を十分に享受できるようなサポート体制を構築する必要があ

る。

中小企業がTPPを活用するために必要な情報の提供方法や、協定発効後にT

PPが中小企業にとって有効に機能しているかを定期的にレビューする仕組みの

創設等について規定される。

(31)

分野別交渉の概要

※1:☆は、ルールと市場アクセス双方に関わる分野。

※2:投資、サービスの市場アクセスは、NCM(非適合措置:協定の義務の例外とす

る各国の国内措置)として議論。投資、サービスについて、一定の規制を留保する

もの、つまり自由化しないものをネガティブリスト方式で書き出して、国ごとの留保

表について交渉している。基本は、提出された留保表について各国が削除、修正

をリクエストする形で議論が進んでいる。我が国からも大量のリクエストを各国に出

している。

(32)

シンガポール閣僚会合の概要(2014年2月)

○ 今回の閣僚会合では、各分野に残された課題の解決を目指し、SP

S、投資、金融サービス、法的・制度的事項、国有企業、電子商取

引、市場アクセス(物品、繊維、サービス・投資、金融サービス、政府

調達、一時的入国)、原産地規則、貿易円滑化、知的財産、環境、労

働について全体会合で議論を行った。

○ また、全体会合に加え、マレーシア、ベトナム、オーストラリア、ブルネ

イ、シンガポール、米国、カナダ、ペルー、ニュージーランド、メキシコ

とのバイ会談も行い、二国間の懸案事項について協議を行った。

○ ルール分野については、これまで難しい課題が残されていた分野を

含め、多くの分野で大きな進展があった。また、交渉官に対し、課題

の解決へ向けた具体的指示が出された。

○ 市場アクセスについては、各国が二国間交渉を通じ、物品だけでな

く、サービス、投資、政府調達、一時的入国など市場アクセス全般に

わたって精力的に交渉を進めた。我が国も、すべての国と二国間交

渉を行い、実質的な協議を進めた。

(33)

シンガポール閣僚会合の概要(2014年2月)

○ 農産品のいわゆる「重要5品目」については、一連の二国間交渉や

全体会合の場で、我が国には衆参農水委員会の決議があり、セン

シティビティがあることを粘り強く説明し、各国の理解を求めた。

○ また、TPPは、モノの関税撤廃だけではなく、サービス、投資、政府

調達、一時的入国といった市場アクセス全般、更にはルール分野も

含めた幅広い交渉であり、交渉分野全体で、包括的でバランスのと

れた合意を目指すべきだという我が国の考え方を繰り返し強調し

た。

○ 日米間では、甘利大臣とフロマン代表が二度にわたり会談を行い、

その間、事務レベルでも折衝を続けた。双方の立場にはまだ隔たり

があるが、閣僚同士の会談を通じて議論が深まった。日米間の懸

案の解決へ向け、事務レベルで引き続き折衝を続ける。

○ 今次会合を通じ、各国が抱える政治的困難に配慮しながら、アジア

太平洋地域に21世紀型の新たな経済連携協定を共に作るという共

通の機運と信頼関係が醸成された。交渉は最終局面を迎えており、

我が国としては、早期妥結に向け、引き続き関係国とともに最大限

(34)

日米共同声明(該当部分抜粋)(2014年4月25日)

日米両国はまた,貿易自由化を前進させ,経済成長を促進するた

め,多国間の金融及び経済フォーラムにおいて緊密に連携する。両

国の共同の取組は,自由で,開かれ,透明であり,技術革新を推進

する国際的な経済システムを支持することに基づいている。経済成

長を更に増進し,域内の貿易及び投資を拡大し,並びにルールに

基づいた貿易システムを強化するため,日米両国は,高い水準で,

野心的で,包括的な環太平洋パートナーシップ(TPP)協定を達成

するために必要な大胆な措置をとることにコミットしている。本日,両

国は,TPPに関する二国間の重要な課題について前進する道筋を

特定した。これは,TPP交渉におけるキー・マイルストンを画し,より

幅広い交渉への新たなモメンタムをもたらたすことになる。両国は

全てのTPP交渉参加国に対し,協定を妥結するために必要な措置

をとるために可能な限り早期に行動するよう呼びかける。このような

前進はあるものの,TPPの妥結にはまだなされるべき作業が残さ

れている。

(35)

日米共同声明(該当部分抜粋)(2014年4月25日)

The United States and Japan also coordinate closely in multilateral 

financial and economic fora to advance trade liberalization and 

promote economic growth.  Our joint efforts are grounded in support 

for an international economic system that is free, open, and 

transparent, and embraces innovation.  In order to further enhance 

economic growth, expand regional trade and investment, and 

strengthen the rules‐based trading system, the United States and 

Japan are committed to taking the bold steps necessary to complete 

a high‐standard, ambitious, comprehensive Trans‐Pacific Partnership 

(TPP) agreement.  Today we have identified a path forward on 

important bilateral TPP issues. This marks a key milestone in the TPP 

negotiations and will inject fresh momentum into the broader talks.  

We now call upon all TPP partners to move as soon as possible to 

take the necessary steps to conclude the agreement.   Even with this 

step forward, there is still much work to be done to conclude TPP. 

(36)

北京会合の結果概要(2014年11月)

1.閣僚会合

○ 全体会合において、交渉の現状の評価を行い、昨年の首脳会合以来交渉が大

きく進展してきたという認識で一致。閣僚は、残された課題の数が絞られ、終局が

明確になりつつあることを受けて、妥結に向けて交渉を前進させることに強くコミット

した。

〇 今後の交渉の進め方についても議論し、交渉のプロセスを加速し、残された課題

について合意するための共同作業計画を策定した。

〇 ニュージーランド・グローサー大臣、オーストラリア・ロブ大臣とバイ会談を行い、

二国間の残された懸案事項等について議論を行った。

2.首脳会合

〇 閣僚からの報告を受け、過去数ヶ月間で交渉が「大きく進展」し、交渉の終局が

明確になりつつあるとの認識を首脳間で共有した。

〇 困難な課題が残っていることを認識しつつ、野心的かつ包括的でバランスの取れ

た高い水準の協定を実現することに首脳が引き続きコミットすることで一致した。

〇 早期妥結に向けて閣僚及び交渉官に、この協定を妥結することを最優先とする

よう首脳の指示が出された。

(37)

北京会合 首脳声明(2014年11月)

環太平洋パートナーシップ首脳声明(仮訳)

2014年11月10日

我々、オーストラリア、ブルネイ・ダルサラーム、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーラン

ド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムの首脳は、閣僚から我々に報告があった通り、この画期的な環

太平洋パートナーシップ(TPP)交渉を妥結へと導く過去数か月の大きな進展を歓迎する。我々は、閣僚及

び交渉官が、昨年バリで我々が与えた指示に従って、協定の条文案の残された懸隔を狭め、相互に市場

を開放するための野心的かつバランスの取れたパッケージの完成に集中的に取り組んでいることに勇気

づけられている。終局が明確になりつつあることを受けて、我々は、閣僚及び交渉官に対し、企業、労働

者、農業従事者及び消費者ができる限り早期にTPP協定による実際の実質的利益を享受し始めることが

できるように、この協定を妥結することを最優先とすることを指示した。

我々は、交渉を妥結させるために交渉団を集める際に、最終的な協定が、各国における経済の競争力を

強化し、イノベーションと企業家精神を奨励し、経済の成長と繁栄を促進し、及び雇用の創出を支援する、

野心的、包括的、高い水準かつバランスの取れた協定という我々の共通の構想を、反映することを確保す

ることに引き続きコミットしている。我々は、協定の利益が持続可能で、幅広く、及び包括的に開発の促進

に役立つこと、並びに協定が各国の発展段階の多様性を考慮することを確保することに従事している。

我々が策定しているオープンな取り組みが地域全体に更に幅広く拡大すれば、TPPが各国それぞれにも

たらす利益は更にもっと拡大し得る。我々は、TPPの高い水準を採択する準備ができている他の域内の

パートナーを加入させ得るTPPの仕組みに引き続きコミットし続ける。

このプロセス全体を通じての我々の閣僚に対する基本的な指示は、各国それぞれに可能な限り最大の利

益を生み出す成果を得ることであった。各国政府は、それを達成するため、各国がステークホルダーから

受け取ったインプットを交渉に反映させる作業を行ってきた。継続的な協議は、閣僚が交渉において残さ

れた課題を解決するために作業を行う際に重要であろう。

(38)

北京会合 首脳声明(2014年11月)

Trans‐Pacific Partnership Leaders’ Statement

November 10, 2014

We, the Leaders of Australia, Brunei Darussalam, Canada, Chile, Japan, Malaysia, Mexico, New Zealand, Peru, 

Singapore, United States, and Vietnam, welcome the significant progress in recent months, as reported to us by 

our Ministers, that sets the stage to bring these landmark Trans‐Pacific Partnership (TPP) negotiations to 

conclusion.  We are encouraged that Ministers and negotiators have narrowed the remaining gaps on the legal 

text of the agreement and that they are intensively engaging to complete ambitious and balanced packages to 

open our markets to one another, in accordance with the instructions we gave them in Bali a year ago.  With the 

end coming into focus, we have instructed our Ministers and negotiators to make concluding this agreement a 

top priority so that our businesses, workers, farmers, and consumers can start to reap the real and substantial 

benefits of the TPP agreement as soon as possible.

As we mobilize our teams to conclude the negotiations, we remain committed to ensuring that the final 

agreement reflects our common vision of an ambitious, comprehensive, high‐standard, and balanced agreement 

that enhances the competitiveness of our economies, promotes innovation and entrepreneurship, spurs 

economic growth and prosperity, and supports job creation in our countries.  We are dedicated to ensuring that 

the benefits of the agreement serve to promote development that is sustainable, broad based and inclusive, and 

that the agreement takes into account the diversity of our levels of development.  The gains that TPP will bring to 

each of our countries can expand even further should the open approach we are developing extend more broadly 

throughout the region.  We remain committed to a TPP structure that can include other regional partners that are 

prepared to adopt its high standards.  

Our fundamental direction to our Ministers throughout this process has been to negotiate an outcome that will 

generate the greatest possible benefit for each of our countries.  In order to achieve that, our governments have 

worked to reflect the input we each have received from our stakeholders in the negotiation.  Continued 

(39)

我々は、協定による最大限の利益を確保し、TPPを他の貿易協定と区別し、各 国経済の競争力を地域的及び世界的に大きく向上させるという、首脳が明示し たTPPの目的の達成に向けた進展を検討してきた。 包括的な市場アクセス 閣僚及びTPP参加12か国の交渉団は、相互の物品市場に包括的かつ商業的 に意味のあるアクセスを提供し、同時に、サービス、投資、金融サービス、経済 人の一時的入国及び政府調達に関する制限を取り除く、野心的、高い水準かつ 無税の市場アクセスのパッケージという目標を達成することに継続して専念する。 ・物品市場アクセスについては、TPP参加国は、相互の関税パッケージを完成さ せるために作業を行っている。各国間の貿易は、既に世界の貿易全体の約3 分の1を占めているが、我々は、我々の企業、労働者、消費者の機会を更に増 やすことのできる、野心的な市場開放の成果を追求している。この目標を達成 するための取り組みは、多くの国の間で大きく進展しているが、いくつかの品目 の取り扱いやいくつかの国について作業が残されている。我々は、首脳が設定 した野心の目標が満たされ、及び各国にとって持続可能かつ商業的に意味の ある市場アクセスをもたらす成果を達成することを確保する一方、これらの品 目に対処する方法を見つけることに重点的に集中して取り組んでいる。 ・サービス、投資、金融サービス、政府調達、経済人の一時的入国の市場アクセ スについても、作業は継続している。各国間のサービス貿易は、既に世界の サービス貿易の約3分の1を占めており、閣僚は、これらの分野における市場 の自由化が、効率、競争及びTPPの完全な利益を実現し得ることを確保する ために必要となる経済基盤の開発を促進する上で果たし得る重要な役割を認 識する。我々は、また、貿易のフロー及び地域のサプライチェーンを促進する 上で重要な役割を担うと認識している投資に対する障壁を撤廃することを求め るというコミットメントを大きく進展させ、公共の利益のための政府の規制権限 を維持するための、新しく、かつ強固な保護基準と両立させることに合意した。 我々は、昨年以来、これらの課題に関するパッケージの完成に更に大きく近づ いてきたが、首脳の目的と整合的な全ての国にとっての高い水準の成果を確 保するために、いくつかの重要な作業が残されている。 環太平洋パートナーシップ貿易閣僚による首脳への報告書(仮訳) 2014年11月10日 TPP交渉参加12か国の閣僚及び交渉団は、昨年開催された前回のTPP首脳 会合以来、昨年バリで首脳から与えられた指示に従って、歴史的、野心的、包 括的で、バランスが取れており、かつ高い水準のTPP協定を妥結へと導く大き な進展を達成してきた。我々は、過去数か月にわたり、各国間の残された課題 を解決するための共同作業に専念してきており、その作業の結果として、今や 残された課題の数は絞られ、進展のペースは加速してきた。閣僚は、終局が明 確になりつつあることを受けて、妥結に向けて交渉を前進させることに強くコミッ トしている。我々の決意は、各国間の貿易投資を更に増加させ及び21世紀の グローバル経済において企業、労働者、農業従事者が直面する課題に対処す るための高い水準のルールを設定する次世代の、かつ変革可能な協定の策定 が首脳の共通の構想であり、かつ共同のコミットメントであるとの認識に立脚し ている。我々は、また、TPPが各国におけるイノベーションを奨励し、競争力を 強化し、経済の成長と繁栄を促進し、雇用創出を支え、及び協定の利益が市民 の間で幅広く共有されることを確保するという首脳の目的を達成するための作 業を行っている。 閣僚が積極的な関与を続けてきており、我々は、プロセスを加速し、及び残さ れた課題に関する相互に受け入れ可能な成果について合意するための共同 作業計画を策定した。その中で主要なものは、物品、サービス、投資、金融 サービス、経済人の一時的入国及び政府調達を含む市場を相互に開放するコ ミットメントの野心的なパッケージを妥結するための道筋を特定することであ る。我々は、また、知的財産、国有企業、環境及び投資に関するものを含め、 協定の条文の残された課題についての解決を継続して追求していく。閣僚は、 北京においてこれらの課題に関する各国間の懸隔を絞る更なる進展を達成し ており、我々の議論は、今後数週間の交渉団の作業の指針となる。しかしなが ら、我々の継続的な関与が必要となる機微かつ困難な課題が残されている。 我々は、残された課題の解決策を求めて作業を行う際に、ステークホルダーの 視点が交渉における多くの課題に関する幅広い見解と視点を理解するための 取り組みにとって不可欠であるため、ステークホルダーの詳細なインプットを継 続して求める。閣僚は、我々の全ての市民に広く共有された利益を与える協定 を達成するために、各国の幅広い利益を注意深くバランスさせる協定を策定す る作業を継続する。

北京会合 貿易閣僚による首脳への報告書(

2014年11月)

(40)

新たな貿易課題 我々は、各国経済の将来の活力及び競争力の維持に役立つように、最近の貿 易協定以来、世界経済に出現した新たな課題に対する共通の取り組みの策定 に向けて大きく進展してきた。我々は、こうした課題に関するルールを策定する 際に、真剣かつ注意深いやり方で取り組んできた。我々は、これらの新しい分野 において合意に近づいている。 ・新しい市場に向かおうとしている小規模企業にとってのものを含め、インター ネットの経済的な潜在力を認識しつつ、また、過去数年間に世界のインター ネット利用者数が急増し、今後も増加の一途を辿るであろうことに留意しつつ、 我々は、プライバシー保護のための規制を含め、政府の正当な公共政策の利 益と整合的な方法で、デジタル経済の発展を促すルールについて合意に近づ いている。 ・また、我々は、国有企業と民間企業が同等の競争条件で競争できることを確保 するルールの確立を含め、各国間の公平な競争を促すための作業を進めてき た。このTPPにおける先駆的な作業は、各国経済の効率性及び競争力を高め るための多くの政府による取り組みを強化するものである。 ・我々は、イノベーションが人々の利益並びに経済の成長及び競争力の重要な 源であることを理解し、イノベーションの利益を促進し共有する知的財産に関す るバランスの取れたコミットメントを策定する作業に励んできた。これは、協定 の最も複雑で困難な分野の一つであるが、全参加国に裨益する創造的かつ技 術的な進展を促す共通の取り組みの策定について実質的に進展させてきた。 我々はまた、医薬品やオンラインコンテンツの公正な利用への市民のアクセス を確保し、TPP経済の多様性を反映するような、適切なバランスを取るべく作 業してきた。 ・強力な環境の保護及び保全に対する全TPP参加国のコミットメントを認識しつ つ、我々は、一連の執行可能な環境の規律に関する合意に向けて大きく進展 してきた。 ・貿易の利益が広く共有されることを確保するため、我々は、ILOの主要な労働 者の権利を具体化する労働者の権利に関する一連の執行可能なコミットメント について合意に近づいている。 地域全体にまたがる協定 我々は、TPP首脳が最後に集まって以来、労働者及び大小双方の企業にとっ て協定の利益の活用をより容易にすることにより、雇用を支えながら、各国間 の貿易をよりシームレスにする域内貿易の統合を促進する作業を大きく進めて きた。輸出者、輸入者及び投資家は、公平性及び予見可能性を求めているた め、我々は、地域全体に共通の高い水準の、透明性のあるバランスの取れた ルールを設定することにより、各国間の貿易投資を促進している。 ・12か国は、各国間の生産・サプライチェーンを促進し、及び強化するために重 要である相当数の品目について、共通の原産地規則を実質的に進展させた。 我々は、シームレスなサプライチェーンを支える原産地規則を完成させるため の残された作業の完了に向けた計画を策定した。 ・TPP参加国間のバリューチェーンの発展を支えるため、各国の交渉団は、貿 易の形式的な手続きを簡略化し、企業がより早く、安く、及び容易に製品を市 場に届けられるようにする税関、貿易円滑化及び物流のような課題に関して 合意に向けて前進している。我々は、また、TPP参加国の企業や労働者に協 定の利益が向かうことを確保できるよう、密輸及び違法な積み替えを阻止す る相互の取り組みを支援するための協力のコミットメントを完成させるべく作 業している。 ・域内貿易の統合を更に促進するため、我々は、また、企業が外国市場にアク セスする際に直面する主要な障害として、関税障壁に次第に取って代わって きた非関税障壁を撤廃する方法、及び規制課題についての取り組みに関す る協力を進めるための作業についても合意に近づいている。同時に、我々は 全て、保健、安全及び環境保護を含む、公共の利益を保護する政府の権限を 維持できるような形で、それらの取り組みを注意深く行ってきた。

北京会合 貿易閣僚による首脳への報告書(

2014年11月)

(41)

生きている協定 我々は、将来のTPPへの参加に関心を表明した経済にと引き続き関与してき た。高い水準のコミットメントを引き受ける準備ができている地域内の他の経済 に参加を拡大できる潜在的な枠組みとしてTPPを発展させるという首脳のコミッ トメントを反映しつつ、我々は、TPPを生きている協定とする仕組み及びプロセ スについて合意に近づいている。我々はまた、TPPが貿易、投資及び技術にお ける将来の発展、又は他の新しく出現した論点や課題、若しくは、共通の利益 となる分野に対応して適切に進化を続けられることを確保する方法について協 定横断的に作業を進めてきた。 次のステップ 首脳が前回集まって以来のTPPに関する大きな進展、及び今回の北京会合へ の準備期間において交渉のペースが更に加速したことを踏まえ、閣僚は、交渉 妥結の正確なタイミングは交渉の中身の進展振りが決するものであることを理 解しつつ、協定を完成させるために一層の努力を行うことにコミットした。TPP 参加国のような、経済的、発展段階的及び地理的に多様な国の間で、TPPの ような複雑かつ野心的な協定を妥結することは容易ならざる目標である。しか しながら、12か国全てが、交渉の完了を最優先とすることにコミットしており、各 国の経済成長及び発展、並びに地域的、世界的な競争力に対するTPPの重 要な貢献を認識しつつ、そのために必要な資源を割り当てる。そのため、我々 は、首脳が共有された目標として特定した高い水準かつ野心的な成果に忠実 である一方、各国の必要性に対応できる解決策を見出すために、妥協策を求 め、実際的、柔軟かつ創造的に作業を行う必要がある。

北京会合 貿易閣僚による首脳への報告書(

2014年11月)

分野横断的な貿易課題 12か国の交渉団は、首脳が設定したTPPの目標を完全に達成し、協定の全て の条項から市民にもたらされる潜在的利益を最大化するために重要であると 我々が考える分野横断的な課題についての作業の完了に近づいている。 ・標準や様々な規制課題に関する協定上の他の作業を強化しつつ、我々は、透 明性を促進する措置によるものも含め、規制慣行を改善し、及び規制の一貫 性を促し、並びに貿易促進的なやり方で規制プロセスを実施する方法について 合意した。 ・更なる統合と競争を促すため、我々は、生産・サプライチェーンを深化させ、並 びに協定の規定が市場における雇用を促進させることを確保するための作業 の完了に近づいている。 ・全参加国の経済において中小企業が果たす重要な役割を認識しつつ、我々 は、多くの国における雇用創出の多くを担うこれらの企業が協定を十分に活用 できることを確保するための方法について合意した。 ・貿易投資の増加が市民の利益と矛盾しないことを確保するため、我々は、透明 性及び良質なガバナンスを確保し、並びに腐敗防止の取り組みを強化するた めのコミットメントを策定する作業を行ってきた。 ・現在及び将来のTPP参加国の開発及び能力構築を促進することは、TPP成功 のための鍵であり、我々は、開発途上国が特定する分野における能力構築の 提供、能力がまだ発展途上の分野におけるコミットメントへの移行、女性や低 所得者の経済的機会へのアクセスの改善、及び官民パートナーシップの奨励 によるものも含め、12か国全てが協定の利益を実現し得ることを確保する方法 について合意した。

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