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【学位論文審査の要旨】

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Academic year: 2021

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【学位論文審査の要旨】

近年の計算機環境の向上と共に,時間領域の波動数値シミュレーションは工学的に重要な 技術となっている.その中で,従来,計算機の性能向上には動作周波数が大きく寄与してきた.

しかし,近年では物理的な限界から動作周波数の更なる大幅な向上は難しく,代わりとして計算 の並列処理による高速化が重要になってきている.したがって,計算高速化のためには,並列 処理アーキテクチャのための計算法の確立が必須となる.

また,最近では GPU(Graphics Processing Unit)を並列処理アーキテクチャとして用いて汎用 的な数値計算を行う GPGPU(General Purpose Computation on GPUs)という技術が様々な分 野で用いられてきている.現在,GPU の演算性能は飛躍的に向上しており,計算高速化を実現 する手段において,GPU はコストパフォーマンスの高いアクセラレータとして位置付けられると言 える.

一方,数値解析技術において解析結果の可視化は非常に重要な要素技術である.特に,シ ミュレーションの実行中に,同時に解析結果を可視化する,いわゆるリアルタイム可視化を行う 場合は,十分な描画スピードを維持する必要があり,従来のパーソナルコンピュータに代表され る1ノード計算機での実現は一般に困難な状況にあった.

そこで本研究は,そのような課題に対して,GPU コンピューティングを基盤とし,グラフィックス API(Application Programming Interface)との連携により,波動現象解析のためのインタラクティ ブシミュレーションのフレームワークを実現することを目的としている.

本論文で得られた成果を以下に示す.

(1)時間領域波動数値解析法について,計算精度と計算コストの観点から MM-MOC(Multi Moment-Method of Characteristics)法を提案・評価し,その有効性を示した.

(2)GPU コンピューティングのための時間領域における 3 次元波動数値解析の計算法を提案 し,その有効性を示した.

(3)高速可視化を実現するための可視化手法として PMCC(Permeable Multi Cross-section Contours)を提案し,この方法を用いた可視化の描画速度の評価を行い,提案手法が高い性能を 有することを明らかにした.

(4)これらの計算高速化と高速可視化の技術を組み合わせることで,波動現象解析のための インタラクティブシミュレーションのフレームワークが実現可能であることを示した.

以上のように,本論文は GPU 実装とグラフィックス API の連携を利用した新しいシミュレーショ ンのフレームワークを提案し,波動現象の解析においてその工学的な有効性の評価を行ったも のである.本研究で得られた結果は,電磁波工学・音響工学及び計算工学などの分野に新し い視点を与えるものであり,今後のこれらの分野の発展に大いに貢献することが期待され,工学 的に重要な意義が認められる.よって本論文は博士(工学)の学位を授与するに十分な価値を 有すると判断する.

(最終試験又は試験の結果)

(2)

本学の学位規則に従い,最終試験を行った.公開の席上で論文発表を行い,主査及び 4 名 の副査委員を含む多数の出席者による質疑応答を行った.また,論文審査委員により本論文 及び関連分野に関する試問を行った.これらの結果を総合的に審査した結果,専門科目につ いても十分な学力があるものと認め,合格と判定した.

参照

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