調査票に記入する際に必ずお読みください
平成22年度社会保険基礎調査委託事業 医療施設・介護施設の利用者に関する横断調査【在宅療養支援病院・在宅療養支援診療所】記 入 要 領
≪目 次≫
第1 本調査について 1 第2 施設特性調査票の回答方法 5 第3 患者特性調査票の回答方法 8第1 本調査について
Ⅰ
調査の趣旨
1 調査の目的
本調査では、医療療養病棟、障害者施設、特殊疾患病棟、13 対 1 又は 15 対 1 の一般病
棟の入院患者、在宅療養支援病院および診療所が往診等を行っている在宅患者、介護療養型
医療施設や介護老人保健施設、
介護老人福祉施設といった介護保険施設の入所者の状態像等
を、共通尺度を用いて横断的に把握することにより、医療と介護の連携に係る検討に資する
データを収集・分析することを目的としています。
また、厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)の答申(平成2
2年2月12日)においても、
「慢性期入院医療の在り方を総合的に検討するため、一般病
棟や療養病棟、障害者病棟を含めた横断的な実態調査を行う」こととされているところであ
り、今回の調査は、今後の慢性期入院医療のあり方はもちろん、高齢者を支える医療と介護
の連携のあり方を検討するための基礎資料となる非常に重要な調査です。
2 調査の実施主体
本調査は、厚生労働省保険局から平成
22 年度社会保険基礎調査委託を受け、「みずほ情
報総研株式会社」が実施します。
お問い合わせ先 みずほ情報総研株式会社 〒101-8443 東京都千代田区神田錦町2-3 TEL:0120-701-677【平日 10:00~17:00】 FAX:03-5281-5443Ⅱ
調査の概要
1 調査対象施設
本調査では、全国の以下の条件に該当する医療機関、介護保険施設を無作為に抽出して調
査対象施設としています(ただし、一部施設種別については全数調査を実施しています)
。
・一般病棟入院基本料の13 対 1 入院基本料を算定している病棟を有する病院 一般病棟入院基本料の15 対 1 入院基本料を算定している病棟を有する病院 ....約 2,000 施設 ・障害者施設等入院基本料を算定している病棟を有する病院... 約 800 施設 ・特殊疾患入院医療管理料を算定している病棟を有する病院 又は特殊疾患入院医療管理料を算定している病室を有する病院... 約 250 施設 ・療養病棟入院基本料を算定している病棟を有する病院...約 2,800 施設 ・有床診療所療養病床入院基本料を算定している診療所...約 1,300 施設 ・在宅療養支援病院の届出病院... 約 100 施設 ・在宅療養支援診療所の届出診療所...約 3,000 施設 ・介護療養型医療施設を有する病院および診療所... (全数調査)約 2,000 施設 ・介護老人保健施設...約 2,000 施設 ・介護老人福祉施設...約 2,000 施設 ※上記施設には一部重複施設があります。2 調査の内容
■
調査の構成
本調査は、調査対象施設の概況についてご回答いただく「施設特性調査」と、貴院で往
診または訪問診療をしている在宅患者の状態像を個別にご回答いただく「患者特性調査」
から構成されます。
■
調査の内容
種 類 調 査 の 内 容 回 答 部 数 施設特性 調査 記入者:管理者または事務責任者の方がご記入ください □開設主体 □併設する施設・事業所 □病床数・入院患者数・所属する職員数 □医療療養病棟等の入院患者の受入れ基準 □介護療養型医療施設の入院患者の受入れ基準 □救急医療体制、手術の実施状況 □地域における役割 1 部 患者 特性 調 査 記入者:看護職員の方が個別患者ごとにご記入ください □患者の基本属性 □患者の状態等 □今後の生活・療養の場の見通し等 □患者本人・家族の今後の生活・療養の場に関する希望 □医療提供状況に係る評価 直近に往診等をした患者のうち、 訪問日が平成22 年 6 月 23 日時点 から遡って最大10 名分3 調査の流れ
■
施設特性調査票への記入
管理者または事務責任者の方が施設特性調査票にご記入ください。
■
患者特性調査票への記入
① 調査対象入所者の選定
患者特性調査は、貴院で直近に往診または訪問診療をした患者のうち、訪問日が平成22
年6月23日時点から遡って10名までを
調査対象とします。なお、10名に満たない場合は、 9名以下の全ての患者が調査対象となります。② 対応一覧表への記入
調査対象とした患者については、同封の対応一覧表を用いて連番を振ってください。ま
た、後日、調査票の回答内容についてお問い合わせ等をする場合がありますので、対応一
覧表は必ず作成して施設内で保管管理してください。
≪対応一覧表への記入例≫ 連番 氏 名 備 考 1 ○○○ ○○ 6 月 23 日訪問 2 ○○○ ○○ 6 月 23 日訪問 3 ○○○ ○○ 6 月 23 日訪問 4 ○○○ ○○ 6 月 22 日訪問 5 ○○○ ○○ 6 月 21 日訪問 6 ○○○ ○○ 6 月 21 日訪問 7 ○○○ ○○ 6 月 16 日訪問 8 ○○○ ○○ 6 月 16 日訪問 9 ○○○ ○○ 6 月 15 日訪問 10 ○○○ ○○ 6 月 14 日訪問③ 患者特性調査票への記入
看護職員の方が個別患者ごとにご記入ください。
なお、対応一覧表で振った連番は、当該患者に係る患者特性調査票の右上の連番記入欄
に必ずご記入ください。
≪患者特性調査票への記入例≫患 者 者 特 性 調 査 票
Ⅰ 患者の基本情報 連 番 記入欄 1 性別 01 男 02 女 2 年齢 満 89 歳 (平成22 年 6 月 23 日時点) 対応一覧表の 連番を記入する1
4 提出期限
平成
22 年 7 月 7 日(水)までに、ご回答いただいた施設特性調査票および患者特性調
査票をまとめて、同封の返信用封筒にてご提出ください。なお、対応一覧表は提出する必要
はありませんが、貴院内で保管管理してください。
5 一般的事項
(1)調査票の回答内容についてお問い合わせする場合がありますので、施設特性調査票の
上欄にご担当者の氏名および部署・役職、電話番号、
FAX 番号、施設名、住所等につ
いて必ずご記入ください。
(2)調査票には、黒 HB の鉛筆または黒のボールペンで明確に記入してください。
(3)数字を記入する欄が「0」の場合は「0」を必ず記入してください(例えば、回答人数
が
0 人の場合は、無記入ではなく必ず「0」と記入してください)。
(
4)誤って記入したときは消しゴムで消すか、二重線で消して正しいものを記入してくだ
さい。
第2 施設特性調査票の回答方法
平成22年6月23日現在の貴院の概況についてご記入ください。
問1 開設主体 開設者 貴院の開設者について、01~11 の中から該当するもの1 つに○をつけてください。 なお、「01 国」、「04 公的」、「05 社会保険関係団体」、「10 その他の法人」に含まれ る開設者は以下の通りです。 01 国 厚生労働省、独立行政法人国立病院機構、国立大学法人、 独立行政法人労働者健康福祉機構、その他 04 公的 日赤、済生会、北海道社会事業協会、厚生連、国民健康保 険団体連合会 05 社会保険関係団体 全国社会保険協会連合会、厚生年金事業振興団、船員保険 会、健康保険組合、共済組合、国民健康保険組合 10 その他の法人 学校法人、医療生協、会社、その他の法人 問2 併設する施設・事業所 併設する 施設・事業所 貴院に併設する施設・事業所について、01~16 の中から該当するもの全てに○をつけ てください。 なお、「併設」とは同一法人(法人が異なっても実施的に密接な連携がとられている場合 も含む)によって、同一又は隣接の敷地内で運営していることをさします。 問3 病床数・入院患者数・所属する職員数 許可病床数 貴院の許可病床数を①~⑭の病棟種類別にご記入ください。 なお、①~⑪以外に医療保険適用の病棟がある場合は、全て「⑫上記以外の病棟」に記 入してください。 入院患者数 平成22 年 6 月 23 日 24 時現在、貴院に入院している患者数を①~⑭の病棟種類別にご 記入ください。 専従医師 貴院に在籍している病棟専従の医師数(常勤職員の実人数+非常勤職員の常勤換算人数) を従事している病棟種類別(①~⑭)にご記入ください。 なお、貴院の職員として含める者と含めない者の区分は次のとおりです。 [職員に含む者] 新規採用者、休暇中の者(産前・産後休暇を含む)、欠勤者、育児休業の代替職 員、派遣職員、出向職員、家族従事者 [職員に含めない者] 退職者、休職または休業中の者(育児休業・介護休業を含む)、ボランティア、 役員(理事長、理事、監事で主として役員としての業務に従事している者)専従医師 (続き) 非常勤職員の常勤換算にあたっては、直近1週間に従事した勤務時間を施設の通常の勤 務時間で除した数値(常勤換算数)を記入してください。 ただし、1 週間に勤務すべき時間数が 32 時間未満となる場合は、換算する分母を 32 時 間としてください。 【非常勤職員の常勤換算数の計算式】 非常勤職員の1 週間の勤務時間 貴院が定めている1 週間の勤務時間 ※1 カ月に数回の勤務である場合 非常勤職員の1 か月の勤務時間 施設が定めている1 週間の勤務時間×4(週) 上記の計算式によって得られた数値を、小数点第二位を四捨五入し、小数点第一位まで 記入してください。四捨五入の結果が 0.1 に満たない場合は「0.1」と記入してくださ い。 【非常勤職員の常勤換算数の例】 -1 週間の勤務時間を 40 時間と定めている施設の場合- 週2 日(各日 3 時間)勤務の非常勤職員が 1 人と、週 3 日(各日 5 時 間)勤務の非常勤職員が1 人いる場合 (3 時間×2 日×1 人)+(5 時間×3 日×1 人) 40 時間 =0.525→ 0.5 人 看護職員 貴院に在籍する看護職員(看護師および准看護師;常勤職員の実人数+非常勤職員の常 勤換算人数)を従事している病棟種類別(①~⑭)にご記入ください。 なお、貴院の職員として含める者と含めない者の区分、非常勤職員の常勤換算の方法は 前項「医師」の欄に記載したとおりです。 看護補助者 ・介護職員 貴院に在籍する看護補助者および介護職員(常勤職員の実人数+非常勤職員の常勤換算 人数)を従事している病棟種類別(①~⑭)にご記入ください。 なお、貴院の職員として含める者と含めない者の区分、非常勤職員の常勤換算の方法は 前々項「医師」の欄に記載したとおりです。 ≪問3①~③に該当する病棟(医療療養病棟等)がある場合のみご回答ください。≫ 問4 医療療養病棟等で、全く受け入れていない患者 医療療養病棟等で 受け入れていない 患者 問3①~③に該当する病棟(医療療養病棟等)がある場合のみご回答ください。 貴院の医療療養病棟において全く受け入れていない患者について、01~16 の中から該 当するもの全てに○をつけてください。 問5 貴院の医療療養病棟等が地域で果たす役割のうち、特に重要と考えるもの 医療療養病棟等の 役割 問3①~③に該当する病棟(医療療養病棟等)がある場合のみご回答ください。 貴院の医療療養病棟が地域で果たす役割のうち、特に重要と考えるものについて、01~ 08 の中から該当するもの全てに○をつけてください。
≪問3④または⑤に該当する病棟(13:1又は15:1一般病棟)がある場合のみご回答ください。≫ 問6 救急医療体制 救急告示 01~04 の中から該当するもの1つに○をつけてください。 24 時間の 救急対応の可否 01~04 の中から該当するもの1つに○をつけてください。 救急車の受入れ件数 平成22 年 5 月 1 カ月間に受け入れた救急車の件数をご記入ください。 診療時間外に 受診した患者の延数 平成22 年 5 月 1 カ月間に診療時間外に受診した患者の延数をご記入ください。 あわせて、上記のうち、緊急入院した患者の延数を再掲としてご記入ください。 問7 手術の実施状況 手術の実施件数 平成22 年 5 月 1 カ月間に実施した実施した手術の件数をご記入ください。 あわせて、上記のうち、全身麻酔(静脈麻酔は除く)を実施した件数、腰椎麻酔(静脈 麻酔は除く)を実施した件数を、それぞれ再掲としてご記入ください。 ≪問3⑬に該当する病棟(介護療養型医療施設)がある場合のみご回答ください。≫ 問8 介護療養型医療施設で、全く受け入れていない患者 介護療養型医療施設で 受け入れていない 患者 問3⑬に該当する病棟(介護療養型医療施設)がある場合のみご回答ください。 貴院の介護療養型医療施設において全く受け入れていない患者について、01~16 の中 から該当するもの全てに○をつけてください。 問9 貴院の介護療養型医療施設が地域で果たす役割のうち、特に重要と考えるもの 介護療養型医療施設の 役割 問3⑬に該当する病棟(介護療養型医療施設)がある場合のみご回答ください。 貴院の介護療養型医療施設が地域で果たす役割のうち、特に重要と考えるものについて、 01~08 の中から該当するもの全てに○をつけてください。
第3 患者特性調査票の回答方法
貴院で直近に往診または訪問診療をした調査対象患者について個別にご記入ください。
また、調査票右上の連番記入欄に、対応一覧表で振った連番を記入してください。
なお、本調査は、医療施設・介護施設を利用する方々への横断的な調査であるため、各
設問において貴院に該当しない選択肢があり得ますが、最も適当と考えられるものにつ
いてご記入下さい。
Ⅰ
患者の基本情報
1 性別 該当する方に○をつけてください。 2 年齢 平成22 年 6 月 23 日時点の満年齢をご記入ください。 3 現在の居場所 01~02 のうち該当する方に○をつけてください。 さらに、「01 自宅(家族等との同居も含む)」を選ばれた場合、自宅における介護者 の有無について、01~06 の中から該当するもの1 つに○をつけてください。 4 最近 3 カ月以内に 入院・入所してい た場所 01~13 の中から該当するもの1 つに○をつけてください。 5 在宅での療養を 選択した理由 01~11 の中から該当するもの全てに○をつけてください。Ⅱ
患者の状態等
6 現在治療中の 疾患 01~18 の中から該当するもの全てに○をつけてください。 ※内服(一般市販薬は除き、医師から処方を受けたもののみとします)のみのもの も含みます。ただし、現在治療していない既往歴は含めないでください。 特に治療中の疾患がない場合は、「17 疾患は特になし」に○をつけてください。 7 要介護度 要介護度とは、常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合等に、介護 保険のサービスを利用するために必要な介護の必要の程度であり、全国一律の基準 に基づいて、市町村により認定されるものです。 01~10 の中から該当するもの1 つに○をつけてください。 さらに、「02 非該当(要介護認定の結果、『自立』の判定を受けた場合)」~「09 要 介護5」のいずれかを選ばれた場合、その要介護度の認定時期として該当する方に ○をつけてください。8 認知症高齢者の 日常生活自立度 下記の評価基準を参考にして、01~07 の中から該当するもの1 つに○をつけてく ださい。 ランク 評 価 基 準 自 立 認知症を有しない。 Ⅰ 何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的に ほぼ自立している。 Ⅱ 日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さ が多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。 例)たびたび道に迷う、買い物や事務・金銭管理などそれま でできたことにミスが目立つ、服薬管理ができない、電 話の応対や訪問者との対応など 1 人で留守番ができない 等 Ⅲ 日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さ がときどき見られ、介護を必要とする。 例)着替え・食事・排便・排尿が上手にできない・時間がか かる、やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、 失禁、大声・奇声を上げる、火の不始末、不潔行為、性的 異常行為 等 Ⅲa 日中を中心として上記Ⅲの状態が見られる。 Ⅲb 夜間を中心として上記Ⅲの状態が見られる。 Ⅳ 日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さ が頻繁に見られ、常に介護を必要とする。 例)ランクⅢに同じ M 著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見ら れ、専門医療を必要とする。 例)せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神症 状に起因する問題行動が継続する状態 等 9 受診状況 直近1 カ月間の往診、訪問診療の受診状況について、該当する方に○をつけてくだ さい。さらに、「01 している」を選ばれた場合、直近 1 カ月間の受診回数をご記入 ください。 ※往 診:患者の要望に応じて、患者宅を訪問して診療を行うこと 訪問診療:在宅療養患者に対し、計画的な診療計画に基づいて、定期的に訪問し て診療を行うこと 10 訪問系サービス の利用状況 直近1 カ月間の訪問看護、訪問リハビリテーションの利用状況について、該当する 方に○をつけてください。さらに、「01 している」を選ばれた場合、直近 1 カ月間 の利用回数をご記入ください。
Ⅲ
今後の生活・療養の場の見通し等
11 30 日後の 病状の見通し 想定できる範囲で、01~05 の中から該当するもの1 つに○をつけてください。 12 最も適切と 考えられる 生活・療養の場 前問11 の病状を踏まえた上で、最も適切と考えられる今後の生活・療養の場につい て、01~09 の中から該当するもの1 つに○をつけてください。 退院の見通しが立たない場合も、最も適切と考えられるものをお選びください。 13 今後の 生活・療養の場 の見通し 01~02 のうち該当する方に○をつけてください。 さらに、「02 現時点で、前問 12 で回答した場所で生活・療養する見通しが立ってい ない」を選ばれた場合、その理由について、01~11 の中から該当するもの全てに○ をつけてください。Ⅳ
患者本人・家族の今後の生活・療養の場に関する希望
14 今後の 生活・療養の場 に関する 本人の希望 カルテ等に記載してある場合など、把握している範囲で 01~09 の中から該当する もの1 つに○をつけてください。 15 今後の 生活・療養の場 に関する 家族の希望 カルテ等に記載してある場合など、把握している範囲で 01~09 の中から該当する もの1 つに○をつけてください。Ⅴ
医療の提供状況(医療区分等)に係る評価
◇この調査では、在宅患者への医療の提供状況を記入していただきます。直近の往診または訪問 診療時の対象患者の状態について、下記の評価項目等に該当する場合は、その全てについて記 入欄内に○をつけてください。 ◇なお、この評価項目は、療養病棟入院基本料等の算定の際に使用する医療区分※に基づき作成 されていますが、一部に医療区分の評価項目以外のものも含まれています。該当する全ての項 目に○をつけるようにしてください。 ※医療区分とは、医療療養病棟の入院基本料を算定する際、患者の状態の評価を行うために使用する区分 です。今回の調査では、医療療養病棟以外の病棟、施設についても同一の基準を用いて患者の特性を評 価するため、医療療養病棟以外の施設についてもこの評価項目のチェックをお願いするものです。 ◇また、状態の期間に関する設問(01-2、02-2、05-2、07-2、08-2、10-2、11-2、13-2) については、下記の例示を参考にして、該当する場合に○をつけてください。 【回答例】 1.24時間持続して点滴を実施している状態 ケース1
:6 月 23 日時点で、6 日間連続して 24 時間持続点滴をしている 01 24 時間持続して点滴を実施している状態○
不 明 01-2 連続して実施しているのは7日以内○
「01-2」の左側の記入欄に○ ケース2
:6 月 23 日時点で、10 日程度連続して 24 時間持続点滴をしている 「01-2」の記入欄に○はつけない 01 24 時間持続して点滴を実施している状態○
不 明 01-2 連続して実施しているのは7日以内 ケース3
:以前に10 日程度連続していたがいったん中止し、その後再開して、6 月 23 日時点で、 再開後3 日連続して 24 時間持続点滴をしている 「01-2」の左側の記入欄に○ 01 24 時間持続して点滴を実施している状態○
不 明 01-2 連続して実施しているのは7日以内○
ケース4
:6 月 23 日時点で 24 時間持続点滴をしているが、7 日以内かどうか不明である 01 24 時間持続して点滴を実施している状態○
不 明 01-2 連続して実施しているのは7日以内○
「01-2」の右側の不明欄に○1.24時間持続して点滴を実施している状態 ■24 時間続けて点滴を受けている状態をさします。 ■点滴とは、液体の薬剤や栄養、電解質(生命維持に必要な静電気を帯びた鉱物性の栄養素)などを、 注射器で静脈へ一定の時間をかけて注入する処置をさします。 ■①口から食事を摂ったり薬を飲んだりすることができない場合、②心臓や血圧の状態が不安定な場合、 ③体液中の栄養素が不均衡(電解質異常があるなど)な場合の 3 つのうち、いずれかの理由で行って いる場合が該当します。 1-2.連続して実施しているのは7日以内 ■上記の「1.24 時間持続して点滴を実施している状態」が、連続 7 日間以内の場合は記入欄内に ○をつけてください。 ■連続8 日間以上の場合は○をつけないでください。ただし、8 日目以降にいったん中止して再び病 状が悪化したために再開した場合は、再開した日を1 日目として実施期間をお考えください。 ■実施期間が不明の場合は、不明欄に○をつけてください。 2.尿路感染症に対する治療を実施している状態 ■尿路感染症とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道などの尿路が、細菌に感染している疾患です。 ■尿沈渣(にょうちんさ;尿を遠心分離器にかける検査)を行った結果、尿中に細菌が認められる場合、 または白血球尿である(尿中の白血球数が基準値(10/HPF)を超えている)場合で、尿路感染症に対 する治療を実施している状態をさします。 2-2.連続して実施しているのは14日以内 ■上記の「2.尿路感染症に対する治療を実施している状態」が、連続 14 日間以内の場合は記入欄 内に○をつけてください。 ■連続 15 日間以上の場合は○をつけないでください。なお、15 日目以降にいったん中止して、再 び病状が悪化したために再開した場合は、再開した日を1 日目として実施期間をお考えください。 ■実施期間が不明の場合は、不明欄に○をつけてください。 3.傷病等により医療保険のリハビリテーションが必要な状態 ■ケガや病気によって、医療保険のリハビリテーションが必要となった状態をさします。 ■継続して適切に行われていれば、毎日行われている必要はありません。 3-2.原因となる傷病等の発症後30日以内 ■上記の「3.傷病等により医療保険のリハビリテーションが必要な状態」が、ケガ、または病気に なってから30 日以内であり、実際にリハビリテーションを行っている人が対象となります。 ■発症後31 日以上経過している場合は○をつけないでください。また発症後 30 日以内かどうか不 明の場合は、不明欄に○をつけてください。 4.リハビリテーションが必要な状態(3の場合を除く) ■医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士により1 対 1 の個別リハビリテ ーションを行っている場合であって、「3.傷病等により医療保険のリハビリテーションが必要な状態」 以外の場合が対象となります。 ■認知症短期集中リハビリテーションは対象となりません。 ■継続して適切に行われていれば、毎日行われている必要はありません。
5.脱水に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態
発熱に対する治療を行っている場合に限る。 ■尿量、体重が減り、血液中に含まれる尿素量とクレアチニンの比率(BUN/CRE)の上昇等が見られ、 脱水に対する治療を行っており、かつ、発熱があり、薬などを使って発熱に対する治療を実施してい る状態をさします。 5-2.連続して実施しているのは7日以内 ■上記の「5.脱水に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態」が、連続 7 日間以内 の場合は記入欄内に○をつけてください。 ■連続8 日間以上の場合は○をつけないでください。ただし、8 日目以降にいったん中止して、再び 病状が悪化したために再開した場合は、再開した日を1 日目として実施期間をお考えください。 ■実施期間が不明の場合は、不明欄に○をつけてください。6.脱水に対する治療を実施している状態(発熱を伴わない状態)
発熱を伴わない場合に限る。 ■尿量、体重が減り、血液中に含まれる尿素量とクレアチニンの比率(BUN/CRE)の上昇等が見られ、 脱水に対する治療を行っている状態をさします。 ■なお、発熱を伴わない場合が対象となります。 7.消化管等の体内からの出血が反復継続している状態 ■消化管などの体内から、出血が繰り返し続いている状態をさします。例えば、黒色便、コーヒー残渣 様嘔吐(ざんさようおうと;コーヒーのかすを含んだような色をした嘔吐)、喀血(咳をしたときに肺 や気道から出てくる出血)、痔核出血を除く持続性の便潜血が認められる状態をいいます。 ■なお、体内からの出血を確認する方法として、便潜血の検査があります。これは、便に薬を混ぜて、 便に血液が含まれていないかを調べる検査です。この検査で、陽性の反応が継続して確認された場合 が該当します。 7-2.連続しているのは7日以内 ■上記の「7.消化管等の体内からの出血が反復継続している状態」が、連続 7 日間以内の場合は記 入欄内に○をつけてください。 ■連続8 日間以上の場合は○をつけないでください。ただし、8 日目以降にいったん出血が止まり、 再び出血が認められた場合は、再び出血が認められた日を1 日目として期間をお考えください。 ■期間が不明の場合は、不明欄に○をつけてください。 8.頻回の嘔吐に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態
発熱に対する治療を行っている場合に限る。 ■1 日に複数回の嘔吐があり、頻回の嘔吐に対する治療を実施しており、かつ、発熱があり、薬などを使 って発熱に対する治療を実施している状態をさします。 8-2.連続して実施しているのは3日以内 ■上記の「8.頻回の嘔吐に対する治療を実施している状態、かつ、発熱を伴う状態」が、連続 3 日 間以内の場合は記入欄内に○をつけてください。 ■連続4 日間以上の場合は○をつけないでください。ただし、4 日目以降にいったん中止して、再び 病状が悪化したために再開した場合は、再開した日を1 日目として実施期間をお考えください。 ■実施期間が不明の場合は、不明欄に○をつけてください。9.頻回の嘔吐に対する治療を実施している状態
(発熱を伴わない状態)
発熱を伴わない場合に限る。 ■1 日に複数回の嘔吐があり、頻回の嘔吐に対する治療を実施している状態をさします。 ■なお、発熱を伴わない場合が対象となります。 10.せん妄に対する治療を実施している状態 ■せん妄とは、一時的に脳の機能が急激に低下し、意識障害をおこす状態をさします。原因は、脳の病 気や、治療のために飲んでいる薬の影響、薬物・アルコールの中毒や禁断症状、大きな精神的ストレ ス、老齢などです。症状としては、注意力がなくなり、意識が不安定となって、幻想や錯覚が現れた り、支離滅裂な行動を取ったりします。夜になると悪化する傾向があります。認知症と間違われるこ とがありますが、認知症と異なるのは、突然発症すること、注意力が極端になくなること、無気力と 興奮を繰り返すなど意識が激しく変化することなどで、早期の治療によってほとんどの場合が短期間 で治ります。 ■過去7 日間の様子が、以下の 6 項目のうち 1 つ以上ある場合、せん妄と認められ、症状に応じた治療 を実施している場合をさします。 A.注意がそらされやすい B.周囲の環境に関する認識が変化する C.支離滅裂な会話がときどきある D.落ち着きがない E.無気力 F.認知能力が 1 日の中で変化する 10-2.連続して実施しているのは7日以内 ■上記の「10.せん妄に対する治療を実施している状態」が、連続 7 日間以内の場合は記入欄内に ○をつけてください。 ■連続8 日間以上の場合は○をつけないでください。ただし、8 日目以降にいったん中止して、再び 病状が悪化したために再開した場合は、再開した日を1 日目として実施期間をお考えください。 ■実施期間が不明の場合は、不明欄に○をつけてください。 11.経鼻胃管や胃ろう等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態 発熱又は嘔吐に対する治療を行っている場合に限る。 ■食べ物を飲み込む力が弱まっているときや、口の中に炎症があるときなど、口から食事を摂ることが できないときに、鼻から胃へチューブを通したり(経鼻胃管)、お腹から胃に穴を開けて(胃ろう)チ ューブを入れて、流動食や液状の栄養剤を注入する方法を、経腸栄養、または経管栄養といいます。 ■経腸栄養を行っていて、発熱または嘔吐があり、それらに対する治療を行っている場合が対象となり ます。 11-2.連続して実施しているのは7日以内 ■上記の「11.経鼻胃管や胃ろう等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態」が、 連続7 日間以内の場合は記入欄内に○をつけてください。 ■連続8 日間以上の場合は○をつけないでください。なお、8 日目以降にいったん中止して、再び病 状が悪化したために再開した場合は、再開した日を1 日目として実施期間をお考えください。 ■実施期間が不明の場合は、不明欄に○をつけてください。12.経鼻胃管や胃ろう等の経腸栄養が行われている状態(発熱及び嘔吐を伴わない状態) 発熱及び嘔吐を伴わない場合に限る。 ■食べ物を飲み込む力が弱まっているときや、口の中に炎症があるときなど、口から食事を摂ることが できないときに、鼻から胃へチューブを通したり(経鼻胃管)、お腹から胃に穴を開けて(胃ろう)チ ューブを入れて、流動食や液状の栄養剤を注入する方法を、経腸栄養、または経管栄養といいます。 ■経腸栄養を行っていて、発熱及び嘔吐を伴わない場合が対象となります。 13.頻回の血糖検査を実施している状態 ■糖尿病のインスリン治療などを目的に、1 日 3 回以上、血糖検査(血糖値のチェック)を実施してい る状態をさします。 13-2.連続して実施しているのは3日以内 ■上記の「13.頻回の血糖検査を実施している状態」が、連続 3 日間以内の場合は記入欄内に○を つけてください。 ■連続4 日間以上の場合は○をつけないでください。なお、4 日目以降にいったん中止して、再び再 開した場合は、再開した日を1 日目として実施期間をお考えください。 ■実施期間が不明の場合は、不明欄に○をつけてください。 14.インスリン注射を実施している状態 ■糖尿病の治療を目的として、インスリン注射を実施している状態をさします。 15.スモン ■感染症下痢症の薬であるキノホルムの服用によって引き起こされる神経障害です。キノホルムの服用 後、2~3 週間のうちに、脊髄と視神経と末梢神経がおかされます。主な症状は、腹痛、腹部膨満、下 半身のしびれと痛み、冷え、歩行困難などです。多くの場合、数カ月で回復しますが、一部には、後 遺症や合併症に長い間苦しんでいる人もいます。日本では 1970 年にキノホルムが販売停止となり、 それ以降は新たな発病者は出ていません。 ■特定疾患治療研究事業注実施要綱に定めるものを対象としますが、必ずしも特定疾患医療受給者証の交 付を受けている必要はありません。 注.特定疾患治療研究事業 原因不明で治療法が確立していない、いわゆる難病と呼ばれる疾患のうち、国が定めた特定の疾患 について、治療研究事業を推進することにより、医療の確立、普及を図るとともに、患者の医療費の 一部を公費で負担し、その負担の軽減を図ることを目的とした事業です。 16.医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態 ■医師や看護職員が、少なくとも、24 時間体制でバイタルサイン(血中の酸素飽和度や血圧、心電図、 呼吸の状態など)を観察し、管理する必要のある状態をさします。バイタルサインを観察する間隔が4 時間以内で、その状態が、少なくとも24 時間続いている状態をさします。 ■なお、医師による治療方針に関する確認が行われていない場合は該当しません。
17.中心静脈栄養を実施している状態 ■点滴の一種で、体の中心に近いところの静脈の血管にチューブを差し込んで、そこから濃度の高い栄 養液(ブドウ糖・アミノ酸液)を流し入れて、栄養と水分を補給する栄養法です。口から食事を摂る ことが不可能で、経腸栄養注(鼻やお腹にチューブを入れて、胃に流動食や栄養剤を流し入れる方法) の実施も困難な場合に用いられます。 ■胃や腸、食道などの異常や、悪性の腫瘍などがあって、胃や腸から栄養を摂ることが困難なために、 この方法を実施している場合が該当します。末梢血管(手足の先端や鼻、耳など)への栄養・水分補 給を目的に行うものは、対象外です。ただし、経腸栄養のみではカロリーが不足する状態で、中心静 脈栄養の中止時期や方法等の計画に基づき、経腸栄養を併用している場合は対象となります。 注.経腸栄養 食べ物を飲み込む力が弱っているときや、口の中に炎症があるときなど、口から食事を摂ることが できないときに、鼻から胃へチューブを通したり(経鼻胃管;けいびいかん)、お腹から胃に穴を開け て(胃ろう)チューブを入れて、流動食や液状の栄養剤を注入する方法を、経腸栄養、または経管栄 養といいます。 18.人工呼吸器を使用している状態(1日5時間以上) ■人工呼吸器とは、自力で呼吸することが困難な場合に、人工的に換気を行う装置です。 ■1 日 5 時間を超えて人工呼吸器を使用している場合が対象となります。 19.ドレーン法又は胸腔若しくは腹腔の洗浄を実施している状態 ■ドレーン法、胸腔洗浄、腹腔洗浄のいずれかを実施している人が該当します。 ■ドレーン法とは、傷のできた部分や体腔(消化管と壁の間の空間)にたまった血液や膿、体液などを、 ドレーンという排液管を使って体の外へ排出する処置方法です。 ■胸腔洗浄とは、胸腔(肺が納まっている空間)、腹腔洗浄とは腹腔(胃や腸などが納まっている空間) に、たまった血液や膿を生理食塩水などで洗い流す処置方法です。 20.気管切開又は気管内挿管が行われており、かつ、発熱を伴う状態 発熱に対する治療を行っている場合に限る。 ■気管切開または気管内挿管を行っていて、発熱があり、薬などを使って発熱に対する治療を実施して いる状態をさします。 ■気管切開とは、気道がふさがってしまい、呼吸困難になったときなどに、肺に直接空気を送ったり、 喉に詰まっているものを吸引したりするため、喉を切り開いて、気管にチューブを差し込む手術方法 です。 ■気管内挿管とは、心肺停止で危険な状態のときや、手術で全身麻酔を行うときなどに、口または鼻か ら気管内にチューブを入れ、呼吸を助ける処置です。 21.気管切開又は気管内挿管が行われている状態(発熱を伴わない状態) 発熱を伴わない場合に限る。 ■気管切開または気管内挿管を行っていて、発熱していない状態をさします。 ■気管切開とは、気道がふさがってしまい、呼吸困難になったときなどに、肺に直接空気を送ったり、 喉に詰まっているものを吸引したりするため、喉を切り開いて、気管にチューブを差し込む手術方法 です。 ■気管内挿管とは、心肺停止で危険な状態のときや、手術で全身麻酔を行うときなどに、口または鼻か ら気管内にチューブを入れ、呼吸を助ける処置です。
22.酸素療法を実施している状態 ■酸素療法とは、血液中の酸素の濃度(酸素飽和度)が正常値よりも低い人や、手術後の人、酸欠状態 になっている人などに対し、通常の大気よりも濃い濃度の酸素を与える治療法です。 ■酸素飽和度は、95%以上が正常値とされますが、ここでは酸素を投与されていない状態での安静時、 睡眠時、運動後のいずれかの時に測定し、90%以下となる人に対して行われている酸素療法が対象と なります。酸素飽和度に応じて、酸素量を適切に管理しながら実施している場合が対象となります。 23.感染症の治療の必要性から隔離室での管理を実施している状態 ■周囲の人に伝染する恐れのある感染症にかかっていて、伝染を予防するために、隔離室で治療を行っ ている状態をさします。 24.筋ジストロフィー症 ■遺伝子の異常により、徐々に筋力が低下する筋肉疾患です。大部分は遺伝性のもので、一部、突然変 異で起こるものがあります。遺伝形式と症状によって、いくつかの病型に分かれますが、共通する症 状は、進行性の筋萎縮と筋力低下です。手足や体の筋肉が衰えて、歩いたり手足を使ったりすること が困難になります。呼吸筋にまで障害が及び、人工呼吸器を必要とすることもあります。 25.多発性硬化症 ■神経線維の外側部分である髄鞘(ずいしょう)というところが破壊される、原因不明の病気です。髄 鞘は神経の電気伝導を速めるしくみに関わっていて、ここが破壊されることによって、目、口、手足、 排泄機能などに障害が出ます。とくに症状が多く現れるのは目で、視力の低下、物が二重に見える、 眼球が震える、眼痛などの症状があります。次に多い症状は、手足のしびれや麻痺(まひ)、排泄機能 の障害、めまい、構音障害(しゃべりにくい)、嚥下障害(飲み込みにくい)などです。これらの症状 が悪化したり、やわらいだり、一時的になくなったりと、複雑に繰り返します。 ■特定疾患治療研究事業注実施要綱に定めるものを対象としますが、必ずしも特定疾患医療受給者証の交 付を受けている必要はありません。 注.特定疾患治療研究事業 原因不明で治療法が確立していない、いわゆる難病と呼ばれる疾患のうち、国が定めた特定の疾患 について、治療研究事業を推進することにより、医療の確立、普及を図るとともに、患者の医療費の 一部を公費で負担し、その負担の軽減を図ることを目的とした事業です。 26.筋萎縮性側索硬化症 ■運動神経が障害を受けたために、骨格を動かす筋肉が萎縮し、麻痺する進行性の病気です。通常、片 方の腕の筋力低下と萎縮が徐々に現れて、やがて、もう一方の腕、さらに足の先へと進行し、足のつ ま先が垂れる「垂れ足」が起こるという経過をたどります。最終的には眼球運動と肛門括約筋を除く 全身の筋肉に麻痺と萎縮が及ぶようになります。主な症状としては、構音障害(しゃべりにくい)、嚥 下障害(飲み込みにくい)、呼吸障害がありますが、知覚・知能は保たれており、膀胱直腸障害(大小 便の失禁)も起こりません。 ■特定疾患治療研究事業注実施要綱に定めるものを対象としますが、必ずしも特定疾患医療受給者証の交 付を受けている必要はありません。 注.特定疾患治療研究事業 原因不明で治療法が確立していない、いわゆる難病と呼ばれる疾患のうち、国が定めた特定の疾患 について、治療研究事業を推進することにより、医療の確立、普及を図るとともに、患者の医療費の 一部を公費で負担し、その負担の軽減を図ることを目的とした事業です。
27.パーキンソン病関連疾患 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステー ジ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度の状態に限る。) ■進行性核上性麻痺注1、大脳皮質基底核変性症注2、パーキンソン病注3のいずれかにかかっている状態を さします。 ■パーキンソン症候群(パーキンソン病関連疾患と症状が似ているが、原因の異なる障害)は含みませ ん。 ■必ずしも特定疾患医療受給者証の交付を受けている必要はありません。 注1.進行性核上性麻痺 脳幹と小脳の神経細胞が減り、変質する原因不明の病気です。頸や胴体の筋肉がねじれて硬くなり、 歩行障害、姿勢異常(軽く体を押されただけで転倒する)、動作緩慢(ひとつの動作に時間がかかる) といった症状が現れます。初期の段階ではパーキンソン病と区別がつきにくいことがありますが、パ ーキンソン病が前屈姿勢であるのに対し、進行性核上性麻痺は頭部が後屈し、上半身が後方にそり返 るのが特徴です。進行すると、眼球運動の制限、構音障害(しゃべりにくい)、嚥下障害(飲み込みに くい)、中程度の認知症が加わります。 注2.大脳皮質基底核変性症 脳の前頭葉と頭頂葉に強い委縮が起こる、原因不明の病気です。パーキンソン病と進行性核上性麻 痺に共通した症状(筋肉の固縮、歩行障害、動作緩慢)に加え、大脳皮質の変質に伴い、手を思うよ うに動かせなくなります。体の左または右側のどちらか一方に、より強く症状が出るのが特徴で、パ ーキンソン病に見られる静止時の振戦(小刻みな手足の震え)はほとんど見られません。進行すると、 言語障害や認知症が現れることがあります。 注3.パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ 3 以上であって生活機能障害度がⅡ度 又はⅢ度の状態に限る。) 脳の根元にある、黒質(こくしつ)という神経細胞が集まった部分に障害が現れることによる、原 因不明の病気です。黒質でつくられるドパミンが、大脳の線条体と呼ばれる神経細胞に情報を伝え、 線条体ではこのドパミンとアセチルコリンの2 種類の伝達物質を使って、細胞の興奮と抑制を調節し、 運動(動作)をスムーズに行えるようにしています。黒質が損傷すると、つくられるドパミンの量が 減り、アセチルコリンとのバランスが崩れ、なめらかな動作をコントロールできなくなります。その 結果、静止時の振戦(小刻みな手足の震え)、筋肉の固縮、動作緩慢、姿勢異常といった症状が発生し ます。 「ホーエン・ヤール重症度分類」の「3 度」以上、かつ「生活機能障害度」が「Ⅱ度」または「Ⅲ 度」の状態を対象とします。 ホーエン・ヤールの重症度分類 生活機能障害度 1 度 体の片側だけに、手足の小刻みな震えと 筋肉の固縮がある。軽度の症状。 Ⅰ度 日常生活や通院のときに、 ほとんど介助を必要としない。 Ⅱ度 日常生活や通院のときに、 介助を必要とする。 2 度 体の両側の手足に小刻みな震え、筋肉の 固縮のほか、無表情、動作が極端に遅い といった症状がみられる。姿勢も不安定 で、日常生活がやや不便な状態。 Ⅲ度 日常生活において全面的な介助を必要とし、自分だけの力では歩行、起立が できない。 3 度 歩行が不安定で、方向転換するときにバ ランスをくずしてしまうなどの歩行障害 がみられる。日常生活での動作障害もか なり進み、体の動きに足が追い付かず突 進してしまう「突進現象」もはっきりと みられる。 4 度 立ち上がる、歩くといった日常生活の基 本的な動作の能力が著しく低下し、労働 能力が失われる。 5 度 常時介護を必要とする状態になり、介助 による車いすでの移動、または寝たきり となる。
28.その他の難病(スモン、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病関連疾患を除く) ■国が定める特定疾患治療研究事業注実施要綱の対象となっている 56 の疾患のうち、スモン、多発性硬 化症、筋委縮性側索硬化症、パーキンソン病関連疾患を除いた 52 の疾患のことです。○ベーチェット 病 ○重症筋無力症 ○全身性エリテマトーデス ○再生不良性貧血 ○サルコイドーシス ○強皮症、皮 膚筋炎及び多発性筋炎 ○特発性血小板減少性紫斑病 ○結節性動脈周囲炎(結節性多発動脈炎) ○潰 瘍性大腸炎 ○大動脈炎症候群(高安動脈炎)○ビュルガー病(=バージャー病)○天疱瘡 ○脊髄小 脳変性症 ○クローン病 ○難治性の肝炎のうち劇症肝炎 ○悪性関節リウマチ ○アミロイドーシス ○後縦靭帯骨化症○ハンチントン病(ハンチントン舞踏病)○モヤモヤ病(=ウィリス動脈輪閉塞症) ○ウェゲナー肉芽腫症 ○特発性拡張型(うっ血型)心筋症 ○多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オ リーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)○表皮水疱症 ○膿疱性乾癬 ○広範脊柱管狭窄症 ○ 原発性胆汁性肝硬変 ○重症急性膵炎 ○突発性大腿骨頭壊死症 ○混合性結合組織病 ○原発性免疫不 全症候群 ○特発性間質性肺炎 ○網膜色素変性症 ○プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲル ストマン・ストライスラー・シャインカー病、家族性致死性不眠症)○原発性肺高血圧症 ○神経線維 腫症Ⅰ型(=レックリングハウゼン病)、神経線維腫症Ⅱ型 ○亜急性硬化性全脳炎 ○バッド・キアリ 症候群 ○特発性慢性肺血栓塞栓症(肺高血圧型)○ライソゾーム病(ファブリー病他 29 疾患)○副 腎白質ジストロフィー ○家族性高コレステロール血症(ホモ接合体) ○脊髄性筋萎縮症 ○球脊髄性 筋萎縮症 ○慢性炎症性脱髄性多発神経炎 ○肥大型心筋症 ○拘束型心筋症 ○ミトコンドリア病 ○ リンパ脈管筋腫症(LAM) ○重症多形滲出性紅斑(急性期) ○黄色靭帯骨化症 ○間脳下垂体機能障 害 ■必ずしも特定疾患医療受給者症の交付を受けている必要はありません。 注.特定疾患治療研究事業 原因不明で治療法が確立していない、いわゆる難病と呼ばれる疾患のうち、国が定めた特定の疾患に ついて、治療研究事業を推進することにより、医療の確立、普及を図るとともに、患者の医療費の一 部を公費で負担し、その負担の軽減を図ることを目的とした事業です。 29.脊髄損傷 頸椎損傷を原因とする麻痺が四肢すべてに認められる場合に限る。 ■脊椎の骨折や脱臼により、脊髄が損傷している状態をさします。 ■そのうち、頸椎を損傷している場合であって、両手・両足のすべてに麻痺が認められる場合が対象と なります。
30.重度の意識障害
■重度の意識障害とは、①または②の状態をさします。なお、病因が脳卒中の後遺症であっても、次の ような状態であれば、重度の意識障害となります。
①意識障害レベルがJCS(Japan Coma Scale)で 30(又はⅡ-3)以上、または GCS(Glasgow Coma Scale)で A~C のそれぞれの点数の合計が 8 点以下の状態が 2 週以上持続している。
②無動症の患者(閉じ込め症候群、無動性無言、失外套症候群等) JSC(Japan Coma Scale) III.刺激しても覚醒しない 300(III-3)痛み刺激に対し全く反応しない 200(III-2)痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする 100(III-1)痛みに対して払いのけるなどの動作をする II.刺激に応じて一時的に覚醒する 30(II-3) 痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する 20(II-2) 大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する 10(II-1) 普通の呼びかけで開眼する I.覚醒している 3(I-3) 自分の名前・生年月日が言えない 2(I-2) 見当識障害がある 1(I-1) 見当識は保たれているが意識清明ではない 0 意識清明
GCS(Glasgow Coma Scale) A.開眼機能 4 点:自発的に、またはふつうの呼びかけで開眼 3 点:強く呼びかけると開眼 2 点:痛み刺激で開眼 1 点:痛み刺激でも開眼しない B.言語機能 5 点:見当識が保たれている 4 点:会話は成立するが見当識が混乱 3 点:発語はみられるが会話は成立しない 2 点:意味のない発声 1 点:発語みられず C.運動機能 6 点:命令に従って四肢を動かす 5 点:痛み刺激に対して手で払いのける 4 点:指への痛み刺激に対して四肢を引っ込める 3 点:痛み刺激に対して緩徐な屈曲運動 2 点:痛み刺激に対して緩徐な伸展運動 1 点:運動みられず
31.慢性
閉塞性肺疾患
ヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当する場合に限る。 ■20~30 年以上にわたる喫煙が原因で、肺や気管支が病変し、呼吸が充分にできなくなる疾患です。主 な症状は、体を動かした後の息切れで、ゆっくりと進行していき、日常のささいな動作で息切れする こともよくみられます。咳や痰、呼吸困難、呼吸したときの喉のゼイゼイ・ヒューヒュー音といった 症状もあります。 ■呼吸困難の程度を表す基準としてもっとも多く使われている「ヒュー・ジョーンズ分類」のうち「Ⅴ 度」の状態に当てはまる人を対象とします。 ヒュー・ジョーンズ分類 Ⅰ度 同年代の健康者と同様の生活・仕事ができ、階段も健康者なみにのぼれる。 Ⅱ度 歩行は同年代の健康者なみにできるが、階段の上り下りは健康者なみにできない。 Ⅲ度 健康者なみに歩けないが、自分のペースで 1km程度の歩行ができる。 Ⅳ度 休みながらでなければ 50m以上の歩行ができない。 Ⅴ度 会話や衣服の着脱で息がきれ、外出ができない。 32.人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法を実施している状態 ■血液や体液に含まれる老廃物や有害物質などを取り除く治療法である人工腎臓注1、持続緩徐式血液濾 過注2、腹膜灌流注3、血漿交換療法注4のうち、いずれかを実施している状態をさします。 ■毎日実施していなくても、継続して適切に行われていれば、対象となります。 注1.人工腎臓 腎臓には、血液から老廃物や余分な水分を尿にして排出したり、血液に含まれている養分などの濃 度を調節する働きがあります。人工腎臓とは、腎臓の病気などで、こうした機能が働かない人に対し て、人工の装置を使って、血液を外に出し、洗浄と養分の濃度の調節を行って、また体に戻す治療法 です。腕などの血管から血液をチューブで外に吸い出し、透析膜という老廃物などの小さな粒子しか 通さない膜をフィルターにして、透析液(養分を含んだ液体)と並行に通過させます。老廃物などは 透析液へ排出され、反対に、浸透圧によって透析液からは必要な養分が入ってきて健康な血液となり、 ふたたび体に戻されます。人工腎臓は、人工透析の治療法の中で、最も多く用いられています。 注2.持続緩徐式血液濾過 腎臓のかわりに、血液中の毒素や余分な水分の除去、養分の補給などを人工の装置を使って行う治 療法の一つです。血管からチューブなどで血液を吸い出し、ろ過装置にかけて洗浄し、不足している 養分を補って、ふたたび体内へ戻します。仕組みは人工腎臓に似ていますが、人工腎臓よりも体への 負担が少なく、その分、効果や効率が劣る点があります。24 時間続けて、ゆっくりとおだやかに行う ことができるので、重症な人や、心臓や血圧の状態が不安定な人、他の治療を同時に行っている人な どに用いられます。 注3.腹膜灌流 腎臓のかわりに、血液の洗浄と養分の濃度の調整を人工的に行う、透析方法の一つです。特別な装 置は使わず、患者本人のお腹の中で、腹膜(お腹の壁の内側と内臓をつつんでいる薄い膜)をフィル ターとして使います。お腹に穴をあけてチューブを差し込み、腹膜がつつんでいる空間に透析液(養 分を含んだ液体)を流し入れると、腹膜の近くを流れている血液から、浸透圧や濃度の差によって、 老廃物や余分な水分は腹膜を通って透析液へにじみ出ていき、反対に透析液から血液へ不足している 養分が流れていきます。汚れた透析液を体の外へ出して、新しい透析液と交換し、これを何度も繰り 返すことによって、血液が洗浄され、血液中の養分のバランスが保たれます。 注4.血漿交換療法 血液は、細胞成分(赤血球、白血球、血小板)と、それ以外の部分である血漿でできています。血 漿交換療法とは、血漿の中に含まれる有害なたんぱく質を取り除くため、血液を体外に取り出して、 遠心分離装置にかけて、血液から病的な血漿を分離・除去して、さらに、除去した血漿のかわりに、 たんぱく質をまじえた液(置換液)、または健康な人の血漿成分に取り替えて、体内に戻す治療法です。33.悪性腫瘍 医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールが必要な場合に限る。 ■痛みを伴う悪性の腫瘍があり、医療用麻薬等を使って痛みを抑える必要のある人が対象となります。 ■痛みを抑えるため、オピオイド系の鎮痛剤(モルヒネに代表される、脳からの痛みの信号を止める効 果のある薬物)を使用している場合を対象とします。 34.悪性腫瘍以外で疼痛コントロールが必要な状態 医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールが必要な場合に限る。 ■悪性腫瘍以外で、医療用麻薬等を使って痛みを抑える必要のある人が対象となります。 ■痛みを抑えるため、オピオイド系の鎮痛剤(モルヒネに代表される、脳からの痛みの信号を止める効 果のある薬物)を使用している場合を対象とします。 35.肺炎に対する治療を実施している状態 ■X線などの画像診断により肺にうすい影が認められ、なおかつ血液検査の結果、血液の異常が認めら れ、肺炎の治療を実施している状態をさします。 36.褥瘡に対する治療を実施している状態 皮膚層の部分的喪失が認められる場合、又は褥瘡が2カ所以上に認められる場合に限る。 ■褥瘡とは「床ずれ」のことで、寝たきりなどで同じ姿勢を長時間続けていることにより、骨の出っぱ ったところに体重がかかり、そこに充分血液が回らなくなって、皮膚や肉が死んでしまう疾患です。 ■以下の分類で「第2 度」以上の場合、または、体に 2 カ所以上の褥瘡があり、治療計画のもとに褥瘡 の場所、大きさ、深さなどの診療記録をつけ、治療を実施している人が対象となります。 第1 度 皮膚の発赤(赤み)が持続している部位があり、圧迫を取り除いても消失しない(皮膚の 損傷はない) 第2 度 皮膚層の部分的喪失;びらん(ただれ)、水疱、浅いくぼみとして現れる 第3 度 皮膚層がなくなり、潰瘍が皮下組織にまで及ぶ。深いくぼみとして現れ、隣接組織まで及 んでいることもあれば、及んでいないこともある。 第4 度 皮膚層と皮下組織が失われ、筋肉や骨が露出している。 37.褥瘡に対する治療を実施している状態(36の場合を除く。) ■褥瘡の治療を実施している人で、36 以外の人が対象となります。
38.末梢循環障害による下肢末端の開放創に対する治療を実施している状態 ■末梢循環障害とは、手足への血液の循環が悪くなり、手や足の先まで充分に酸素や栄養が行きわたら なくなる状態をさします。下半身、とくに足の先が冷えたり、しびれや痛みが現れたりし、悪化する と、足の指の皮膚または肉が裂けたり、くぼんだりします。 ■末梢循環障害が原因で、足の先に開放創(体の表面の傷)ができている人で、具体的には、以下の分 類で「第2 度」以上に当てはまる場合が対象となります。 第1 度 皮膚の発赤(赤み)が持続している部位があり、圧迫を取り除いても消失しない(皮膚の 損傷はない) 第2 度 皮膚層の部分的喪失;びらん(ただれ)、水疱、浅いくぼみとして現れる 第3 度 皮膚層がなくなり、潰瘍が皮下組織にまで及ぶ。深いくぼみとして現れ、隣接組織まで及 んでいることもあれば、及んでいないこともある。 第4 度 皮膚層と皮下組織が失われ、筋肉や骨が露出している。 39.うつ症状に対する治療を実施している状態 ■うつ症状には、気持ちが沈み、不安、さみしさ、怒り、焦りなどで、何にも対しても悲観的に考え、 何もしたくなくなるといった精神面での症状と、食欲がない、夜眠れない、頭痛、吐き気などの身体 面での症状があります。ただし、単なる一時的な気分の落ち込みではうつ症状とはいえません。これ らの症状がいくつか現れ、何日も続いている状態がうつの状態です。 ■以下の7 項目それぞれについて、症状が初めて現れた日から 3 日間のうち、毎日見られた場合を 2 点、 1 日または 2 日見られた場合を 1 点とし、すべての項目の合計点数が 4 点以上だった場合、うつ症状 と判断されます。 A.否定的な言葉を言った B.自分や他者に対する継続した怒り C.現実には起こりそうもないことに対す恐れを表現した D.健康上の不満を繰り返した E.たびたび不安、心配事を訴えた E.悲しみ、苦悩、心配した表情がみられた G.何回も泣いたり涙もろい ■上記の基準に当てはまり、抗うつ剤の投与や精神療法、作業療法などの精神科専門療法(診療報酬に 規定されているもの)を実施している場合が対象となります。 40.他者に対する暴行が毎日認められる状態 ■他者をたたく、突く、押す、ひっかくといった暴力が毎日みられる状態をさします。 ■医師と看護職員を合わせて2 名以上(うち 1 名は医師であること)が、「他者に対する暴行が認められ る」と一致して判断している場合が該当します。 41.1日8回以上の喀痰吸引を実施している状態 ■1 日 8 回以上、喉にたまった痰をチューブなどを使って吸い出す処置を実施している状態をさします。 ■夜間を含めて、3 時間に 1 回程度、痰の吸引を行っている状態が対象となります。 42.1日に1回以上8回未満の喀痰吸引を実施している状態 ■1 日に 1 回以上 8 回未満、喉にたまった痰をチューブなどを使って吸い出す処置を実施している状態 をさします。
43.創傷(手術創や感染創を含む)、皮膚潰瘍又は下腿若しくは足部の蜂巣炎、膿等の感染症に対す る治療を実施している状態 ■体の表面にできた傷(手術によってできた傷や、感染によってできた傷を含みます)の治療、または 皮膚潰瘍注1(皮膚の深い部分の欠損)の治療、または足に蜂巣炎(ほうそうえん)注2や膿などの感染 症があり、その治療を受けている状態をさします。 ■1 日 2 回以上、ガーゼや創傷被覆剤(傷を密閉し保湿する薬剤)の交換を必要とする場合が対象とな ります。 注1.皮膚潰瘍 皮膚の炎症が、皮膚の表面のすぐ下にある、真皮(しんぴ;血管や神経が通っている部分)の深い ところまで、あるいは、それよりもさらに下の皮下脂肪まで広がり、傷ついている状態をさします。 注2.蜂巣炎 蜂巣炎は、蜂窩織炎(ほうかしきえん)ともいい、いろいろな細菌の感染でおこる炎症です。小さ な傷口から感染し、皮膚の深い部分から皮下脂肪にかけて、急速に炎症が広がります。体のいろいろ なところにできますが、とくに足によく見られます。感染は広範囲に広がり、赤く腫れて熱をもち、 痛みが出ます。発熱したり、だるくなることもあります。 44.人工肛門の処置を実施している状態 ■消化管の疾患などにより、人工肛門の処置を実施している状態をさします。 45.膀胱留置カテーテル、導尿等の排尿時の処置を実施している状態 ■膀胱留置カテーテル、導尿等の排尿時の処置を実施している状態をさします。 46.過去7日間に内服した薬剤の種類 ■下図を参考にして、過去7 日間に内服した薬剤の種類数をご記入ください。 ■ 降圧剤 製品名A 製品名B 5mg 製品名B 10mg ■ 下剤 ■ 抗不安剤 製品名C 製品名D ・・・ ・・・ ●容量・剤型のみが異なる商品名が 複数ある場合、個別にカウントす る必要はありません。 ●この例の場合、製品Bは1種類と カウントしてください。 同じカテゴリーの製品であっ ても、製品名ごとにカウント してください。 薬剤の種類=4種類 47.過去7日間に実施した検査の内容 ■過去7 日間に実施した検査がある場合には、実施回数に関わらず、記入欄に○をつけてください。
Ⅵ
ADL区分に係る評価
◇直近の往診または訪問診療時の調査対象患者の状態について、下記のADL区分の評価項目の それぞれに該当する得点をご記入ください。 ◇なお、このADL区分の評価項目は、療養病棟入院基本料等の算定の際に使用するものです。 今回の調査では、医療療養病棟以外の病床、施設についても同一の基準を用いて患者の特性を 評価するため、医療療養病棟以外の施設についてもこの評価項目のチェックをお願いするもの です。 ◎ADL区分の評価項目 A.ベッド上の 可動性 ベッドで横になった状態から寝返りをうったり、 起き上がったり、身体の位置を調節したりすること B.移 乗 ベッドからイスや車いすに移ったり、 ベッドから立ち上がったりすること C.食 事 食べたり、飲んだりすること D.トイレの 使用 どのようにトイレを使用するか -便器への移乗や、排泄後の始末、おむつの替え、 人工肛門またはカテーテルの管理、衣服を整えることなど ◎ADLの評価基準 ■直近の患者の日常生活中のADL評価項目について行われた支援のレベルについて該当する評価を 選び、対応する得点をご記入ください。 評 価 得 点 評 価 基 準 自 立 0点 手助けや準備、見守りは必要ない 準 備 の み 1点 物や用具を患者の手の届く範囲に置くことが必要 観 察 2点 見守りは必要だが、自分でしている 部分的な援助 3点 腕や手・足など身体の一部を動かす時に、 多少の手助けが必要だが、身体を支えることはない ※動作の50%以上は自分でできる 広 範 な 援 助 4点 腕や手・足など身体の一部を動かす時に、 身体を支えるなどして多少の手助けが必要 ※動作の50%以上は自分でできる 最 大 の 援 助 5点 腕や手・足など身体の一部を動かす時に、 身体を支えるなどしてかなりの手助けが必要 ※動作の50%未満しか自分でできない 全 面 依 存 6点 すべての動きにおいて手助けを受けている ※ADL評価項目に該当する動作を一度もしなかった場合も含む【参考】ADLの評価の流れ ボディタッチは必要か 体重を支える必要はあるか 本動作の半分以上を 自力でできているか 少しでも本動作を 自力でできているか 必要ある 0点:自立 1点:準備のみ 2点:観察 3点:部分的な援助 4点:広範な援助 5点:最大の援助 6点:全面依存 必要なし 必要なし できる できている できていない 必要ある できない