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友達と一緒に楽しみたい

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Academic year: 2021

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友達と一緒に楽しみたい

− 2年1組『チャレンジ!ウッドワールド』の臭銭から−

土 屋 大 祐

\1.本教材に込める願い

4月に出会ったみらい1組の子どもたち。私は、「もっと楽しみたい」「こんなことをしたらおもし ろそう」という子どもたちの強い思いを感じていた。7月の教材『ぼくのわたしの夢のお城』で、土 粘土に水を加え、「ぬるぬるして気持ちいい」「温泉たしよう」などと教師の想像を超えて楽しみ方を 広げていく姿に、私は驚いていた。予期せぬ出来事に直面しても、それも激しいと感じながら、思い 切り遊んでしまう。そんな子どもたちだからこそ、さらに手応えのある教材に出会わせたいと考えた。

本教材『チャレンジ!ウッドワールド』は、木から発想を広げ、自分の思いを存分に表現していく 教材である。これまで新聞紙や土粘土に体全体でぶっかり、存分に遊んできたみらい1組の子どもた ちならば、大量の木にも胸を躍らせ、思い切り木で楽しんでいこうとするだろう。木であるが故に、

接着・接合、切断の難しさといった壁にも直面する。しかし、「もっと楽しみたい」という思いに突 き動かされる子どもたちは、発想を変えたり表現を工夫したりしながら、▲自分がやりたいことを表現 していく。困難を乗り越えようとする子どもたちは、自分の思いとできることとの間を行き来しなが ら、本当に自分がやりたいことは何なのかを見つめ、納得がいくまで表現していくに違いない。私は、

困難さをも楽しいと感じ、心ゆくまで自分の思いを表現しようとする子どもたちの姿を願っていた。

2.S男君のとらえと願い

S男君は、今やりたいと感じたことを思う存分楽しもうとする。そして、丁これなら楽しめそうだ」

と感じると、さらに発想を広げ、自分ならではの表現にこだわっていく。私は、やりたいことを思い 切り楽しんでしまう彼に、魅力を感じていた。7月の教材『ぼくの私の夢のお城』で、S男君は土粘 土で大きな火山のようなお城を作った。はじめはただのお城だったが、それは無人島になり、火山が できて、最後は噴火までして、しまうのだ。S男君は、「こんなふうにしてみたら?」「こうするとおも

しろいかも」と、次々と新しいアイデアを生み出していった。

そんなS男君を突き動かしているのは、「作ったもので友達と一緒に楽しみたい」という思いだ。

友達への思いが強い故に友達との関係で悩むこともある。だが、『ぼくの私の夢のお城』の時だった。

彼は、土粘土で作った火山を本物らしく見せるために、細かく砕いた粘土をふりかける工夫を思いっ いた。クラスの友達を集め、自分のアイデアを得意げに語るS男君。彼は、「すごいね」「わたしもやっ てみたい」という友達の声に顔をほころばせ、さらに発想を広げていった。自分の発想のおもしろさ や表現のよさを感じた時、S男君は友達に働きかけていくのだ。

本教材において、S男君は、木から発想を広げ、思うがままに楽しんでいくだろう。接着・接合、

切断の難しさといった木であるが故の困難さから、思うようにならない場面にもぶつかる。それでも、

作ったもので友達と楽しみたいと考える彼ならば、何とかして自分のやりたいことを表現していこう とするだろう。私は、そんな彼の思いを支えていきたいと思った。

3.R男君の存在に安心しなから

ウッドワールドに足を踏み入れたS男君は、真っ先に「R男、一緒にやろう!」と声をあげた。S 男君とR男君は、ふだんから仲がいい。つねに友達を求める彼にとって、何でも言い合えるR男君は 安心できる存在なのだろう。ウッドワールドが始まると、S男君は、R男君と一緒に思いっくままに 木を組み合わせて楽しんでいった。「顔がこれ…しっばがこれ」「これ見て、改造した。鳥を改造して ね……」と嬉しそうに語りながら、S男君は発想をどんどん広げていく。R男君がそばにいるだけ、で、

彼は安心して自分の思いを表現できるのだと思った。

(2)

しばらくして、S男君とR男君の意見がぶつかった。2人のやりたいことに、少し違いが出てきた ようだった。私は、S男君がどうしていくのか気になった。S男君には、自分がやりたいことを思い 切りやりたいという思いと、友達と一緒に楽しみたいという思いの、どちらの思いもあると感じてい たからだ。「でも、くっつけても…」と一緒にやるのは無理ではないかと言うR男君に、S男君は、

「じゃあ一緒につくればいいじゃん。じゃあさ、チームは同じだけど、別々に家をっくるってのは?」

と提案した。何とかしてR男君を説得しようとするS男君。私は、改めて、S男君には傍らで思いを 語り合えるR男君の存在が大きいのだと思った。

次の時間、S男君はR男君たちと家を作り始めた。教室の隅をついたてで囲い、自分たちの場所に している。その姿には、人一倍友達を意識する彼の心の中が表れているように感じた。私は、何でも 言い合える友達と、安心できる場所で自分の思いを表現しようとしている彼を、まずはじっくり見守 ろうと思った。

4.こだわりながらも満足しないS男君

家を作りながら、S男君はビー玉転がしを作ることを思いっいた。これまでの造形活動でも、作っ たもので友達と楽しもうとしてきたS男君は、ビー玉転がしを作って友達と遊びたいと考えたのだろ う。S男君のビー玉転がしを見に行くと、彼は、「あのね、あのね、これはね、こういうふうにやっ てね、ビー玉転がすの」と説明を始めた。嬉しそうに語る彼は、自分が作ったビー玉転がしで友達と 遊んでいる姿を思い浮かべているようだった。

S男君とR男君は、思いを語り合いながら、それぞれビー玉転がしを作っていった。だが、なかな か思い通りにはいかない。これまで経験してきた新聞紙や土粘土に比べ、木は扱うのが難しい。鋸や 金づちといった道具も必要になってくる。S男君はどうしたらもっとおもしろくなるか考えていた。

しばらくして、S男君が、「ただねえ…。ちょっと崩すよ」と言って、それまで作っていたビー玉 転がしを崩し始めた。もっと楽しみたいと考える彼にとって、何かが足りないのだろう。しばらく考

えていたS男君は、ひらめいたようにR男君に言った。

C(S男)ちょっと待って。こうしよう。ここはジャ ンプするようにすればいいじゃん。

C(R男)ここはジャンプしない方がいい。

C(S男)いや、トリック決めた方がいいよ。

C(R男)やっぱり、トリック決めた方がいいな。

そうすればおもしろくなりそうじゃん。

S男君が、R男君の言葉を遮って、自分の考えを主張す

る。R男君の賛同を得ると、S男君は嬉しそうな表情を 壷を、、

浮かべた0      感転嘉譜軋 S男君は、さらに、自分のビー玉転がしとR男君のピー      も

玉転がしを合体させることを思いっいた。2つつなげれ くR男君とビー玉転がしを作るS男君〉

ば大きなビー玉転がLになる。大きなビー玉転がしを見て、きっと友達も驚くだろう。みんなが驚く ようなビー玉転がしを作って友達と遊びたい。そんなS男君の心の内を思わずにはいられなかった。

私は、彼に「向こうでもビー玉転がし作っているけど、こんなに長いのないぞ」と声をかけた。彼な らではの発想を認めることで、友達と楽しみたいという彼の思いを支えたいと思ったのだ。2人は、

もっとおもしろいビー玉転がしにしようと、工夫を重ねていった。合体させたビー玉転がしの間をビー 玉がジャンプした瞬間、S男君の目が輝いた。S男君は、「あ、これなあ、いいな!いいな!それで さ、ここ、ジャンプするようにしてさ!間あければ」と、ビー玉転がし作りに熱中し始めた。

それでもなお、私には、S男君らしさが十分発拝されているとは思えなかった。『ぼくの私の夢の

お城』で見せた彼の姿が目に浮かぶからだ。火山のような大きなお城を作り、より本物らしく見せる

ために、細かく砕いた粘土のかけらをふりかけることを思いっいたS男君。あの時の彼は、「 ̄土、は

(3)

しい人!集まって!」と、クラスの友達に呼びかけていった。「ぼくもほしい」「すごいね。おもしろ いね」という友達の声に、満足そうな表情を浮かべ、さらに自分ならではの表現にこだわっていった。

そんなS男君ならば、きっとウッドワールドでも彼ならでは表現にこだわり、自らの納得のいくもの ができた時、たくさ〜の友達に声をかけていくだろうと私は考えていた。

確かにS男君は、心を許せるR男君たちと語り合い、自分の思いを表現しようとしている。ビー玉 転がしにも彼ならではのこだわりが見え始めてきた。しかし、どこかすっきりしない表情の彼がいる。

ついたての外で楽しむ友達のことが気になり、時々外の友達の様子を眺めているが、自分から話しか けようとはしない。私は、彼が今作っているビー玉転がしに満足していないのではないかと思った。

5.A男君のビー玉転がしに魅力を感じるS男君

2つのビー玉転がしを合体させ、もっとおもしろいビー玉転がしを作ろうと工夫していた時のこと だった。S男君が、「ちくしょう!」と言葉をもらした。2つのビー玉転がしの間をジャンプしたビー 玉が、勢いがっきすぎるために外へ飛び出してしまう。みんなを驚かせるような、難しいビー玉転が

しを作りたいのに、思うようにできない。S男君は、どうしたらいいかと考えていた。

ついたての外でもビー玉転がしを作っている子がいた。

A男君もその一人だ。道具を使うことに魅力を感じ、釘 打ちに夢中になっていたA男君は、釘を打ちながらビー 玉転がしを思いっいた。私は、ついたての中で表現を続 けるS男君に、A男君の表現を出会わせたいと思った。

ビー玉転がし作りに行き詰まっている今のS男君にとっ て、A男君の発想は刺激になるはずだ。細いかまぼこ型 の木でコー不を作っているS男君に対して、A男君は釘 を障害物にし、釘にはねかえりながらビー玉が転がる様 子を楽しんでいた。釘にぶっかったビー玉は、音を立て、

, ま コースを変えながら、ゆっくり転がっていく。ゴールし くビー玉転がしを作るA男君〉    そうでなかなかゴールしない難しさと動きのおもしろさ に、S男君は惹かれるだろうも自分たちにはない発想に出会うことは、S男君自身の発想を広げるきっ かけとなるに違いない。新たな発想に刺激を受けたS男君は、S男君ならではの、納得のいくビー玉 転がしを作ろうと、再び動き始めるはずだ。私は、S男君にA男君のことを伝えた。

T A男君がビー玉転がしできたって言ってたよ。見て来ればいいじゃん。

C ちょっと見本を…偵察してくる。

それまで、ついたての外で楽しんでいる友達を気にしながらも、自分からは話しかけようとしなかっ たS男君が、A男君の所へ歩いていった。A男君のど一玉転がしを見っめるS男君。何か言いたそう だが、言い出せずにじっとA男君のピーi玉転がしを見つめている。次の瞬間、彼が言った。「ぼくっ ちはね・‥。まだちょっと、あんまりできていないけどね・・‥。見に来て。ちょっとやっていい?」。躊 跨しながらも、A男君に話しかけるS男君の姿を見て、私は嬉しくなった。A男君は、R男君のよう に何でも言い合える存在ではない。S男君にとって、勇気のいる一言だっただろう。しかし、そんな 一言が、S男君にとって大切な一歩なのだと思った。丁難しいね」「難しいよ」と、言葉を交わしなが らビー玉転がしをする二人。そこには、ビー玉転がしを作っている者同士だからこそ通じ合う、何と も言えない空気が流れていた。S男君は、自分のビー玉転がしとは違うA男君のビー玉転がしにも魅 力を感じ、新たに発想を広げ始めていた。

6.友達と一緒に楽しみたい

ところが、最後の『チャレンジ!ウッドワールド』の時間、S男君は、ピー車転がしを作るのをや

めていた。私は、どうしたのだろうかと不思議に思った。思い通りにならない場面にぶつかっても、

(4)

R男君と席兄を交わしながら、何とかおもし′ろくしようと工夫を重ねてきたS男君。躊躇しながらも A男君に声をかけ、A男君の豆⊥玉転がしの魅力にも惹かれていたS男君。そんな彼だからこそ、もっ とおもし…ろいビー玉転がしにしたい、友達にも楽しんでもらえるようなすごいビー玉転がしを作るん だと、さ;らにこだわっていくだろうと思っていたのだ。やりたいことを途中で投げ出したように感じ

た私は、患わず、「S男君が一番やりたいことは何なんだよ」と関わった。

私は∴S男君に、最後まであきらめずにビー玉転がしを作ってほしいと思っていた。納得がいくま でビー玉転がしを作り、自分のビー玉転がしに魅力を感じると、友達への思いが強い彼ならば友達に も働きかけていこうとするだろう。そのことが彼の発想をさらに広げ、思う存分表現していく彼らし い姿があiふれ出ると考えていたからだ。S男君は、しばらく考え七から、「ボードゲ「ムか家」と答

えた。 と

S男君の傍らに目をやると、切りかけの大きな木と鋸が置いてあった。〜なかなか切ることができな いような\大きな木だった。必死になって切ろう←と試みたも、のの、彼には切ることができなかったの だろう。木であるが故の困難さを前に、彼も迷っていたのだ。「この大きな木を使えば、もっとおも

しろいど喜一玉転がしができるかも〜しれない。でも、僕にはこの木を切ることができない」。そんな思 いが、大きな木の途中まで入っている鋸の跡から伝わって′きた。硬は1自分の思いとできることの間 で悩タながら、今作っているビー玉転がしの他にも何か友達と楽しめるものはないかと、迷っていた のかもしれない。友達と楽しタたいという思いが強いからこそ、そういう迷いも生まれる。私は、彼 がビー玉転がしをあきらめたわけではないと思い、彼の思いを支えた早と考えた。

「S男君か本当にやりたいと思っていることを、最後までやってみたら?」と伝えると、S男君はし ばらく考えてから、「とれと同じように、この辺で切って」と答えた。私がS男君の言う長さに木を 切るとヾ彼は「よっしゃあ!」と言って再びど一玉転がしを作り始めた。S男君は、友達と一緒に楽

しみたいという思いと、これではみんなに楽し′んでもらえないという現実との間で、迷いながらも自 分の思いを表現しようとした。そ■の姿が、彼なりに納得がいくまで表現しようとする姿だったのだ。

うまくい:くことばかりではない。最後まで思い通りに ならず、あきらめよう′とすることもある。しかし、迷 いながらも、自分が本当にやりたいことは何なのかを 見っめたことが、彼にとっては意味のあることだった のだと思った。

友達と十緒に楽しみたい。そんな心の中にある思い がS男君を突き動かし、彼は納得がいくまで表現七よ うとしていった。R男君とアイデアを出し合いながら ビー玉転がしを工夫していったこと、思い切ってA男 君に声をかけたこと、そして、あえてビー玉転がしを やめようとしたこと。そのひとっひとっが、彼にとっ

て大切なととなのだ。そんな道筋の中で、彼は彼なら 遜恕

=甘ウ ′

轟、了、、′雷琶

き垂∴ぎ ょ聖 廟、・仙・脚、

蕊、仙川。.、&

ではの歩タで、友達への思いを強めている。      くウッドワールドで楽しむ子どもたち〉

自分の恐いを存分に表現しようとするみらい1\組の子どもたちの姿から、改めて表現とは何か考え させられた。表現す考という羊とは、どういうことなのか。一体、何がその子を突き動かしているの か。目の前に表現されてい′るものに、その子がこだわっているとは限らない。思いが強まるからこそ、

迷うこともある。表現にどんな思いが込められているのか、そこまで踏み込んでいくことが、その子

の表現を感じとらえることなのだ。表現をとらえることは、その子をまるごと感じていくことでもあ

る。だからこそ、その子の何気ない表情やためらいをも感じていく繊細さが求められる。その子が何

を見っめ、モどうして立ち止まっているのかをとらえられた時、はじめてその子を支えることもできる

だろう、。私は今、その子の思いを感じ取れるようになりたいと、強く思っ七いる。

(5)

2年1組 『チャレンジ!ウッドワールド』追究のあらまし

〔追究のあらまし〕       〔S男君の追究〕

①②         〈木 で 思 い 切 り 楽 し も う〉

T:ウッドワールドは東館でやるよ C:やった−!早く木で遊びたい

I

T:今日は木で思い切り遊んじゃおう

・R男君が一人で街を作ろうとする R男:でも、くっつけても…

T:S男君は家を作ろうとしてるんだ

③④

「R男、一緒にやろう」

l

「顔がこれ…しっばがこれ」「これ見て、改造した。鳥を改造してね…」

・R男君とやりたいことに違いがあり、どうしたらよいか考えている

  l

「じ ゃあ 、 一 緒 に作 れ ば い い じ ゃん。 チ ー ム は同 じだ け ど、 別 々 に家 を 作 る って の は ?」

「やだ、つける」

*R男君を説得しようとする姿を見て、S男君にはR男君の存在が大きい のだと思った

「ていうか、何でもいい。家か街か。何でもいい」

〈ウ ッ ド ワ ー ル ド で 楽 し も う〉

T:今日もウッドワールドを楽しもう。道具を使い たい人は道具を使ってもいいよ

T:何だこれは。いっの間にか、新し いものが出現した

T:なるほどね、その間をね。いいね T:お、いいねえ、成功

T:今日はそれで何をしようっていう の?

R男:ここはジャンプしない方がいい R男:やっぱり、トリック決めた方が いいな。そうすれば、おもしろ くなりそうじゃん

T:今日は、何するの?

⑦⑧

・A男君をはじめ、何人かがビー玉転がしを作って いる

T:向こうでも作ってるよ。ビー玉転 がし

教室の隅をついたてで囲い、R男君たちと一緒に家を作っている

「ここ。2階がここ。遊び場」「古代神殿の入口っていうのは?古代神殿 の入口」

・ビー玉転がしを作り始める

l

「これはね、こういうふうにやってね、ビー玉転がすの。板の間をね‥・」

i

・ビー玉を転がしてみる

「成功!はら、落ちないようにまわり囲んであるの。だからまわしてみる よ」

「じゃあ、まわしてやります。回転させてやると…うわあ、破壊された!

破壊された!」

「やめた。やめて、新しいのにした」

「ただねえ。ちょっと崩すよ。全部崩すよ。全部ギザギザにしよう。こう いうふうにね」

「ちょっと持ってて。ねえねえ、R男、見て。ちょっと待って、ちょっと 待って」

  l

「ち ょ っ と待 って 。 こ う し よ う 。 こ こ は ジ ャ ン プ す る よ う に す れ ば い い じ ゃ ん 」

「い や 、 ト リ ッ ク 決 め た 方 が い い 」

*R男君の言葉を遮り自分の考えを主張するS男君。自分ならではの発想 や表現にこだわるS男君らしさが見え始めたと思った

l

「回転させちゃってみれば」

「じゃあさあ、こういうのはどうかな」

「ちょっと待って。はずそう」

「ちょっと(ビー玉を)回転させてやってみよう」

「あー、おれ、へんなやつ作っちゃった。見る?」

「うん?ボードゲーム作る」

「今日は、ちょっと違うボートゲーム作る」

「ビー玉転がし?でも、ぼくのは…。先生もちょっと手伝って。これ打つ

の」

(6)

R男:できる。ぴったりサイズ T:向こうでもビー玉転がし作ってい

るけど、こんなに長いのないぞ

・P男君と0男君がビー玉転がしで盛り上がってい

T:おお!いいねえ。楽しみだね。ま た来るよ

・A男君がビー玉転がしを作り上げた

T:A男君がビー玉転がしができたっ て言ってたよ。見て来ればいいじゃ

A男:難しいんだよ A男:難しいよ

⑨⑩

T:今日が最後の日なので、ゆっくりやってね C:えー、やだ−!せめて4時間呂までやらせて!

T:ビー玉転がし、できあがった?あ きらめた?

T:で、いいの?S男君 T:それで、何するの?S男君

・S男君が切りかけた木を使ってビー 玉転がしを作ろうとする

T:何やりたいんだよ。S男君が一番 やりたいことは、何なんだよ

T:S男君が本当にやりたいと思って いることを、最後までやってみた ら?

・S男君の言う長さに木を切って渡す

T:それでは時間です。片づけた人から教室に戻ろ

・自分のビー玉転がしとR男君のビー玉転がしを合体させようとしてい

「ちょうどぴったりサイズだ。おお、R男、合体できるかも。これ」

l

「ガシャーン!」

・2つのビー玉転がしの間を、ビー玉がジャンプして転がっていった

「あ、これなあ、いいな!それでさ、ここ、ジャンプするようにしてさ!

問あければ」

「ちょっと待って、これ、やってみるよ。行きま−す…おお!」

「スリル満点。ジャンプしたね、ここがね…」

「うん、おりゃ−!」

・2つのビー玉転がしの間をジャンプしたビー玉が外へ飛び出してしま

「ちくしょう!」

「ちょっと見本を・‥偵察して来る」

・A男君のビー玉転がしを見ている。何か言いたそうだが、言い出せず に見ている

「ぼ く っ ち は ね … 。 ま だ ち ょ っ と 、 あ ん ま り で き て い な い け ど ね … 。 見 に 来 て 。 ち ょ っ と や っ て い い ? 」  l

・A男君のビー玉転がしをやってみる

「おお、難しい」

「難しいね」

*A男君と言葉を交わしながらビー玉転がしをするS男君の表情は嬉し そうだった

・S男君が家を作っている

「あきらめた」

「うん」

「家作る。家」

「あ、やっぱ使う。だから、そこ切って」

i−

「ボードゲームか家」

*なかなか切ることができないような、大きな木だった。木であるが故 の困難さを前に、彼もまた迷っていたのだろう

l

「これと同じように、この辺で切って」

l

「よっしゃあ!」

・再びビー玉転がしを作り始める

i

「おいしょ−!」

*S男君は再びビー玉転がし作りに熱中し始めた。思いが強まるからこ

そ、迷ったり、あきらめたりすることもある。そうしながら自分の思

いを見っめたことに意味があるのだと思った

参照

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