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平成

25 年度

国際即戦力育成インターンシップ事業

インドネシアの電力事情

報告書

平成

26 年 2 月

エネルギー鉱物資源省 電力総局 インターン生

島本 和明

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目次 1. はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.4 2. インドネシアの概要 2.1 インドネシアの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.4 2.2 インドネシアの最近のニュース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.6 3. インドネシアのエネルギー資源とエネルギー政策 3.1 エネルギー資源 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.11 3.2 エネルギー政策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.12

3.2.1 国家エネルギー政策(KEN:Kebijakan Energi Nasional: National Energy Policy)2003-2020(2004) ・・・・・・・・・・・・・・・P.13 3.2.2 国家エネルギー管理ブループリント 2005-2025(2005) ・・・・・・P.14 3.2.3 国家エネルギー政策に関する大統領令(2006) ・・・・・・・・・・P.14 3.2.4 エネルギー鉱物資源省ビジョン 25/25(2010) ・・・・・・・・・・P.15 3.2.5 新国家エネルギー政策(KEN)(2014) ・・・・・・・・・・・・・P.16 (参考)経済政策 (1) 国家開発計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.17 (2) 「2011−2025 年におけるインドネシア経済開発加速化及び拡大マスター プラン(MP3EI)」(2011)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.17 3.3 エネルギー需給 3.3.1 エネルギー生産量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.18 3.3.2 エネルギー国内供給量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.20 3.3.3 エネルギー最終消費の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.22 3.3.4 エネルギー需給の今後の見通し・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.24 3.4 主なエネルギー・電力関係の法律 3.4.1 エネルギー法(2007) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.25 3.4.2 新電力法(2009) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.25 3.4.3 省エネルギーに関する政令(2009) ・・・・・・・・・・・・・・・P.27 3.4.4 地熱法(2003) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.29 4. インドネシアの電力セクターの概要 4.1 電気政策の歴史・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.30 4.2 電気事業体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.31 4.2.1 エネルギー鉱物資源省(MEMR) ・・・・・・・・・・・・・・・・P.33 4.2.2 国有電力会社(PT. PLN) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.37 4.2.3 IPP(独立発電事業者)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.39

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4.2.5 国家開発企画庁(BAPPENAS)・・・・・・・・・・・・・・・・・P.41 4.2.6 国営企業国務大臣府 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.41 4.2.7 財務省(MOF) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.41 4.2.8 国家エネルギー調整委員会(BAKOREN) ・・・・・・・・・・・・P.42 4.2.9 原子力庁(BATAN)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.42 4.2.10 原子力規制庁(BAPETEN) ・・・・・・・・・・・・・・・・・P.43 4.2.11 協同組合・中小企業担当国務大臣府(SMOC & SMEs) ・・・・・P.43 4.2.12 村落協同組合(KUD) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.43 4.3 電力需給 4.3.1 発電電力量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.44 4.3.2 販売電力量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.45 4.4 電力設備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.47 4.5 電力需要の今後の見通し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.50 4.6 電力開発計画 4.6.1 国家電力総合計画(RUKN)と電力供給事業計画(RUPTL)・・・・・P.53 4.6.2 2 つのクラッシュプログラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.57 4.7 電気料金 4.7.1 電気料金(2013 年 10 月~)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.62 4.7.2 PLN への政府補助金・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.65 4.7.3 電気料金をめぐる今後の動き(産業用電気料金値上げ・電気料金自動 調整制度)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.66 4.8 PLN の損益計算書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.67 4.9 地方電化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.69 5. 新・再生可能エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.71 5.1 地熱・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.73 5.2 水力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.75 5.3 バイオエネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.77 5.4 太陽光・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.81 5.5 海洋エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.82 5.6 風力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.87 5.7 原子力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.88 5.8 FIT(Feed in Tariff; 固定価格買取制度)・・・・・・・・・・・・・・・・P.92 6. 省エネルギー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.94 7. おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.97

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1.はじめに 私は2013 年 9 月 18 日から 2014 年 2 月 27 日までの間,インドネシアのエネルギー鉱物 資源省・電力総局にインターンとして派遣された(派遣機関の紹介は4.2.1節参照)。 この報告書では,私がインターンを通じてインドネシアの現在の電力事情について学んで いく中で,いただいた資料,収集した情報,伺った話をまとめ,皆様に紹介することとし たい。 2.インドネシアの概要 2.1 インドネシアの概要 (基礎データ) ・首都:ジャカルタ ・政体:大統領制,共和制 ・元首:スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領(2009 年 10 月 20 日二期目就任、任期 5 年) ・面積:1,904,569km2 (Central Intelligence Agency, The World Fact Book, on January

28, 2014)〔日本の約 5 倍〕

・宗教:イスラム教 86.1%,プロテスタント 5.7%,カトリック 3%,ヒンドゥー教 1.8%, その他 3.4%(Central Intelligence Agency, The World Fact Book, on January 28, 2014) ・人口:2 億 4447 万人(2012 年 IMF 推定)〔日本の約 2 倍〕 国家開発企画庁(BAPPENAS)の 2010~35 年の人口推計では 2022 年に 2 億 7100 万人,2035 年には 3 億 560 万人になるとされている。 (参考)在留邦人人口 1 万 4720 人(2012 年 外務省) ・名目GDP:8785 億 US ドル(2012 年 IMF) ・一人当たりGDP:3,594US ドル(2012 年 IMF) ・GDP 成長率:6.2%(2012 年 IMF) インドネシアは,ASEAN 唯一の G20(主要 20 カ国・地域)のメンバー国として発展を 続け,BRICs(ブラジル,ロシア,インド,中国)と肩を並べるほどの経済成長を見せて いる。現在,インドネシアの経済規模(GDP)は,韓国に次ぎ世界第 16 位(注 1)。外需 依存度が低く,世界金融危機の影響もアジアの他国に比べ限定的で,近年経済成長率は安 定して推移している。数少ない日本の貿易赤字国にして,世界一の親日国家(注 2)。そし て,日本の2 倍の 2.4 億人の人口(世界第 4 位)を誇るが,驚くことに平均年齢 28.9 歳(日 本45.8 歳)(注 3)で,30 歳未満が人口の半分を占める大きなビジネス市場である。 2013 年 11 月 29 日国際協力銀行(JBIC)は「わが国製造業企業の海外事業展開の動向」 に関するアンケート結果を発表(注4)し,中期的な有望国としては,インドネシアが初め

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改めて示している。

(注1)IMF - World Economic Outlook Databases (2013 年 10 月版)

(注2)BBC放送世論調査2012年

(注3)Central Intelligence Agency “The World Factbook”

(注4)株式会社国際協力銀行 http://www.jbic.go.jp/ja/information/press/press-2013/1129-15775 図表2.1:ASEAN諸国のGDP比較(2012 年) 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 10億USドル B run ei C a m b o d ia In do n es ia L a os M a lay si a M ya n m a r P h ili pp in es S in ga p or e T h a ila n d V ie tn a m J a p a n

GDP (2012)

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出典:経済産業研究所講演資料2013 年 8 月 2.2 インドネシアの最近のニュース この節では主に,私が派遣されている間,新聞等でよく話題になっていた事柄を紹介し たい。 (1)渋滞 インドネシアでは 2012 年現在で,二輪車が1日あたり2万台(年間706万台),自動 車が1日あたり3千台(年間110万台)売れる。ジャカルタには一日700 万人が流入し, 200 万台の自動車が走る(2014 年 1 月 3 日付じゃかるた新聞)。2014 年には自動車の占有 面積が道路面積を超える「グリッドロック」になると言われており,ジャカルタでは交通 渋滞が慢性化している。これを受け,2014 年は都市高速鉄道(MRT)の工事が本格化し(1986 年その構想が決まるも97~98 年のアジア通貨危機による資金難で計画が延期。2013 年よう やく建設が始まった),その完成は2018 年とされている。また,モノレール建設計画(2003 年に始まるも大口投資家が投資計画を凍結したため,運営企業の資金がなくなり11 年に頓 挫。)も2013 年 10 月,中国政府の協力で総工費 8 兆ルピアで建設再開が決まった。完成は 17 年とされている。さらに,空港線(スカルノハッタ空港とハリム空港を結ぶ計画)も 2014 年 1 月から着工となる。しかしながら,これら鉄道工事の影響で渋滞の深刻化は確実。ジ ャカルタ州内の車両速度は現在の時速10~12 キロから 8~10 キロになると予想されている。 これまで工事が進まなかったのは道路用地買収の停滞のためで,民主化の結果により,土 地所有者の反発が強く買収交渉が長期化する傾向がある。 図表2.2:アジア諸国のGDP 成長率

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(2)洪水 インドネシアでは雨季が本格化する 1~2 月にかけて洪水が頻繁に発生し,渋滞に拍車を かけている。その原因としては, ・緑地の減少(雨水が土中に浸透せず大通りへ流出) ・劣悪な排水システム ・地下水の過剰な汲み上げによる地盤沈下 ・急増している高層ビルからの排水の急増 ・河川へのゴミの不法投棄によるダム状態化 ・貯水池・人口湖の数が減っている上,正常に機能していない ・水上家屋等による河川機能の低下 等様々な原因が指摘されている。これまでも様々な対策が実施されてきたが,十分な効果 を挙げられていない。ジャカルタで最も洪水被害がひどいのは東ジャカルタ区カンプンプ ロなどのチリヌン川周辺で,2007 年の大洪水で川の水位は 7m,2013 年 1 月にも 5m の水 位を記録している。チリヌン川では,改修事業が実施されているが,住民の不法占拠地域 の立ち退きの難航,資金難による工事計画の遅延等,容易には進まない。 (3) 貧困 インドネシアの貧困率について,中央統計局は 1 ヶ月の生活費が 29 万 2951 ルピア (2013 年 9 月時点)以下を貧困層としており,同時点でインドネシア国民の 11.47%が あてはまる。(ちなみに,世界銀行は1 日 2 ドル以下を貧困層としており,その基準では 貧困率は約 5 割になる。)ユドヨノ大統領は就任以来様々な対策(米助成「ラスキン」, 低所得世帯補助金(PKH),貧困層向け医療保険(ジャムケスマス),雇用創出目的の地 方自治体への開発資金支給,屋台などの零細経営への小額融資等)を行ってきたが,効 果はいまひとつ。受給者の選定方法や支給遅れが問題となり,政策の実行段階で問題が 生じるケースが少なくない。2010 年には副大統領府に「特別貧困撲滅チーム」を設置し, 省庁間の連携向上を図っている。

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23.4 16.0 17.8 16.6 15.4 11.3 11.9 12.4 13.3 14.1 17.4 18.2 18.4 19.1 24.2 16.7 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0 20.0 22.0 24.0 26.0 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (4) 宗教問題 民主化以降,スハルト独裁政権に抑えられてきた過激派組織の活動が活発化した。 少数派への差別・襲撃は増加しており,礼拝所襲撃などは2010 年の 216 件から 2013 年には330 件に達した。 例)1998 年末~2001 年 12 月:中部スラウェシ州ポソでキリスト教徒とムスリムの 住民が対立。一千人以上が死亡,正確な避難者数は 不明。 2005 年:イスラム学者会議(MUI)がアフマディヤを「イスラム異端派」との 宗教見解を示し,各地で過激派組織によるモスク閉鎖などが顕著化。 2012 年 8 月 26 日:東ジャワ州マドゥラ島でシーア派信者 2 人がスンニ派住 民に殺害される。 政府は 2014 年の総選挙を見据え,少数派の保護を呼びかける姿勢は見せていない。 マドゥラ島のシーア派襲撃問題でも,宗教相は支持基盤である多数側のスンニ派の求 めに応じ,スンニ派への改宗を提案した。 (5) 汚職 インドネシアは汚職が浸透している。国際機関の世界経済フォーラム(The Global Competitiveness Report 2012 – 2013)はインドネシアでのビジネス上の問題点として, 2 番目に汚職をあげている。(なお,1番目は非効率な官僚制度とされている。)与党の 党首から司法のトップ,知事,検事まで汚職容疑に問われ,連日のように報道されてい る。2003 年,大型汚職事件専門の捜査機関である KPK(汚職撲滅委員会)の発足以来, 汚職摘発が進んでいる。汚職の原因としては,政党の地方支部のために(改正政党法は 政党に 34 州,約 380 県市以上,約 3400 郡以上に地方支部を作ることを定めた)党本 部が莫大な政治資金を準備する必要があること,中央議員立候補の負担が大きいこと *)インドネシア中央統計局による定義の貧困率 出典:じゃかるた新聞2014 年 1 月4日 図表2.3:貧困率*)の推移

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ている)などが挙げられる。 (参考)KPK が捜査,立件した汚職事件 ・ アナス民主党前党首,ハンバラン競技場汚職(逮捕,起訴手続き中) ・ アトゥット・バンテン州知事,県知事選憲法裁審査汚職(逮捕,起訴手続き中) ・ ルトフィ福祉正義党前党首,牛肉輸入事業汚職(一審禁固16 年→控訴) ・ ブディオノ副大統領,センチュリー銀行救済汚職(聴取) ・ ジョコ・スシロ元交通局長,運転教習機材調達汚職(一審禁固10 年) ・ アキル前憲法裁長官,県知事選憲法裁審査汚職(逮捕,起訴手続き中) (6) 2014 年選挙に関する支持率 インドネシアは2014 年 4 月に総選挙,7 月には大統領選挙を控えている。インドネ シアの憲法上,大統領の3 選はなく,7 月の選挙では大統領が交代することとなる。 有力現地日刊紙コンパス(2014 年 1 月 8 日付)による大統領選挙の世論調査の結果 は以下の通り。(調査は2013 年 12 月実施) 1 位 ジョコウィ:ジャカルタ特別州知事(43.5%),2 位 プラボウォ:グリンドラ 党最高顧問・元陸軍戦略予備軍司令官(11.1%),3 位 バクリー:ゴルカル党党首・財 閥バクリーグループ代表(9.2%),4 位 ウィラント:ハヌラ党党首・元国軍司令官(6.3%), 5 位 メガワティ:闘争民主党党首・スカルノ初代大統領長女にして元大統領(6.1%), 6 位 カラ・元副大統領(3.1%),無回答(9.8%)。 ジャカルタ特別州のジョコウィ知事が独走態勢であるが,知事本人は出馬の意思を明 らかにしていない。 コンパス(2014 年 1 月 9 日付)による総選挙の世論調査の結果は以下の通り。(調査 は2013 年 12 月実施) 1 位 闘争民主党(21.8%),2 位 ゴルカル党(16.5%),3 位 グリンドラ党(11.5%), 4 位 民主党(7.2%),5 位 国民民主党(6.9%),6 位 ハヌラ党(6.6%),7 位 民 族各政党(5.1%),8 位 国民信託党(3.2%),9 位 開発統一党(2.4%),10 位 福祉 正義党(2.3%),無回答(15.3%)。 闘争民主党はインドネシアで圧倒的な人気を集めるジョコウィ・ジャカルタ州知事が 所属しており,彼の人気が影響していると考えられる。各党の人気は相次ぐ汚職事件に より大きな影響を受ける。ゴルカル党は所属するアトゥット・バンテン州知事の汚職撲 滅法違反の容疑で逮捕されたことにより,今後の支持率低下が予想されている。選挙前 の時期は政治家の地方行脚が活発化し,新たな政策等の議論が進まないと言われている。 (7) 未加工鉱石の輸出を禁止 インドネシア政府は2014 年 1 月 12 日,未加工の鉱物・鉱石の輸出を禁じる措置を

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シアの資源を輸入している。今回の措置が各国企業の事業展開や,インドネシア産業, 国家歳入にどんな影響を与えるのか国際的に注視されている。 もともと政府は2009 年に輸出用の鉱石を扱う企業に対し,「2014 年から国内で精錬 した上で輸出すること」を義務付ける法律を制定。5 年の準備期間を経て 2014 年 1 月 12 日から事実上の禁輸措置を始めた。新法の背景には付加価値が低い精錬前の鉱石輸 出が中国を中心に急速に増え,乱開発が表面化してきたことがある。新法で金属の付加 価値を高め,製造業のサプライチェーンを国内で育てることが狙い。 雇用面の影響が大きいため,米系の鉱山など一部では規制を緩和。銅や亜鉛など6 種 の鉱石については不純物を取り除いただけの「精鉱」での輸出を容認することとした(た だしその猶予は3 年)。政府は輸出関税を新たに設け,2014 年の 25%から 2016 年後半 の60%まで段階的に高めるとしている。 規制によるインドネシアの損失は8 兆~10 兆ルピアに達するとされている。 なお,後述の新国家エネルギー政策(KEN)(3.2.5節)では化石燃料について 輸出規制を行うことに言及している。

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3.インドネシアのエネルギー資源とエネルギー政策 3.1 エネルギー資源 インドネシアは天然資源に恵まれ、自国で多くの資源を生産している。その資源量は以 下の通り。 図表3.1:インドネシアの資源量 総埋蔵量 確認埋蔵量(A) 年間生産量(B) 可採年数(A/B) 石油(10 億バレル) 56.6 7.99 0.346 23 天然ガス(兆・標準 立方フィート) 334.5 159.64 2.9 55 石炭(10 億トン) 104.8 20.98 0.254 83

出典:エネルギー鉱物資源省 Country Report: Theme: latest policy and regulation on electric power of World Energy June 2013

(1)石油 インドネシアでは自国で石油の生産が可能であり,取扱いの容易な石油は利用が大きく, 最近まで一次エネルギーの約半分を占めていた。中国に次いでアジア地域第 2 位の原油生 産国であり,アジア唯一のOPEC 加盟国であったが,近年原油生産が減少する中,国内需 要が増加し,2004 年石油の純輸入国に転じたことから,2008 年に OPEC を脱退。2012 年 は92 万バレル/日と世界の生産量の 1.1%ほどである。インドネシア中央統計局によると, 2018 年にも世界最大の石油製品輸入国となる見込み(2013 年 9 月 30 日じゃかるた新聞, http://www.jakartashimbun.com/free/detail/13647.html)。資源の枯渇と最近の価格高騰に 対処する必要性から、脱石油がエネルギー政策の優先課題となっている。 (2)ガス 天然ガスは後述の図表3.9からも分かるように、脱石油が目指されているにもかかわ らず石炭に比べその生産量は伸びていない。これは小さなガス田が点在していること,ガ スに関するインフラ(パイプライン,貯蔵施設等)が不足していること、石油に関する利 権の存在から石油や石炭より開発が遅れていること等が原因と考えられる。 インドネシアは2005 年まで LNG の世界最大の輸出国であり,世界消費の 3 割を占める 日本にとって最大の調達元だった。しかし,2012 年からは発電燃料を確保するため LNG の国内消費を始め,また,2013 年 12 月にはインドネシアの国有石油会社プルタミナが, 2018 年から 20 年の契約で年間 80 万トンを米シェニエール・エナジーから LNG の輸入を 始めるという,初のLNG 輸入契約に調印。政府は輸出の制限検討にも言及しており,国内 消費を優先し,輸出を減らす方針である。

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(3)石炭 2000 年代初頭からの大規模な石炭探査と生産により,石炭の利用は急速に拡大している。 生産量は2002 年には 0.64 億石油換算トンであったが,2012 年には 2.4 億石油換算トン(世 界生産量の約6.2%)と 10 年間で約 4 倍となった。現在インドネシアは世界第 5 位の石炭 生産国であり、国内の石炭生産の75 %が輸出されている。最大の輸出先は日本で,その約 2 割を輸出しているが,最近では中国,インド向けの輸出が急拡大している。PLN の予測 によると,石炭消費がそれまで年間 3,500 万トン程度であったものが,2011 年には 4,200 万トンに急増し,2020 年には 1 億 3,000 万トンに達する見通しである。 インドネシアは資源の豊富な国といわれているが,今後の電力需要の増加を考慮すると 埋蔵が確認されている資源量は決して豊富とはいえない。また、化石燃料価格を低く抑え るために多額の補助金が拠出されており、再生可能エネルギー開発が遅れている一因とな っている。(燃料補助金については4.2.7節参照) 3.2 インドネシアのエネルギー政策 初めにインドネシアのエネルギー政策の概観を以下に示す。国家エネルギー政策(KEN), 国家エネルギー総合計画(RUEN)が政策レベル,国家電力総合計画(RUKN)と電力供 給事業計画(RUPTL)が事業レベルのエネルギー計画である。 図表3.2:エネルギー政策の概観(2013 年時点)

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3.2.1 国家エネルギー政策(KEN:Kebijakan Energi Nasional: National Energy Policy)2003-2020(2004 年) 2004 年の KEN では「国益を満たすエネルギー供給の保障」をビジョンとし,「エネルギ ー供給能力の向上」,「エネルギー生産の最適化」,「省エネルギー」を主要政策とし,2020 年までの目標を掲げた。 【目標】 ● 2020 年までに電化率 90%(2013 年現在の電化率は 80.51%) ● 2020 年までに大規模水力を除いた再生可能エネルギーのシェア 5%以上 ● エネルギー強度(単位GDP のエネルギー消費量,Energy Intensity)でのエネルギ ー消費量を毎年1%低減 ● 国内資源の利用拡大と国内人材の活用による海外エネルギー源への依存度低減 【主要政策】 ● 国家開発と人口増加に見合うエネルギー供給の強化 ● 最適で経済的なエネルギーミックスを実現するためのエネルギーの多様化 ● 省エネルギーの推進 インドネシアのエネルギー政策の考え方を図で表すと図表3.3のようになる。中で もインドネシアでは,社会(Society)の部分が大変大きい。インドネシアは多民族国家 であり,多数の島が存在するという地政学的要因等から,社会のコンセンサス形成が大 変難しいと言われている。そのため,開発には中央政府がリーダーシップを発揮するこ とが重要となる。 (出典:最近の電力事情,http://energy-indonesia.com/03dge/denryokujijo.pdf) 図表3.3:インドネシアのエネルギー政策

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3.2.2 国家エネルギー管理ブループリント 2005-2025(2005) 2005 年に,KEN に基づき,一次エネルギー供給の将来予測,個別エネルギー技術の 2025 年までの展開(ロードマップ等)を示した国家エネルギーブループリントが策定され た(エネルギー鉱物資源省令)。このブループリントによる 2025 年の一次エネルギーミ ックスの目標は図表3.4の通り。 石炭, 32.7 水力, 2.4 地熱, 3.8 石油, 26.2 ガス, 30.6 マイクロハイドロ, 0.216 バイオ燃料, 1.335 太陽光, 0.020 風力, 0.028 燃料電池, 0.000 バイオマス, 0.766 原子力, 1.993 他, 4.4 3.2.3 国家エネルギー政策に関する大統領令(2006) KEN 及び国家エネルギー管理ブループリントが,エネルギー鉱物資源省令であったた め,2006 年大統領令として交付することで法的根拠を高めている。それによると、2025 年にはエネルギー弾性値(エネルギー利用効率:エネルギー消費の伸び/経済成長率) を 1 未満とする他,石炭,天然ガスおよび再生可能エネルギーの開発を推進し,一次エ ネルギー供給量に占める石油の比率を大幅に低下させる予定である。各エネルギー種の 構成比率は,図表3.5の通り。 図表3.4 ブループリントによる2025 年の一次エネルギーミックス 出典:国家エネルギー管理ブループリント2005-2025(2005) (単位:%)

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4)バイオ燃料 5% 5)地熱 5% 7)液化石炭 2% 6)その他 5% 新再生可能エネルギー 17% 1)石油 20% 3)石炭 33% 2)ガス 30% 3.2.4 エネルギー鉱物資源省ビジョン 25/25(2010) ビジョン25/25 は 2010 年,エネルギー鉱物資源省が独自に発表した計画で,2006 年 の大統領令で2025 年までに 15%としていた新再生可能エネルギーの割合を,25%にする ことと大幅に上方修正した。また,2025 年のエネルギー消費を,何の対策も講じなかっ た場合(約33 億石油換算トン)と比べ,省エネとエネルギー多様化により 15.6%低減す る(5 億 1300 万石油換算トン)こととしている。 再生可能エ ネルギー 25% ガス 22% 石炭 23% 石油 30% 出典:EECCHI,http://www.energyefficiencyindonesia.info/energy/indonesia/vision25 エネルギー鉱物資源省講演資料2013 年 9 月 図表3.5 大統領令による2025 年の一次エネルギーミックス 図表3.6:ビジョン25/25 による 2025 年の一次エネルギーミックス (注)その他とはバイオマス、原子力、水力、太陽光、風力

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3.2.5 新国家エネルギー政策(KEN)(2014) 2014 年 1 月 28 日,およそ 10 年ぶりとなる新たな国家エネルギー政策が国会で承認さ れた。2013 年 2 月現在大統領の署名待ちである。それによると以下のように定められて いる。 ・ エネルギー供給に占める各資源割合の数値目標 - 石油:2025 年に 25%以下,2050 年に 20%以下にする。 - 天然ガス:2025 年に 22%以上,2050 年に 24%以上にする。 - 石炭:2025 年に 30%以上,2050 年に 25%以上にする。 - 再生可能エネルギー:2025 年に 23%以上,2050 年に 31%以上にする。 ・ エネルギー弾性値(エネルギー消費の伸び/経済成長率):経済成長目標に合う よう,2025 年に弾性値を 1 以下。 ・ エネルギー強度(単位GDP のエネルギー使用量):2025 年までに年 1%で減少。 ・ 電化率:2015 年に 85%,2020 年には 100%に近づける。 ・ 家庭用ガスの使用率:2015 年に 85%にする。 ・ 原子力発発電所に対する姿勢: 最終的な選択肢と位置づけ,導入の可能性を残した。長期的には原発の導入が必 要という従来からの政府認識を踏襲した形。 ・ 資源の輸出: 国内で産出する石炭や天然ガスは,国内の需要の増加を見込み,段階的に輸出を 再生可能エネル ギー, 6 石油, 49 ガス, 20 石炭, 25 2025 石炭, 30 ガス, 22 石油, 25 再生可能エネル ギー, 23 2050 再生可能エネルギー, 31 ガス, 24 石炭, 25 石油, 20 現在 2025 年 2050 年 図表3.7:KEN(2014)による 2025 年,2050 年の一次エネルギーミックス

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この新国家エネルギー政策を基に,今後目標の実現に向けた個別の計画が策定されるこ とになる。 (参考)経済政策 (1)国家開発計画 ここで参考のため,エネルギー政策よりもさらに大きな枠の,国家開発計画について 紹介する。全体像は以下の図の通り。 出典:インドネシアの電力事情 http://energy-indonesia.com/data5/kokkakaihatsukeikaku/01.html インドネシアでは,法令2004 年第 25 号「国家開発システム法」により,長期計画(20 年毎),中期計画(5年毎),短期計画(1年毎)を定めることになっている。長期計画 は国会審議を経て法律により定め,中期と短期の計画は大統領令で定める。 次に最新の国家開発計画であるMP3EI を紹介する。 (2)「2011−2025 年におけるインドネシア経済開発加速化及び拡大マスタープラン (MP3EI)」(2011) MP3EI はインドネシア政府が 2011 年 5 月に策定した全国にわたる包括的な開発計画 で,2010~2025 年の長期計画の中心をなすものである。この計画の中で,GDP を 2025 年 には4~4.5 兆米ドルへ増加させて,インドネシアを世界 10 位以内の経済大国に押し上 げることを目標にしており,さらに 2045 年には 15~17.5 兆米億ドルへと一層の高所得 図表3.8:経済政策の概観

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米ドルを 2025 年には1万 4250~1万 5500 米ドルへ,さらに 2045 年には 4 万 4500~4 万9000 米ドルの達成を目指す,としている。 2013 年 7 月に大統領令を改訂し,2014~2017 年の計画を 56 件(総額 448 億ドル)に 定め,同年11 月そのうち 33 件を官民協力(PPP;Public-Private Partnerships)の枠 組みで進める考えを明らかにした。 MP3EI の下で,PLN は 2011 年から 2020 年までに消費電力量(kWh)は年率 8.46% で増加し,2020 年までに約 55.3GW の追加発電容量が必要であると見込んでいる。(出 典:インドネシアの電力事情,最近の電力事情 http://energy-indonesia.com/03dge/denryokujijo.pdf) また,MP3EI の特徴として,6 つのインドネシア経済回廊に各政策課題を割り振り, 経済回廊内での従来の産業を生かした発展,経済回廊間の交易,そして諸外国との交易 による空間的な経済成長プランを打ち出していることが挙げられる。それぞれの経済回 廊のテーマは以下の通り。 ・スマトラ:天然資源生産加工センター,エネルギー供給基地 ・ジャワ:国家工業・サービス促進 ・カリマンタン:鉱産資源生産加工センター,エネルギー供給基地 ・スラウェシ:農水産業・石油ガス・鉱産物生産加工センター ・バリ・ヌサトゥンガラ:観光のゲートウェイ及び国家食糧補助 ・パプア・マルク諸島:食糧,漁業,エネルギー,鉱業促進センター (参考:https://www.indonesiasoken.com/pdf/FREE_004_110613.pdf http://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kaigai_nogyo/k_syokuryo/pdf/04asia_indones ia-3.pdf https://www.indonesiasoken.com/pdf/FREE_041_20120702_%E3%82%A4%E3%83%B 3%E3%83%89%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AE6%E3%81%A4% E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%86%85%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%9B%9E%E5 %BB%8A%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E9%95%B7%E6%9C %9F%E7%99%BA%E5%B1%95%E8%A8%88%E7%94%BB.pdf) 3.3 エネルギー需給 3.3.1 エネルギー生産量 図表3.9にインドネシアのエネルギー生産量の推移を示す。国際エネルギー機関 (IEA)のエネルギー統計によると,2010 年におけるエネルギー生産量は約 3 億 8100 万石油換算トンとなっており,これは2004 年の 2 億 5,9000 万トンの約 1.5 倍,約 1 億 2200 万石油換算トン増加している。これは主に,石炭・泥炭の生産量の増加のためであ るが,燃焼系の再生可能エネルギーの生産量についても約2.8 倍と大幅に増加している。

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(燃焼系・非燃焼系合計)22%であったものから,2010 年には石炭・泥炭 49%,原油 13%, 天然ガス20%,再生可能エネルギー(燃焼系・非燃焼系合計)18%となっている。石炭・ 泥炭がこの間に18 ポイントと大幅に増加し,一方原油は 9 ポイント減となっている。 図表3.9:エネルギー生産量の推移 0 50000 100000 150000 200000 250000 300000 350000 400000 450000 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 再生可能エネルギー (燃焼系**) 再生可能エネルギー (非燃焼系*) 水力 天然ガス 原油 石炭・泥炭 (石油換算 1000 トン)

出典:IEA,2004~2012 年の Balances of Non OECD Countries を元に作成 381446

*)非燃焼系とは地熱・太陽光発電など。 **)燃焼系とはバイオマス・ごみ発電など。 258603

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(参考)日本のエネルギー資源 図表3.10の通り,日本は国内にエネルギー資源に乏しく,原子力を除いた場合, 96%は海外からの輸入に依存している。 主要国のエネルギー輸入依存度(原子力を除く) -100% -80% -60% -40% -20% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 120% 韓国 日本 フランス イタリア ドイツ アメリカ イギリス インド ブラジル 中国 カナダ ロシア 3.3.2 エネルギー国内供給量 エネルギー国内供給量の推移を図表3.11に示す。エネルギー国内供給量は,2004 年約1 億 7000 万石油換算トンから,年率平均 3%の割合で増加し,2010 年には約 2 億 1000 万石油換算トンと,約 1.2 倍に増加している。 内訳を見ると石炭・泥炭は2004 年の 13%から,2010 年には 15%と微増である。年間 生産量は2004 年の約 8140 万石油換算トンから,約 1 億 8600 万石油換算トンと約 2.3 倍になっており,生産量増加分の多くが輸出に回されている。一方,原油の割合が 30% から 25%に減少しており,石油から石炭へのエネルギーシフトが進んでいることがわか る。また,地熱発電の伸びもあり,再生可能エネルギー(非燃焼系)の割合が 3.2%から 7.7% に倍増している。 図表3.10:主要国のエネルギー輸入依存度(原子力を除く) 出典:電気事業連合会 原子力図面集

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図表3.11:エネルギー国内供給量の推移 0 50000 100000 150000 200000 250000 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 再生可能エネルギー (燃焼系**) 再生可能エネルギー (非燃焼系*) 水力 天然ガス 石油製品 原油 石炭・泥炭 (参考)日本のエネルギー国内供給量 21.15 12.42 14.38 15.92 16.47 19.66 22.00 22.76 22.76 6.38 0.00 5.00 10.00 15.00 20.00 25.00 65 70 73 75 80 85 90 95 00 05 11 石炭 石油 天然ガス 水力 原子力 新エネルギー・地熱等 (1018J) (年度) 43.1% 22.0% 23.3% 4.2% 46.5% 20.9% 14.9% 11.8% 49.0% 18.5% 13.8% 12.6% 53.6% 16.5% 11.5% 12.3% 56.0% 16.8% 10.7% 9.6% 19.6% 9.7% 9.1% 55.4% 64.7% 17.6% 71.6% 17.4% 69.9% 21.3% 55.9% 29.3% 3.4% 4.0% 75.5% 16.9% 15 .0 0 40.0% 22.6% 19.2% 11.3% (石油換算 1000 トン) 207849 174040

出典:IEA,2004~2012 年の Balances of Non OECD Countries を元に作成

(注)J(ジュール)=エネルギーの大きさを示す指標の一つで、1MJ=0.0258×10^-3 原油換算kl

出典:エネルギー白書2013

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これは東日本大震災の影響による。 3.3.3 エネルギー最終消費の推移 1997 年のアジア通貨危機の影響で,1998 年にインドネシア経済は急落したが,エネル ギーの最終消費量は1998 年に対前年比で 0.05%低下したものの全般的には増加傾向にあ る。近年では2004 年の約 1 億 2800 万石油換算トンから,年率平均約 3.4%で成長し, 2010 年には約 1 億 5600 万トンに達している。 用途別の最終エネルギー消費の構成比率は,2004 年には,工業用 24%,輸送用 20%, 家庭用44%,商業用 2%であったが,2010 年には工業用 29%,輸送用 23%,家庭用 37%, 商業用3%に変化している。この間に工業用が 5 ポイント,3080 万トンから 4580 万トン へ約1.5 倍に増加しており,工業化が進んでいることが読み取れる。 図表3.13:エネルギー最終消費の推移 0 20000 40000 60000 80000 100000 120000 140000 160000 180000 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 その他消費 農林業用 商業用 家庭用 輸送用 工業用 156449 128489 (石油換算 1000 トン)

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(参考)日本のエネルギー最終消費 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 73 75 80 85 90 95 00 05 (年度)11 (1018J) 産業用 家庭用 輸送用 (兆円、2005年価 65.5% 9.2% 16.4% 42.8% 19.6% 23.3% 商業用 14.2% 8.9% 続いて,図表3.15に主要国の一人当たりのエネルギー消費量を示す。インドネシ アは他国と比較すると非常に低い値となっているが,これは約 2 億 4 千万人もの人口を 有しており,日本のようにエネルギーが配分されておらず,エネルギーを十分に利用で きていない人々が数多く存在することを示している。インドネシアは将来のエネルギー 消費の成長について,大きなポテンシャルを有していることが分かる。 出典:エネルギー白書2013 (注1)農林業用は産業用に含まれる。 (注2)構成比は端数処理(四捨五入)の関係で合計が 100%とならないことがある 図表3.14:日本のエネルギー最終消費の推移

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出典:OECD Factbook 2011: Economic, Environmental and Social Statistics 3.3.4 エネルギー需給の今後の見通し

IEA(International Energy Agency)のエネルギー需要の見通しに関する最新の報告 によれば、インドネシアの最終エネルギー消費量の合計は、2011 年から2035 年で年 2.1%上昇、全体で約67%上昇する見込みである。 工業部門のエネルギー消費は、その他のエネルギー消費部門よりも成長が速いと見ら れている。産業用燃料におけるガスのシェアは実質的に増加しており,2011 年の28%か ら2035 年には47%に増加する見込みである。生産技術の向上と供給インフラの改善が石 油からガスの置き換えを促進すると見られているためである。 インドネシアの総一次エネルギー需要の成長率は,2011 年から2035 年の間に年平均 2.5%となり,1 億9600 万石油換算トンから約3 億6000 万石油換算トンに増加する見込 みである。この間,人口は2 億4200 万人から3 億200 万人に拡大し経済は約220%の成 長。一人当たりの消費量は46%上昇し、2011 年の0.8 石油換算トンから2035 年に1.2 石 油換算トンに増加するとされている。しかし,これはまだ2035 年のOECD 平均の30% に過ぎない。 この見通し期間の間,化石燃料はインドネシアのエネルギーミックスの大部分であり 続け,一次エネルギーの消費に占める割合は2011 年の71%から上昇し,2035 年には79% を占める見込み。石炭消費の成長は中期的に急速で,これは2つのクラッシュプログラム (主として石炭火力発電に基づく)の完結に起因するものである。

(Oil, Gas & Electricity, Volume 31, 2013を翻訳・編集) 図表3.15:一人当たりのエネルギー消費量

(25)

3.4 主なエネルギー・電力関係の法律 3.4.1 エネルギー法(2007) 2007 年までは、エネルギー全体を網羅する法律がなく、「石油・ガス法」、「電力法」、 「地熱法」などにより、エネルギー源ごとに個別に管理する体制(法体系)であった。 政府は、エネルギー部門全体を総括的に管理する必要性から、2007 年 8 月 10 日に「エ ネルギーに関する法律」(エネルギー法)を作成した。エネルギー法の主要な規定事項は 以下の通りである。 ① 政府によるエネルギー資源の管理(統制・規制) ② エネルギーの安定供給(輸出より国内供給を優先) ③ 貧困層に対する政府補助金の供与 ④ 資源開発の促進(国内調達率の拡大) ⑤ 国家エネルギー政策の策定 ⑥ 国家エネルギー審議会(DEN)の設立 ⑦ エネルギー総合計画(RUEN)の作成(全国および地域別) ⑧ 再生可能エネルギーの供給・利用および省エネルギー実施に対する政府援助 3.4.2 新電力法(2009) 「電力に関する法律」(2009 年第 30 号)(新電力法)が 2009 年 9 月 8 日に制定された。 この法律は1985 年に制定された旧電力法(1985 年第 15 号)を踏襲しているが,電力供給 は国が責任を持つ(「電力供給事業は,国家が管轄し,政府が実施する」)としつつ,「電力供給 における国家能力の更なる向上のために,国益を害さない限り,その他の国有企業,公営 企業,民間,協同組合,市民団体は電力供給事業を実施するための機会を最大限与えられ る」として,民間に参入の道が開かれている。手続き関係では,従来エネルギー鉱物資源 大臣,または大統領の権限であった国家電力総合計画(RUKN)の策定と電気料金の改定 に際して,国会(地方決裁分は地方議会)の承認が必要になった。 もともと2002 年 9 月に「電気事業に関する法令(新電力法)」が制定され,「競争市場の 導入」,「電気事業の分割・民営化」,「発電と小売部門の自由化」,「PLN による送電・配電 系統の管理」,「電力市場監督委員会の創設と同委員会による送配電料金(託送料金)の決 定」,「電力システム管理者と電力市場管理者の設置」などの実施が定められていたが,2004 年12 月 15 日にインドネシア憲法裁判所がこの新電力法は 1945 年の憲法第 33 条(「国家 にとって重要であり,また多数の者の生活に影響を与える生産部門は国家がこれを管理す る」)に抵触するとして無効としていた。違憲判決後は旧電力法が再度使われることとなっ たが,20 年前の法令であり,民間投資による電源開発を促進する上で問題があった。(暫定 的に補うために IPP の参入手続きや事業許可などに関するいくつかの政令や奨励を制定し 対応が図られていた。)

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図表3.16:新旧電力法の比較(変更事項) 電力法No.15/1985(旧電力法) 電力法 No.30/2009(新電力法) 電力開発 計画 中 央 政 府 が 国 家 電 力総 合 計 画 (RUKN)を策定する。 中央政府が国会の承認のもとでRUKN を 策定。地方政府はRUKN を基に地方電力 総合計画(RUKD)を策定。 事業責任 中央政府の管理下で PLN が実 施する。 中央政府の管理下ではあるが、中央政府 と地方政府が分担する。 事業認可 国の認可。 国の認可(ただし、グリッドが州を跨ら なければ州、県を跨らなければ県→実態 はほとんど国の認可となる)。 事業の実施 PLN が実施するが、例外的に PLN のグリッドの届かない地 域で協同組合等が実施できる。 PLN の他に、公営企業(県の企業局のよ うなもの)、民間企業、協同組合、市民団 体が実施できる。ただし、事業はPLN に 優先権がある。 地方電化 中央政府の責任として原則PLN が実施する。 公営企業、民間企業、協同組合などが実 施できない時は、PLN に実施を義務付け る。 電気料金 全国一律、国(大統領)の認可。 中央政府は国会の承認のもとで電気料金 を定める。地方政府は、地方議会の承認 のもとで当該地域の電気料金を定めるこ とができる。すなわち、地方毎に異なる 電気料金の設定が可能となった。 出典:経済産業省「インドネシア共和国火力発電所における低品位炭利用の高効率化」報 告書 http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2011fy/E001722.pdf

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(参考)図表3.17:新電力法に関連する規制 3.4.3 省エネルギーに関する政令(2009) 省エネルギーに関する政令は,政府が省エネルギー推進のためのインセンティブを設け ることが規定されたエネルギー法を受けて2009 年に制定された。この政令では,年間 6,000 石油換算トン以上のエネルギーを使用する大規模需要家を対象に,エネルギー管理者の任 命,省エネプログラムの策定,内部または資格認定された外部団体による定期エネルギー 監査の実施,などが義務付けられた。また,省エネ製品に省エネラベルの認証(エネルギ ー鉱物資源省が所管)を与えることになった。以下の図表3.18に省エネルギーに関す る政令の構造,図表3.19にラベリングデザインと,電球型蛍光灯(CFL)のラベリン グ基準を例として示す。 (出典)エネルギー鉱物資源省資料講演資料「Contry Rport」(2013)を基に作成

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出典:平成25 年度エネルギー鉱物資源省インターンダナール氏プレゼン資料 2014 年 1 月

(参考)JETRO「省エネ意識と購買行動(インドネシア・ベトナム)」に関する調査【調査 報告書】

図表3.19:現在のラベリングデザインと電球型蛍光灯(CFL)のラベリング基準 図表3.18:省エネルギーに関する政令(2009)の構造

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3.4.4 地熱法(2003) この法律により,地熱開発への民間事業者の参入拡大のため,蒸気開発供給・発電の一 貫開発もしくは蒸気開発供給の各事業が民間にも認められることとなった。地熱資源の採 掘権(地熱鉱業権),事業活動の方法(開発区設定、探査活動・リスク負担等),地熱事業 認可等がこの法律により規定され,地熱事業に法の確実性が与えられたといえる。 参考:http://energy-indonesia.com/03dge/jinetsudoko1.pdf

(30)

4.インドネシアの電力セクターの概要 4.1 電力政策の歴史 最近の電力政策の動きについて,時系列にまとめると以下のようになる。 (参考)国家エネルギー政策(KEN)(2004)以前の歴史 ・1945 年 9 月 インドネシア政府が 19 世紀にオランダの民間企業が設置していた発電所を 接収。 ・1945 年 10 月 電力・ガス局設立。 ・1961 年 電力・ガス局が国営企業 BPU PLN となる。 ・1965 年 電力・ガス局が電力の供給を行う PLN,ガスの供給を行う PGN に分割される。 ・1972 年 PLN が公社となる。 ・1992 年 民間による電気事業に関する大統領令(1992 年第 37 号)発行。電力需要の急 国家エネルギー政策(KEN)2003-2020(2004) ブループリント国家エネルギー管理ブループリント2005-2025(2005) 国家エネルギー政策に関する大統領令(2006) 国家電力総合計画(RUKN)(2008) ※現在改定中。2014 年発表予定。 エネルギー法(2007) 新電力法(2009) 2011-2025 年におけるインドネシア経済開発加速化 及び拡大マスタープラン(MP3EI)(2011) ・再生可能エネルギー開発と省エネルギーに関する政策(2004) ・省エネルギー実施方法に関するエネルギー鉱物資源大臣令(2005) ・第1 次クラッシュプログラム(2006) ・省エネルギーに関する政令(2009) ・「新・再生可能エネルギー・省エネルギー総局」設立(2010) ・エネルギー鉱物資源省ビジョン25/25(2010) ・第2 次クラッシュプログラム(2010) ・小水力・マイクロ水力,地熱,バイオマス・バイオガス・都市廃棄物発電に ついて新買取価格の導入(2012) ・都市廃棄物発電の買取価格改訂,太陽光発電について新買取価格導入(2013) 新国家エネルギー政策(KEN)(2014) 図表4.1:最近のインドネシアの電力政策に関連する動き

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・1994 年 PLN が政府 100%保有の株式会社(PT PLN)となる。 ・1995 年 構造改革の一環で PLN のジャワ・バリの発電資産を分離,発電会社 PJBⅠ,PJB Ⅱ発足。 ・1997 年 アジア通貨危機の対応で「政府・国有企業に関連する政府・国有企業・民間のプ ロジェクトの延期/見直しに関する大統領令(1997 年第 39 号)」発効。多くの政府・民 間プロジェクトが延期,または見直しとなる。 ・1998 年 政府が「電力部門の構造改革政策」発表。関係閣僚からなる「PLN リストラ活 性化委員会」を設置し,PLN 改革に着手。 ・2000 年 PJBⅠはインドネシアパワー社,PJBⅡはジャワ・バリ発電会社(PT PJB)と 社名変更。 ・2000 年 Batam 島の電力供給を行う PT PLN Batam(PLN 子会社)設立。 ・2002 年 新電力法制定。(2004 年違憲判決により無効となる。詳細は3.5.2 新電力 法(2009)を参照) ・2003 年 Tarakan 島の電力供給を行う PT PLN Tarakan(PLN 子会社)設立。 4.2 電気事業体制 現在の電気事業体制は,発電部門を PLN と PLN の子会社,あるいは IPP が受け持ち, 送配電部門を PLN が独占している。なお,PLN では分社化や事業部制を推進しており, 発電子会社や特定地域(第2 のシンガポールを目指す Batam 島などの特定開発地域)で発 送配電を担当する子会社を設立している他,各部門をビジネスユニット化(独立採算を意 識した事業部制の導入)している。また,地方電化に関しては、「協同組合・中小企業担当

国務大臣府(SMOC & SMEs)」の管轄下に,「村落協同組合(KUD)」と呼ばれる住民組 織が全国に点在しており,PLN の電力系統から孤立した僻地において電力供給を実施して いる。 電力セクターに関わる行政組織としては,エネルギーの開発政策及び利用分野における 統合的な政策の策定を担当する国家エネルギー審議会(DEN),国家大の開発政策の策定や 調整を担う国家開発企画庁(BAPPENAS),PLN を監督し資源エネルギー分野全般を担う エネルギー鉱物資源省(MEMR),PLN を所有・管理する国営企業国務大臣府,予算を承 認する財務省(MOF),エネルギー政策の策定や調整を担う「国家エネルギー調整委員会 (BAKOREN)」,原子力発電に関する研究・開発を行う「インドネシア原子力庁(BATAN)」 などが存在する。

(32)

(注)PLN 以外の事業者の発電電力は原則 PLN に卸売りすることとなっているが,旧電

力法の下,工業団地への電力の安定供給の見地から,特例として PT Cikarang

Listrindo,PT Krakatau Daya Listrik など 4 社に特定供給が認められている。

(出典:海外電力調査会,海外諸国の電気事業第1 編追補版 2 アジア主要国のエネルギー・ 電力事情 2011 年を基に作成) 国家エネルギー 審議会(DEN) エネルギー鉱物 資源省(MEMR) 国家開発企画庁 (BAPPENAS) 国 営 企 業 国 務大臣府 財務省 (MOF) 原子力庁 (BATAN) 原子力規制庁 (BAPETEN) 協同組合・中小企業担当 国務大臣府

(SMOC & SMEs)

IPP 地方政府 自家発電 村 落 協 同 組 合(KUD) 需要家 需要家 需要家 需要家 PT. PLN (送・給電) P3B ジャワ・バリ P3B スマトラ (発電) インドネシアパワー社 ジャワ.バリ発電会社 ( 特 定 地 域 の 発 送 電) PT PLN Batam PT PLN Tarakan 図表4.2:電気事業体制 ・発電 ・送配電 ・顧客サービス 余剰電力 電力 卸売 電力 卸売 サポート 指導 調整 予算の承認 所有・管理 規制・監督 国家開発政策等 の策定・調整 原子力の研究・開発 原子力規制業務

(33)

4.2.1 エネルギー鉱物資源省(MEMR) MEMR はインドネシアのエネルギー分野全般を所掌する主要機関。国営エネルギー関係 企業の規制・監督を行う。エネルギー部門の開発に加え,エネルギー及び鉱物資源の調査 や研究実施に関するデータ提供および分析も担っている。2010 年,MEMR は再生可能エ ネ ル ギ ー の 開 発 と 推 進 を 進 め る た め に , 新 た に 新 ・ 再 生 可 能 ・ 省 エ ネ ル ギ ー 総 局 (DGNREEC)を設立した。この新総局の形成(旧鉱物・石炭・地熱総局から地熱部門が, 旧電力・エネルギー利用総局からエネルギー利用部門が分離し,DGNREEC に統合された) により,再生可能エネルギー全体の規制監督が強化されている。 MEMR を構成する総局のひとつ,電力総局(旧電力・エネルギー利用総局)が電力部門 を規制・監督することになっており,電力部門の政策策定,基準・手続きや標準の調整, 技術指導・評価の役割を担っている。また,電力需給予測,送電網計画,投資・資金政策, 新・再生可能エネルギー利用政策などを盛り込んだ国家電力総合計画(RUKN)策定の責 任を負っている。図表4.3は、現在のエネルギー鉱物資源省の職員配置。 図表4.3:エネルギー鉱物資源省の職員配置 出典:エネルギー鉱物資源省 矢野 JICA アドバイザー提供資料(2014 年 2 月)

(34)
(35)

DIREC

電気料金/補助金 Deputy Director Electricity Price and Subsidy

Ir. Djoko Widianto

4th FL (1416)

サービス/ビジネス指導 Deputy Director Electricity Services and

Business Guidance Drs. Tri Handoko, MA

4th, FL (1413) 図表4.5:電力総局組織図(2013 年 8 月時点)

電力総局長 Director General of DGE

Ir. Jarman M.Sc

事務局長 Secretary of Dir. Gen.

Ir. Arief IndartoM.M

電力会社監督 Director of

Electricity Enterprise Supervision Ir. Satya Zulfanitra, M.Sc

Functional Officers

技術/環境 Director of Electricity Engineering and Environment Ir. Agoes Triboesono, M. Eng 2nd Fl Annex Building (2212)

電力計画策定 Director of

Electricity Program Supervision

Ir. Hasril Zahri Nuzahar, MBA 3rd Fl,(1311)

法務 Legal Division

Pamuji Slamet, SH, MPA 3rd Fl Annex Building

(3011) 計画/報告 Planning and

Reporting Division Totoh Abdul Fatah S.Si

1st Fl (1141)

総務・人事 General and

Personnel Affairs Division Drs. Asep Rahman Saepullah 1st Fl (1226)Annex Building 財務 Finance Division Suyanto SE DFl Annex Building (3091) 電力計画策定 Deputy Director Electricity Program Preparation (Ir. Wanhar ) 投資/ファイナンス Deputy Director Electricity

Investment and Financing Ir. Enita Rosdiana Nainggolan

3rd Fl,(1322) 電力協力 Deputy Director Electricity Cooperation Ir. Benhur 3rd Fl,(1316) 情報Deputy Director

Electricity Information and Government Joint Capital Ir. Mira Suryastuti, M. Eng.Sc

地方電化Deputy Director

Rural Electricity Ir. Zaenul Arief

ビジネス管理・監督 Deputy Director Management and Oversight

of Electricity Business Afrizal, ST, M.Sc,M.Ec.Dev.

標準化 Deputy Director

Electricity Standardization Ir. Jisman P. Hutajulu, MM.

2nd Fl Annex Building

商業関連 Director of Electricity

Commercial Relation Ir. Albert Manurung,MM

4th, FL (1419)) 消費者保護 Deputy Director Electricity Consumer Protection 技術/安全 Deputy Director Electricity Engineering and

Safety Feasibility Ir. Ferry Triansyah 2nd Fl Annex Building

環境保護 Deputy Director

Electricity Environment Protection Ir. Hanat Hamidi, M.Si 5th Fl Annex Building (4079) 技術 Deputy Director Electricity Engineering Personnel Husni Safruddin ST,MT 5th Fl Annex Building (4050) 企業サポートDeputy Director Electricity Supporting Enterprise Ir. Agus Sufiyanto

(36)

投資./協力

Deputy Director Bioenergy Investment

and Cooperation

Dra. Anna Rufaida

MM.

サービス/ビジネス監督 Deputy Director Bioenergy Services and

Business Inspection

Drs. Dotor Panjaitan

サービス./ビジネス監督 Deputy Director Services and Business

Guidance Agung Prasetyo, ST.MT 投資./協力 Deputy Director Investment and Cooperation

Ir. Abdi Dharma Saragih 図表4.6:新再生可能・省エネルギー総局組織図(2013 年 5 月時点)

新再生可能/省エネルギー総局長 Director General of DGNREEC

2nd Fl

Ir. Rida Mulyana, M.Sc.

事務局長 Secretary of Directorate General Ir. Tunggal M.Sc. バイオエネルギー局長 Director of Bioenergy Dr. Ir. Dadan Kusdiana,

M.Sc.

Functional Officers

再生可能エネルギー局長 Director of Various New Energy and Renewable

Energy Ir. Alihuddin Sitompu,

M.M 地熱局長 Director of Geothermal Ir. Tisnaldi 法務 Legal Division Robert A. Jon SH. 計画./報告

Planning and Reporting Division

Ir. Hendra Iswahyudi, Msi

総務/人事 General and Personnel

Affairs Division Yuli Wahono, S.Sos 財務 Finance Division Luh Nyoman Puspadewi SE, MM 計画策定 Deputy Director Geothermal Program Preparation Drs. Bambang Sediyono MM 探査/開発監督 Deputy Director Geothermal Exploration and Exploitation Inspection Ir. Eddy Hindiarto

Judoadi, M.A.B サービス./ビジネス指導

Deputy Director Services and Business

Guidance Ir.Yunus Saiful Hak

MM.MT 投資/協力 Deputy Director Geothermal Investment

and Cooperation Ir. Sjaiful Ruchiyat, M.Sc

技術/環境 Deputy Director

計画策定 Deputy Director Bio

Energy Program Preparation

Agus Saptono, S.E.MM M.M 計画策定 Deputy Director Propram Preparation Bambang Purwatmo, ST 技術/環境 Director of Technical and

Environment of Bioenergy Ir. Edi Wibowo, MT.

技術/環境 Deputy Director

Technical and Environment Ir. Ida Nuryatin Finahari,

M.Eng

省エネルギー局長 Director of Energy

Conservation Ir. Maritje Hutapea

計画策定 Deputy Director Program Preparation for Energy Utilization

Ir. Edi Sartono エネルギー効率監督

Deputy Director Energy Efficiency

Supervision Ir. Mustofa Said

経済/技術 Deputy Director Energy

Economy Techno Dr. Ir. Arif Heru K,. MT.

クリーン技術応用Deputy

Director Clean and Efficient Energy Technology Application

Harris, ST. 技術指導/省エネ協力

Deputy Director Technical Guidance and

(37)

4.2.2 国有電力会社(PT. PLN) インドネシアでは発電部門を政府100%保有の株式会社である PLN とのその子会社,お よびIPP(独立発電事業者)が受け持ち,送配電部門は PLN が独占している。 事業規模が大きいジャワ・バリ地域では,発電部門は 2 つの発電子会社(インドネシア パワー社,ジャワ・バリ発電会社)を所有し,送配電はPLN 内で業務分離(ジャワ・バリ 送電・給電センター(P3B Jawa Bali)と 5 つの配電事務所)して運営している。また,ス マトラ地域では,2つの発電ビジネスユニット(北スマトラ発電BU,南スマトラ発電 BU) とスマトラ送電・給電センター(P3B Sumatra),7 つの地域支店で運営している。その他 の地域では,地域支店として垂直統合的な業務運営を行っている。その他にPLN の子会社 として特定地域での電力供給を行う,PLN Batam(保税地域バタム島で事業実施)や PLN Tarakan(東カリマンタン州のタラカン島で事業実施)がある。 各地域の発送電・配電体制をまとめると以下のようになる。 図表4.7:PLN の事業体制 ジャワ・バリ スマトラ その他 発電 PLN 各発電所 インドネシアパワー社 ジャワ・バリ発電会社 IPP 北スマトラ発電BU 南スマトラ発電BU IPP 送変電 給電 ジャワ・バリ送電・給電セン ター(P3B Jawa Bali) スマトラ送電・給電 セ ン タ ー ( P3B Sumatra) 配電・営業 5 つの配電事務所 7 つの地域支店 9 つの地域支店 および PLN Batam PLN Tarakan 出典:海外電力調査会資料などを基に作成 PLN は社長の下に 8 名の取締役がおり,5 名は燃料・人事総務,建設,資材,営業・リ スク管理,財務の 6 部門を掌握し,3 名はジャワ・バリ,西インドネシアおよび東インド ネシアの各地域担当となっている。 2011 年 10 月,ユドヨノ政権の内閣改造によるダー ラン・イスカン前社長の国営企業担当相への就任に伴い,ヌル・パムジ前取締役(一次エ ネルギー担当)が新社長に就任することとなった。しかし,2013 年スマトラ地域の発電所 で,老朽化した機材の調達に絡む汚職事件で,同社幹部 5 人が容疑者になったことに関連 し,パムジ社長は辞任の意向を表明した(2014 年 2 月現在辞表は取締役会(国営企業国務 大臣府による)に受理されていない)。

(38)

図表4.8:PLN の組織図 President Director Director of Business and Risk Management Director of

Construction Director of Strategic Procurement

Director of Java -

Bali Operations Director of West Indonesia Operations Director of East Indonesia Operations Director of Human Resources and General Affairs Director of Finance Head of Engineering and Technology Strategic Procurement Planning Division Resources and General Affairs Resources and General Affairs Resources and General Affairs Head of System Planning Division Head of Java-Bali Construction and IPP Division Head of Renewable Energy Division Head of West Indonesia Construction and IPP Division Head of East Indonesia Construction and IPP Division Head of Construction Administration Division

Head of Gas & Oil Division Head of Strategic Procurement Division Head of IPP Procurement Division Head of Utilities Business and Transaction Division Head of Coal Division Head of Corporate Finance Division Head of Budget Monitoring Planning Division Head of Accounting Tax and Insurance Division Head of Treasury Division Head of Information System Division Head of Java-Bali Power Generation Division Head of Java-Bali Transmission Division Head of Java-Bali Distribution and Customer Services Division Head of West Indonesia Power Generation Division Head of West Indonesia Transmission Division Head of West Indonesia Distribution and Customer Services Division Head of East Indonesia Power Generation Division Head of East Indonesia Transmission Division Head of East Indonesia Distribution and Customer Services Division Head of Commerce Division Head of Risk Management Division Head of Corporate Strategic Planning Division Management Division Resources and General Affairs Resources and General Affairs Resources and General Affairs Head of General Affair and Head Office Management Division Head of Organization Development Division Head of Human Resources Development System Division Head of Human Resource and Talent Development Division Power Plant Business Units Regional Business

Unit PLN Main Project Business Unit Education and Training Center Units of PLN Subsidiaries Resources and Resources and Resources and Head of Corporate Legal Internal Supervisory Unit Corporate Secretary Head of Corporate Delivery Unit

(39)

4.2.3 IPP(独立発電事業者) インドネシアでは1980 年代後半,急増する電力需要への対応が PLN だけでは困難とな ったことから,1992 年より電力事業における民間資本の導入(IPP の参入)が始まった。 現在インドネシアの発電設備容量の22%を IPP が占めている。 IPP により発電された電力は全て PLN が買い取ることとなっており,IPP 事業を行う民 間事業者がPLN へ電力販売をする際は,原則競争入札を通じて発電所を建設することとな っている。ただし,①再生可能エネルギーを利用した発電(マイクロ水力,地熱,バイオ 図表4.10:発電設備容量に占める各自業者比率 (注)PPU:自家発電事業者 出典:ジャルマン総局長講演資料2013 年 11 月 図表4.9:日本の電力体制(2005年4月1日∼) (参考)日本の電気事業体制

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ずに直接指名ができる(注)。 2014 年 2 月のメディアからの取材においてジャルマン電力総局長は,発電所建設資金の 50%が民間資金によって供給されることを期待している,と発言している。 (注)この他に例外として,実績のある IPP は同一地点の増設(既存の容量より大きい容量 の増設の場合は,より効率が高い,より環境負荷が少ない設備の場合に限る)は入札 を経ず随意契約を認めることとしている。 4.2.4 国家エネルギー委員会(DEN) DEN は 2007 年のエネルギー法により 2009 年に設立された。包括的な国家エネルギー 政策(KEN),国家エネルギー総合計画(RUEN)等を策定することとなっており,それら はエネルギー鉱物資源省が施行・実施することとなる。議長は大統領が務め委員は 15 名, うち7 名が閣僚である。政府関係者とのバランスを保つため,学術機関,環境問題専門家, 消費者団体,および産業や工学分野の代表者を含む非政府会員を8 名有している。 メンバーは以下の通り(2012 年 5 月)。 ・議長 : (大統領) Susilo Bambang Yudhoyono ・副議長 : (副大統領) Budiono

・総務会長 : (エネルギー鉱物資源相) Jero Wacik ・閣僚委員

1. Minister of Finance (Agus Martowardojo)

2. State Minister of National Development Planning (Armida Alisjahbana) 3. Minister of Transportation (E.E. Mangindaan)

4. Minister of Industry (M.S. Hidayat) 5. Minister of Agriculture ( Suswono )

6. State Minister of Research and Technology (Gusti Muhammad Hatta) 7. State Minister of Environment (Berth Kambuaya)

・非閣僚委員

1. Ir. Agusman Effendi (Consumer- President Commissaries of PT. Ristia Bintang Mahkota Sejati Tbk/1997-present)

2. Prof. Widjajono Partowidagdo, Ph.D (Technology Expert- Vice Minister of MEMR/ April 2011-April 2012 )

3. Prof. Ir. Rinaldy Dalimi PhD. (Academics-Dean the Faculty of Engineering, Engineering, University of Indonesia / 2004-2008 )

4. Ir .Eddie Widiono S.MSc (industry- Secretary of National Team and Director Executive Team of for Energy and Water Saving /2008-Present )

参照

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