本 邦産 ア マ ダイ属 魚 類 に関 す る研 究
II.ア カ ア マ ダ イ の 産 卵 期 に 就 い て*
入 江 春 彦
Studies on "amadai" (Gen. Branchiostegus) of Japan II. Spawning season of "aka-amadai"
Haruhiko IRIE
Samples were collected at Sasebo Fish-marcket from June 1953 to February 1954. In June, ova-diameter in maximum(dx) was less than 0.20mm and gonad- index in average (GIm) was 0.85. From September to December, dx=0.68-0.72 mm, and GIm =2.19 (Sept.), 2.18 (Oct.), 3.52 (Nov.-max.) and 2.02 (Dec.). In January and February, dx=0.14~0.18mm, and GIm=0.60~0.70.
6
1.緒
平松1)は肥満度及び肉眼的判定による卵巣熟度から, シロアマダイを除く以西漁場産の アマダイ類の産卵期を 7' " " ' ‑ ' 1 2 月の間と推定している.著者ば笠原 2) 及び笠原,伊東町がサ ンマ,サパ等について指摘しているところに従って,前報 4) で述べている外部形質による 直観的識別基準に基いて識別した佐世保魚市場陸揚げの以西漁場産のアカアマダイについ て,卵巣中の卵径と卵数との関係及び体長と生殖腺指数(生殖腺重量/体長:J x10000) りと の関係から以西漁場産のアカアマダイの産卵期の推定を行った.
2 . 試 料
計測に用いた試料は 1 9 5 3 年 6 月から 1 9 5 4 年 2 月迄の間の雄 6 1 尾,雌 2 5 1 尾であるが,
7 及び 8 月には佐世保魚市場にアマダイ類の陸揚げ、がほとんど無かったので, 此の間の試 料は得られなかった.体長範囲は雄 4 1 1
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Tab. 1 . Samples measured.
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本本稿は昭和 2 9 年度日本水産学会九州支部秋期大会(1 954 年 1 1 月 5日,於熊本県富岡町)に於い
て口述したものを補正したものである.
入江春彦一本邦産アマダイ属魚類に関する研究 7
3.生殖腺指数と体長,
生殖腺指数と体長との関係を見る』と,雌の場合は6月に0・9附近に集中的であったのが9 月には著しく大となり,10月もこれとほぼ等しく,11月には更に大となって最大値に達 し,12月には再び小となって9〜10月頃と同程度になり,1〜2月には急激に小どなっ ている.雄は計測尾数が少く,叉雌に比して指数が小いので明瞭ではないが,11〜12月 に大となる傾向はうかがわれる(Figs.1&2, Tab.2.).
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Relation between body−length (1) and gonad−index (GI)
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Tab. 2. Monthly average of the gonad−index
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Fig. 2. Gonad−indek in monthly average (Glm)
VI
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XI XII
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Glm
0.85土0.27 2.19=ヒ0.76 2.18土0.53 3.52士 1.28 2.02 ± Q.85 0.60士O.16 0.70 ± O.18
Magnitude of SD. (%)
25462763323422
4. PヲPi数と,卵径
各月の試料から体長で約5mm間隔に8〜14個体抽出し,それ等の卵巣をBoulN氏
液で約1ケ月間固定した後解体し,ユ00cc.の水中に均等に分布させ,スチンペル・ピペッ
トでその0.5cc.を取り,顕微鏡下に計数板上で卵数及び卵径を計測し,各個体の最大卵径
の分布状態を見た。
8 長崎大学水産学部研究報告 第3号
6月には真円形のものはほとんど無く,多くは楕円形叉は西洋梨形で,卵円も0.20mm 以下であったものが,9〜12月には熟牛耳はそれに近いと思われる真円形の卵を持つ個体 が多く現われ,卵径も0.68〜0.72mmとなる.その分布の幅は9月にはまだ比較的広いが,
10〜11月には漸次狭くなり,11月に最も狭く,12月には再び広く,9月よりもむしろ広く なっている■.、1〜2月には真円形のものは再び全く見ちれなくなり,卵径も0・14〜0・18mm でほぼ6月と等しくなっている(Fig.3.).
前述の抽出個体について各月分を平均して,不整形の卵径0.108mm以下のものを除き,
それぞれ卵数(%)と卵径との関係をとって見ると,各月共に0.108mm以下の不整形未 熟卵が圧倒的に多いが,6月及び1〜2月にはその分布の幅は狭く.,9〜12月には著しく 広くなり,その間にいくつかの小さな山が見られる(Fig.4.).
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NvnBER oF SAnPLEs Fig. 3. Distribution of ova−diameter in maximum of selected samples in intervals of 5mm in body−
length.
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