2019 年度後期 化学反応論 第 12 回「溶液反応の解析」 復習問題 解答例
1. 電解質を含む溶液中で、イオン性物質同士の反応速度が、電解質のイオン強度によって影 響を受けること。反応物と遷移状態のイオン雰囲気による安定化が異なるために起きる。
2. 二次反応が起きるためには反応物同士が出会うことが必要だが、溶液中では出会いの速度 が拡散律速速度を越えることはないため。
3. プロトン性極性溶媒>非プロトン性極性溶媒>非極性溶媒。出発物質の分極は弱いため、
強く分極した遷移状態をより安定化する溶媒中で反応は速く進む。非極性溶媒はカチオ ン・アニオンのどちらも安定化できない。非プロトン性極性溶媒はカチオンを安定化する がアニオンは安定化できない。極性溶媒はカチオン・アニオンのどちらも安定化する。従 って、上の順序となる。
4. 傾きは –2.03 。これを 2Az+z– に等しいとおき、
A = 0.509 を使うと z+z– = –1.99 となる。これは
z+ = 2, z– = –1 と一致する。従って、この反応の
律速段階には[Co(NH3)5Br]2+ と HO– が両方関与 していると考えるのが妥当である。
5. (1) kd = 8•(8.31 J mol–1 K–1)•303 K/(3•(3.93×10–4 Pa•s)) = 1.71×107 m3 mol–1 s–1 = 1.71×1010 L mol–1 s–1 (2) 反応速度定数が (1) で見積もった kdと同程度である。もし拡散 律速でなければ、「拡散よりも遅い反応」が律速段階となるので、反応速度定数は kd より ずっと小さくなるはずである。よって、この反応は拡散律速であると言える。