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知識獲得における対話型手法を促進するシステムの構築1140317

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Academic year: 2021

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平成25年度 学士学位論文梗概 高知工科大学 情報学群

知識獲得における対話型手法を促進するシステムの構築

1140317

金井 孝文 【 清水研究室 】

1

はじめに

近年,組織内においてIT技術を用いた情報共有シス テムによって生産性の向上を図る事例が増加している.

特に,個人の持つ経験則やノウハウといった暗黙知と第 三者が理解可能な構造化された情報である形式知との スパイラル型の変換関係を構築することが組織の成長 に繋がると期待されている[1].しかし,これらの情報 共有システムは知識を投稿することへの心理的抵抗な どから閲覧するコンテンツが不足しがちとなり導入定 着が失敗に終わるケースが多い[2].

本研究では導入定着に有効な表出化支援を行うシス テムの開発を行う.

2

情報共有システムの問題点

知識の中でも特に,組織内独自のノウハウや個人の 経験則によって形成された暗黙知を形式知として共有 することが生産性向上の鍵とされている.しかし,誤解 への恐れや意見公表への抵抗から情報共有システムへ の投稿を避けがちになるケースが多いことが指摘され

[2].加えて,ノウハウ保持者は自分の持つノウハウ

の価値に無自覚な場合が多く,保持者の能動的な暗黙知 から形式知への変換は行われにくく,これもまた情報共 有システムにおいてデジタルコンテンツの充実を妨げ る要因となっている[3].また,ノウハウの形式知化へ 伴う過程の中で,同じ分野に分類される情報であっても 入力者によって表現の違いが発生し,キーワードの分散 が起こる.結果として,閲覧者は検索ワードに頼った情 報推薦だけでは必要な情報を得られない事態が発生す る恐れがある.

本研究では,情報共有システムへ投稿されたノウハウ の連結化と投稿数の向上を図るシステムの提案を行う.

3

提案手法

表出化の促進として用いられるのがQ&A型のシステ ムである.これにより必要とされるノウハウが明確に なるため,ノウハウ保持者は無自覚であった自分の持 つノウハウの価値に気づくことが可能となる.しかし,

Q&A型ではノウハウ保持者が能動的に質問へアクセス

する必要があることからシステムの利用が定着してい ない場合に有効な手段として働きにくい.これに対して メールサーバを用いた自動化を行う.質問者はブラウザ 上で質問をシステムに投稿する.予め登録されたメン バーに対して質問内容がメールで通知される.質問内容 に対してノウハウを保持しているメンバーがメールにそ の回答を記載し返信する,返信されたメール内容は自動 でデータベースに登録され,登録された質問と紐付けさ

れる.質問者に対して回答がついたことをメールによっ て通知される.これによりブラウザを介することなく,

質問から回答への時間を短縮することができ,投稿動機 の不明確さやシステムへアクセスすることへの心理的 抵抗を軽減でき,投稿件数の増加が期待できる.

4

評価

提案システムを当研究室の情報共有システムに実装 し,一ヶ月間の運用実験を行い,投稿件数とアクセス数 の比較を行った(1).過去の各年度の同月の数値と比 較した結果,投稿件数は平均4.1件だったのに対して17 件となり,最も投稿件数が多かった2010年度の9件を 上回る数値となった.アクセス数も例年の153%増加し た.投稿件数,アクセス数のいずれも例年より良い結果 が得られたことから提案手法は情報共有システムに有 効であると判断できる.

1 1月のアクセス数と投稿件数の年度別の比較

5

おわりに

本研究では,情報共有システムの利用定着を目的とし た利用者の表出化を促進するシステムについて述べた.

今回は1ヶ月間の運用テストによって評価を行ったが,

継続利用に伴い類似した質問が投稿された場合の処理 や回答の連結化について検討する余地がある.

参考文献

[1] 野中郁次郎, 知識創造企業 ,東洋経済新報社,

1996

[2] 情報共有化と部門事情による限界, 日本セキュリ ティ・マネジメント学会全国大会 ,セキュリティ・

マネジメント第10号,pp.51-57,Mar,1997.

[3] 内平直志, 研究開発プロジェクトマネジメントの 知識継承 ,北陸先端科学技術大学院大学,2010.

参照

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